19話 The Night flight

作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン2ツー The Nightナイト flightフライト



一刃花隊イチジンカ隊舎より半刻後

ナーベルク帝国にはうっすらと月が顔を出していた。

チョウランとリナリアはツバキに言われた通り

六刃花隊ロクジンカタイ飛行場で待っていた。


リナリア

「チョウラン、、」


チョウラン

「リナリアさん!!」


リナリア

「お別れは済んだ?

兄さんには忙しくて会えなかったけど

通信刃術ツウシンジンジュツで話したわ。

でも周りが騒がしかったのよね、、

連休まで取って

何やってるのかしらね、、」


チョウラン

「お別れ、、ですか、、、

一応、冷蔵庫の中身は捨てたし

パソコンの中の履歴やブックマークは

全て消去しました。

例え何かあったとしても

もう、恥ずかしいものは

残っていません!!!」


リナリア

「チョウランその心配してたの?

もっと大切な人との別れをしてきなさいと

言ったのに、、」


チョウラン

「リナリアさん、、男にとって

ポルノ動画の履歴との別れは

涙無くしては語れません!!!」


リナリア

「ドヤ顔で言わないで

そんなくだらないこと、、、」


チョウラン

「でも、安心して下さい!!

ジニアさんから

貰ったこの親指サイズの機器があれば

何処でも場所を選ばずに

インターネットを見ることが出来るんです!!

この隠密刃具オンミツジング Hi-Wiヒイワイがあればね!」


リナリア

「それは、、まだ世に普及してない

携帯出来る光速無線通信機器!!」


チョウラン

「チッチッチ、、リナリアさん

コレには隠された力があります!

スクランブル信号式なので接続した端末は

特定出来ないんです。」


リナリア

「そ、、そうなの、、」


チョウラン早口で

「なのでポルノサイトへ行こうが

国家機密を閲覧しようが

人には言えないようなディープな動画を

見ようが足が付かないんです!!

何より使う人の脳波を読み取り

考えるだけでそのサイトへと

飛ばしてくれるんです!」


リナリア

「チョ、、チョウラン?」


チョウラン早口で

「なので履歴が無くても

心には残っている僕の確かな記憶がエロっ

いやっエロ動画思い出に導いてくれるんです!!

ジニアさんが万が一の時にって

僕にくれたんですよ。。。

世の男性の為に

この刃術ジンジュツと科学の結晶をね!!!

ハァ、、ハァ、、ハァ、、」


リナリア

「よ、、良かった、、じゃないの、、

とりあえず、、まばたき をして落ち着いて。」



するとジジとツバキがやってきた。


ジジ

「来たか、、いくぞ。

って、、チョウラン、、てめぇ!!

それは、、 Hi-Wiヒイワイ!!!

なんでてめぇが持ってんだよ!!」


チョウラン

「あげません!!」



チョウランは隠すようにポケットにしまった。


ジジ

「クソ、、ジニアか、、、

俺にはくれなかったくせに、、

捜索すんのやめっか、、、」


リナリア

「バカ言ってないで行くわよ!!

本当、男ってバカなんだから。」



ジジはチョウランを睨みつけると

わざと肩をぶつけて歩いて行った。

その後をリナリアは追って行く。


チョウラン

「イデッ、、、

どんな動画見てるかハッキングしてやるからな、、

コレを持ってるのは、、

ジニア隊長とアキレイ隊長とツバーーイダっ!!」



チョウランは気づいたら天井を見上げていた。


リナリア

「あんた何やってんの?行くわよ!!」


チョウラン

「あれ、、いつの間に僕、、、」



チョウランが転んだ脇を

ゆっくりと歩いていくツバキは

すれ違いザマに呟いた。


ツバキ

「気を付けろ。」


チョウラン

「は、はい、、、」



するとリナリアが

ツバキへと駆け寄っていく。


リナリア

「あっツバキ隊長

六刃花隊ロクジンカタイの報告では

悶々雅・Aモモンガ・アーではなく亜那魂蛇Iアナコンダワン

記載があるのですが、、」


ツバキ

「構わぬ。悶々雅・Aモモンガ・アーで移動する。」


リナリア

「でも、整備予定はないのよ?」


ジジ

「整備は終わってるぜ」


リナリア

「なんでアンタがわかんのよ。」


ジジ

「俺がアキレイに頼んだに決まってんだろ。」


ツバキ

「奴に借りを作るな。」


ジジ

「貸した借りを返してもらったんだよ」


ツバキ

「何だと?」


ジジ

「数年前にな。少し出資したんだ。

亜那魂蛇Iアナコンダワンっていう魔進マシンにな」


リナリア

「え??知らないんだけど私!!」


ジジ

「知らなかったのか。

あれ、ロボットに変形するんだぜ」


リナリア

「え!?!?

あの、、バカ兄貴!!!!!

どおりであの夜、、ジジがいたわけね!!」


ジジ

「なんだ?俺がいちゃぁ悪かったのか?」


リナリア

「別に、、そう言ってるわけじゃないけど」


ツバキ

一刃花隊イチジンカタイとして

借りを作ったと奴に思われたらシャクに触る。」



するとツバキは通信刃術ツウシンジンジュツ

誰かと話し始めようとした。


ツバキ

「私だーー」


アキレイ

「来たか。」


リナリア

「兄さん!!」


チョウラン

「アキレイ隊長!!」



アキレイが悶々雅・Aモモンガ・アーから出てきた。


チョウラン

「ぉーー!!コレが悶々雅・Aモモンガ・アー!!」



自動操縦機能付き10人乗り

飛行戦闘魔進ヒコウセントウマシン悶々雅・Aモモンガ・アー

白と灰色のカラーリングで

飛行戦闘魔進ヒコウセントウマシンにしては小さかった。


アキレイ

「おめでとうチョウラン。

これからは副隊長だ。

六刃花隊ロクジンカタイ隊長として鼻が高い。」


チョウラン

「あっ、ありがとうございます!!!

キキョウ副隊、、あっキキョウ隊長の救ーー」


アキレイ食い気味に

「中で話そう。」



アキレイは悶々雅・Aモモンガ・アーの中へと入っていった。

ツバキはアキレイを見るや否や

鋭い眼光で睨みつけると

そのまま中へとついて行った。


アキレイ

「整備は終えた。それと

隠しカメラや隠しマイク全て疑われそうなものは

確認してある。悶々雅・Aモモンガ・アーは安全だ。」


チョウラン

「え?どういうことですか!?」


リナリア

「そう、、なのね、、」


ジジ

「わりぃなアキレイ

急にやってもらってよ。」


アキレイ

「チョウランとリナリアが世話になるんだ。

隊長として当然だ。

それに、、ツバキ、、相変わらずの目つきだな。

少しは刃汽ジンキを抑えろ。」


ツバキ

「貴公も相変わらず無愛想な顔つきだ。」


アキレイ

「ツバキ、、

俺もこの任務についていく」


ツバキ

「貴公の力など要らぬ。

私だけで十分に、足り得る。」


リナリア

「ツバキ隊長、、来てもらった方が、、」


ツバキ

「二度は言わぬ」



するとバチバチっと紫電シデンが走った。


チョウラン

「うわっ!!!」


リナリア

「きゃっ」


ジジ

「あぶねーだろーが!!」


ラナンキュラス

「リナリー。

僕は混ぜてくれないのかい?」


リナリア

「え、、あのぉ、、そのぉ、、」



リナリアは急に顔を赤くし

しどろもどろになった。


ジジ

「ふざけんなバンジャマン」


ラナンキュラス

「フフッ 

急に名字で呼ぶなんてどうかしたのかい?

まるでルシファンブルク家の言うことを

聞けって言ってるように聞こえるけど?ジジ?」


ジジ

「堕ちた貴族はどちらが上かどうかも

分かってねーみてぇだな。

親父さんは元気かい?」


リナリア

「ジジ!!!!

ラナンキュラス隊長になんて失礼なことを!!」


ラナンキュラス

「リナリーありがとう。

でもいいんだ。バンジャマン家は

親父が軍司令部から降りて

力が衰えたのは事実。

それを堕ちたと言ってるだけさ。」


アキレイ

「ラナン、、気にすることない。

お前が隊長になったおかげで

盛り返したじゃないか。」


ラナンキュラス

「僕は六大貴族ロクダイキゾクなんて

どうでもいいんだ。

それに固執してるのは兄貴と親父だけさ。

だから貴族って呼ばれるのも苦手なんだよね。」


ジジ

飄々ヒョウヒョウとしやがって

相変わらずムカつく野郎だ」


ツバキ

「やめろ。ジジ。

ラナンキュラスは上席だ。

階級が上の者をあまりからかうな。」


ラナンキュラス

「だよねーツバキ。」


チョウラン

「ラナンキュラス隊長だ、、、六大貴族ロクダイキゾク

ここに、四人もいる、、、

マーベラスの時はこんな近くで見れなっ、、

いや、  神々コウゴウしくて近づけなかった、、」


ジジ

「おい、リナリア

やっぱコイツおかしくねぇか?」



チョウラン

「生ラナンキュラス、、かっこ良い、、

羨ましい、、なんて整った顔、、」


リナリア

「チョ、、チョウラン!?」


チョウラン

「写真撮ったら、、売れるだろうな、、、

あとで頼んでみようかな、、

でもそんな事言ったら

リナリアさんに引かれるな、、、

ハッ!こんにちはラナンキュラス隊長!!」


ラナンキュラス

「フフッ、写真ぐらいいいよ?チョウラン副隊長」


チョウラン

「え?副隊長??あっ僕のことか、、

それに心まで読めるのか、、、

コレが鞘花ショウカ、、凄すぎる」


ラナンキュラス

「リナリー、、この子大丈夫?」


リナリア

「気にしないでください隊長

退院したばかりなので少し、、」


チョウラン

「待って下さい!

みんなにそう言うのはやめてぇ!!」



ジジ

「黙ってろチョウラン。

大体、なんでテメェが来てんだよ。ラナンキュラス」



皆、確かに突然の登場に驚きが隠せなかった。



アキレイ

「ラナン、、一体どうしてここに」


ラナンキュラス

「いや、どう考えてもおかしいでしょ?

今回の任務ってさぁ。」


ジジ

「どこで聴きやがった。」


アキレイ

「報告書には煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンへの

救出任務と捜索任務と書いてあったが

確かに戦力的にリスクが高い。」


ツバキ

「私一人では力が足り得ぬと言いたいのか?」


ラナンキュラス

「まぁまぁ。

アキレイはそんな事言ってるんじゃないよ。

知ってるよ?ツバキが提出した作戦だと

始めはツバキとジジと

リナリーとチョウランじゃ無かったでしょ?」


アキレイ

「そうなのか?」


ラナンキュラス

「本当は怪我してる隊長格以外全員って

書いてたんだよねツバキ?」


ツバキ

「貴公が何故知っている」


ジジ

「どこで盗み聞きしやがった。」


ラナンキュラス

「僕はイカヅチ鞘花ショウカだよ?

電波ぐらい干渉できるさ。

それに常に耳を張ってないとね。最近は特に。」



ラナンキュラスのその言葉の重みが

全員の肩にズンッとのしかかった。


アキレイ

「ってことは、、

怪我でいないアナスタシアとクーワとダンデライ

その治療をしているレンゲイとガーベラ

ジニアとキキョウは除いて全員か。」


チョウラン

「えっでもさっき、ツバキ隊長が

私一人だけで足り得るって、、」


ラナンキュラス

「個人的な感情なんていらないよ。

キキョウとジニアが危ないんだ。

今は戦力的にナーベルクの国力が

イチジルしく低下してる。

コレを他国に知られたら

ラミオラス帝国だけじゃない

他の国も攻めてくるよ。」


ジジ

「、、確かに俺がラミオラス帝国の軍師なら

他国に流してナーベルク帝国に奇襲をかける。」


アキレイ

「そんなことになったら、、」


リナリア

「、、、世界大戦が始まる、、、」


ラナンキュラス

「ツバキはそこまで考えて

作戦を立ててたんだ。」


ジジ

「でも、要望が却下された。」


アキレイ

「という事は絞った人数で行くしかない」


ラナンキュラス

「だけどツバキはこの却下された作戦を

わざと通信刃術ツウシンジンジュツ

掛け合ってくれた。

僕が聞いている事を知った上でね。

そして、ジジがアキレイに頼むことを見越してた。

だろ?ツバキ」



皆の視線がツバキに集まる。


ツバキ

「知らぬ。貴公ら隊長が付いてくるなど

私の預かり知らぬこと。

我々は行く。それ以上もそれ以下もない。」


ジジ

「俺らは規律と法を司る一刃花イチジンカだ。

これは軍法違反だぜ」


ツバキ

「隊長が休日に何をしようが知らぬこと。」


リナリア

「あー!そうよ!兄さん!!連休まで取って

何してんのよ!!」


アキレイ

「俺は上層部から休めと言われたから

仕方なく休んだだけだ。」


ラナンキュラス

「僕も同じさ、、、って」


リナリア

「もしかして、ツバキ隊長、、?」


ジジ

「おいおい、マジかよ、、」



チョウラン

「ぇえーーー!!!!

こんな素直じゃない人いるのぉーーーー!!」


ジジ

「おい、うるせぇんだよ

隊長に文句でもあんのか?あん?」


チョウラン

「僕への当たりが強すぎるぅぅぅう!!」


リナリア

「いい加減にしてあげてよ。

退院したばかりよジジ」


アキレイ

「チョウランをいじめるのはよせ。

まだ病み上がりなんだ。」


ジジ

「なんだ。仕方ねぇな。」


チョウラン

「あ、、心が痛い、、、」


ラナンキュラス

「で、どうするんだい?ツバキ。」



ツバキはしばらく沈黙した。


チョウラン

「え、、あのぉ、、」


リナリア

「黙ってなさいチョウラン。」


ジジ

「やっぱ殺すか。」


チョウラン

「ヒィッ」


ツバキ

「帝国の守護はアナスタシアとレンゲイ

クーワがいれば心配は要らぬ。

煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンへ向かうにしろ

おそらく向こうは救出しに来ることを

読んでいるのは間違いない。

いつも以上に厳重だろう。

そして、あわよくば鞘花ショウカを奪う機を伺っているのは

確かな事だ。」


ラナンキュラス

「ぁあそうだね。」


アキレイ

「ツバキが行くなと言っても

俺はジニアとキキョウを助けに行くつもりだ。

大体、隊長が隊長に命令出来るわけがない。

俺は好きにするぞ」


ラナンキュラス

「アキレイと同じくね。」


ジジ

「もう一つ目的があんだろ?ラナンキュラス」


ラナンキュラス

「さぁー。どうだろうねー。」


ジジ

「ごまかしやがって」


リナリア

「じゃぁ兄さんとラナンキュラス隊長が

一緒に悶々雅・Aモモンガ・アーで行くのね?」


ラナンキュラス

「リナリー。一緒に行ったら罰されるよ僕ら。

だから別々に行かないと。

アキレイと僕は亜那魂蛇Iアナコンダワンで行くよ。

民間でも使ってる飛行魔進ヒコウマシンなら

怪しまれないし

バカンスへ行く手筈テハズにでもしとくさ!!」


リナリア

「あっそうだ。兄さん。

ジジから聞いたけど、、

亜那魂蛇Iアナコンダワンがロボットに変形するって?」


アキレイ

「リ、リナリア!!」


リナリア

「いくらかかったの?」


アキレイ

「ジジ!!!」


ジジ

「言ってねぇーお前が悪いんだろうが」


ラナンキュラス

「まぁまぁ。ロマンがあって

良いじゃないかリナリー。」


リナリア

「ロマンって言っても、、」


ラナンキュラス

「僕らもいつか2人で乗ろう。ね?リナリア」


リナリア

「えっ、、、そんな、、照れーー」


ジジ食い気味に

「何人の女に、そう言ってんだよ。」


ラナンキュラス

「リナリアが初めてさ。」


アキレイ

「冗談は程々にしてくれ」


ラナンキュラス

「フフッそうだね。

亜那魂蛇Iアナコンダワンなら

ボタン一つで飛んで来るし

帰りも迎えにきてくれる様に

設定しておいてくれるんでしょ?アキレイ」


アキレイ

「任せろ。

それとリナリア。常に個人通信機はオンにしておけ。

妨害電波を流しながら飛ぶから

俺たちの私用通信機しか繋がらないからな。」


リナリア

「わかったわ。兄さん。」


ラナンキュラス

「リナリー。万が一のために

僕にその番号を教えてほしい。いいね?」


リナリア

「は、、はい、、」


ジジ

「万が一なんてねーよ。」


ラナンキュラス

「寂しくなったらいつでも

かけておいでリナリー。」


チョウラン

「え?いいんですか??

じゃぁ僕の番号入れておきますね!!!

隊長の番号もいれておきます!」


ラナンキュラス

「え?え、、え?」


チョウラン

「ラナンキュラス隊長って

噂通り、、態度も心もイケメンだなぁ、、

煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズン、、で

助けてもらおう、、、」


ラナンキュラス

「わ、分かった、、」


チョウラン

「ぇえー!!!

めっちゃ女優の番号入ってるじゃないすか!!」


ラナンキュラス

「チョウラン君?か、返してもらえないかい?」


チョウラン

「ぇえ!!このアイドルの握手会外れたのに!!」


ラナンキュラス

「チョ、、チョウラン君?」


リナリア

「チョウラン!!!このバカ!!」


チョウラン

「イデッ」



リナリアはチョウランの肩を殴った。


リナリア

「ラナンキュラス隊長困ってるでしょ!

返しな、、さい!!」


ジジ

「女たらしは昔から変わってねーな」


ラナンキュラス

「ジジ、、君には分かることは永劫エイゴウ来ないが

僕に生まれるって大変なんだ、、」


ジジ

「生まれたくねーよ」


ツバキ

「貴公らの遊びに付き合ってる暇などない。

ゼナンからボアフレア、ヘダに行くのにも

時間がかかる。」


アキレイ

「行くぞラナン」


ラナンキュラス

「オッケー。じゃっ。」

剋刃ゴクハ 四十五シジュウゴ走雷ハシリカヅチ


アキレイ

「先に行っーーー」



バチンっと紫電シデンが走ると

アキレイとラナンキュラスは消えてしまった。


ジジ

「あれで良かったのか?

亜那魂蛇Iアナコンダワンで行くってよ。」


ツバキ

「奴らはバカンスに行く。

それを私が止める義理などない。」


ジジ

「そうだな。」


リナリア

「じゃぁ行きましょう。」


チョウラン

「はぁ、、、行くのか、、」


ツバキ

悶々雅・Aモモンガ・アー離陸準備」



ツバキ達は悶々雅・Aモモンガ・アーの座席に座ると

六刃花隊ロクジンカタイ飛行場の扉が開いた。

するとエンジン音が機体を揺らす。


ジジ

悶々雅・Aモモンガ・アーは速い

三十分もすればゼナンだ。」


チョウラン

「飛行機、、って苦手だ、、、」



そして悶々雅・Aモモンガ・アーはステルス機能を付けて

大空へと飛び立った。

それに続いて亜那魂蛇Iアナコンダワン

飛び立った。

ーーアキレイサイド亜那魂蛇Iアナコンダワン内部ーー


ラナンキュラス

「どうしたんだい?アキレイ?

空ばかり眺めて」


アキレイ

「ぁあ。この国の空は綺麗だな」


ラナンキュラス

「そうだね。夜空になると

この国はまた違った顔になる。

それにアキレイのお陰で

民間人も空を飛べる様になったからね。

素晴らしい事をしたよアキレイは。」


アキレイ

「ぁあ。そうだな。」


ラナンキュラス

「にしても、深刻すぎやしないかい?

その顔付き」


アキレイ

「いや、、悶々雅・Aモモンガ・アーを整備していた時

見知らぬ整備士達がこちらを見ていた。」


ラナンキュラス

「見知らぬって

アキレイの所の社員か隊士だろ?」


アキレイ

「ぁあ。そうあってほしいが、、」


ラナンキュラス

「そうじゃ無かったらどうする?」


アキレイ

「どうしてやるかラナンキュラス」


ラナンキュラス

「こうするね。アキレイ」



突然ラナンキュラスの身体から

紫電シデンが走る。

すると何も無かった所から人の叫び声が聞こえる。

その姿を見て、ラナンキュラスは眉を潜めた。


ラナンキュラス

「これは、、、、」



アキレイ

千刃花センジンカ通信刃術ツウシンジンジュツ司令部"九根キュウコン"隊士」



ラナンキュラス

「で?どうするアキレイ」


アキレイ

「ぁあ!!こっちもだ!!」



アキレイは指先から炎を出すと

ここにも何もない所から人の叫び声が聞こえた。



ラナンキュラス

「何人いるんだろうね、、」



亜那魂蛇Iアナコンダワン

百人乗りの移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシン

今回はラナンキュラスと

アキレイの2名が乗っているはずだったが

次々と刺客達が襲いかかってきた。

ラナンキュラスとアキレイは

狭い旅客機の中で応戦していた。


ラナンキュラス

「グッこの、、動き、、、」


アキレイ

「ぁあ。九根キュウコンの動きじゃねぇ、、

隊服はそうだが!!まるで違う!!」


ラナンキュラス

「ざっと五十人は!!いるかな!!って

おっと!!!!」



1人の刺客が無数の針を放ってきた。


アキレイ

「この狭い中で!!

刃術ジンジュツを使うのか!!

まるでアホウだな!!」


ラナンキュラス

「仲間を!!危険に!!サラすのかい!?

なんて非情な!!連中だ!!」



ラナンキュラスは紫電シデンで応戦していた。

次々とホトバシ雷撃ライゲキ

刺客達は痺れ崩れた。

一方その頃、



ーーツバキサイドーー


リナリア

「チョウラン、、」


チョウラン

「リナリア、、さん」


ジジ

「バーカ。そりゃぁババだ。」


チョウラン

「いやぁあ!!

また引いてしまいました!!!」


リナリア

「本当、弱いわね!チョウラン!!」


ツバキ心の声

((眠れぬ、、、))



カードゲームをしていた。



ーーラナンキュラスサイドーー


アキレイ

「いっそ!!解放!!してやるか!!」


ラナンキュラス

「勘弁してくれ!!

墜落するじゃないか!!!」



様々な武器で襲いかかってくる刺客達は

一方的にやられていた。


アキレイ

「殺さずに捕らえるのは一苦労だな!」



アキレイは熱風を放った。

燃えないギリギリの温度でジワジワと

刺客達を炙り続けるとバタバタと倒れていった。


ラナンキュラス

「ふぅ。僕は戦闘 刃術ジンジュツ特化部隊の隊長だよ?

君たちみたいな

下手くそな刃術ジンジュツ見抜けないわけないでしょ?

しかも剋刃ゴクハ 四十七シジュウナナ天遣曲法テンゲンキョクホウって

高度な刃術ジンジュツだけど

君たち、ちゃんと出来てないよ。」


アキレイ

「ぁあ。バレバレだったな。」


ラナンキュラス

「これはかけてもらったんだ。

一人一人があの刃術ジンジュツを使えるわけない。」


アキレイ

「もう一度よく、、顔を見せろ」



アキレイはすぐ近くに倒れている刺客を

足で仰向けに変えた。


ラナンキュラス

「これは!!!!!」



アキレイ

「何だと、、、」



ラナンキュラス

「人形じゃあないか!!!!!」



アキレイ

「待て。叫び声を上げていたぞ!!」


ラナンキュラス

「見てくれ、、全員、、人形だ」



アキレイ

「術者は何処だ、、、探すぞ!!」


ラナンキュラス

「術者、、、

さっき僕に針の攻撃をしてきたやつがいた!」


アキレイ

「そいつが術者か!!」


ラナンキュラス

「じゃぁ 倒れてる中にいるはず!

アキレイ!!リナリアに連絡して!」


アキレイ

「ぁあ!!分かった!!」



ーーリナリアサイドーー


チョウラン

「ロイヤルストレートフラッシュ!!」


ジジ

「なんだと!?クソ!!」


リナリア

「はい。ジジ

賭け金は返してもらうわ」


ツバキ心の声

((眠れぬ、、、))



ジージージーっと

リナリアの通信機器が鳴っている。

しかしリナリアは気づかなかった。


ーーアキレイサイドーー


ラナンキュラス

「出たのかい?」


アキレイ

「出ない!!まさか!!」


ラナンキュラス

「リナリア達も危ないのか!!!」


アキレイ

「待て、向こうにツバキがいる。

侵入者に気付かないわけない。

それに俺も調べた。何も無かった。

という事は、、」


ラナンキュラス

「報告に上がっていた申請済みの魔進マシン

当初の予定では亜那魂蛇Iアナコンダワンだった。

だから、、刺客が乗っていたのか、、

でも残念だったね、、、

まさか鞘花ショウカが2人も乗っているとは

計算違いだったろうに」


アキレイ

観念カンネンしろ。出てこい!!!」



すると不快な声が機内に響く

人形達が次々と黒い煙に吸い取られていった。


ラナンキュラス

「何だこの霧は、、気味が悪いね、、」


アキレイ

姑息コソクな手を使う奴は

よく隠れたがるものだ」


ラナンキュラス

「嫌な予感がする、、」


アキレイ

「ぁあ。この感覚、、、」



リカブ囁く様に大きく

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム』』

 



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン2ツー The Nightナイト flightフライト(完)






おまけ






数年前アキレイが会社の新たな最高経営責任者C E O

就任するそのパーティにて



アキレイ

「さぁ。それはどうだろうな。

この"亜那魂蛇アナコンダワン"は

現行の亜那魂蛇アナコンダより小さいが

速度、硬度、燃費、共に

亜那魂蛇アナコンダの10倍良くなっている。

そして価格は亜那魂蛇アナコンダの約半分

民間航空会社もコストを更に下げて

より人々にもっと空の旅が身近になるだろう。

帝国兵の一握りしか空を飛べなかった時代は終わりだ。

そして、"亜那魂蛇アナコンダワン"に乗って

みんなに知ってほしい!!!」





アキレイ

「…この国の空は綺麗なんだと!!!!」





割れんばかりの拍手が鳴り響く

その奥で来賓ライヒンとして呼ばれた男が

バーで酒を飲んでいた。


ジジ

「どんなネーミングセンスだよ。」



男は女に声をかけられるも目もくれず

遠くからアキレイを見ていた。


ジジ

「おい、ウィスキーダブルで」



バーテンにそういうとグビッと飲んだ。


ジジ

「まぁ、民間機として売って

いざとなれば戦闘機としても使えるんだから

ルシファンブルク家としては

まぁ悪い話じゃねぇな。」



するとそこにリナリアがやってきた。

いつもの軍服とは違い

パーティ用のナイトドレスを着ていた。


ジジ

「リナリア、、そんな格好で、、どうした?」


リナリア

「パーティだからに決まってるでしょ?

で、何であんたがここにいんのよ。」


ジジ

「タダ酒飲みにきたんだよ。」


リナリア

「嘘つくなっ。

ルシファンブルク家当主が

酒代に困ってここに来るわけないでしょ!」


ジジ

「なんだっていいだろうが

悪友のパーティに来ただけだっつうの」


リナリア

「本当、昔からラナンキュラス隊長と

ジジと兄さんは悪い事しかしないんだから。」


ラナンキュラス

「やぁ、リナリー」


リナリア

「え、、ラナンキュラス隊長、、」


ラナンキュラス

「照れちゃって可愛いな。

小さい時みたいにミシェールって

呼んでもいんだよ?リナリー」


リナリア

「え、、でもその名前で呼ぶのは

嫌いなんじゃ、、、、」


ジジ

「なんだ来たのかミシェール」


ラナンキュラス

「ジジがその名前で僕を呼ぶのかい?」


ジジ

「なぁんだ。嫌なのか??」


ラナンキュラス

「フフっ リナリー今晩は僕と飲もうか」


ジジ

「あ?リナリアは忙しいんだよ」


リナリア

「確かに忙しいけど

数杯なら、、、」



ーー2時間後ーー


リナリア

「そうそう!!兄さんが

ジジんとこのルシファンブルク家の絵画に

落書きしたのよ!」


ラナンキュラス

「あれは芸術的だった!!

全然、絵心が無かったよね!アキレイは!」


ジジ

「お前ら、、

あの後大変だったんだからな!!」


リナリア

「え?どうなったのよ」


ラナンキュラス

「自分で書いたとか言う様な奴じゃないだろ?」


ジジ

「ぶっ壊したんだよ。」


ラナンキュラス

「本当かい!?

それは傑作だよ全く!!」


リナリア

「でもよかったじゃない?

お陰で自画像を飾ってもらえて」


ラナンキュラス

「あの目つきの悪い子供はジジだったのか」


ジジ

「ラナンキュラスッ

テメェ!!」


ラナンキュラス

「アハハ、ごめんごめん。

つい思い出しちゃって」


リナリア

「そっくりでしたよね?

可愛い所とかね!」


ジジ

「似てねーよ。」


リナリア

「私は好きだったよ!あの絵」


ラナンキュラス

「フフっ」



ラナンキュラスはジジの顔を見ると微笑んだ。


ラナンキュラス

「じゃぁ僕はそろそろ行くから。

アキレイにおめでとうって

伝えといてくれ。」


リナリア

「あっ、はーい!!

アイビーさんに

よろしく伝えといて下さい!」


ラナンキュラス

「ぁあ!もちろんさ!!」



ラナンキュラスは手を振ると

そのままバチンとカスかな紫電シデンを残して

消えてしまった。


リナリア

「ぁーあ。行っちゃった。

って、ジジ。飲み過ぎたの?

顔が真っ赤よ?」





ジジ

「なんでもねーよ。」





(完)

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