第四章 煉獄 冥府大監獄篇

18話 The biginning of a new nightmare

作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン1ワンThe beginningビギニング  of a newオブアニュー nightmareナイトメア



海底都市ポセドニアの一件から3日後

ーー五刃花隊ゴジンカタイ 隊舎タイシャ

ナーベルク帝国 帝国兵総合病院"零華フラワ

千刃花センジンカ上席専用個室病棟1006号室ーー


チョウラン

「やっと退院か、、、

僕のアパートより豪華な部屋だった。

ここに住めないかな、、、。

レンゲイ隊長に聞いてみようかな、、

いやぁ、、しかし昨日はうるさかったな、、」



すると病室の扉からコンコンと音がした。


チョウラン

「はーい!どうぞ。」


リナリア

「入るわね。」


チョウラン

「リナリアさん!!」


リナリア

「退院おめでとう。

退院手続きはもう終えたわ。

狭い部屋でごめんね。。

怪我は大丈夫そう?」


チョウラン

「ありがとうございます。

え、狭い部屋、、?嘘だろ??

僕のアパートより全然広いぞ、、

あっリナリアさん!

怪我は大丈夫です、、でも。」


リナリア

「アハハ、、せまく、、は無いわね、、

チョウラン、ポセドニアの話しは聞いた?」


チョウラン

「はい、、ガーベラさんから、、」


リナリア

「そう。。

ラミオラスの海王軍 団長にサヤが渡ったみたいね。」


チョウラン

「そうみたいですね。。

その、、アナスタシア隊長やダンデライ副隊長は

大丈夫なんですか?あっ、、後、クーワ隊長も、、」


リナリア

「えぇ。あの人達は

上の病棟にまだいるわ。

昨日は騒がしくてごめんね。」


チョウラン

「い、いえ!!

相変わらずだなーって。」


リナリア

「本当よね。

クーワ隊長が逃げるもんだから

ダンデライさんがそれを止めようとして

アナスタシアさんが二人をねじ伏せるから

上の階が吹っ飛んじゃったのよ。」


チョウラン

「ぇぇぇえ!!怖っ!!!!」


リナリア

「そのあとレンゲイが解放して

3人を眠らせたんだから!!」


チョウラン

「ぇぇぇえ!!解放したから

吹っ飛んだんですよそれ!!」


リナリア

「きっとそうだと思うわ。

おかげでずっと

ガーベラちゃんの説教が夜中響いてたわね。

うるさかったでしょ?

でも安心して。

さっきラナンキュラス隊長が来て

剋刃ゴクハで結界を張って帰ったところよ」


チョウラン

「別病棟だから良かったですけど

本館なら死人が出てますよ?

ラナンキュラス隊長には

何重にも張ってもらわないと!」


リナリア

「もう流石に壊れないでしょう。

四刃花隊ヨンジンカタイ隊士と

アナスタシアさんの所のブルダニア家の執事達が

見張ってるから。」


チョウラン

「ぉお!!六大貴族ロクダイキゾクのブルダニア家!!

そして女当主のアナスタシア隊長!!

なんてカッコいいんだ!!踏まれたいなぁ。

でもそんな事、言ったらリナリアさんに

ドン引きされるな。

そうなんですね!!

貴族の方々が来られるんですね!」


リナリア

「チョウラン、、心の声が丸聞こえよ。」


チョウラン

「え!?す、すみません!!

やべぇの聞かれちゃったよ!!

リナリアさんアナスタシア隊長に言うかなぁ、、」


リナリア

「言わないわよ!!

あの人なら踏むどころか

踏みし潰しかね無いんだから」


チョウラン

「リナリア、、さん、、、僕の心、、

読めるんですね!!」


リナリア

「読めるか!!!

その心の声がだだ漏れになる癖は

直した方が良いわよ?

特に今から会う人の前ではね。」


チョウラン

「え?今から????」



ーー 一刃花隊イチジンカタイ隊舎内ーー

正に厳格という言葉が相応フサワしい

和造りの大きな隊舎は

真横に広く一階建てで畳みと茶の香りが漂っていた。

一刃花隊イチジンカタイは習わしにより

隊舎内は土足厳禁であり許可が出なければ

中庭にある庭園さえも立ち入り禁止であった。


ジジ

義忠ヨシタダ


ツバキ

「入れ」



フスマ越しにジジは声をかけると

スッと開けた。


ジジ

六刃花隊ロクジンカタイ副隊長、副隊長代理が来たぜ」


ツバキ

「そうか。通せ。」



ーー 一刃花隊イチジンカタイ 隊舎前ーー


チョウラン

「うわぁ、、、大きい、、そして白い、、

なにこの屋敷、、、初めて来ました。」


リナリア

「でしょうね。私も初めてよ。」


チョウラン

「き、、緊張しませんか?」


リナリア

「緊張?するわけないでしょ。

そんなことよりも要件を済ませて

ささっと帰りましょう。」


チョウラン

「え?どうしてですか??」


リナリア

「知らないわよ。

どうせ会えば分かるわ。」



すると一刃花隊イチジンカタイ 隊舎の門が

一人でに開くとチョウランとリナリアは

敷居をマタいだ。


チョウラン

「す、すげぇ、、」


リナリア

一刃花隊イチジンカタイ

創設からずっと鍔騎ツバキ家とルシファンブルク家が

隊長と副隊長をしてる血族主義の隊だから

相当、隊舎にもお金をかけてるの。

まるで自分たちの屋敷の様にね。」


チョウラン

「じゃぁ同じ六大貴族ロクダイキゾクのリナリアさんちも

六刃花隊ロクジンカタイ隊舎を改造しましょう!」


リナリア

「するわけないでしょ。

いくらかかると思うの?」


チョウラン

「だってラナンキュラス隊長のとこも

やってるじゃないですかー!」


リナリア

「うちは技術開発にお金かけてるの。」


チョウラン

「えー。ジャグジーにして欲しいなぁー

アキレイ隊長の家みたく全自動にして

一声ヒトコエでコーヒーが出てくるみたいな家に

住みたいなぁ。なんて、言えないか。アハハ」


リナリア

「副隊長になっても、そんな生活は無理よ。

鞘花ショウカになればできるかもね!」


チョウラン

「え?聞こえてたんですか!?」


リナリア

「ねぇ、病気なの?

一度、レンゲイに診てもらおかな、、

チョウランの頭」


チョウラン

「ぼ、僕は普通ですよ!!」


リナリア

「、、兵としては優秀なんだけどなぁ。

ほら、そろそろよ。」



二人が歩いた先には

髪の長い男が立っていた。


リナリア

「ジジ。待たせたわね。」


ジジ

「おせーよ。

あんまり隊長待たせんな。」


チョウラン

「えー!なんで睨んでるのこの人!!

目つきの悪さだけならナーベルクで一番!!

おっおはようございます!!

1ミリもズレないその前髪に

芸術的センスを感じます!」


ジジ

「あん?なんだぁ?俺に喧嘩売ってんのか?」


リナリア

「チョウラン!!黙ってなさい!

気にしないでジジ。退院したばかりで

まだ、頭が混乱してるのよ。」


ジジ

「なんだ、、そうか。」


チョウラン

「信じたー!!!

普通信じないでしょ!!」


ジジ

「おい、隊長の前で失礼な発言したら殺すぞ?」


チョウラン

「は、はい!!!」


リナリア

「ジジ、、一刃花隊イチジンカタイの隊舎と言えど

チョウランはウチの隊の人間よ。

過激な発言はあたしが許さないわ。」


ジジ

「じゃぁシツケがなってねぇな。

お前の責任だ。リナリア。

お前がなんて言おうがウチの隊舎内で

お前に従う義務なんてねーよ。

まっ隊舎外でも。だけどな。

また、罰則くらいてぇのか?

お前の兄貴みてぇによ。」


リナリア

「同じ副隊長に

そんな脅し効くと思ってるあたり

昔からなーんも成長してないのね。

ぶっ殺すわよ?」


ジジ

「隊舎内での解放は厳罰だぜ?

でもお前がそうするなら

自己防衛するために仕方ねぇーな!」



チョウラン

「ちょちょちょちょ!!!

やめてぇ!僕のために争わないでぇー!!」



リナリアとジジの一触即発イッショクソツハツの空気に

チョウランはリナリアの前に仁王立ちをし

ジジの前に立ちはだかった。


ジジ

「ったく。なんでこんな男、、」


ツバキ

「騒がしい。入れ。」



フスマの向こうから

ゆったりと冷淡で落ち着いた男の声がする。


チョウラン

「うわぁ!ツバキ隊長!!」


ツバキ

「二度は言わぬ」


リナリア

「はい。失礼致します。」



リナリアは一礼イチレイをして

ツバキのいる部屋に入った。


チョウラン

「まっ、待ってくださいよぉ!」



チョウランも

リナリアに続き部屋へと入った。


ジジ

「なんだこいつ。礼儀も知んねぇのかよ。」



部屋に入るとそこには

広い畳と一段高い木目調モクメチョウの床があった。

ツバキはその段上のある座布団の上で

正座をしながら華を活けていた。

パチッパチッとハサミの音が静かに響く。

しばらく続いた沈黙の後

ツバキはようやく口を開いた。



ツバキ

「リナリア。連れてきたか。」



ツバキは鋭い眼光でチョウランを見た。


ツバキ

「貴公が六刃花隊ロクジンカタイが副隊長代理

呉家ゴケ蝶蘭チョウランか。」


チョウラン

「は、はい。」


ツバキ

此度コタビの任の失敗、そして鞘花ショウカである

三刃花隊サンジンカタイ副隊長を

連れ去られるという失態。

更にはジニアまでもが行方不明となった醜態シュウタイ

貴公はこの流れをどう推察る」


チョウラン

「ぼ、僕の力不足が、、招いた、、結果です。」


リナリア

「ツバキ隊長、、相手は冥王軍 団長

あの、、ソープワイトでした。

ジニア隊長やキキョウ副隊長が付いていてもーー」


ツバキ食い気味に

「敵の手にかけられたキスツス=グレイを始め

ルシファンブルクの強襲の際に

本部を全壊させマーベラスでは捕らえられた

"アキレイ=ダグラス=マーティン"

大勢の部下を死なせた

"ミシェール=ラナンキュラス=バンジャマン"

ダンジョン攻略に失敗した

"アナスタシア=ブルダニア"と"クーワ=ノア=ソォーセン"

海王軍 団長トギリを捕獲し損ねた "リ=レンゲイ"

鞘花ショウカを奪われ

自らも姿を消した "ジニア=サラザール=ロペス"」


リナリア

「ツバキ隊長、、何が言いたいのですか。」


ツバキ

「弱い。

貴公ら全員があまりにも弱い。」


チョウラン

「そ、、そんな、、、」


ツバキ

「隊長として、鞘花ショウカとして

を圧倒し勝利を重ね安寧アンネイの日々を過ごし

守りに入ったその刹那セツナ

ラミオラス帝国の新勢力にいとも簡単に崩れ落ちた。

鞘花ショウカであることにオゴりが過ぎたのではないか?」


リナリア

「兄さん達は命がけでーー」


ジジ食い気味に

「命賭けてんのはお前らだけじゃねーんだよ。

当たり前の事を言ってんじゃねーよ。」


チョウラン

「、、、ひどすぎますよ、、

僕らだって、、一生懸命やってるのに!!」


ツバキ

「過程など下らぬ。

結果が全て。

イクサに仕方なかった。

どうしようもなかった。などと

言うのではあるまい。

死んだ者には家族が

傷付いた者には治らぬ怪我が。

貴公らは何か勘違いをしている。」



ツバキはリナリアとチョウランに

見向きもせずに華を活け続けていた。

重々しい空気に華を切り落とす音だけが残る。


ツバキ

「失敗してもい任務などない。」


リナリア

「そのような事を思っている隊士などいません。」


ツバキ

「結果はどうだ」


リナリア

「それは、、」


ツバキ

「勝利した側の人間が

如何様イカヨウにも歴史を塗り替える。

ナーベルク帝国に敗北の歴史など作らぬ。」


チョウラン

「、、はい。」


ツバキ

「ジジ」



すると、ジジがチョウランに手紙を手渡した。


ジジ

「ほらよ。」


チョウラン

「誰からですか?」



チョウランはリナリアを思わず見ると

リナリアは首を横に振った。


ジジ

「読んでみな。」


チョウラン

「え、、えーと、、、」



チョウランは手紙を開き目を通した。


チョウラン

「え、、これは、、」


リナリア

「どうしたの?」


ジジ

「そのままの意味だ。」



手紙にはこう記されてあった。



六刃花隊ロクジンカタイ副隊長代理

蝶蘭チョウラン を二刃花隊ニジンカタイ副隊長に命ずる


ツバキ

「承服するか否か」


チョウラン

「そ、、そんな、、

なんで、、僕が、、急に、、このタイミングで、、

それに、、二刃花隊ニジンカタイ隊長は、、」


リナリア

「待ってください。

これは兄さんは知ってるんですか?

任命権は二刃花隊ニジンカタイ隊長にあるはずです。

しかし、キスツス隊長は、、」


ツバキ

「千刃会議での決定事項だ。

ジニアもアキレイも承認している。

そして、二刃花隊ニジンカタイ隊長も」


リナリア

「まさか、、」


ツバキ

「"キキョウ=ジュリエット=ジォヴァーナ=ジレンホール"」


リナリア

「でもキキョウ副隊長は今、、」


ツバキ

「正式な任命式は一か月後

そして、そのキキョウが任命したのは

貴公だ。チョウラン副隊長代理。

貴公には着任拒否権がある。

受けるも受けないも貴公次第だ。」


チョウラン

「キキョウ副隊長が、、僕を、、」


ツバキ

「返答次第では流れが大きく変わる。」


ジジ

「どうすんだ。時間なんてねーぞ。」


リナリア

「時間がない?ジジ

どう言う事なの?」


ジジ

「そのままの意味だっつーの。

その先の話しはチョウラン次第だ。」


チョウラン

「僕が、、副隊長、、、

リナリアさんやガーベラさんや

あのダンデライさんと同じ、、、副隊長、、

でも、、僕に務まるかな、、」


リナリア

「副隊長になると

危険度はグッと増す。

鞘花ショウカである隊長達が

闘うカタワら残った隊士を先導しないといけない。

単独の任務、少人数での任務が増える。

良いことなんて砂のツブテよ。

どうするの?チョウラン」


チョウラン

「そんな、、急に言われても」


ジジ

「逆を言えば、

おめーみてぇなチンチクリン庶民が

副隊長としての実力が認められてるってことだ。」


リナリア

「実力が認められているというのは

ジジの言う通りよ。

そして副隊長の任命権は隊長にある。

だけど、それは他の隊長たち五人以上の承認

又は任命した隊長と三人以上の推薦が必要なの。

隊長だけの独断と偏見だけでは決められないのよ。

もちろん安定した形状変化と

膨大な刃汽ジンキ量も関わってくる。」


ジジ

「おめーみてぇな

実家がおろし問屋トンヤのせがれにしちゃぁ

大出世じゃねぇか。」


チョウラン

「認められて、、るって、、事、、なんですね。

どうしよう、、、僕に出来るのかな、、

副隊長になれば給料は恐らく倍は違う。

それに、あのキキョウさんの近くで

綺麗な横顔を眺めてられる、、、

ゲームの課金に追われて親のスネを

かじって生きていく人生ともおさらばできる。

なんて、、魅力的なんだ、、、

ヨダレがとまんねぇよ、、

でもここは一度、断った方がカッコ良いな、、

僕!!少し考えます!!!」



華をパチパチと切る音が響く。



ツバキ

「では、着任拒否権を行使したということで

上には話しを通してーーー」


チョウラン食い気味に

「わー!わー!わー!!

やります!やります!やります!!!」


リナリア

「はぁ。本当、、アンタって、、」


ジジ

「おいナメてんのか?コイツ」


ツバキ

「そうか。ではこれから

二刃花隊ニジンカタイ副隊長として

初の任務を言い渡す。」


チョウラン

「え?」



ツバキは活け終わった華を水盤スイバンごと

ズルッと落とした。


チョウラン

「あっ!」



すると落ちた水盤スイバン

部屋の真反対にある棚の上に移動していた。


チョウラン

「え!?どうなって、、時間が、、」


ジジ

「いちいち驚いてんじゃねぇよ。

アナスタシアもアキレイもラナンキュラスも

ジニアもクーワも、キキョウもやってんだろ。」


チョウラン

「え!?見たことないですけど、、」


リナリア

「黙ってなさい。」



ツバキは静寂を待つと

ゆっくりと口を開いた。


ツバキ

「我々 一刃花隊イチジンカタイ

貴公らで二刃花隊ニジンカタイ隊長キキョウ救出任務

及び、三刃花隊サンジンカタイ隊長ジニア捜索任務を決行する。

ジジ。」


ジジ

「これを見な。」



するとジジは大きな地図を広げた。


リナリア

「これは、、世界地図」


ジジ

「そうだ。

ココが帝都ルシファンブルク

そこからマーベラスの一件があったゼナンまで

一刃花隊イチジンカタイ飛行戦闘魔進ヒコウセントウマシン"悶々雅モモンガ"で移動

その国境からボアフレアに入る。」


チョウラン

「ポセドニア ってあそこにあったんだ、、、」


リナリア

「ゼナンからどういくのよ。

ナーベルク帝国民が入国出来るわけないわ。」


ジジ

「んなこたぁ分かってんだよ。

だから俺らが一緒に行くんだろうが。」


チョウラン

「え、、この前は各国々と

貿易してるサルバドル共和国から

ジニア隊長のスパイと連携して密入国したんですが

最短でも2週間はかかりました。」


ツバキ

「無論、その様な時間はない。」


リナリア

「なるほど、、ツバキ隊長のサヤの力ですね。」


ジジ

三刃花隊サンジンカタイの報告からすると

ジニアはヘダと呼ばれる場所で

消息が絶ったという報告がある。」


チョウラン

「良かった、、隊長生きてたんだ、、、」


ツバキ

「それは分からぬ。」


リナリア

「でも、何故、、ヘダに、、」


ジジ

「ヘダには黒子宮門ドラゴヴァキアという火山地帯がある。

ヘダに行くには

ラミオラスの帝都シンシャドゥールからか

ボアフレアから軍専用列車に乗り込まない限り

行けないらしい。」


ツバキ

「そして黒子宮門ドラゴヴァキアには

煉獄レンゴクと呼ばれている監獄がある。

その名も"冥府大監獄ゲヘナプリズン"」


チョウラン

冥府大監獄ゲヘナプリズン、、

そこって、、、脱出不可能と呼ばれてる

世界三大監獄の一つじゃないですか!!」


ツバキ

「ぁあ。そうだ。

恐らく千刃花センジンカの任務で

史上最難関の任務となるだろう。

窮地に陥っても応援は望めぬ。

我等、四人だけで遂行せねばならぬ」


リナリア

「それは、、鞘花ショウカだけで

編成した方がいい、、のでは、、」


ジジ

「考えろ。

敵国に乗り込んで捕まってみろ。

一人でも強制解除されたらどうすんだよ。

だから皇帝は俺ら一刃花隊イチジンカタイ

選んでくださったんだ。」


チョウラン

「どうして、、ですか?」


ツバキ

「我等 一刃花隊イチジンカタイは任務を失敗したことはない」


チョウラン

「でも、、今回は危険過ぎます。

父君は、、それでよろしいのですか?

殺されに行く様なものですよ、、」



ゆらりと不穏な空気が流れた。


ジジ

「おい!!!テメェ!!!」


チョウラン

「ヒィッ」



ジジがチョウランの胸ぐらを掴んだ。


ジジ

「殺されてぇのか?」


リナリア

「チョウラン!!」


チョウラン

「え、、、いや、、僕、、」


リナリア

「失礼しましたツバキ隊長!!!」



リナリアはツバキに深々と頭を下げた。


ツバキ

「よせ。ジジ。その者に他意は無い。」


ジジ

「チッ」



ジジはチョウランをグッと突き飛ばすと

ツバキの方を見た。


チョウラン

「す、、すみません、、」


ツバキ

呉家ゴケ蝶蘭チョウラン

皇帝はその様な下らぬ感情は持たぬ。

ナーベルクの鞘花ショウカである以上

死ぬ時は継承するとき。

ダンジョン化などせぬ。

問答は無用だ。答えはただ一つ

それ以上も、それ以下も有り得ぬ。」


ジジ

「分かったかよ。」


チョウラン

「はい。」


ツバキ

「ではこれより

一刃花隊イチジンカタイ

六刃花隊ロクジンカタイ副隊長

二刃花隊ニジンカタイ副隊長 計四名は

冥府大監獄ゲヘナプリズンへ向かう。」


ジジ

「はっ」


リナリア

「はっ」


チョウラン

「はっ」


ツバキ

「半刻後に六刃花隊ロクジンカタイ飛行場に来い」



ーー 一刃花隊イチジンカタイ隊舎前ーー


チョウラン

「うわぁん!!

リナリアさぁぁあん!!怖かったですぅ!!」



チョウランはリナリアに泣きついていた。


リナリア

「よしよし。

あの二人は知らないと怖いわね。」



リナリアはチョウランの頭を、ポンポンと撫でた。


チョウラン

「何で二人とも目つきが鬼の様なんですかぁあ!!

ツバキ隊長に至っては無言の圧が凄すぎて

というより殺気というか凄い刃汽ジンキ

当てられ続けてて身が持ちませんでしたぁあ!」


リナリア

「泣くな。チョウラン!!

もう、二刃花隊ニジンカタイの副隊長なんだから!

しっかりするのよ!キキちゃん助けたく無いの?」


チョウラン

「グスンっ、、助けたいです!!」


リナリア

「なんで素直にそう言わなかったの?」


チョウラン

「だってぇぇぇえ

怖いんですもん!!!!!」


リナリア

「そんな自信持って言わないでよ。」


チョウラン

「はい、、、」


リナリア

「ツバキ隊長の隊は

規律と法を司る一刃花イチジンカ

ジジは冗談で言ってるのよ。」


チョウラン

「え??あれが冗談!?!?

嘘だぁあ迫真の演技過ぎる!」


リナリア

「からかわれてるのよ」


チョウラン

「トラウマだ、、、

あのロン毛コンビ、、、、」


リナリア

「それ、本人達の前で言ったら

法の抜け穴使って家ごと潰されるわよ。」


チョウラン

「嫌だーーー!!!」


リナリア

「はぁ。子供じゃないんだから、、

じゃぁ。六刃花隊ロクジンカタイ隊舎に戻って

支度したら行きましょう。

一応、大事な人には別れを告げてから来なさい。」



リナリア心の声

((今回の任務は少しおかしい、、

鞘花ショウカがツバキ隊長だけなんて

流石に無謀過ぎるのでは、、))


チョウラン

「それは、、どういう、、、」


リナリア

「そのままの意味よ。

兄さんに会ってから私は行くから

そのあと飛行場で会いましょう」


チョウラン

「はい。。わかりました。」





千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン


Seasonシーズン1ワンThe beginningビギニング  of a newオブアニュー nightmareナイトメア(完)






おまけ






ーー 一刃花隊イチジンカタイ隊長室ーー


ジジ

義忠ヨシタダ 今回の作戦は、、」


ツバキ

「軍司令部からの通達だ。

我々が決めたものは通らなかった。」


ジジ

「ぁあ。そうだな。。

マーベラスの件はジニアとアキレイが

機転を利かせて独断で動いてくれたから

ラナンキュラス一人ではなかった。」


ツバキ

「ルシファンブルク強襲など笑わせる。

隊長格がほとんどいないときを狙ってきていた。」


ジジ

「ポセドニア の時はまさかトギリや

十鬼槍ジッキソウの隊長格が

あんなに乗ってるとは思わなかった。

掴んだ情報とはまるで違う。」


ツバキ

「キキョウやジニアの件も

待ち伏せされていた様にも思える。」


ジジ

「そうだな。。

やっぱり軍上層部には、、」



ツバキ

「裏切り者がいるのであろう。」



ジジ

「目星は付いてんのか?」


ツバキ

「分からぬ、、パチンっ指を鳴らす音



ツバキは指を鳴らした。

すると一人の男が目の前に現れ

驚いた表情でツバキを見ていた。


ジジ

「ずっと聞いてたのかよ、、」



男は逃げようと走り出した。



ツバキ

滅刃メツハ 三十九サンジュウキュウ 狭間手美鬼ハザマテビキ



どこからともなく扉と無数の手が現れて

男を捕まえると身体をグシャと、握り潰し

扉の中へ引きずり込んだ。

辺りには血の一滴も垂れてはいない。

先ほどまでいた男はまるでいなかったかの様に

跡形アトカタもなく消えてしまった。

そしてツバキ達は

何事もなかったかの様に歩き出した。



ジジ

「いいのかよ。」


ツバキ

「雑魚は何も知らぬ」


ジジ

義忠ヨシタダ、、他には何人いるんだ?」


ツバキ

「分からぬ。」


ジジ

「腐ってんな、、この国は、、」


ツバキ

「ゆるりと潰せばい」


ジジ

「そうだな、、」





ツバキ

ずは一人目」




(完)

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