千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜

22話 The draw a dream

作者 REN’sJackson

ー千刃花（センジンカ）〜帝国特務戦闘部隊（テイコクトクムセントウブタイ）〜ー

煉獄（レンゴク） 冥府（ゲヘナ）大監獄（プリズン）篇

Season（シーズン）5（ファイブ）

The draw （ザ ドロー） a dream （アドリーム）

ラミオラス帝国軍 十鬼槍（ジッキソウ）

冥王軍団長 ソープワイトにさらわれた

二刃花隊（ニジンカタイ）隊長キキョウの救出と

ラミオラス帝国領土にあるヘダで

消息を絶った三刃花隊（サンジンカタイ）隊長ジニアの捜索（ソウサク）任務の為

一刃花隊（イチジンカタイ）隊長ツバキ、副隊長ジジ

六刃花隊（ロクジンカタイ）副隊長リナリア

二刃花隊（ニジンカタイ）副隊長チョウランは

一刃花隊（イチジンカタイ）専用 飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）悶々雅・A（モモンガ・アー）へ乗り

六刃花隊（ロクジンカタイ）隊長アキレイ

八刃花隊（ハチジンカタイ）隊長ラナンキュラスは

亜那魂蛇I（アナコンダワン）へ乗り

ラミオラス帝国国境付近にあるゼナンへと

向かっていた。

当初の予定ではゼナンから

ラミオラス帝国へと入国する予定だったが

ラミオラス帝国軍 黒薔薇（クロバラ）隊士

リカブの策略にハマり悶々雅・A（モモンガ・アー）は墜落してしまった。

ラナンキュラスとアキレイの活躍により

リカブを追い詰めたその時、リカブの首が突然ねじれ

切り落とされた。

ーーそして現在ーー

ラナンキュラス

「なん、、だと、、」

アキレイ

「これは！！！」

ズズズッと空間が歪（ユガ）んでいる箇所から

手がでていた。そして次の瞬間

ツバキ達が出て来た。

ジジ

「ッテェな！！！

しがみつくんじゃねーよ！」

チョウラン

「ダダダダだってぇーー！！！！

急にツバキ隊長が！！！！！」

リナリア

「チョウラン！！

恥ずかしいから騒がないでよ！ったく。」

ツバキ

「敵か？」

チョウラン

「えーーー！！！

敵かどうかも分からないのに

殺しちゃったんですかーー！！！！！

コッッッッワッッッッ！！！！」

ジジ

「どう見ても敵で間違いねーだろうが。

おい！！つぅか離れろ、、よ！！！」

ジジはチョウランを突き飛ばした。

チョウラン

「痛ーい！！！！

バイオレンス過ぎますよぉお

本当、一刃花隊（イチジンカタイ）に配属されなくてよかったぁあ！！！

最高だぜ！！六刃花隊（ロクジンカタイ）！！！」

リナリア（棒読みで）

「卸問屋（オロシトンヤ）の息子じゃ

一刃花隊（イチジンカタイ）には入れないわよーチョウラン」

ジジ

「例えテメェが貴族だったとしてもゼッテェいれねーよ！

もし、奇跡的に間違いが起こって

仮に入隊してもコキ使ってやるからな！！」

リナリア

「良かったわねぇ。ウチで。」

チョウラン

「はぁ。きっとジュース買ってこいとか

パン買ってこいとか弁当よこせとか

そんな事ばかり言ってくるんだろーなぁ、、

そして挙句（アゲク）のさんぱちには

おい！チョウラン！！髪伸ばさねぇと殺すぞ！

とか言われるんだろうな、、、。

想像するだけで、、キューティクルが煌（キラ）めきそう。」

ジジ

「あ"ん！？」

リナリア

「心の声漏れてるって！！チョウラン！！！」

ツバキ

「髪は伸ばさなくとも良（ヨ）い。」

チョウラン

「え！？僕何も言ってないですよ！！」

ジジ

「あ"ん！？」

チョウラン

「ヒィ！！

生まれ変わったら

是非とも舎弟にしてください！！」

ラナンキュラス

「た、、楽しそうだね、、」

アキレイ

「はぁ。。チョウラン、、」

ラナンキュラス

「無事で、、何よりだね。でも今は、、」

アキレイ

「そうだな。まずはここを切り抜け無ければ。」

悶々雅・A（モモンガ・アー）が墜落し

ツバキの能力により亜那魂蛇I（アナコンダワン）へと

移ってきたツバキ達

そしてその周りにはラミオラス帝国の飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）で

溢れ銃口を向けられていた。

ツバキ

「少し時間を稼ぐ」

『剋刃（ゴクハ）四十一（シジュウイチ）•五角（ゴカク）羅生門（ラショウモン）』

ラナンキュラス

「アキレイ！！」

アキレイ

「いいのか？」

ツバキ

「なっ、！！」

アキレイ

『剋刃（ゴクハ）四十一（シジュウイチ）•五角（ゴカク）羅生門（ラショウモン）』

ラナンキュラス

『剋刃（ゴクハ）四十一（シジュウイチ）•五角（ゴカク）羅生門（ラショウモン）』

ツバキ

「何をーー」

ラナンキュラス（被せ気味に）

「フフッ。ごめんねーツバキ。

複合合成（フクゴウゴウセイ）刃術（ジンジュツ）！！」

『剋刃（ゴクハ） 百二十八（ヒャクニジュウハチ）•

大生門（ダイショウモン） 羅刹無間堂（ラセツムケンドウ）！！』

ツバキが詠唱すると

ラナンキュラスとアキレイは

それに合わせるかのように同じ刃術（ジンジュツ）を

発動させた。

すると、五角形の障壁（ショウヘキ）が

みるみる繋がり一つの球体になると

亜那魂蛇I（アナコンダワン）を覆った。

ツバキ

「なんの真似だ。」

複合合成（フクゴウゴウセイ）刃術（ジンジュツ）とは

刃術（ジンジュツ）を合体させて発動する

超高等（チョウコウトウ）刃術（ジンジュツ）

複合（フクゴウ）する側が超緻密（チョウチミツ）な

刃術（ジンジュツ）コントロールが

出来なければ成功する事はまずない。

ラナンキュラスは天性の刃術（ジンジュツ）コントロールで

アキレイとツバキの刃術（ジンジュツ）を均等に合わせ

無理やり調整し

複合させることにより成功させていた。

リナリア

「すごい、、、

複合合成（フクゴウゴウセイ）刃術（ジンジュツ）なんて

初めて見た、、しかも、、三種を一気に、、

さすがラナンキュラス隊長！！」

チョウラン

「合わせる気ないツバキ隊長の刃術（ジンジュツ）を

無理やり合わせるなんて、、、

なんて、、コミュ力！！！

あっ違った！！

なんて、、刃術（ジンジュツ）コントロール！！！」

ジジ

「プハハッ！！してやられたな！義忠（ヨシタダ）！！」

一刃花隊（イチジンカタイ）隊長であるツバキは

他隊との連携や合同作業を

極端に嫌っていた。

ましてや複合合成（フクゴウゴウセイ）刃術（ジンジュツ）など

以（モッ）ての外（ホカ）だった。

ラナンキュラス

「相変わらずの刃汽（ジンキ）量だねツバキ

合わせるのが大変だったよ。」

アキレイ

「こっちの方が安全だ。」

ツバキ

「ふざけるな」

ジジ

「いーじゃねーか。

結果的にこっちの方が好都合だろ？」

ツバキ

「好かぬ。

無断で私の刃術（ジンジュツ）を複合するなど

言語道断。」

ラナンキュラス

「まぁまぁそんな事言わずに

昔みたいに仲良くしようよ」

ツバキ

「くだらぬ。」

アキレイ

「変わってねーな。

そう言うところはよ。」

ツバキ

「黙れ」

ジジ

「ついでに片付けてくれよ

このきったねーの」

ジジがそう言って指差したのは

リカブの死体だった。

ラナンキュラス

「そうだねぇ。

この死体を跡形もなく綺麗にするなら、、

ツバキがやった方がいんじゃない？？

得意でしょ？？？」

ツバキ

「何故だ。」

ラナンキュラス

「またまたぁ

よく昔は証拠隠（ショウコイン）めーー」

ツバキ（被せ気味に）

『剋刃（ゴクハ）の十九（ジュウキュウ）•嚴吸（ゴンズイ）』

ツバキが手をかざすと

リカブの死体とその血が何処かに吸い取られ

跡形もなく消えてしまった。

ジジ

「ウチの隊長を脅すたぁ

喧嘩売ってんのか？ラナンキュラス」

ラナンキュラス

「まさか。

ツバキならできると思っただけだよ。」

アキレイ

「クリーニング代が浮いたな。」

ツバキ

『剋刃（ゴクハ）の十九（ジュウキ）ーーー』

ラナンキュラス（被せ気味に）

「ちょっ！ツバキ！！戻さなくていいって！」

ジジ

「戻せ戻せ！義忠（ヨシタダ）」

するとチョウランはこっそり

リナリアの耳元で囁いた。

チョウラン（小声で）

「リナリアさんリナリアさん

隊長達って仲良いんですか？」

リナリア

「うーん。仲は、、、良いんじゃない？」

アキレイ

「良かったじゃないかツバキ。

俺からクリーニング代請求されなくて」

ラナンキュラス

「そうだね。ツバキが汚したからね。」

ジジ

「おめーらが苦戦してたから

義忠（ヨシタダ）が助けてやったんだろ？」

ラナンキュラス

「苦戦？？苦戦してるように見えたのかい？

どうやらツバキ達はあの程度の敵を

強敵だと思ってるみたいだね。」

アキレイ

「仕方ない。片付けてはくれたが

クリーニング代は請求しておこう。」

ジジ

「殺すぞ、テメェら」

ツバキ

「貴公らも同じく消してやろう」

チョウラン（小声で）

「え？仲良いん、、ですか？」

リナリア（あきれながら）

「、、、、多分」

するとドドドと轟音が鳴り響いた。

ジジ

「始まったな。」

チョウラン

「ぎゃーー！！」

ツバキ

「、、進路はどうなる。」

リナリア

「今ここは国境を越えたばかりです。」

ツバキ

「なるほど。

このままヘダにはどう行くのだ。」

アキレイ

「少し進路は外れてるが戻せるだろう。」

ラナンキュラス

「そうだけど、外に何機いると思ってる？」

ジジ

「まっ、、、ザッと見て、、50機か、、、」

ラナンキュラス

「僕が出ようか？？」

アキレイ

「無理だ。天賦鳳倫（テンプホウリン）は

一日一度が限度だろ？」

ジジ

「天賦鳳倫（テンプホウリン）使ったのかよ。」

ツバキ

「この状況だ。やむを得まい。」

アキレイ

「解放するつもりだったんだがな」

リナリア

「本当、解放しないでね！！

壊れたら墜落するわよ！！！！」

チョウラン

「天賦鳳倫（テンプホウリン）！？

見たかったなーー！！！！！

カッコ良いんだろーな！！！

一度ぐらい言ってみようかな、、

あっ、、でも修行してないから使えないや。」

アキレイ

「解放はしないさ。でも違った意味で

解放することはできる。」

ジジ

「なるほどな。金を出した甲斐があったぜ。」

ラナンキュラス

「遂に、、だね。アキレイ」

ツバキ

「何をする気だ」

リナリア

「え？まさか？？

え！？待って待って待って！！」

アキレイ

「まずはーーーー」

ーー5分後ーーー

チョウラン

「えー！！！！！！

なんで僕は外に出されてるのォォォォォ！！！」

リナリア

「えー？風で聞こえない！！！！」

ジジ

「うるせぇよ！！！」

チョウランとジジとリナリアは

亜那魂蛇I（アナコンダワン）のハッチを開け立っていた。

チョウラン

「飛ばされますよぉぉ！！！」

リナリア

「バカ！！剋刃（ゴクハ）で身体を

重たくしたでしょ！」

チョウラン

「あっ、そっか。」

ジジ

「ったく騒がしいんだよ！！」

ハッチを開けた先には

ラミオラス帝国軍の飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）が

待ち構え亜那魂蛇I（アナコンダワン）に向かって

攻撃していた。

ラナンキュラス達の複合合成（フクゴウゴウセイ）刃術（ジンジュツ）

羅刹無間堂（ラセツムケンドウ）により

攻撃は通らなかったが壊れるのも

時間の問題であった。

リナリア

「兄さん達は今、手を離せない！！！

だから私達で時間を稼ぐのよ！！」

チョウラン

「分かってますけどォォオ！！！」

ジジ

「テメェ！！分かってんだろうな？

しっかり守れよ！！！

一発でも当たったら殺すからな！！」

チョウラン

「ヒッ、、ヒィ！！！！」

リナリア

「攻撃は私とジジでやるから！！！

しっかりね！！」

チョウラン

「いや、オートだし、、、」

ジジ

「グズグス言ってんな！！

行くぜおめーら！！！」

『滅刃（メツハ）の一（イチ） •刀（トウ）』

『滅刃（メツハ）の三（サン） •波（ナミ）雷（イカヅチ）』

『形状変化！！解放！！』

チョウラン

『滅刃（メツハ）の一（イチ） •刀（トウ）』

『滅刃（メツハ）の四（ヨン） •砂珪（スナダマ）』

『形状変化、、解放！！』

リナリア

『滅刃（メツハ）の一（イチ） •刀（トウ）』

『滅刃（メツハ）の五（ゴ） •氷舞染（ヒマイゼン）』

『形状変化！！解放！！』

ジジ

『喰い散らかせ！！嘲獸機関銃（イサコンタニア）！！』

チョウラン

『飛び絶（タ）て！！断鴉（コトワリガラス）！！」

リナリア

『凍て殺せ（イテコロセ）、、、白ノ雪秘（シラノユキヒメ）！！』

ジジ

「ぶっ殺してやるよ」

ジジは紫色の雷（イカヅチ）が迸（ホトバシ）る重機関銃に

刃術（ジンジュツ）の刀を形状変化させ

標的である飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）に

銃口を向けていた。

チョウラン

「えーー！！！近代的！！！

ジジさんの形状変化カッコイイ！！！

貸してくださーい！！！」

ジジ

「貸す？貸すってなんだ！？

そんなこと言うバカ聞いたことねーぞ！！」

チョウラン

「えーーーー！！！

凄い強そうなのにぃーー」

チョウランは鈍（ニブ）く輝くガラスの翼（ツバサ）を

羽ばたかせながら ふてくされていた。

リナリア

「ジジは火力重視なのよねー？

威力だけならダンデライさん以上よ。

火力に重点置きすぎて

機動力に欠けるんだよね。

見てるだけで重そうだもん。

でも。今ならちょうど良いんじゃない？？」

リナリアは半透明で美しい氷の弓を携（タズサ）え

ジジを横目に見ながら言うと

ジジはニッと笑い、嘲獸機関銃（イサコンタニア）を構えた。

ジジ

「うるせぇよ。

ぶっ殺してなんぼだろ。

リナリア。俺から行く。

しっかり守れよチョウラン。」

チョウラン

「任せてください！！！」

リナリア

「形状変化って

ネーミングも能力も性格でるのよねー。

チョウランの形状変化は

守ると逃げるが同時にできるのよ？」

チョウラン

「リ、リナリアさーん！！

逃げるって！！！

そんなことないですよー！！！！！

やっべっ！！めっちゃバレてる！！」

ジジ

「まんまじゃねーか」

チョウラン

「心読まれてたーー！！！！」

リナリア

「いや、だだ漏れなんだって。」

ジジ

「おい！！来るぜ！！」

リナリア

「さぁ！！！！羅刹無間堂（ラセツムケンドウ）が

解かれるわよ！！！」

チョウラン

「僕だってやるときはやれますから！

見ててください！！！

『剋刃（ゴクハ）の十二（ジュウニ）• 絶追（ゼッツイ）』

「角度、空間、速度、威力、範囲、各種演算処理完了！！！

よしっ！！！プログラムOK！！！！！

全自動防御壁（オートプロテクト）起動ォォオ！！」

チョウラン

『鴉合ノ衆（システーマ•カラス）！！！！！』

ジジ

「黒い、、砂、、羽、、いやこれは硝子（ガラス）、、

なんだこれ。黒い砂の破片をばら撒くだけかよ！！」

チョウラン

「基本的にはそんな感じです！！！」

ジジ

「自信もって言うんじゃねえ！！

下がってろバカが！！！！パシン（手の叩く音）」

チョウラン

「イテっ！！ひどいですよぉーーって

へ、へ、へ、、ヘックション！！ぉお！！

あれ、、、なんか寒い、、寒っ！！！！

リナリアさんの隣にいると風邪ひいちゃいますよ！

もう少し刃汽（ジンキ）抑えてくださいよぉ！」

リナリア

「フフッ。風邪ひくどころか

凍るわよ？チョウラン？？」

チョウラン

「凍らせないでー！！！」

ジジ

「おい。お前ら。

全然、撃ってこねーなアイツらよ。

なめてんのか？？」

チョウラン

「いや、それはーー」

ジジ（被せ気味に）

「だったら、こっちからいくぜ！」

ジジはそう言いながら一歩前に踏み出すと

冷めた目つきで呟いた。

ジジ

「なかなか俺らが しぶとくて腹も減ったろ。

俺のおごりだ。たらふく食べな。

おかわりは自由、、だぜ！！！！」

『滅刃（メツハ）の十四（ジュウシ）•彈鋼弾（ダンコウダン）』

「装填（ソウテン）！！！！」

ジジ

『地獄の沙汰は（ヘルティング•）弾次第（ファイア）』

ジジは雷（イカヅチ）を帯びた嘲獸機関銃（イサコンタニア）に対し

更に刃術（ジンジュツ）を重ねた。

すると鋼鉄の弾が

次々と嘲獸機関銃（イサコンタニア）から

連射され飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）を

撃ち落としていった。

ジジ

「ウォォォォオ！！！！！！」

ドドドドドドドドと

銃声が鳴り響く。

リナリア

「ナイス！！ジジ！！

私も負けてらんないわ！！

チョウラン！！足場！！！」

チョウラン

「分かりました！！」

チョウランは翼を羽ばたかせると

黒いガラスの足場を作った。

リナリア

『滅刃（メツハ） 二十三（ニジュウサン）•乱氷華（ランピョウゲ）！！』

「ウフフッ。もともと空気が冷たい空中に

私がいたことを後悔するのね」

リナリア

『悲劇（ヒゲキ）•氷劇と氷撃（グリムソワール）！！』

リナリアは氷の弓に刃術（ジンジュツ）を重ねて

大きな青白い矢を作り上げた。

すると周りの空気が凍り付いていく。

空中の温度が低いせいか

氷結作用はグングンと広がっていき

リナリアが矢を放った瞬間

一瞬で空気中の水分が凍り付いた。

そして次々と飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）が

墜落していった。

チョウラン（震えながら）

「わぁー。氷雪（ヒョウセツ）系統って

滅刃（メツハ）の中でも特殊だから

難しいんだよなーーー。

リナリアさんって凄いなーー

ジジさんも2人とも、、凄いや、、ヘックション！！」

チョウランは奥歯をガタガタと震わせながら

リナリアの放った矢とジジが撃ち落とすのを見ていた。

ジジ

「おい！テメェ！！仕事しろよ！！」

ジジは連射しながら叫んでいたが

チョウランはポカンとしていた。

チョウラン

「え？してますよ？」

ジジ

「はぁ！？

どこがだよ！！！」

チョウラン

「見てくださいよぉ！」

チョウランがジジの身体を指差した。

ジジ

「なんだよ！！」

チョウラン

「これだけ話ししてても

さっきから銃弾も当たらないでしょ？」

ジジ

「おめぇ何いっ、、本当だ。

なんだ、、これ、、

黒い、、硝子（ガラス）、、」

チョウラン

「そうです！！これが僕の形状変化なんです。

あらかじめプログラムした刃術（ジンジュツ）を

組み合わせて作ったんですよ！？」

ジジ

「複合（フクゴウ）刃術（ジンジュツ）の応用、、

そんなこと出来んのかよ。」

チョウラン

「ジジさん！！

僕は伊達（ダテ）にゲームしてないですからね！

給料のほとんどを課金してる僕を甘く見ないで下さい！！」

ジジ

「はぁ？」

チョウラン

「ジジさん。

ゲームを極めるものは刃術（ジンジュツ）を極める！！

この発想はゲームのプログラムからインスパイアを受けて

刃術（ジンジュツ）に応用したんです！！

決められた空間、範囲、速度、角度これらに

一つずつ形状変化をつけていくとですね、、ほら。」

ジジとリナリアの攻撃の隙間を縫いながら

遠くの方で敵の攻撃を硝子（ガラス）の欠片（カケラ）が密集したり

壁を作ったりと様々な形に変化しながら防いでいた。

ジジ

「なっ、、」

リナリア

「フフっ。ジジ。凄いでしょ？？

チョウランが副隊長に選ばれた理由がわかった？」

ジジ

「後で殺す。」

チョウラン

「えーーー！！！！！！！」

ーーツバキサイドーー

亜那魂蛇I（アナコンダワン）コックピット

ツバキ

「それで。

何故、私が貴公らといる」

アキレイ

「鞘花（ショウカ）の刃汽（ジンキ）が

ありったけ必要なんだ。」

ラナンキュラス

「早くしないとリナリー達が危ないからね」

ツバキ

「、、、何をする気だ。」

アキレイ

「男のロマンさ。」

ラナンキュラス

「誰もが憧れるね！」

ツバキ

「くだらん。さっさとしろ。」

アキレイはコックピットに座り

ボタンを押すと後部座席の椅子を出した。

アキレイ

「2人とも座っとけよ。

始まった瞬間に刃汽（ジンキ）を

沢山持ってかれるからな。」

ラナンキュラス

「え？リナリー達は大丈夫なの？」

アキレイ

「心配はいらん。

座ってる者しか刃汽（ジンキ）は吸われん。」

ツバキ

「つまり我等がエンジンというわけか。」

ラナンキュラス

「アキレイ、、試したことあるの？」

アキレイ

「実戦は初めてだ。一応、計算では

鞘花（ショウカ）1人の刃汽（ジンキ）量だと

活動が5分。しかし今は3人。

15分でここを切り抜けてヘダに一直線で向かう。」

ツバキ

「やれ。」

ラナンキュラス

「さぁアキレイ！！」

アキレイ

「ぁあ！！」

『亜那魂蛇I（アナコンダワン）！！！

幻装形態（ワンダーモード）起動！！！』

亜那魂蛇I（アナコンダワン）機内にて

警告音が鳴り機体が激しく揺れ動く。

ーーリナリアサイドーー

リナリア

「始まったみたいね！！」

チョウラン

「これ以上は危険です！！

ハッチを閉めます！！！！」

ジジ

「分かった！！

すぐコックピットへ向かうぞ！！！！」

チョウラン

「分かりました！！先に行って待ってまーー」

ーーアキレイサイドーー

コックピットを中心に機体が次々と

変化していく。

その瞬間、アキレイは

数年前の少年ワンダビーを思い出していた。

アキレイ（心の声）

（（遂に、、やるぞ。ワンダビー！！

これが俺とお前の夢の形だ！！！））

アキレイ

「幻装魔神（ゲンソウマジン）•亜那魂蛇（アナコンダ）！！！」

ツバキ

「これは、、」

ラナンキュラス

「思った以上に凄いね。」

すると突然、コックピットの扉が開いた。

ジジ

「あっぶねー！！！！！

変形してから全然時間ねぇじゃねぇかよ！！」

リナリア

「チョウランの断鴉（コトワリガラス）の翼で

飛ばなきゃ振り落とされてたんだけど！！

兄さん！！タイミング全然合ってないじゃない！」

チョウラン

「お、、重い、、、」

リナリア

「なんですって？」

チョウラン

「もう、、手が、、」

翼を羽ばたかせながら

チョウランは抱えたジジとリナリアを

ドスンと落とした。

ジジ

「イッテェな！！！」

リナリア

「チョウラン！！

下ろすなら下ろすって言いなさいよ！！」

チョウラン

「そんなぁ！！

急に2人がしがみつくから運んだのに！！」

ジジ

「そりゃぁテメェが

いの一番に逃げようとするからだろうが！！！

こっちは剋刃（ゴクハ）で身体を重くしてんのによ！」

リナリア

「本当、断鴉（コトワリガラス）の逃げ足は

千刃花（センジンカ）で一番よね！！」

チョウラン

「逃げてません！！撤退です！！」

ジジ

「同じじゃねぇか！！パシン（手の叩く音）」

チョウラン

「ドメスティックバイオレンス！！！」

リナリア

「ったく。

で？兄さんどうするの？」

アキレイ

「見てろ。」

ラナンキュラス

「武器とかあるのかい？」

アキレイ

「無い！！」

ジジ

「無いのかよ！！」

ツバキ

「どう戦う」

アキレイ

「素手だ！！」

リナリア

「嘘でしょ！？ロボットなのに！？」

アキレイ

「まぁ見てろ！！

ツバキ！！ラナン！！！刃汽（ジンキ）を

貰ってくぜ！！！」

アキレイはハンドルを握ると

カーチェイスのように

グルグルとハンドルを切り始めた。

アキレイ

「ウォォォォオ！！！！！」

すると次々とラミオラス帝国軍の飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）を

叩き落としていく。

チョウラン

「カッコイイ！！！！」

リナリア

「兄さん！！3時の方向！！！」

アキレイ

「分かってる！！」

ジジ

「後ろだ！！！」

アキレイ

「オーケー！！！」

ツバキ

「炎は出せぬのか。」

アキレイ

「解放すればな！！！」

リナリア

「それはダメ！！」

ラナンキュラス

「ちょっと、、刃汽（ジンキ）の吸い方が

尋常（ジンジョウ）じゃない、、ね」

リナリア

「ラナンキュラス隊長、、大丈夫ですか？」

ラナンキュラス

「リナリー、、大丈夫、、さ、、

ダメだよ、、この椅子に触れたら

鞘花（ショウカ）の僕でも、、危（アヤ）うい、、」

ジジ

「義忠（ヨシタダ）、平気か？」

ツバキ

「問題ない。」

チョウラン

「アキレイ隊長！！、、は、、平気そうですね！」

アキレイ

「当たり前だ！！

先にラナンの刃汽（ジンキ）から

消費させているからな！！

ラナンが尽きたらツバキだ！」

ツバキ

「貴様、、、」

ラナンキュラス

「アハハ、、笑えないよ、、アキレイ」

アキレイ

「心配するな！これでもハイブリッドの低燃費だ！」

チョウラン

「環境に優しい！！！！

流石です！！アキレイ隊長！！！」

ツバキ

「黙れ。」

チョウラン

「ご、ごめんなさい！！！」

アキレイ達が話してる間に

飛行戦闘魔進（ヒコウセントウマシン）は

全て叩き落とされていた。

チョウラン

「凄いです！！アキレイ隊長！！！」

ジジ

「でも改善余地はあるな。」

ツバキ

「、、そうだな。」

チョウラン

「武器を持たせましょうよ！！

ビームサーベルとか！！」

リナリア

「そんな予算無いわよ！！」

ジジ

「プラムに相談して

ルシファンブルク家で工面（クメン）しよう。」

リナリア

「ちょっ、、プラムさんに迷惑でしょ！！」

アキレイ

「兵器として改造するなら国家予算だぞ？」

ジジ

「問題ないさ。お釣りが来る。

な？義忠（ヨシタダ）」

ツバキ

「まずは名を悶々雅・A（モモンガ・アー）に変更する措置からだ。」

ジジ

「いやなんでだよ。」

ツバキ

「紅大蛇（クレナイオロチ）から取った蛇では好かぬ。」

リナリア

「ツバキ隊長がつけた名前でしたね、、

悶々雅・A（モモンガ・アー）って、、」

チョウラン

「えー！！命名権は隊長しかないから

僕の案は通らないだろうけど、、、

二刃花隊（ニジンカタイ）は闇龍王（ダークドラゴン）って

名付けたいなー！！」

ツバキ

「ふざけるな。チョウラン。

もっとマシな名を考えろ。」

チョウラン

「えーー！！！！

壮大なブーメランきたぁーーーーー！！！

悶々雅・A（モモンガ・アー）よりはーー」

ジジ（被せ気味に）

「おい、チョウラン」

チョウラン

「は、はい！！」

ジジ

「殺すぞ」

チョウラン

「はい！！悶々雅・A（モモンガ・アー）にします！！」

リナリア

「そもそもキキちゃんに相談してね。

っていうか！そんな話しは帰ってからして！！」

アキレイ

「次の千刃会議（センジンカイギ）の議題は決まりだな。」

ラナンキュラス

「みんな、、本気かい？」

アキレイ

「さぁ、、片付けた。

援軍に来られる前に

飛行モードに戻るぞ。

ラナン、ツバキ、、もう離れてもいい。

刃汽（ジンキ）は存分に貰った。

ステルスモードに切り替える」

そういうとアキレイは

ボタンを押し亜那魂蛇I（アナコンダワン）に戻した。

ーー1時間後ーー

ラミオラス帝国上空

ツバキ

「行き先はもう見えてるな。」

ツバキが窓の外を見ながら呟いた。

ジジ

「そうだな。あれがそうか、、」

リナリア

「ジニア隊長の消息が途絶えた所、、、」

チョウラン

「遂にきちゃったよ、、、

凄い、、所ですね、、」

ジジ

「これ以上は近づくなアキレイ。

機体がやられるぞ」

ラナンキュラス

「溶けちゃったら大変だからね。」

アキレイ

「分かってる。

準備はいいか？

少し離れた所に着陸するぞ！！」

ジジ

「そうだな。

見た感じ誰もいる気配はない。

にしても、、悍（オゾマ）しい所だ。」

一同は息を飲んで亜那魂蛇I（アナコンダワン）の窓から外の景色を見下ろした。

ラナンキュラス

「これが、、黒子宮門（ドラゴヴァキア）」

ー千刃花（センジンカ）〜帝国特務戦闘部隊（テイコクトクムセントウブタイ）〜ー

煉獄（レンゴク） 冥府（ゲヘナ）大監獄（プリズン）篇

Season（シーズン）5（ファイブ）

The draw （ザ ドロー） a dream （アドリーム）（完）

おまけ

ここはラミオラス帝国の辺境にある黒子宮門（ドラゴヴァキア）地下

灼熱と怨念（オンネン）が渦巻く

世界三大監獄の一つ

煉獄（レンゴク） 冥府大監獄（ゲヘナプリズン）の一室

鎖に縛られ十字架に吊るされている女と

不快に、そして不敵な笑い声の男と

パイプを吸う大男がいた。

ジギタリアス

「おい、ソープワイトこれどうすんだ」

ソープワイト

「ヌッフフ、、鞘花（ショウカ）固有の能力（チカラ）"花纏捧君（カテンホウクン）"を

三日三晩発動し続けている、、

発現した鞘花（ショウカ）だと

ここまで花纏捧君（カテンホウクン）を

すぐに使いこなせるのかね？」

ジギタリアス

「解放しなくとも鞘（サヤ）の能力（チカラ）を使う事が

出来るってのは知ってるけどよ。

こりゃあたまげたぜ。

近づけねぇんだからな。

お前さんが来いって言うから

トギリの坊主に会うついでに寄ったんだがよ。

俺にどうしろってんだ。」

ソープワイト

「試してみたくてねぇ。

傀驕壊操（アトランティカ）でどうにかできるか、、」

ジギタリアス

「そりゃぁ無理な話しってもんだ。

性質が似てるようでまるで違う。

隷属（レイゾク）された鞘（サヤ）の能力（チカラ）の支配権を

傀驕壊操（アトランティカ）で奪う事はできねぇ。なぁ？嬢ちゃん」

キキョウ（弱々しく）

「グッ、、、来るなら、、来なさい、、」

ジギタリアス

「ナーベルクの女は勇（イサ）ましい」

ソープワイト

「感心してる場合かね。

どのみち残り数時間待てば良いこと。

出来ないのなら用は無い。

さっさと消えたまえよ。」

ジギタリアス

「ガッハッハッハ

人使いの荒い男だ。死ぬか？」

ソープワイト

「私に刃（ヤイバ）を向けるのかね？

筋肉バカはこれだから困る。

格の違いを教えてあげようじゃあないか。」

すると扉がギギッと開いた。

ソープワイト

「誰だね。」

ジギタリアス

「おい、、コイツァ、、」

ジュダス

「私（ワタクシ）、第三監獄（サラーサプリズン）看守長

ジュダス ギギ アルマーニと申します。」

ソープワイト

「いや、本当に誰だね」

（完）