Suise's Side Story

Suire's Side Story【All I Want For X'mas Is you】

作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外編Suise'sスイセズ Side Storyサイドストーリー

All I Wantオールアイワントュ For X'masフォークリスマス Is youイズユー



ここはラミオラス帝国の首都

シンシャドゥールより東に位置する

芸術と憧れの街アラーナ。

ラミオラス帝国のファッションの最先端が

常に生み出され続け

若者が住みたい街としても

毎年ナンバーワンになるほど

誰もが憧れる高級住宅街でもある。

アラーナにはビルがいくつも建っており

奇抜なオブジェも並んでいるが

それさえも違和感を覚えないほど

芸術的な建造物が数々あり

絶妙なバランスで異彩を放っていた。

そんなアラーナには一番有名なものがある。

それはラミオラス帝国民であれば

知らぬ者はいない。

世界中、誰もが一度は耳にしたことのある

超有名世界的ファッショ誌"AZALeAアザレア"

"トレウィンタフレイル社"が発行している

ファッションの聖書バイブルである。

AZALeAアザレア

ハイファッションの最先端を走る雑誌であり

女性向けに

ファッション、デザイン、ライフスタイルを

テーマに記事を掲載している。

掲載商品には

各国の有名ブランドが名を連ねており

発行部数は年間863万部である。

そして、そのトレウィンタフレイル社 本社が

ここアラーナにあった。


ーートレウィンタフレイル社 会議室ーー


ローゼル

「この子...歯がダメ。

見えすぎてる。それからここ。治療痕チリョウコン

修正できるだろうけど

そもそも表情が硬すぎる。

SJの服がどんなに良くてもねぇ...

魅せ方も撮り方も分かってない。

他の写真見せて...ハァ。

ダメ。ダメ。ダメ。何よこれ...本気?」



今まさにAZALeAアザレア12月号

クリスマス特集の表紙を決めていた。

AZALeAアザレア編集長であるローゼルは

ため息をつきながら広げられた写真を

1枚1枚見ていた。

それを戦々恐々としながら他のスタッフは

息を飲んで見つめている。


ローゼル

「これもダメ。これもダメ。

まともな写真は1枚もないの!?そ

今回のカメラマンは誰?誰なの!?」



するとスッと脇から

メガネをかけた男が口を開いた。


イベリス

「ユーリです。編集長。」


ローゼル

「ユーリ?聞いたことないわ。

そして...あなたは...誰?」


イベリス

「私は2週間ほど前から

編集長のおそばで

新しいアシスタントとして

働いておりますイベリスと申します。」


ローゼル

「そう...なの。

それで......あなた...」



ローゼルはイベリスの足のつま先から

頭までサングラスを少し傾けて

ジッと見つめると冷静に皮肉を込めて言った。


ローゼル

「その服は曽祖父ソウソフの形見かしら?

素敵ね。」


イベリス

「このグレーはーーーー」


ローゼル被せ気味に

「その色はグレーじゃないわ。トープよ。

30年前に流行った色ね。

ここはどこ?

分かるかしら?イリアン」


イベリス

「イベリスですーーー」


ローゼル被せ気味に

「ねぇ、イワン。

このビルはどこのビルかしら?」


イベリス

「私の名前はーー」


ローゼル被せ気味に

「トレウィンタフレイル本社よ。

どんな事してる会社で

ここがどんな街かご存知?

イベラスさん。」


イベリス

AZALeAアザレアーー」


ローゼル被せ気味に

「デザイン!!

ライフスタイル!!

ハイファッション!!

常に流行が生み出される

芸術と憧れの街アラーナ!!!

そして、あなたが立つこの場所は

夢と未来を世に送り出す

トレウィンタフレイル社よ!!」


イベリス

「...はい」


ローゼル

「分かった??イザイア?」


イベリス

「はい。分かりーー」


ローゼル被せ気味に

「だったらその服さっさと捨てて

予定を全て変更なさい!!

スタジオをおさえて

カメラマンとモデルを呼び戻して!!

それかもっとマシ奴をね!!!」


イベリス

「あの...」


ローゼル

Lady.S.Jレディーエスジェイを呼ぶわ」


イベリス

「ファッション界の女神をですか...

あの...」


ローゼル被せ気味に

「以上よ。」



ーースイセ自宅マンションーー

大理石と虎の毛皮の絨毯

四枚ある巨大な自画像が

壁を覆い尽くしシャンデリアが

光を乱反射させながら

クルクルと回っていた。

マンションのワンフロア全てが

住居スペースになっており

スイセの自宅は35階建ての最上階

このマンションには

数々のセレブも住んでいる超高級物件

そのリビングの中央に

様々なフルーツと花が飾られており

テーブルなのかオブジェなのか

分からない置物には

四つの携帯型通信機器

Pinphone パイナフォンの一つが

プルルルルと鳴り響いていた。

その1室にはネグリジェを着た1人の男と

本人にしか見えない妖精の姿があった。

しかし、それはあくまでも

スイセ本人のイメージである。

ラミオラス帝国兵であるスイセは

刃術ジンジュツを駆使した未知の古代科学と

現代科学の結晶である通称"超科学"を応用した

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキ神滅シヴァ

選ばれたあの日から、ある能力が発現していた。

それは3人の趣味趣向が違う

別人格の発現である。

しかし、スイセはお姉さんが3人も出来たと

大喜びであっさりその能力を受け入れ

この能力の事を『美•美•美•美ヴォーグ』と名付けた。

そして現在、スイセの住む

アラーナのマンションにて

休日をどう過ごすか

"あたし裁判"を始めようとしていた。


スイセ

「ぁあーー!!!

今日は休日!!!

そう、おやすみぃ!!!

もうすぐクリスマス!!

何にをしようかしら?

でもぉー眠たい...寝ようかしら

迷うわ...迷ってとろけそう!!!

そんな時はぁ!!!!

カンカンカンカン!!

恒例の"あたし裁判"開廷しまーす!

はいっ起立!!礼!!ポージング!!」



スイセはテンポよく言うと

ポージングをしたまま

スイレン達を見回した。

すると、すぐさま意見が飛び交う。


スイレン被せ気味に

((エステ!!))


スイレ被せ気味に

((ショッピング!!))


ジェシカニーパ被せ気味に

((映画!!))


スイセ被せ気味に

「却下!!寝る!!」


スイレン

((寝る!?))


スイレ

((あんた今、何しようか

迷ってたんじゃないの!?!?))


ジェシカニーパ

((休日こそアウトプットするために

インプットするのよ!!!

寝るなんて美しくないわ!!))


スイセ

「睡眠こそ美の基本よ!!!」


スイレン

((10時間も寝たじゃない!!

最近エステ行った??ねぇ!!

答えてみなさいよ!!

エステに勝る美なんて無いのよ!?))


スイレ

((3日前に行ったじゃない!!!

だぁかぁらぁ!!!

普段買い物に行けないんだし

欲しいもの買って発散するのよ!

いい??知ってる?

モーニングフェイスの新作が出たのよ?

みんな好きじゃない!!

買いましょうーよー!!

ハァ、あんた達ねぇ

心を満たした先に美があるもの

そう!!それこそーー))


スイセ被せ気味に

「あー!!うるさい女たちね!!

裁判長!!公正な判断をお願いしまーす!!」


スイレン被せ気味に

((エステ!!))


スイレ被せ気味に

((ショッピング!!))


ジェシカニーパ被せ気味に

((映画!!))


スイセ

「では裁判の結果は満場一致で...

寝る!!に決まりましたぁー

これにて閉廷!!!

カンカンカンカン!!!

起立!!礼!!ポージンーーー」


スイレ被せ気味に

((ちょちょちょ!!!

裁判長あんたなの!?!?))


スイレン被せ気味に

((八百長ヤオチョウじゃない!!!

異議あり!!!))


ジェシカニーパ被せ気味に

((異議なし!!却下します!!))


スイレ被せ気味に

((え!?あんた映画って

言ってたじゃない!!異議ないの!?))


ジェシカニーパ被せ気味に

((ゴホンッ。あたくし、副裁判長は

寝ながら映画を観るに変更致します!))


スイセ被せ気味に

「許可する!!」


スイレン被せ気味に

((えぇ!!!!!なにそれ!!

副裁判長なんて

いつの間に出来たのよ!!))


スイレ

((裁判長!!!あたくし副裁判長補佐は

寝ながら映画観た後に

ネットショッピングを所望します!))


スイセ被せ気味に

「許可する!!」


スイレン

((嘘でしょ!?

副裁判長補佐ってなんなの!?!?

じゃぁ!!あたくしはその後エステをーー))


スイレ被せ気味に

((有罪))


スイセ被せ気味に

「有罪」


ジェシカニーパ被せ気味に

((よって死刑。))


スイレン

((なんでエステに行きたいって

言っただけで死刑なのよ!!))



するとプルルルルプルルルルと

携帯型通信機器Pinphone パイナフォンが鳴り響く


スイセ

「あん!もう!

こーいう時に誰よ!!ったく!!

はいはい!出ますよーっと」



スイセはスワロフスキーが

輝く四台のPinphone パイナフォンを見た。


スイレン

((あら?

トレウィンタフレイル社からじゃない?))


スイセ

「やだ本当だ。」


スイレ

((このPinphone パイナフォン

トレウィンタフレイル社専用ね...

ジェシーあんた出なさいよ!))


ジェシカニーパ

((んもー。なんであたし?

誰だっていーじゃない!!

ったく!!!

ローゼルがまたプンプンなのかしらっ))



そういうとジェシカニーパは

スイセの背中にトンッと入った。

すると髪型がみるみると変化していき

スイセからジェシカニーパへと

姿が変わった。



ジェシカニーパ

「はーい。SJよ。

ただいま電話にーー」


スイレン被せ気味に

((あんたバカなの!?))


スイセ被せ気味に

((大事な要件かもしれないじゃない!))


スイレ被せ気味に

((冗談は顔だけにしてよね!!))



スイレン被せ気味に

((ブフッ!!

あんたもおんなじ顔じゃないの!!))


スイセ被せ気味に

((あんただってそうじゃない!!))


スイレン被せ気味に

((あたしが4人で1番ーー))


ジェシカニーパ被せ気味に

「あー!!おだまり!!

あっ、違うのよーん。

ロジーちゃんじゃないわん!!

ちょっと飼ってる豚がうるさくてね!」


スイセ

((豚??))


スイレン

((豚なんて飼ってたかしら?))


スイレ

((やだぁレンリー

あんたのことよ❤︎))


スイレン

((ブフッ!!あたし?

なに言ってんのよぉ!

あ、ん、た、の、ことよ!!))


ジェシカニーパ

「あらそうなの??

ちょっと待っててねロジーちゃん。

ううん。何でもないのよぉ〜

少しミュートにするわね!!!」


ジェシカニーパ

「ちょっとぉぉお???

うるさくて聞こえないんですけど!?」


スイセ被せ気味に

((あんたが豚とか言うからじゃない!!))


ジェシカニーパ被せ気味に

「豚に豚って言って何が悪いのよ!」


スイレ被せ気味に

((あたしが仮に豚だとしたら

あんたも豚なんだからね!?))


ジェシカニーパ被せ気味に

「ちょっと何言ってるか

わっかんなーい」


スイレン被せ気味に

((何で分かんないのよ!!))


スイセ

((はい!!みんなチュウモーク!!

鏡を見てみて!!))


スイレン

((あらやだ。神々コウゴウしい。

眩し過ぎて明日が見えない...))


スイレ

((荘厳ソウゴンな顔つきだわ...

まるで黄金比の極地キョクチ...))


ジェシカニーパ

「美しさがとどまる所をしらない...

ねぇ見て。天使が笑ってる...」


スイセ

((そう。分かったかしら?

あたし以外は豚よ。))


スイレン被せ気味に

((結局、豚!?

ねぇ、今の時間は何だったの?幻!?))


ジェシカニーパ被せ気味に

「あたしが誰よりも勝ってるからって

ジェラシーに拍車が掛かってるわよ!?」


スイレ被せ気味に

((豚だけに、カツ。))


スイセ被せ気味に

((上手くないわよ!!))


スイレ被せ気味に

((カツだけにウマい...))


スイセ被せ気味に

((キーーーッ!!

この女なんなのよ!!))



ーー2分後ーー


ジェシカニーパ息を切らしながら

「はぁ...はぁ、お待たせえ!!

ぶっ殺してきたわ!」


ローゼル

「「Lady.S.Jレディーエスジェイ急に電話して

ごめんなさいね。」」


ジェシカニーパ

「いーのよーん。

普段あまり出れなくてごめんなさいね!

で、どうしたの??

ブランチの誘いかしらーん?

それとも良い男でもいたーん?」


ローゼル

「「急なんだけど...

トレウィンタフレイル社に来てくれないかしら?

ちょっとアドバイスが欲しいのよ。」」


ジェシカニーパ

「あら、本当に急ね。何かしら??

分かってると思うけど...」


ローゼル

「「もちろんよ。報酬は二倍出すわ。

もうすでにいつものところに運転手を

向かわせてる。

クリスマス特集と一緒に

Lady.S.Jレディーエスジェイのブランドも

取り扱うじゃない?

表紙決めに難航してて

全て撮り直すことになったの。

最高の出来にしたいの。

だから力を貸してLady.S.Jレディーエスジェイ。お願いよ。」」


スイレン

((ジェシカニーパ!!

ここは少し、渋りなさい!!))


ジェシカニーパ

「あたし忙しいのよ...

今日もアポが3件入ってるし...」


スイセ

((この大嘘つき!!))


ローゼル

「「三倍だすわ。」」


スイレ

((3倍!!!??

いち、に、さん...し...

150万オラス!?!?))


スイレン

((もう少し...引っ張りなさい!))


ジェシカニーパ

「そうね...アポ断って

その損害を考えたら...」


ローゼル

「「分かったわ。5倍よ!!

これでどうーーー」」


ジェシカニーパ被せ気味に

「今向かうわね!」



そう言うとジェシカニーパは電話を切った。


ジェシカニーパ

「さぁ!!パァン手を叩く音

準備するわーよーん!!!!

ミュージック...ギブミッ!!」



ジェシカニーパがそう言うと

爆音でダンサブルな音楽が流れ始めた。

身体をリズムにくねらせながら

部屋を縦横無尽に駆け抜けていく。


スイセ被せ気味に

((showertimeシャワタィム!!))


スイレ被せ気味に

((stylingスタィリン))


スイレン被せ気味に

((make upメーキャップ))


ジェシカニーパ被せ気味に

perfectパーフェクトゥ!!!!』



怒涛の速度で準備を整えたスイセ達は

大きなサングラスに

大きなツバ広帽子をかぶり玄関を出て

エレベーターに乗り込んだ。


スイレ

((さぁ...街を出たら

絶対に悟られないようにするのよ!))


スイレン

((当たり前でしょ!!

Lady.S.Jレディーエスジェイ

mysteriousミステリアス!!))


スイセ

((gorgeousゴージャス!!))


ジェシカニーパ

glamorousグラマラス!!」


スイレ

((4人はいつでもmarvelousマーベラス!!))


ジェシカニーパ

「よしっ大丈夫そうね!!!

さぁ、風切って歩くわよーん!!」



チーンと音が鳴ると

凍えるような寒空に

凍てつく風が吹き抜けた。


スイセ被せ気味に

((サブッ))


スイレン被せ気味に

((サブッ))


スイレ被せ気味に

((サブッ))


ジェシカニーパ被せ気味に

「ヘックシッ!!!」


スイレン被せ気味に

((撤退!!))


スイセ被せ気味に

((撤退!!))


スイレ被せ気味に

((撤退!!))


ジェシカニーパ

「全隊ー!!!」


スイセ

((止まれ!!))


スイレン

((イチッ!))


スイレ

((ニッ!))


ジェシカニーパ被せ気味に

「ヘックシッ!!」


スイレン

((ってなに止まらせてんのよ!!))


スイレ

((気候、読み間違えたわ!!!))


スイセ

((えーーー!!

また戻るのー???))


ジェシカニーパ

「ちょっと...毛皮取ってくる!!

無理!!毛穴どころか

大事な所も縮んでなくなっちゃう!!」


スイレ

((あらやだ、本当だ。))



ーー3分後ーー


ジェシカニーパ

「あー!!あったかい!!」



ジェシカニーパはミンクの毛皮を羽織り

街を闊歩カッポした。


スイレ

((もう冬ねぇー。来月はクリスマス...

時間はあっという間に過ぎていくのね...

ねぇ?ジェシー?))


ジェシカニーパ小声で

「ちょっとレニー!!

街中マチナカなんだから

話しかけないでよ!!」


スイセ

((あー!!見てぇージェシー!!

あれがモーニングフェイスの新作!?

アティックローズのチェアー可愛い!!

今年のクリスマスプレゼントに買う?))


スイレ

((でしょー!?

わけわかんない背もたれの形が良いのよ!))


スイセ

((素敵よん!?見てよジェシー!!))


ジェシカニーパ小声で

「あら、本当っ可愛いわねぇ!!

ってだから話しかけないでって!!2人とも!」


スイレン

((外だから独り言ぶつくさ言ってると

違う意味で注目浴びちゃうから

みんな黙ってなさいよ!!

ねぇ!ジェシー!?))


ジェシカニーパ小声で

「あんたも

話しかけてんじゃないわよ!レンリー!!」


スイセ

((あっ、ここね!!

ほら!!ついたわよー!!))



そこはラミオラス帝国で1番大きな公園だった。

巨大な芝生に大きな湖と巨大な時計台

今の時期は少し早めにイルミネーションが

飾られて夕方になると恋人たちで

溢れるデートスポットだった。

そして何より有名なのは

0時を回った時の鐘の

凄まじく大きい音である事だった。


スイレン

((愛の巣アモールパーク...

知ってた?クリスマスの時期に

あそこのヤドリギの下で写真を撮れば

互いに一生忘れられない存在になれるんだって。))


ジェシカニーパ小声で

「あら、本当...並んで撮りまくってるわ。

はぁ...あたし達には

縁もゆかりも無い話ねぇ...、

毎年、クリスマスプレゼント自分に買ってるし。

誰か買ってくれないかしら...」


スイレ

((見ちゃだめよ!!

聖なる夜なんて大嘘なんだから!!

今年もあたし達は自分で買うのよ!!

さっきの椅子でいーじゃないの!!

大体、なんで聖なる夜なの!?

性なる夜にキマってるじゃない!!))


スイセ

((神々の誕生を祝う

年に1回の1大イベントよ。))


スイレ

((皮肉なものね。

その神を倒す為に生み出されたのが

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウシリーズ。))


スイレン

((おまけにあたしらは神滅シヴァ持ち。

適合したのがたまたまセシーだったけど

戦争とはいえ神を殺せる武器は

あたし達が持ってる神滅シヴァしかない。))


ジェシカニーパ

神滅シヴァがあるから

今のあたし達がいるのよ。

それがただの対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器だったら

こうはならなかったんだから。」


スイレン

((サヤもそうだけど

神滅シヴァだって

まだ解明できてない所あるんでしょ?))


スイレ

((そうらしいわね...

一体どんな理由で古代人は神滅シヴァ

作ったのかしらねぇー

神滅シヴァをマネて作ったのが

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器らしいけど...

神滅シヴァなんて

あたし達まだ使いこなせてないもの。

修業しろって2ヶ月休み貰えたのは

すっごいラッキーだけど...))


スイセ

((はぁ...いーのかしら。

神を殺せるあたし達が

神の誕生を祝うなんて。。))


ジェシカニーパ小声で

「それはそれ。これはこれよ。

ラミオラス帝国兵の前に

あたし達だって人間なのよ。

別に無理して祝う必要もないけど

お祭りのつもりで

4人で楽しみましょっ。

例年通りね。任務じゃないだけマシ!!」


スイセ

((そうね。))


スイレン

((セシー。

今日はLady.S.Jレディーエスジェイよ!

ラミオラス帝国兵を忘れて

ファッションに溺れましょ!!))



すると移動用イドウヨウ四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシン

クラクションを鳴らした。


ジェシカニーパ

「はーい❤︎

こっちよーん!!!」



ジェシカニーパは乗り込み席に座ると

自動でシャンパンと一緒に新聞が出てきた。


ジェシカニーパ

「あら、美味しい。」


スイセ

((ちょっと新聞見せてよー))


ジェシカニーパ

「はいはい。どれどれぇーー」



ジェシカニーパは新聞を広げると

隅々まで目を通した。


スイレン

((見てよコレ!!

あの殺人鬼やっと捕まったのね!!))


スイセ

((本当だ!!えー!女だったの??

しかも顔見てよ!!!))


スイレ

((うわっ...

顔の半分ヤケドだらけじゃない!!))


ジェシカニーパ

「一体、何があったのかしらね...」


スイレン

((23人も監禁して...殺したんだってぇ))


スイセ

((怖っ!!

おまけにストーカーの余罪だらけだって!!))


ジェシカニーパ

「23人も監禁して長い間バレなかったなんて...

かなりのやり手よ。コレも1つの才能ね。。」


スイレ

((先月は確か強姦殺人で

なかなかの男前が捕まったわよね???

18人の少年だっけ?))


ジェシカニーパ

「少年、少女よ。。」


スイセ

((心が痛むわね...))


スイレン

((ハァ。もっとハッピーな記事ないの!?))


スイレ

((あっ!!あたしこの人好き!!))


スイセ

((怪盗ゼット??

金持ちから金銀財宝盗みまくる奴?))


スイレ

((ヒーローじゃないの!!))


スイレン

((あたし達からも盗むわよ?

どーすんのよそしたら))


スイレ

((え?ぶっ飛ばすけど?))


ジェシカニーパ

「ぶっ飛ばすのかーい!!」


スイセ

((噂によると...怪盗ゼット

よく喋るらしいの...、))


スイレン

((あら、気が合いそうね...))



ーーローゼルサイドーー


ローゼル

「さぁ!!もうすぐLady.S.Jレディーエスジェイのご到着よ!!

では、ルールを確認!!イタリー!!」



トレウィンタフレイル社 社員が

全員集められていた。

すると、イベリスがマイクを片手に

メモを持って話し始めた。


イベリス

「えー、ルールその1

Lady.S.Jレディーエスジェイ

話しかけられたら話せ。話しかけるな。

話を振るならLady.S.Jレディーエスジェイの好きなもの。

ルールその2

Lady.S.Jレディーエスジェイ

写真、撮影、録音、

その他、記録が出来るメディア全ての使用禁止

ルールその3

Lady.S.Jレディーエスジェイ

来たことは社外秘とする。

もし、情報が漏れた場合は即刻首、違約金として

10万オラス。

誰かが話していたのを報告した場合

それが事実の確認が取れた場合は昇給

虚実だった場合は違約金10万オラス。

以上です。編集長。」


ローゼル

「よろしい。イバン。

さて、皆さん。知っての通りLady.S.Jレディーエスジェイ

アドバイスをくれた号は

いつもの3倍売上が違います。

そして、今回はLady.S.Jレディーエスジェイのブランドをメインに

商品掲載をし、表紙の服も全てLady.S.Jレディーエスジェイのブランド。

何が言いたいかと言うと...

絶対にコケさせるわけにはいかない!!

死ぬ気で成功させるわよ!!

イワンペ!!!

Lady.S.Jレディーエスジェイの趣味趣向は

把握してるんでしょうね!」


イベリス

「もちろんです。

それと...私の名前はーーあっ」



するとイベリスが耳につけていたイヤホンを

押さえながらローゼルを見て言った。


イベリス

「編集長...」



イベリスの言葉で社員全員に緊張が走る。


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイのご到着です。」



会場全体が慌ただしく動き始めた。


ローゼル

Lady.S.Jレディーエスジェイの動線確保

エレベーターを待たせるな!!

チーフデザイナーとクリエイティブディレクターは

会議室に集合し用意したモデルに服を着させて!

カメラマン!!

カメラマンは確保したんでしょーね!!」


イベリス

「ただいま、エレベーター前に到着した模様!!

クリア!!エレベーターで待っていません。

会議室に到着するまで約3分です!!」


ローゼル

「イリヤ!!

私と一緒にLady.S.Jレディーエスジェイ

エレベーター前までお出迎えするわ!!」


イベリス

「あの...私の名前はーー」


ローゼル被せ気味に

「いくわよ!!」


イベリス

「かしこまりました。」



ーートレウィンタフレイル社

60階エレベーター前ーー

チーンという音と共に

エレベーターの扉が開かれた。


イベリス

「あれが...Lady.S.Jレディーエスジェイ...」



エレベーター前の廊下には

社員が、ズラーっと並び

ジェシカニーパ達を出迎えた。


ローゼル

「あーん。Lady.S.Jレディーエスジェイ!!

急に来てくれて嬉しいわーん!!」


ジェシカニーパ

「やだぁん!!あたし達の仲じゃなーい!

困った時はお互い様よん!!」



ローゼルはジェシカニーパにハグすると

頬を2回ずつ合わせた。


スイセ

((よく言うわね!!本当!!))


スイレン

((美にはお金がかかるものよ?))


スイレ

((いくらあっても

お金は困らないの!!))


ローゼル

「もう!!Lady.S.Jレディーエスジェイったら

いつ、ウチと専属契約むすんでくれるのよーん!」


ジェシカニーパ

「あたし、縛るのは好きでも

縛られたくないのよ❤︎」


ローゼル

「そんな事言っておきながら

ファッションの仕事は

ほぼ、うちの雑誌にしてくれるじゃなーい?」


ジェシカニーパ

「そうね...ほぼ!!AZALeAアザレアね!」


ローゼル

「そう考えると...ほぼ!!専属ね!!」


ジェシカニーパ

「そうね...ほぼ!!だけどね!!」


スイセ

((毎回、毎回、言ってくるしつこい女ね))


スイレン

((このギリギリの会話

もう何年続けてるのかしら))


スイレ

((あー。

もう耳がホモにしか聞こえなくなってきた))



するとよそよそしく

見慣れない男がひょっこりと顔を出した。


ローゼル小声で

「イリス!!Lady.S.Jレディーエスジェイのコート!!」



ローゼルはイベリスに向かって

アゴで指示を出すと

イベリスを前に押し出した。


ローゼル

Lady.S.Jレディーエスジェイごめんなさいねー!!

今日入ったばかりの新人なのよー!」


スイレン

((あら?))


スイセ

((あら?))


スイレ

((あら?))


ジェシカニーパ

「かわいい坊やね。。

お名前はなんーんて言うのかしらーん?」


イベリス

「お初にお目にかかります。Lady.S.Jレディーエスジェイ

私の名前はイベリス•キャンディタフトと申します。

2週間前よりお世話になっております。」



イベリスはひざまずいて

ジェシカニーパの手の甲にキスをした。


ジェシカニーパ

「あらぁん。紳士なのね!

よろしくね!!えーーっと...」



スイセ

((イベリス...キャンディ...タフト...

タッフィちゃん?))


スイレ

((ベリちゃん??

なんか違うわねぇ...))


スイレン

((キャンキャン!?

惜しい...惜しい気がする...

今、喉元まで...

ここまで!!ここまで!!来てる!!))


ジェシカニーパ

「キャンディボーイ!!」


スイセ

((それよ!!))


スイレ

((新人だしチェリーそうだし

オケマルガール!!!))


スイレン

((あー!なんで出てこなかったのかしら!))


イベリス

「お噂通り、美しい方です。

なんなりとお申し付けください。」


スイレン

((ちょっとちょっとジェシー

なかなかの騎士道精神じゃなーい?))


スイセ

((かわいい所がいい!!飼いたい!!))


スイレ

((相手からあたし達が見えないからって

好き放題言い過ぎよ!!!

可愛いけどタイプじゃないし!!))


イベリス

「どうかしましたか?Lady.S.Jレディーエスジェイ

少しお疲れのようですが...」


ジェシカニーパ

「あっ...ごめんなさいね。

飼ってる豚のこと考えてて

もうーうるさくてねー!」


スイセ

((ちょっと!!))


イベリス

「そうなんですね。

私の実家は農家で豚を飼ってましたから

私も豚に詳しいですよ。」


ジェシカニーパ

「あらそうなの?

鳴き止まない時はどうしてたの?」


スイレン

((本当の豚のこと聞いてどうすんのよ!!))


イベリス

「そうですね。

フォークで撫でるんですよ。

そうすると静かになりますね!」


ジェシカニーパ

「そう、フォークで刺すのね。」


スイレ

((聞いてた!?フォークで撫でるの!

刺すんじゃないの!!!撫でるの!!))


イベリス

「そういえばLady.S.Jレディーエスジェイ

モーニングフェイスのブランドを

好んで買われると聞きました。

私も好きなんです。

モーニングフェイス。

特に家具が好きなんですよ。」


スイレ

((あらやだ、話が合うわ。))


ジェシカニーパ

「あたしも、贔屓ヒイキにしてるのよ。

新作は毎回、チェックしてるの。」


イベリス

「私もです。

今回の新作はもう見ましたか?」



するとローゼルがイベリスを見て

わざとらしい咳払いをした。


ローゼル

「ゴホンッ」


イベリス

「あっ、申し訳ありません。

コートをお預かりしますね!

Lady.S.Jレディーエスジェイ

どうぞこちらに。

会議室にご案内致します。」


ジェシカニーパ

「ありがとうキャンディボーイ」



そういうと

ジェシカニーパは

イベリスにコートを預けて会議室へと

入っていった。

そこには大勢のスタッフが待っていた。


スイセ

((あら?こんなにいっぱい...))


スイレン

((気合いの入り方が違うわね!!))


スイレ

((え...帰宅何時になるのよー!!!))


ジェシカニーパ

「本当...1から決めるのね。」


ローゼル

「そうよ?まずは表紙のモデル決めから。

女優やセレブは呼んでないわ。」


ジェシカニーパ

「それでいーの。

あの子達は服よりも自分を出したがるからダメ。

あたしの服には合わないわ。

雑誌におけるファッションはね

着こなさない。着られろよ。

モデルが見たいなら写真集でも買えばいいわ。

あくまでも服が全てよ。」


ローゼル

「もちろんよ!パパン手を叩く音


イベリス

「モデル入ります。」



イベリスが扉を開けると

次々とモデル達が入ってきた。


スイセ

((急に呼び出してこれだけのモデルを

揃えられるのはさすがAZALeAアザレアね。))


スイレ

((どれも一流よ?

でもあたし達は?))


スイレン

((超一流!!))


スイレ

((そしてジェシーの審美眼シンビガンは?))


スイセ

((宇宙規模一ギャラクシアン1流よ!!))



するとジェシカニーパは

次々とモデルを指差した。


ジェシカニーパ

「3番から6番3時間睡眠が足りない。

 8番7番、さっき肉食べたでしょ?正気?

今すぐ吐いてきなさい。ほら!行ってきな!!

1番と9番!!何よその髪!!

栄養が行き届いてない!!

ファッションなめんじゃないよ!!

10番!!!あんたは単純にブス!!帰んな!!」


スイセ

((相変わらず辛口ねぇ。ジェシー))



10番の女の子は泣きながら帰って行ってしまった。


スイレン

((可愛そー。可愛かったじゃなーい。))


スイレ

((何言ってんのよ。

誰も顔がブスなんて言ってないじゃない。))


スイレン

((そうなの!?))


スイレ

((見てなさいよ。))



ジェシカニーパがコトゴト

モデルを切っていく姿を見ていたイベリスが

ジェシカニーパを不安げな表情で見ていた。


ジェシカニーパ

「非情かしら?キャンディボーイ」


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイ...

10番の子は今話題のモデルで

奇跡的にスケジュールがーーー」


ローゼル被せ気味に

「あーん!ごめんなさいLady.S.Jレディーエスジェイ!!

この子ったらなんも分かってなくて!!」



ジェシカニーパはモデルから

目をらさずに口を開いた。


ジェシカニーパ

「急なスケジュール。

時間は限られるのに長丁場

耐えられそうな子だけ残してるのよ。

キャンディボーイ。

10番の子はね。ストレスが肌や髪

そして瞳に出ていたの。

外見なんていくらでも着飾る事は出来るのよ。

でもね、内面がブスの状態の人は

どんなに着飾っても無意味よ。

時間が彼女の仮面を剥がしていくわ。」


イベリス

「そこまで...見ていたのですね...

感服致しました。

とんだ無礼をお許しください。」


ローゼル

「んもう!!!イーアン!!

プロに任せるのよ!!!

許して頂戴!!Lady.S.Jレディーエスジェイ!!」



ジェシカニーパ

「いーのよ。あたしと仕事するのは

初めてでしょ??

誰だって分からない事は不安だわ。かと言って

誰かが教えてくれるわけでもないからね。」


スイセ

((誰だって分からない事は不安だわ。

かと言って誰かが教えてくれるわけでもないからね。

ってブフッ!!

この前見た映画のセリフじゃない!!))


スイレ

((あー!あたしまで恥ずかしい!!!

映画好きも大概タイガイにしてよね!))


スイレン

((ブフッよくも抜け抜けとそんな事言えるわね!

まるで自分の言葉の様に!!))


ローゼル

「あら?Lady.S.Jレディーエスジェイ

冷や汗?どうしたのよ?」


イベリス

「お水でもお持ちしましょうか??」


ジェシカニーパ

「い、いえ...ちょっと...豚の考え事!!

さっ、次はポージングを見せてみて!!

1人ずつ並んで1秒ごとにポーズを変えるのよ!」



ジェシカニーパはそういうと

様々な工程を経て

30人から2人までモデルを絞って行った。



ーー4時間後ーー


イベリス

「凄い...2人まで絞った...

しかもほとんど見ただけで...、」


ローゼル

「凄いでしょ?イタンゴ

これがLady.S.Jレディーエスジェイよ。

数々のセレブと接し鍛え抜かれた審美眼シンビガン

ビジネスを見極める先を見通す力!!

あー!!惚れ惚れしちゃう!!

まさにセレブリティ!!」


ジェシカニーパ

「さっ。次はモデルのスタイルを

ガッチガチに締めあげるわよ!!

準備してくるから待っててねーん!!」



そう言うとジェシカニーパは席を立ち部屋を出た。


ローゼル

「さぁ!ベッドを2台準備!!」


イベリス

「何が始まるんですか!?」


ローゼル

「モデルを脱がせなさい!!!」


イベリス

「え?...私がですか!?」


ローゼル

「イーサン。以上よ。」



ーージェシカニーパサイドーー

ジェシカニーパはトイレにある鏡の前にいた。


ジェシカニーパ

「ちょっと!!!本当うるさいんだけど!!

アドバイスだけしてなさいよ!!!

フォーク持ってきて刺すわよ!!!」


スイセ

((あら?誰に刺すの?自分??

自分に刺すの??))


スイレン

((やれるもんならやってみなさいよー!!))


スイレ

((バカねぇ!人格は変わっても

身体は共有なのよーん!))


ジェシカニーパ

「本当、嫌な女たちね!!

急いでんのに後ろでブーブー言われたら

集中出来るわけないじゃないの!!!

このオタンコナスビッチ!!!!!

スイレン!!!交代よ!!!!」


スイレン

((カリカリしないでぇー!

美容の大敵タイテキよ?))



スイレンはそういうと

ジェシカニーパの背中へ

トンッと入った。

すると髪型がみるみる変わっていき

ジェシカニーパからスイレンへと変わって行った。


スイレン

「はーい!!あたしの出番ね!!

この魔法の手技シュコシュコハンドで本来の持てる美を

前面に押し出してあげるわーん❤︎」



ーー30分後ーー


イベリス

「お帰りなさいませ。

Lady.S.Jレディーエスジェイ

...って...髪型が随分と短く...

バンダナを巻いてらっしゃるのですね。

素敵です。」


スイレン

「ありがとう❤︎キャンディボーイ

さぁ!!始めるわよん!!!!」


ローゼル

「もうモデル2人にはベッドで

待ってもらってるわ!

やっちゃってLady.S.Jレディーエスジェイ!!」


スイレン

「気合い入れてくわよーん!!」



会議室には簡易ベッドが2つ並んでおり

水着姿となったモデルがそこで仰向けになっていた。


ローゼル

「ぁー羨ましい。

Lady.S.Jレディーエスジェイの施術を受けるなんて!!」


イベリス

「施術?一体何をするんですか?」


ローゼル

「さぁ、始まるわよ」


スイレン

「オンドリャー!!!!」



スイレンはモデル達の骨格を

ボキボキと鳴らしていた。

モデル達の叫び声が会議室中に響き渡る。


スイセ

((壮絶だわ!!!

見てられない!!!))


スイレ

((あれ、施術と見せかけて

関節技にしか見えないのよね...))


ジェシカニーパ

((ぁあ...おぞましい...))


スイレン

「美しさっ!!は!!

土台の!!!オンドリャ!!骨格!!

そしてぇえええ!!!

テイテイテイテイテイテイ

テイテイテイテイテイテイ

テイテイテイテイテイテイ!!!!

血の!!!巡りャァァ!!!!!

老廃物!!!発見!!!

押しながっっす!!!!

オンドリャァァ!!!!!!」


イベリス

「ジャーマンスープレックス...

関係あります...か??」


ローゼル

「ぁあん!!!

私も受けたァアい!!!!」


イベリス

「そうですか...私は...大丈夫です。」


スイレン

「女は!!骨盤が!!!

よくっ!!ゆがむからぁぁ!!!

トリャ!!!ソイヤ!!!ソイヤ!!

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!!!

整えてソウロウ!!!!!!

あんたの!!彼氏も!!所詮は早漏ソウロウ!!!

ワガママ!!言って!!イくのが!!早い!!!」


スイセ

((破廉恥ハレンチな女!!!))


スイレ

((でもどうせそうよ!!))


ジェシカニーパ

((世界一どうでも良い話題ナウよ))


スイレン

「さぁ!!続いてはオイルよ!!

このLady.S.Jレディーエスジェイ特製オイルで

身も心もツヤツヤバディでdynamiteダイナマイッよん!」



するとスイレンはオイルがたっぷり入ったバケツを

頭からかぶった。


イベリス

「え!?オイルを自分がかぶった!?

どういう事ですか!?」


ローゼル

「全身を使って全身をほぐすのよ。

人肌に勝る温度はないわ!!」


スイレン

「いやーん❤︎滑る!!滑る滑る滑る!!!

ブヘッ!!!!!」



スイレンはモデル達に

頭から突っ込んでしまった。


イベリス

「え?Lady.S.Jレディーエスジェイ!?

大丈夫ですか???」


スイレ

((ちょっと!!毎度毎度滑るなら

サンダルぐらいはきなさいよ!!))


スイセ

((イッターい!!!

コブ出来たらどうすんのよ!!!))


ジェシカニーパ

((アホだと思われるから

ねぇ!本当やめて!!!))


スイレン

「こ...コケてませーん!!」


スイセ

((いや!?コケたからね!?))


ローゼル

「あれは...コケたと見せかけて

ストレッチの一種よ!!」


イベリス

「なるほど...流石です!!」


スイレ

((バカで良かったぁー!!!!))



ーー2時間後ーー


スイレン

「はぁ!!疲れたぁあ!!完璧ね!!

見てこの作品!!!」



そこにはツヤツヤでほっそりとし

血色も良くなったモデルが立っていた。


スイセ

((身体のライン...完璧ね!!

美しいわ!!!))


スイレ

((さすがスイレン!!!

まさに神の手!!!!

美の化身ビューティエスジェイとはあなたのことよ!))


ジェシカニーパ

((あたしが選んだ素材のおかげよ!!))


スイレン

「あたしの施術は6日間効力が続くの。

ただし、モデルさん達良く聞いて。

水は3リットルは毎日飲む事。

食事は野菜と大豆だけよ!!

食事は1日5回少量に分ける事。

酒もタバコもだめ!!!

だけど...、抱かれるのはOK!!

むしろ抱かれなさい!!!

そして女性ホルモンはビンビンに出しなさい!!

それに勝る美容はないのよ!

分かったわね?

あっ、聞いてなかったけどロジーちゃん

この子たちとスタッフのスケジュールは

いつまで押さえてるの!?」


ローゼル

「イラハザード!!!

スケジュールはどうなってるの!?」


イベリス

「あっ...5日です...」


ローゼル

「5日!?たったの?」


イベリス

「急遽だったので...」


ローゼル

「もっと出来る子だと思ってたわ!!」


スイレン

「いーのよ!!頭の中だと

2日ぐらいだと思ってたから

全然いーわね!!

キャンディボーイよくやったわ。」


イベリス

「あっ...ありがとうございます!!」



イベリスは顔を赤らめて

スイレンにお辞儀をした。


ジェシカニーパ

((思ってたより短いわね...))


スイセ

((ちょっと今の見た?))


スイレ

((超可愛いんですけど!!!!))


スイレン

「食べちゃいたい。」


イベリス

「え?」


スイレン

「あっ...

タンパク質食べたいわーん!!って

思っただけよ!!!」


スイレ

((気をつけてよ!!))


スイセ

((あたしらが言ったら

本当に喰われると思われるわよ!))


ジェシカニーパ

((あんた達がやかましいからよー!!))


ローゼル

Lady.S.Jレディーエスジェイ

次はメイクかしら???

それとも着る服と相談する??」


スイレン

「そうね...、」


スイセ

((服を決めてポージング決めたいんだけど

その前に照明とカメラと相談しないと!!

テーマをしっかり共有してからじゃないと

決めかねるもの!))


スイレ

((スーパーファッションアドバイザーの

本領発揮ね!!

セシーが考えてる間に

あたしがフルメイクするわ!))


ジェシカニーパ

((あたし達がデザインした服は

セシーが1番魅力を引き出せるわ!

最高の一枚が撮れるわよ!!))


スイレン

「まずはカメラマンと相談するわ!

みんなでもう1度テーマを共有しましょ!」


ローゼル

「分かったわ!!

イメリア!!!カメラマン呼んで!!!」


イベリス

「編集長...それが...その...、

急に来られなくなりまして...」



その瞬間、会議室に戦慄が走った。


ローゼル

「アハハ...良く聞こえなかったわ。

もう一度言って?」


イベリス

「カメラマンは来ません。」


スイレン

「あらあら...」


スイセ

((どうするのよ))


スイレ

((ロジーちゃんの雷が落ちるわね...))


ジェシカニーパ

((この子とも今日が最後ね。

グッバイ。キャンディボーイ))


ローゼル

「カメラマンを...探してきなさい!!!

今...すぐ!!!!今すぐ!!!」


イベリス

「は...はい!!!!」


ローゼル

「ちょっと!!あんた達もよ!!

ボサッとしてないで!!!

探しに行きなさい!!!!!!

以上よ!!!!!!!!」



ローゼルはヒステリック気味に

叫び散らかし、スタッフ全員を

外へと追い出しカメラマンを

探しに行かせた。

しかし、とうに日は沈み夜になっていた。


スイレン

「ほら、落ち着きなさいよ。」



スイレンはココアを淹れて

ローゼルを椅子に座らせた。


スイレン

「ねぇ、ロジーちゃん。焦る気持ちは分かるわ。

時間との戦いですもんね。

でも、チームをあんな風に怒っちゃダメ。

誰もが就きたい憧れの仕事なのよ?

そして、あなたは憧れの人

みんなあなたを目指してる。

ラミオラス版のAZALeAアザレア

ここまで大きくしたのはあなた。

ファッション界の重鎮ジュウチン

最もファッション界で影響力のある著名人に

いつも50位圏内にランクインしてるぐらい

凄い人なの。もっと余裕を持って。

見つかるわよ。カメラマンくらい」


スイレ小声で

((1位はあたし達Lady.S.Jレディーエスジェイだけどね!))


ローゼル

Lady.S.Jレディーエスジェイ...

ごめんなさい...あたし取り乱しちゃって...

最近、新進気鋭シンシンキエイのハイファッション雑誌が

グングン伸びてて

焦りが出ちゃったかもしれないわ。」


スイセ小声で

((その雑誌の監修したのあたし達だけどね!))


ローゼル

「あなたの力を借りて

来月の12月号のクリスマス特集は

特別なものにしたいのよ。」


スイレン

「どうして??」


ローゼル

AZALeAアザレアが創刊してから

ちょうど50周年なの。

だから最高の表紙。最高のブランド。

世の女性達にファッションで夢を見せたいのよ。」


ジェシカニーパ小声で

((どうすんのよ!!

あたしらが監修してる雑誌も1周年記念号よ!?))


スイレン

「そうなのね...その...

新進気鋭シンシンキエイ...の...雑誌...

いきなりどうして伸びたのかしら...ね...」


スイセ

((白々しい女ね!あんたって!!))


ローゼル

「センスがずば抜けてるわ...、

うちの商売敵ショウバイガタキよ。」


スイレン

「大丈夫。上手くいくわ。

チームを信じて待ちましょう。

あたしもスケジュール空いてるし...

とことん付き合うわよ。」


スイセ

((もう!!

今さらっと全部付き合うとか言った?))


スイレ

((任務が入ったらどーすんのよー!!))


ジェシカニーパ

((その時はバックれましょ!!

もちろん任務を!!))


スイレ

((ジギおじちゃまに

あたしらがぶっ殺されるわよ!?))


ジェシカニーパ

((大丈夫よーん。休みもらってるし

何かあったらギリちゃんが

どうにかしてくれるわーん。))


スイレ

((ダメよ!!))


スイセ

((本当、レンリーってお人好し!))



その後、どんなに待っても

カメラマンが捕まることは無かった。



ーー2時間後ーー


ローゼル

「ごめんなさい。Lady.S.Jレディーエスジェイ

とりあえずカメラマン見つけたら

連絡するわ!!」


スイレン

「いーのよ。まだ時間があるし

6日間は効果があるから心配しないで。

こういう業界って良くあることじゃない?

一流雑誌のAZALeAアザレアよ?

普通なら、こぞって撮りたがるのに

どうしてかしらね。」


ローゼル

「あたしにも分からないわ。。

なんて不運なのかしら。」


スイレン

「ほら。ロジーちゃん。

スマイル!スマイル!

つらい時こそ笑うのよ!!」



ローゼルは悲しげな顔をし微笑むと

大きなため息をついた。


スイレン

「じゃぁまた連絡してね!」


ローゼル

「そうね。気をつけて帰って。

良い夜を。」


スイレン

「良い夜を」



そう言うとスイレンはエレベーターに乗り

1階のボタンを押した。


スイレン

「ハァ。やっと終わったわーん!!」


スイセ

((お疲れ様!!))


スイレ

((お疲れ様!!))


ジェシカニーパ

((そういえばキャンディボーイは

どこ行ったのかしら?))


スイレン

「まだ探してるのよ。

ローゼルの言うことは

トレウィンタフレイル社の絶対よ?」


スイレ

((可哀想なキャンディボーイ))


スイレン

「もうクタクタよ...」


スイセ

((交代するわ。

ゆっくり休みなさい。))



スイセはスイレンの背中にトンッと入ると

髪の毛が真っ直ぐ少し伸び

スイレンと入れ替わった。


スイセ

「何よこれ!!

身体バッキバキじゃないー!!!

汗くさっ!!!!!」


スイレン

((あれやると大変なの忘れてた!?))


スイレ

((でも150万オラスよ!!

お釣りが来るじゃない!!))


スイセ

「あたし、トイレで着替えてくる!!!」



チーンとエレベーターが開く音が鳴る。

エレベーターが1階につくと扉が開いた。

すると、スイセはトイレに駆け込み

急いで服を着替えるとトイレから出てきた。


ジェシカニーパ

((さっ!!今日は真っ直ぐ帰りましょ!!

ってあれ?見てよ!!キャンディボーイだわ))



そこにはイベリスが柱に寄りかかって

うなだれていた。


ジェシカニーパ

((声かけた方が良さげじゃない?))


スイレ

((そうね...

見つからなかったものね。))


スイレン

((心の広さ見せつけなさいよセシー!))



スイセはスイレンの言葉通り

イベリスに声をかけた。


スイセ

「だーれだ❤︎」



スイセはイベリスの背後へと

一瞬で移動して気配を消すと

音もなくイベリスの両目を両手で塞いだ。


イベリス

「ワッ!!!って

Lady.S.Jレディーエスジェイ!!!

あ、あ、あの...、」


スイセ

「フフッ、気にしなーいの❤︎

そんな日もあるわよ。

さっ、帰りましょう。

送迎の魔進マシンが来てるから良かったら

一緒に乗って帰ったら?」


スイレ

((下心丸見えじゃないの。))


スイレン

((下心どころか親心よ!))


ジェシカニーパ

((とって食おうってわけじゃないんだし

そんな思いやりも必要よ。))


イベリス

「あっ、そんな!!

滅相もございません!!!

Lady.S.Jレディーエスジェイと同じ魔進マシンなんて!!」


スイセ

「あら?あたしの優しさを受け取れないわけー?

スイセちゃん悲しみのあまり身売りしそう!!」


スイレン

((せめて身投げよ。それ。))


スイレ

((身売りしてどーすんのよ。

ただのビッチじゃない!!))


ジェシカニーパ

((買ってくれてもサーカスだからね?

あたし達))


イベリス

「あはは、Lady.S.Jレディーエスジェイが身売りしたら

私が買いますよ。」


スイレン

((なにそれイケメン!!!))


スイレ

((買ってもらおうじゃないのワンナイト!!))


ジェシカニーパ

((えーと...1人3回だとして...12回戦!?

死ぬわよ...この子...))


スイセ

「中々の男じゃない?

そんなこと言える度胸あるのね!

今度買ってもらおうかしら?

フフッなーんてね!

ほら、乗って。帰りましょう。」



スイセはイベリスの肩を抱いて

移動用イドウヨウ四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシンへと案内し

2人を乗せるとすぐに発進した。


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイ

今日は本当に申し訳ありませんでした。

せっかく急に来て頂いたのに。」



本当に申し訳なさそうに言うイベリスの言葉を

スイセは流れていく窓の景色を見ながら

優しく答えた。


スイセ

「ロジーちゃんにも言ったけど

この業界では良くあることよ。キャンディボーイ

あなたは頑張ってるわ。」



イベリス

「でも、どんなに頑張っても

認められなければ意味がないです...

私なんてまだ名前すら覚えてもらってませんから」


スイレ

((あらら...

キャンディボーイ落ち込んでるのね...))


スイレン

((慰めてあげなさいよ!!))


ジェシカニーパ

((ほら!チャック下ろして!!!))


スイレ

((え!?そっち!?

おっぱじめるの!?今!?))


ジェシカニーパ

((バカね!!もちろん...、今よ!!))


スイレン

((ちょっとあんた黙ってなさいよ!!))


ジェシカニーパ

((さぁ!!おろすの!!))


イベリス

「どうか...しましたか?Lady.S.Jレディーエスジェイ?」


スイセ

「おろして」


イベリス

「え!?」


スイレン

((ぇぇぇえ!!!!))


スイレ

((嘘でしょー!?!?))


ジェシカニーパ

((さぁ!!やるのよ!!!))


スイセ

「あっ、ごめんなさい。

あたしここで降りるわ!!」


イベリス

「ご自宅の周辺なんですか?」


スイセ

「ちょっと寄りたいところあるから

ここでいいわ。」


スイレ

((寄りたいところ!?))


スイレン

((あんた達がゴタゴタ言ってるから

思わず本音が出ちゃったのよ!!))


ジェシカニーパ

((まさか本当に言うと思わないじゃない?))


スイレ

((あんた自分で言っておいて

いざこうなったら逃げるのね!!!

卑怯な女!!))


イベリス

「運転手さん...ここら辺で良いみたいです。

はい。そこの脇に停めてください。」



道路脇に停車すると

スイセは外へ出た。


スイセ

「あっ、キャンディボーイ。

名前なんて覚えてもらわなくていーじゃない。

別にたいしたことじゃないわ。

なんて呼ばれたっていーじゃないのよ。

大切なのは名前じゃなくて

あなた自身を覚えてもらうことよ。

頑張って仕事なさい。

今日のあなたは素晴らしかったわ。」


イベリス

「...Lady.S.Jレディーエスジェイ

ありがとうございました!!!」


スイセ

「いーのよ。気にしちゃダメよ。

明日に持ち越さないのが

元気のヒ、ケ、ツんーーーーバッ❤︎

じゃぁねー!

そのまま乗せて行って貰いなさーい!!

アディオス!アミーゴ!

アヒージョーントラボルタッ!」


イベリス

「あっ...Lady.S.Jレディーエスジェイ...

その服...とっても素敵です!!」


スイセ

「ありがとう。キャンディボーイ」



スイセはそう言ってバッチリとポージングを決めると

魔進マシンが見えなくなるまで見送った。


スイセ

「ハァ...サブッ!!!!

どうしてくれんのよ!!!

おろしなさいとか言うから

釣られて言っちゃったじゃない!!」


ジェシカニーパ

((あんらぁ?あたしのせい?

人のせいにするなんて

セシー...、身体は大きいのに

心はミニマムなのね!))


スイセ

「うるっさいわね!!

ジェシーがいけないんでしょ!?」


スイレ

((大体ここどこよ!!

Pinphone パイナフォンで調べましょ!!))


スイセ

「…ジェシー!!出る時、持ってきた!?」


ジェシカニーパ

((...忘れたわ!!!!))


スイレ

((最悪よ!!!どうすんのよ!!!))


スイレン

((迷った!?この寒空の下で!?))


ジェシカニーパ

((あっ!いい考えがあるわ!!))


スイセ

「何よ!!」


ジェシカニーパ

((北斗七星を見つけるの!!!))


スイレ

((アタタタタタッ!ホワタッ!!ってバカ!!

それを言うなら北極星よ!!))


スイレン

((見つけてどうすんのよ!!))


ジェシカニーパ

((方角が、分かれば家に着くわ!!

探すわよ!!))


スイレン

((待って...あんた...見つけた所で

あたし達の家の方角知ってんの?))


ジェシカニーパ

((知らない))


スイレ

((知らないのかーい!!!))


スイセ

「知らないのに提案しないでよ!!」


ジェシカニーパ

((だって...あんた達の誰かが

知ってるかもしれないじゃない??

とにかく探すわよ!!

ほら!空を見上げて!!))


スイセ

「…星なんて1つも出てないじゃない!!!」


スイレン

((ジェシー!!あんたって

いっつも中身無いくせに偉そうね!!))


スイレ

((普段、送り迎えしてもらってるから

全然帰り道分からないわ!!))


ジェシカニーパ

((うるっさいわね!!

あんた達が星になって

照らせばいーじゃない!!))


スイレン

((え?あたしなら、なれる気がする...

そう!希望の光!!!))


スイセ

「あたしの方がなれるわよ!

そう!明日アスへの光!!!」


スイレ

((寝言は寝て言うものよ。

あたしこそが、そう!唯一無二の光!!!))


ジェシカニーパ

((そんな光じゃ帰れないわよ...、))



すると1人の男が話しかけて来た。


レオン

「道に迷っちゃって...」


スイセ

「今ちょっと取り込んーーー

あら...」


スイレ

((...イケメン))


スイレン

((...セクシー))


ジェシカニーパ

((...ハンサム))



そこにはスイセよりは小さいが

長身で限りなく白に近い銀髪の男が立っていた。

肌の色は褐色カッショク

スイセと同じ色をしていた。


スイセ

「え...あ...

あたしも...道に迷ってて...」


レオン

「あ...地元の人じゃないんですか?」


スイセ

「近くには...多分...住んでるんですけど...」


レオン

「俺...さっき着いたばかりで

よく知らない所でおろされちゃって!!

あっ!いきなりすみません!!

俺はレオンと言います。」



レオンはそう言うとニッコリと笑った。


スイレン

((いゃ〜ん❤︎フォーリンラブ!!))


スイレ

((その笑顔...可愛いわ〜ん!!))


ジェシカニーパ

((スイセ!!あんたどうすんのよ!))


スイセ

「あ...あたしはSJ」


レオン

「SJっていうんですね!

俺の事はレオンって呼んでください。

ちなみにフランチェスカってホテル知ってますか?」


スイレン

((うちの通りにあるホテルよ!!

家賃滞納して追い出されたから

行くとこないって言いなさいよセシー!!))


スイレ

((ダッサ!!!それホームレスじゃない!!))


ジェシカニーパ

((手段選ばなさ過ぎよ!?

押し倒しなさい!!!!))


スイレ

((それドン引きどころかお縄だからね?))


スイセ

「フランチェスカなら...知ってるわよ?」


レオン

「あっ!俺...

Pinphone パイナフォンの電源切れちゃって...一応...地図あるんですけど...

現在地が分からなくて...、」


スイセ

「どれ...見せて...」


スイレ

((あっ...ここじゃない?))


スイレン

((トレウィンタフレイル社がここだから...

多分...ここね!!))


ジェシカニーパ

((愛の巣アモールパークが近いのね!!))


スイセ

「んー...愛の巣アモールパークの前が

フランチェスカホテルよ。」


レオン

「そうなんですね!!

この時期の愛の巣アモールパークの写真撮りたくて

少し遅めの時間に来てみたんですけど

ここはお金がないと

運転手さんも冷たいんですね...」



確かにレオンは安物のジャケットに

使い込まれたリュックを背負っていた。


スイセ

「あ...、セレブ街だから

ブランド着てないとナメられるのよ...

世知辛い世の中ね...

って...あなたカメラマン!?」


レオン

「そうです!!仕事で来ました!

だいぶ遅くに連絡来て

びっくりしましたけど

そのまま引き受けちゃいました。」


スイセ

「服は撮ったことある?」


レオン

「はい...それなりには...」


スイレン

((あら!!良さげじゃない!!))


スイレ

((でもあのAZALeAアザレアよ?

生半可な写真じゃダメに決まってるでしょ!?))


ジェシカニーパ

((そうよね...、誰でも良いわけないわ...

でも、いないよりかマシよ!))


スイセ

「歩きながら話しましょう。

あたしも同じ方向だし。」


レオン

「え?いいんですか?

ありがとうございます!!」


スイセ

「あなたはどこから来たの??」


レオン

「生まれはサルバドル共和国で

出身はボアフレアです。」


スイセ

「ネジと油の街ね...」


スイレ

((すっごい貧乏な所じゃない!!))


スイレン

((でも油臭いダンディな男ばかりよ!))


ジェシカニーパ

((にしても、爽やかよね...))


レオン

「あまり...良い所ではないですが

働いた後のビーアは美味しかったですよ。」


スイセ

「工業地帯よね...そこ。」


レオン

「詳しいですね!

写真がやりたくて色んな所を

暇があれば撮ってるんです!」


スイセ

「敬語なれてないなら無理しないで

普段通りでいいわよ!」


スイレン

((距離を縮めに行ったわね!))


スイレ

((さすがはセシー!!))


ジェシカニーパ

((千載一遇センザイイチグウのチャンス!))


レオン

「アハハ!!バレました?

俺、堅っ苦しいの苦手で!!」


スイセ

「あたしも堅っ苦しいの苦手なのよーん!!

旅は道連れよ!!仲良くいきましょ!」


レオン

「そうだね!SJ!!

よかったら撮った写真みる???」


スイセ

「え?いーの??」



するとレオンはリュックからカメラを取り出して

中身のデータを見せてくれた。


スイセ

「あら...なかなか良い写真じゃない」


スイレン

((本当だ...、))


スイレ

((相当な腕前ね...

ジェシーどう??))


ジェシカニーパ

((物語さえ感じるわね...、

全部の写真に程よく風が吹いてる...

都合よく美しく風なんて吹かないわ...

ジッと待って待ち続けて

一瞬の美を写真に封じ込めてるのね...

なんて忍耐力なのかしら...

それに...これ見て...、))


スイセ

「風景だけじゃない...のね...

これは...、」


レオン

「もちろん、風景も好きなんだけど

戦争で身体を失った子供や

焼けた街...その現状を写真に収めて

世界の人々に知ってもらいたいんだ。

決して風化させたくない現実を

後世コウセイに伝えるのが使命なのさ。

より明確に。よりドラマティックに。

この...戦争という悲劇をね。」


スイセ

「カッコ良いわね。。」


スイレン

((筋の通った男))


スイレ

((チュキチュキビーム❤︎...))


ジェシカニーパ

((食べちゃいたい))


レオン

「でも、これだけじゃ食べていけないから

写真関係の仕事は全部受けてるんだ。

正しいと思うことで

食べていける世の中になれば嬉しいんだけどね...」


スイセ

「そうね...

特にナーベルク帝国と冷戦状態が続いてて

いつ、本格的に戦争が起きても

おかしくないからね。」


レオン

「大きくは報道されてないけど

小さな村や町ではもう既に始まってるし

これからもっと大きくなると思う。

それでも俺は中立に立って写真を撮り続けるよ。」


スイセ

「立派ね。友達がよく言ってるんだけど

戦争なんてどちらも悪だからはじまるって。

本当、その通りよ。」


レオン

「互いに信念を持ってるはずなのにね。」



スイレン

((ちょっと暗くない??))


スイレ

((明るい話ししましょうよ!))


ジェシカニーパ

((ほら、もう着くわよ!愛の巣アモールパーク!))


スイセ

「見てレオン!!あそこが愛の巣アモールパークよ!」



スイセが指差した先には

色とりどりに輝くイルミネーションが

愛の巣アモールパーク全体を照らしていた。


レオン

「綺麗だ...」



するとレオンはスイセの手を握り走り出した。


スイセ

「ちょっ...ちょっとレオン!!」


レオン

「さぁ 行こうSJ!!」



スイレン

((キャーー!!手を繋いでる!!))


スイレ

((レオン様ぁん❤︎))


ジェシカニーパ

((セシー!!

いつも通り走ったら

ぶっちぎりで追い越しちゃうから

か弱く着いていくのよ!))


スイセ

「レオンっ!!速いってば!!」


レオン

「アハハ!!だっていても立っても

いられなくて!!ほら!!足元気をつけてね!」



レオンは気付いていなかったが

スイセはピンヒールをはいており

折れないように最新の注意を払いながら

少し遅く走るという超高等技術を駆使して

スイセは走っていた。


レオン

「はぁ...はぁ...本当に綺麗だね!!」


スイセ

「本当ね...」


レオン

「ぁあ。SJ...写真撮っても良いかな?」


スイセ

「え?」


レオン

「君に逢えた記念に1枚。

もう逢えないかも知れないじゃないか」


スイレン

((...いんじゃない?))


スイレ

((今日ぐらいは...ね?))


ジェシカニーパ

((素敵じゃない?))


スイセ

「えぇ。いいわよ。」


レオン

「知ってるかい??

ここのヤドリギの下で写真を撮ると

互いに一生忘れられないんだってさ。

俺たちの最初で最後の舞台さ!!

ドラマティックにいこう!!

そして、この縁を忘れない為に

一緒に撮ろう!!SJ!!!」


スイセ

「え!?あたしでいーの?」


スイレン

((あたしがいーの!の間違いでしょ?))


スイレ

((どんなに取り繕っても

あたし達にはバレバレよ!))


ジェシカニーパ

((パパっと撮ってきなさいよ!ほら!))


レオン

「もちろんさ!!

じゃぁこっち来て!!!」



レオンはスイセを手招きすると

強く自分の身体に引き寄せた。


スイセ

「あっ」


レオン

「はい、チーズ」


スイセ

「ちょ...ちょっと!!」


レオン

「ごめんごめん!!

せっかくだから近くで撮りたくて

強引に抱き寄せちゃった。

でも...大切な思い出として

残しておきたいんだ。」


スイレン

((イヤーーーー!!!!!!

ラブロマン微炭酸ジュワジュワァーン❤︎))


スイレ

((乙女心がボヘミア〜ン❤︎!!))


ジェシカニーパ

((ロマンティックが止まらなぁ〜い❤︎))



スイセは突然の行動に

顔を赤らめて目を伏せた。


レオン

「アハハ!!照れてるのSJ??」


スイセ

「そりゃぁ...だって...」


レオン

「可愛いね。」



その瞬間スイセの鼓動は最高潮に達していた。


スイレン

((未だかつて...可愛いなどという言葉

言われたことがあるだろうかレニー氏!!))


スイレ

((いいえ。ありません。

基本的には屈強、頑丈、ゴリラのいずれか

3つであります。))


ジェシカニーパ

((可愛い。それは

"かわゆい"の転。"可愛"は当て字

① 深い愛情をもって大切に

扱ってやりたい気持ちである。

② 愛らしい魅力をもっている。以上

ジェシカニーパ調べ。))


レオン

「また、逢えるといいな。SJ...

もし良かったら...連絡先をーー」



しかし、スイセは走り出してしまった。


スイレ

((ちょっと!!どうしたのよ!))


スイレン

((連絡先交換しなさいよ!!))


ジェシカニーパ

((んもう!!子供じゃないんだから!!))


スイセ

「限界!!耐えられない!!

恥ずかしくて近くにいれないのよ!!」


レオン

「...、すっごい速いな...」



スイセは自宅まで猛ダッシュで帰った。


スイセ

「ハァ...レオン様❤︎」



スイセは椅子に座り込み

窓から見える景色を眺めていた。


ジェシカニーパ

((あーダメねコレ。))


スイレ

((もしもーし!!セシーちゃん?))


スイレン

((応答せよ!!応答せよ!!))



スイセはため息ばかり吐いていた。


スイセ

「ハァ...」


スイレ

((んもう!!お風呂入らないと!!))


スイレン

((セシー動かないわよ?))


ジェシカニーパ

((レニー!!交代してあげて!!

いくわよ?セシー??))



小さくコクンとうなずくのを確認すると

スイレはスイセの背中にトンッと入り

スイセと入れ替わった。


スイレ

「んーーもう!!!

身体汗まみれじゃない!!!」


スイレン

((恋する乙女ね...セシーったら。))


ジェシカニーパ

((あたし達が応援してあげましょ!))


スイレ

「まずはお風呂よ!!」



そしてスイレはお風呂を出ると

そのままベッドへと行き

倒れるように眠りについた。

ーー翌朝ーー

プルルルルプルルルルとPinphone パイナフォンが鳴る。


スイレ

「ふぁあい...、SJ...よーーーん」


ローゼル

「「グッモーニングLady.S.Jレディーエスジェイ!!

トレウィンタフレイル社のAスタジオに来てくれる??

もう迎えに行ってるから!!」」


スイレ

「...え?...」


ローゼル

「「あたしはいないけど心配してないわ!!

だってあなたはLady.S.Jレディーエスジェイですもの!!

じゃ!!よろしくねぇー!!!」」


スイレ

「ロジーちゃん...おはよ。って切れちゃった。」


ジェシカニーパ

((ほら、起きなさいよ!!

行くわよ!!!))


スイレン

((セシー?大丈夫??))


スイセ

((オケマルガール❤︎

どうせ二度と会えない男よ!))


ジェシカニーパ

((あら?仕事で来てるから

また、逢えるかも知れないじゃない?))


スイレン

((そーよ!!

いつ会っても大丈夫なように

今日も、完璧なあたし達でいないとね!!))


スイレ

「そういう事よん!!パパン手を叩く音

ミュージック...ギブミッ!!」



スイレがそう言うと

爆音でダンサブルな音楽が流れ始めた。

身体をリズムにくねらせながら

部屋を縦横無尽に駆け抜けていく。


スイセ被せ気味に

brushingブラッシング!!」


スイレ被せ気味に

shavingシェービング!!」


スイレン被せ気味に

singingシンギング!!」


ジェシカニーパ被せ気味に

dancingダンシング!!!!フゥーー!!』



ーートレウィンタフレイル社Aスタジオ前ーー


イベリス

「おはようございます。

お待ちしておりました。

Lady.S.Jレディーエスジェイ

今日は髪が短めですね。素敵です。」


スイレ

「あら、グッモーニン!!

キャンディボーイ。

今日は一体、何用かしら?」


スイレン

((こんな朝早くに...))


ジェシカニーパ

((朝じゃないわよ!もう午後よ?))


スイセ

((寝すぎなのよ!!スイレ!!))


イベリス

「では、どうぞ。」



そういうとイベリスはスタジオの扉を開けた。

そしてそこには見覚えのある姿があった。


スイレ

「ありがとう。

キャンディボボボボボボボボーーーイ!!」


スイレン

((ウソー!!!!!!))


ジェシカニーパ

((ディステニー!!!))



そこには昨日会ったばかりのレオンがいた。


スイセ

((レレレレレレレオン!!!))


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイ??

どうなさいました?

レオンさんを知ってるんですか?」


スイレ

「仕事...って...」


レオン

「SJ!!

やっぱり君だったのか!!!

逢いたかったよ!!!!」



機材のセッティングを途中でやめて

レオンはスイレへと駆け寄ってハグをした。


レオン

「昨日は楽しかった。ありがとう」


イベリス

「昨日?

Lady.S.Jレディーエスジェイとはお知り合いですか?」


レオン

「道案内してもらってね。

本当に助かった。

見てくれ!昨日の写真さ!」



レオンはカメラのデータを

イベリスに見せた。


レオン

「ドラマティックだろ?」


イベリス

「へえ。。。ヤドリギの下...

仲良さそうですね。」


レオン

「ん?どうかしたの?」


イベリス

「いえ、別に。」


スイレ

「ちょっと!!見せびらかすのはやめてってば!」


スイレン

((どれ見せて...あら。本当良い男ね。))


ジェシカニーパ

((お似合いよーん。セシー?))


スイセ

((もー恥ずかしいって!!))


レオン

「ごめんごめん。本当に良い写真だったからね!」


スイレ

「レオンたら...。

で?カメラマンの仕事ってうちの仕事なのね?」


レオン

「うん。そうだよ!!」


スイレ

「言ってくれたら良かったのに!!」


レオン

「だってあのLady.S.Jレディーエスジェイ

絡んでる仕事だと思わなかったから!!

それにSJがLady.S.Jレディーエスジェイって

気づかなかったし!」


イベリス

「当然です。Lady.S.Jレディーエスジェイの姿は

極秘にとの契約なので

どのメディアにもさらしていません。

その写真も即刻消去して下さい。

契約違反です。」


レオン

「そうだったのかい?

ごめんよSJ。

ちょっと待ってて。」



するとレオンはリュックから

リボンの付いた小包を取り出した。


レオン

「いつかまた逢えると思って

持ち歩くことにしたんだ。

ほら、昨日の写真だよ。」


イベリス

「データの消去を。」


レオン

「分かっているさ。

待っててくれないか?

俺はSJにプレゼントしてるんだから。」


イベリス

「SJではなくLady.S.Jレディーエスジェイと呼んでください。

あなたはLady.S.Jレディーエスジェイ

どんなに偉大なお方かご存知ゾンジない。

馴れ馴れしいですよ。レオンさん。

そのプレゼントもしまってください。」


レオン

「なんでそんなことを

お前に言われないといけないんだ?

俺がSJにプレゼントすることに

お前の許可なんていらないだろう。」


イベリス

「どんな腕のカメラマンか知りませんが

Lady.S.Jレディーエスジェイと対等のような口ぶり

このファッションの世界において

そんな口が叩けるのはごくわずかですよ。

身の程を知りなさい。」


レオン

「なんだと!?

お前SJの何なんだよ!!」


イベリス

「私は...、」


スイレン

((あら?なんか...))


ジェシカニーパ

((あたしのために争ってる?))


スイセ

((なんか...この感じ...))


スイレ

「悪くない。」


レオン

「何とか答えたらどーだ?」


イベリス

「私は...SJの...」


レオン

「恋人なのか?」


イベリス

「ち...違います!!!」


レオン

「じゃぁ俺がプレゼントを

渡してもいいじゃねーか!!」


スイレ

「はいはいはいはーい!!

もう!!いい加減にして!!

モデルさんも、スタッフも待たせてるの!!

ありがとう、レオン。

大切にするわね。

キャンディボーイもありがとう。

ほら。仕事するわよ!!!!」



険悪なムードの中

Aスタジオにて会議が始まった。


イベリス

「今回のテーマは"アバンチュールなクリスマス"

それが編集長が決めた。テーマです。

音声メモを流します。」


ローゼル

「「はーい。Lady.S.Jレディーエスジェイ

今日はいけなくてごめんね!!

でも、素敵なカメラマンを見つけたの❤︎

あ、伝え忘れたんだけど

来月号のテーマを発表するわ!!

毎年来るクリスマス、恋人達が寄り添い愛を誓う。

そんなクリスマスはもう終わりよ。

今年は創刊50周年。50回目のクリスマスは

冒険に燃える愛。キスでとろける愛。

聖なる夜は素敵なあなたと

アバンチュールな恋をしたい。がテーマよ!!

そうだ...締め切り明日に変わったから

よろしくねーん。

じゃっ、バイバイ!」」


イベリス

「だ、そうです。」


スイレ

「明日締め切り!?!?!?!?

急すぎない???」


スイレン

((でも...おかしいと思ったの!!

来月の発売に合わせるなら

むしろ遅くない?って!!))


スイセ

((いくら自社工場で全て刷れるからって言っても

各店舗に流通させないといけないし...、))


ジェシカニーパ

((そうね!!!猛ダッシュよ!!!))


レオン

「明日か...、やれるかい?SJ?」


スイレ

「できないとでも?」


イベリス

「では、テーマに合わせて

メイクからお願いします。」


スイレ

「任せな!!!」



するとスイレはバッグから

数十種類のメイク道具を取り出した。


スイレ

「モデル達!!さぁ!!座って!!!!

アバンチュールな白雪姫に変えてあげるわー!!」


スイレン

((あたしの小顔エステの効力は

充分残ってるわ!!!)))


ジェシカニーパ

((これならいける!!!))


スイセ

((レオン様カッコいい、んーーーーバッ❤︎))


スイレン

((しっかりしてよ!!セシー!!

テーマも分かったし

どの服着させるか考えてよね!!

レオン様はその後よ!!!))


スイセ

((分かってるわよ...))


スイレ

「さぁ!!まずは化粧水!!!!

コットンで豪快に染み込ませーる!!

そしてリズムよくー!!

あっトントントントントントントン♪

それトントントントントントントン♪

ティッシュでフワッと拭き取って

下地をテロテロヘラでテロ♪

あっ塗り!塗り!!塗り塗り塗り塗り♪

ムラなくスポンジ伸ばしたら♪

上からパウダートントントン♪

トントントン トントントン♪」


スイレン

((本当あんた歌うの好きねぇ。))


ジェシカニーパ

((4人でカラオケ行ったら

マイク離さないもんねえー。))


スイセ

((スナックとかやったら面白そう!!))


スイレン

((国内でやったらバレるわよ!!))


ジェシカニーパ

((夢のまた夢よーん。そんなのは!!

まっ、やるにしても

退役タイエキしてからかしらーん?))


イベリス

「凄い...何より早い。

右手でメイクしながら左手でヘアメイクもしてる。

なんて...スタイリーなんだ!!!」


スイレ

「はい!!ここにリンゴをぶつけて

お、し、ま、い!!!、

オンドリャ!!!!!!!!!」


イベリス

「ほ...本物のリンゴを握り潰して

顔にぶつけた???

一体どういうことだ???

Lady.S.Jレディーエスジェイ!!

これは一体!!!」


スイレ

芸術的思考アートよ。

見てみなさい。雪のような白い肌に

ほのかに赤らめる頬

リンゴにまみれたその顔は

儚い夢の始まりを告げる。

伝説は...、今日つむがれる!!!!」



全体が一瞬で静まり返った。


レオン

「これが...Lady.S.Jレディーエスジェイ


イベリス

「私には...到底...理解し難い...

ですが...まさに本物であらせられる!!!

Lady.S.Jレディーエスジェイ!!!

あなたは最高だ!!!!!」



そして、盛大な拍手が沸き起こると

スイレはドンッとポージングをキメて

観衆の賛美を身体全体で感じた。


スイレ舌を巻きながら

「グラッツェグラッツェ!!!!」


スイレン

((さすがはスイレ...

全く意味わからないわ。))


スイセ

((この前はバナナだったわね。))


ジェシカニーパ

((あれ...朝の食べかけよ?))


スイレ

「さーて!!次の準備に

入るから少し待っててねーん!!」



スイレは席を離れるとトイレへと向かった。


スイレ

「よし!!順調ね!!!

最後はあなたよセシー!!!!」


スイレン

((バッチリ決めてきなさい!!))


ジェシカニーパ

((150万オラスとレオン様の為に!!))


スイセ

((任せて!!!))



スイセはトンッと

スイレの背中へ入ると

スイレと入れ替わった。



ーー10分後ーー


レオン

「お帰り!!SJ。

おっ...昨日と同じ髪型だね。

どれも綺麗だけどそれが一番似合うよ。」


スイセ

「え...」


スイレン

((メーデー!メーデー!!

セシーがショートしたわ!!!))


スイレ

((故障箇所はどこなの!?))


ジェシカニーパ

((ここは!!ハートから煙が出てるわ!!))


スイレン

((嘘でしょ!!??

本当??本当だとしたら...それって...))


スイレ

((恋だわ!!!))



ピンポーンパーンポーン

スイセの妄想にお付き合いください。

===========================

レオン

「お帰りスイセ。

君が帰ってくるのが待ち遠しかった。

逢いたかったよ。」


スイセ

「レオン様❤︎

あたしも逢いたかったのぉ!!

寂しかったわーん。」


レオン

「スイセ。

俺が食べさせるか

俺を食べるか

俺と食べ合うか...

どっちがいい?」


スイセ

「えーーっと...、

俺を...、食べる❤︎

んーーーーーーーーーバッ❤︎❤︎❤︎」

===========================



ありがとうございました。


レオン

「ん?SJ??」


イベリス

「お帰りなさいませLady.S.Jレディーエスジェイ


スイセ

「あっ、あたし!!」


スイレン

((重症ね...))


スイレ

((俺を食べるってどういう事なの?))


ジェシカニーパ

((冷静にみてはダメよ。

これは恋なの。))


スイセ

「ごめんなさいね!

少し、疲れてるのかしら...

ちょっと...あん!!」


レオン

「SJ!!大丈夫かい?

ほら肩に捕まって!!」



スイセはフラッと崩れるとレオンに寄りかかった。


ジェシカニーパ

((何よコレ!!あざといわ!!))


スイレ

((倒れるわけないじゃない!!

この前ゾウと戦っても

全然平気だった女よ!?))


ジェシカニーパ

((やだ!!セシーったら

あの妄想を現実にする気よ!!!))


スイレン

((すっごい行動力!!!))


イベリス

「大丈夫ですか?

私の肩に捕まってください!!」


レオン

「ん?俺の肩で充分だろ?」


イベリス

「私の肩の方が頑丈です!!」


レオン

「SJは俺っ!!1人で!!充分だっつーの!」


イベリス

「あなたこそ!!離れて!!下さい!!」


スイセ

「んもう!!

キャンディボーイもレオンも大丈夫だから!!

さっ!仕事するわよ!」


ジェシカニーパ

((嘘でしょ!?

あんたが倒れたフリしたんでしょうが!!))


スイレン

((何しれっと言っちゃってんの?))


スイレ

((とんだLOVEマシーンね!!))



ーー5分後ーー


スイセは何事も無かったかのように

気を取り直すと

テーマに沿った服を着させてから

モデル達を並べさせた。


スイセ

「左右非対称に!!そう!!軸をずらして!

左足を前!クロス!!!そーよー!

んーーー。やっぱり襟元が気になるわね...

よし、これに着替えて!!あんたはそのままで!

レオン!!写真お願いねー!!

このまま撮影に入るわ!」


レオン

「オッケー!!」


スイセ

「っというよりやっぱり音楽がないとダメよ!!」


イベリス

「はい!!そう伺っております!!」


スイセ

「さぁ!!あたしのお気に入りをかけるのよーん!」



イベリスは用意していた音楽を

爆音で流すと指を鳴らし始めた。


スイセ

「ストライカポーズ!!

ストライカポーズ!!

リズムに合わせてそう!!

ポーズを決めるの!!!

はい笑って!!そう!!

スタッフ!!今よ!

雪とワタを降らせて!!

そう!!世界で一番美しいと

思いなさい!!!!

全ての男を手玉にとるポーズ!!ハイっ!

いいわ!!いいわ!!!

次は雪の夜イルミネーションの下で

誘惑するポーズ!!!ハイっ!!!

そう!!そう!!」



レオンはスイセの指示の元に動く

モデル達を次々と撮っていた。


レオン

「素晴らしい!!素晴らしい!!

とってもエレガントだ!!!

いいね!!いいね!!

まさにドラマティックだよ!!!

止まらねぇ!!止まらねぇ!!

シャッターが止まらねぇよ!!!!」



レオンは無我夢中に

シャッターを切り続けていた。


イベリス

「モデル達が水を得た魚の様に生き生きしてる。

あんなポーズ...あんな表情...どうやって

引き出してるんだ......

まさに...ファッショナブル...

凄い...これがLady.S.Jレディーエスジェイ!!」


スイセ

「まだまだ行くわよーん!!!!

次はこれよ!!!

世界に向けてお尻の穴を開くポーズ!!!

違う!!こう!!もっと!!もっと!!

もっと開くの!!!

そうよ!!そうよ!!!そうよ!!」



撮影はこのまま夜通し続いた。

ーー6時間後トレウィンタフレイル社 本社ビル前ーー



イベリス

「お疲れ様でした!!!

さすがの圧巻です!!!

凄すぎます!!!!!」


スイセ

「いーのよん!!」


イベリス

「実は...私...

今日見て、改めて思ったんです...」


スイセ

「どうしたの?」



イベリスは目を伏せながら

モジモジしていた。


スイレ

((あら?おしっこ?))


スイレン

((寒いからね...))


ジェシカニーパ

((んなわけないでしょ!!!))


イベリス

「私はこの業界に入ったのも

Lady.S.Jレディーエスジェイ

憧れたからなんです!!!!」


スイセ

「あら、そうなの??

嬉しい事言ってくれるじゃなーい?」


イベリス

「まだまだ、足元にすら及びませんけど...」


スイレン

((足元どころかミジンコよ。))


スイレ

((二酸化炭素ね。))


ジェシカニーパ

((むしろ存在すらしてないわ。))


スイセ

「ありがと。キャンディボーイ

あたしはファッション界の高みで

待ってるわ。いつか肩を並べて

仕事が出来るその日までね」


イベリス

「はい!!頑張ります!!!」


スイセ

「ふふっ。」



イベリス

「あっ!そういえば

レオンさんは編集するって言ってたので

まだ残るらしいです。」


スイセ

「そうなの?」


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイは...

レオンさんと話してると

とっても楽しそうですね。。」


スイセ

「あらヤダ嫉妬かしら?」


イベリス

「はい。」


スイレン

((うそーー!!!))


スイレ

((ほんまかいなー!!))


ジェシカニーパ

((何スハウスよーーー!!!))



するとレオンがエレベーターから

降りてきた。


レオン

「やっぱりホテルでやることにしたわ!

凄い枚数だからな。

あっ...そうだSJ!!!

今日が最後だよな?

だから飲みにでも行こう!!

酒のうまいところを紹介してくれよ!」



スイセ

「え!?」


スイレン

((いやーん❤︎こっちも

脈ありよーん!!!))


スイレ

((良かったじゃなーい!!!))


ジェシカニーパ

((凄いじゃない!!セシー!!))


レオン

「なっ?いーだろ??」


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイ

お忙しいので飲みには行けません」


スイセ

「え?行く!!行くわ!!!」


イベリス

「そ...んな...Lady.S.Jレディーエスジェイ



イベリスは悲しげな表情をしていた。


レオン

「なんだ...イベリス...

お前も来るか??」


イベリス

「行きたいですが...、

私は仕事が終わってませんので。

どうぞ...お二人で。」


スイセ

「いつか会いましょう。

またね...キャンディボーイ」


スイレン

((またね!キャンディボーイ))


ジェシカニーパ

((バイバイ!キャンディボーイ))


スイレ

((また逢えるわよ!キャンディボーイ))


イベリス

「さようなら...Lady.S.Jレディーエスジェイ


レオン

「今生の別れじゃないんだからな!!

そんな言い方するなって!!」



そう言ってレオンはイベリスの肩を叩いた。


スイセ

「じゃっ、行きましょうか。

寒いからついでに

運転手に乗せてってもらいましょう!!」


イベリス

「あっ...Lady.S.Jレディーエスジェイ

私の電話...出てくださいね!!!

も、もちろん仕事の用ですけど...」


スイセ

「最後まで可愛いキャンディボーイね!」



そう言ってスイセは振り返って運転手に手を振ると

レオンと一緒に乗り込んだ。



ーー20分後ーー


ココはアラーナでも

有名なセレブ御用達のキャバレー

"ドメスティック豚小屋"

VIPルームではSMショーをサーカス感覚で

楽しめる人気のキャバレーである。


レオン

「また...凄い所だなSJ...、」



店内は煌びやかな装飾と

牢獄の様なデザインが人気を博し

程よい悲鳴が心地よい

セレブカップルがこぞって通う超人気店だった。


スイレン

((ちょっとスイセ!!!

お店選び間違ってない!?合ってる??))


スイレ

((普段どんな店行くか正気を疑ってるわよ!))


ジェシカニーパ

((エロとグロのシンフォニーこそ美よ!))


レオン

「SJ...、最高だよ!!!

写真はダメかな??」


スイレ

((微塵も疑ってなかったーー!!!))



ーー2時間後ーー


スイセ

「そろそろ始まるわ!!

ここのショーは世界一よ!!

ほら...みて...あそこの豚さん。

大企業の社長さんよ!!

ニュースでも見たことあるんじゃない?

会社が借金まみれなんですって」


レオン

「うわっ!!本当だ!!!

めっちゃ叩かれてる!!!

仮面付けてるのに良く分かるなSJ...」


スイセ

「分かるわよ。芸能とゴシップ大好きなの!

ほら...見て!向こうの女の子...

そう、吹き矢を吹いてるのが...

ラミオラス帝国ミュージックチャートで

この前10位に輝いたシンガーよ!!

まぁ...ちょっと問題起こして

帝国中から叩かれたけどね」


レオン

「楽しそうに吹いてるな...、

吹かれてる側は...あれ?平気そうだな...」


スイセ

「それで...、その吹き矢を吹かれてるのは...、

え!?あれ???」


レオン

「どうした?」


スイレン

((ちょっと!!あれ見てよ!!))


スイレ

((ドゥえええええ!!!!

どうしているのよ!!))


ジェシカニーパ

((んもう!!大袈裟なんだから!!

どれどれぇ...ギャァァア!!!!))


スイセ

「ギリちゃん!?」


レオン

「ん?ギリちゃん??」


スイセ

「え!?違う違う!!

ギーリンチャンよ!!!

無名の俳優!!」


レオン

「無名の俳優か...

凄く鍛えてるね...動じてない...

精神的にも肉体的にも強い...一体何者なんだ。

彼の映画観てみたいな...、」


スイセ

「あ、あたしも良く知らないのよ...」


レオン

「えーっと...名前が...」


スイセ

「そんな事より!!お酒...はい!!」


レオン

「おっ!サンキュー!!

にしても問題ばかり起こした奴らが

ここでショーをするのか!!!

面白いな!!!」



すると店内の照明が暗転し

スポットライトがステージの真ん中に当たった。


レオン

「メインディッシュか??お??

次は誰だ誰だ!!!」


スイレン

((落ち着くのよ!!

理由は分からないけど

とにかく落ち着いて!!))


スイレ

((後でとっちめてやるわ!!))


ジェシカニーパ

((とんだサプライズだったわね...、))


レオン

「どうしたのSJ?

ほら、お酒来たから飲みなよ。」


スイセ

「あ、ありがとう...」



スイセはゴクゴクと酒を飲んだ。


レオン

「あっ!出てきた...

えー...と...ミスターG??」


スイセ

「プフーーーーーーッッッ!!!」



スイセは勢いよく酒を吐いてしまった。


レオン

「どうしたの??SJ??

さっきから変だよ?」


ジェシカニーパ

((ジジジジギおじちゃま!!!!))


スイレン

((なんでジギタリアス団長がいるのよ!))


スイレ

((え?何コレ!!ドッキリ!?

ドッキリなの!?))


スイレン

((なんでラミオラス帝国の海王軍の団長と副団長が

こんな所にいるのよーー!!!!!))


レオン

「ミスターG...あれは誰なんだ?」


スイセ

「ゴキブリじゃないかしら?」


レオン

「ゴキブリ野郎ってこと?

メインぽいから超有名人なんじゃないかな...」


スイセ

「あ、あたしも知らないわね...」


レオン

「はりつけにされてるけど...

何が始まるんだろう...」


スイセ

「さっ!!お酒お酒っと!!」


スイレン

((どういう事なのよ!!))


ジェシカニーパ

((知らないわよ!!))


スイレ

((あの2人にバレたらまずいわ!!))


スイセ

「ちょっとあたし...ヨッパラカッチャッタ...」


スイレン

((上手い!!))


スイレ

((このまま外へ行くのよ!!))


ジェシカニーパ

((紳士な彼ならそうする!))


レオン

「大丈夫かい??

もう長いこといるから帰ろうか。」


スイセ

「そ、そうね...」



お会計を済ませて

二人は外へと出た。

冬の夜の風が酔った身体には

心地よく吹き抜ける。

フラフラと酔ったレオンは

路地裏に向かって歩き出した。


スイセ

「酔っ払いさーん。

こっちですよーー!!」


レオン

「え?ごめん...ごめん」


スイレン

((あれ?さっきまで

酔ってなかったわよね??))


スイレ

((立って酔いが回ったのよ...))


ジェシカニーパ

((あれぐらいで良いじゃない。

酔ったフリがバレなくて!!))



レオンはフラフラと歩いて行くと

路地裏で人にぶつかってしまった。


スイセ

「ほらほら...ごめんなさいね!!

人にぶつかっーー」



一瞬で男たちにスイセ達は囲まれてしまった。


スイセ

「ご、ごめんなさいね...

お酒飲み過ぎちゃったみたいで...」



スイレン

((セシー!!!))


ジェシカニーパ

((これは...、))


スイレ

((そうね...))



レオン

「おいおい!!

ぶつかっただけだろ??

そんな大勢で囲まなくてーー」



次々と男達が襲いかかってくる。

一人の男がスイセに向かって走り出した。


レオン

「SJ!!!!!!」


スイセ

「レオン!!!」



スイセを庇う様にレオンは飛び出すと

男はレオンの顔面を殴り飛ばし

腹部を蹴り上げた。


スイセ

「レオン!!!

ちょっと!!何すんのよ!!!

酔ってぶつかっただけじゃない!!!」


レオン

「ウグッ...SJ大丈夫...か??」



スイセ

「レオン!!レオン!!!」



レオンはそのまま気を失ってしまった。


スイレン

((セシー、数は13人))


スイレ

((武器は近接武器のみ。))


ジェシカニーパ

((レオンは気絶してる。どうすんのよ))


スイセ

「レオン...」



スイセはレオンを担ぐと

一瞬で遠くへ運んで戻ってきた。

そして大きく息を吸い込み叫んだ。


スイセ

「貴様らァァァア!!!!!!

あたしを誰だと思って

喧嘩売ってんのかしら!????」



問答無用に男達は

一斉に刃術ジンジュツを発射すると

スイセを囲む様に陣をとった。


スイセ

「炎熱系刃術ジンジュツ!?

コイツら...一般人じゃない!!」


スイレン

((やっぱりね!!

統率された動き!!!))


スイレ

((誰の差し金かしら!?))


ジェシカニーパ

((今は...分からないけどね!!))


スイセ

「知ったことかあ!!!!!」



スイセは素手で刃術ジンジュツ

粉砕して行くと次々と男をなぎ倒していく。


スイセ

「オンドリャ!!!!!!」



圧倒的な戦闘力の差に男達は撤退していった。


スイセ

「はぁ...はぁ...。

ハッ!!!レオン!!!!」


レオン

「ゴホッゴホッ...SJ...、大丈夫かい?」


スイセ

「あたしは大丈夫...だけど...

ちょっと見せて!!!」


スイレ

((もう...顔...大怪我じゃないの...

病院に運びましょう!!))


スイレン

((でも、身バレしちゃうかも!!))


ジェシカニーパ

((救急車呼んでから

イベリスに電話で付き添ってもらいましょう。))


スイセ

「救急車呼ぶわ!!」


レオン

「S...、J...、」



ーー2週間後ラミオラス帝国アラーナ病院ーー


退院当日レオンは病室のベッドに

荷物を置いて窓を見ていた。


レオン

「毎日、お見舞い来てくれてありがとう。

ここの先生にも良くしてもらったし。

随分と長く入院させてくれるんだね。SJ」


スイセ

「ここの医院長の弱み握ってるの❤︎」


スイレン

((弱みどころか玉も握ったけどね!))


スイレ

((1番病院が安全だってことよ。))


ジェシカニーパ

((ご飯は出るしね!))


スイレン

((もうそれにセシーったら

貰った写真眺めてばっかなんだから...))


スイレ

((この2週間は大でも小でも写真と一緒!!

きっと臭いわよあの写真!!))


ジェシカニーパ

((下品!!))


レオン

「だいぶ元どおりになったよ...

凄いんだね...刃術ジンジュツって...

すぐにSJの知り合いが来てやってくれたけど

あっという間に見た目が良くなった。」


スイセ

「...そうね...でも刃術ジンジュツって

一般人は使えない事が多いそうよ。

年々、その存在自体が薄れていってるみたい。

元々、秘術だったから隠されてきたけどね。

一般医療の方が浸透してる時代だから

使える先生はほとんどいないのよ。

あたしもよく知らないけどね。」


レオン

「っていうか...本当に鐘のうるさいんだね」


スイセ

「でしょ?愛の巣アモールパークの時計台って

本当にうるさいのよ。

でもね、たまに音色が変わるのよ?」


レオン

「SJ...君のその変わる容姿もーーー」



ガラガラと個室のドアが勢い良く開いた。

するとそこにはAZALeAアザレア編集長のローゼルがいた。


ローゼル

「ぁあん!!Lady.S.Jレディーエスジェイ!!

ライオンちゃん!!!

ごめんなさいね!!

なかなか来れなくて!!!

はい!これ退院祝いよ!!」



ドンっとAZALeAアザレア最新号が置かれた。


ローゼル

「そーよ!!!今日は...12月10日よ!!

そう!!!AZALeAアザレアの発売は昨日!!

そしてそして!!!初日はなんと!!!!

世界でその日一番売れた雑誌ランク3位よ!!!

もう!!増刷の嵐!!!てんてこまい!!」


スイセ

「ヤダ!!!本当!?!?

凄すぎ出来過ぎワンダフォーー!!!」


スイレン

((psあたし達が監修した雑誌は

そのランク2位でした!!))


スイレ

((いーのよ!そんなこと!!

セシーとレオンの共同作業の結果を

素直に喜びましょう!!))


ジェシカニーパ

((愛のなせる技ね!))


ローゼル

「流石ねぇ!!!Lady.S.Jレディーエスジェイ!!

それと...まさかの才能大発見!!

ライオンちゃんの写真のテクニックは

すんばらしぃ!!!!」


レオン

「本当に??嬉しいよ!!」



レオンはキラキラとした笑顔で

自分の撮った写真を眺めていた。

その笑顔を見たスイセ達は自然と心を奪われた。


レオン

「ほら、SJ!!」



レオンは突然、スイセに向かって手を挙げて見せた。


スイセ

「ん?どうしたの?」


レオン

「ほら、手を挙げて!!」


スイセ

「え?」


レオン

「俺の故郷では嬉しい時は大事な人と

互いの手の平をそっと合わせるんだぜ?

ほら、SJ!!こうやってな!!」


スイセ

「ちょっ!!」


レオン

「はいッ。タッチ。パンッ優しく手を叩く音



レオンは優しくスイセの手の平にハイタッチした。

その瞬間、スイセは喜びなのか驚きなのか

分からないほど心臓は激しく脈打ち

高鳴る鼓動を抑えることができなかった。


レオン

「SJ...やったな。」


スイセ

「レオン...」


スイレン

((何よそのハイタッチ!!))


スイレ

((ソフトリィ過ぎない??

なんか...ときめいちゃった。))



ジェシカニーパ

((タッチマイラーブ❤︎))


スイレン

((はい!タッチ!!パァン優しく手の叩く音))


スイレ

((はい!タッチ!!パァン優しく手の叩く音))


ジェシカニーパ

((はい!タッチ!!パァン優しく手の叩く音))


ローゼル

「めでたいわね!!本当!!!

シャンペンもあるけど開けちゃう??」


スイセ

「ダメよ!!ここは病院なのよ??」


ローゼル

「バレやしないわ!!」


スイセ

「ちゃんと退院終わってから

退院祝いでやりましょ!!」


スイレン

((ちょっとあんた偉くまともじゃない?))


スイレ

((どうしたのよー?顔赤いわよーん?))


ジェシカニーパ

((ヒューヒューだぞ!ヒューヒュー))


ローゼル

「そう??残念ねぇ!!

じゃっ!!あたしも忙しいから

また何かあったらイベリスに電話させるから!

バーイ!!」



ローゼルはそう言って病室を出ていった。


レオン

「なぁ?聞いたか??」


スイセ

「聞いたわよ。今...、」


レオン

「ローゼルがイベリスの名前呼んだぞ?」


スイセ

「えぇ。そうね。」


レオン

「あいつ喜ぶだろうな...」


スイセ

「本人の前で呼ぶかしらね?」


レオン

「どうだろうな...

ずっと変な名前で呼ばれてたからな!」



そう言ったスイセとレオンは

互いの顔を見て笑い合った。


レオン

「あっ、そうだSJ。

クリスマス...クリスマスは何してんだ?

俺はもう少しAZALeAアザレアの写真を

撮ることになったんだ。

だから年内はこの街にいる。

何か欲しいものある?」


スイレ

((ちょっとセシー!!!!!

デートの誘いじゃない??

クリスマスにデートの誘いよ!!」


スイレン

((奇跡よ!!奇跡!!

明日ラミオラス帝国が終わるのかしら?))


ジェシカニーパ

((ほら...プレゼント欲しいんでしょ!?

この前言ってたじゃなーい!!

アティックローズのチェアーよ!!!

ほら!!早く返事して!!))



スイセは驚きのあまり

声が出せなかった。


レオン

「SJ?」


スイセ

「あっ...クリスマス??

クリスマスは...空いてる!!!

空いてるわ!!!」


レオン

「そうなんだね。

じゃぁクリスマスプレゼントは何が欲しい?」


スイセ小声で

「え...と...、

アティックローズのチェアー」


レオン

「ん?ごめん...もう1回...」


スイセ

「アティックローズのチェアー...」


レオン

「そうなの?分かった。

アティックローズのチェアーか...

イベリスに聞いてみよう...」


スイセ

「レオン...レオンは何が欲しい?

正直に言ってね?

マンション?土地?株??会社?」


スイレン

((あんた何言ってんのよ!!

もっと可愛らしいの言いなさいよ!!))


スイレ

((どこの富豪にあげんのよ!!))


ジェシカニーパ

((チョコレート?ぐらい言っときなさいよ!))


レオン

「あはは!!

Lady.S.Jレディーエスジェイにもなると

そのクラスか...、参ったな...、」


スイセ

「遠慮しないでね...、」


レオン

「そしたら...そうだな...、

手が届きそうで届かない...」



レオンはゆっくりとスイセに近づいて

耳元で囁いた。


レオン耳元で囁きながら

「SJが欲しい」



スイレン

((キャーー!!!!!))


スイレ

((いゃ〜ん!!!!!))


ジェシカニーパ

((どストレーーーーートッ!!

ストライク!!アウト!!!))



スイセは終始動かなかった。


スイレン

((警告!!警告!!

心肺停止した可能性あり!

心肺停止した可能性あり!))


スイレ

((ただちに応急処置に入る!!!

先生!!お願いします!!

みんな!!道を開けて!!

先生が通るわ!!!!))


ジェシカニーパ

((セシー!!!!セシー!!!!

夢よ!これは夢!!!))


スイセ

「ハッ!!!これは夢?

なーんだ。夢か...」


レオン

「夢なんかじゃないぜ?

ほら、これ俺の番号。

クリスマスの前日の夜23時に愛の巣アモールパークにある

ヤドリギの下で待ってるぜ。」


ジェシカニーパ

((いゃ〜ん!!ドラマティック❤︎))


スイセ

「嘘...嘘...夢じゃなかったー!!!!

分かった!!!待ってる!!待ってるわ!!」


レオン

「その後は...」


スイレン

((言いなさいよ!!ほら!!))


スイレ

((チャンスよ!!))


ジェシカニーパ

((俺を食べるって!!))


スイレ

((そっち!?!?))


スイレン

((それは妄想の話しよ!?))


ジェシカニーパ

((現実になるじゃない!!))


スイレ

((セシー...頑張って))


スイセ

「...じゃぁ...うちに来る?」


レオン

「いーのかい?」


スイセ

「クリスマスを祝いましょう二人きりで!!

パーティの準備して待ってるわ!!」


レオン

「約束だからな!

じゃぁ!俺は退院手続きしてくるから

またな!SJ!!」



そう言ってレオンは病室を出て行ってしまった。


スイセ

「やったー...やったー!!!

ラッキーマッキーオカマッッッフゥー!!」


スイレン

((後、2週間よ!!

まずやる事は...

全身脱毛に、ピーリング、ジム行って絞って

エステに行ってお買い物!!

お料理もたくさん作るんだから!!))


スイレ

((いやーん!!沢山やる事あるわーん!!

ショッピングで素敵な家具買って

クリスマスに模様替え!!))


ジェシカニーパ

((ラブストーリー見て

素敵なシチュエーションのお勉強よ!!

キスの仕方...いつも通りじゃ

レオンが死んじゃうわ!!!

ロマンティックに出来るように

ハウトゥー本も必要ね!!))


スイセ

「気合いが入るわーん!!!

海王軍からの電話も一切出ない事にするわーん!」



それから2週間スイセ達は

ビッチリとスケジュールを立てて

必要なものを買い揃えていった。


ーーday1ーー


スイレ

「初日は買い物よーん!!!

まずは...、クリスマスツリーでしょ?

タンスでしょ?壁紙にフローリング!!

トイレの便器も新しいのに替えて...それとーー」


スイレン被せ気味に

((待って待って待って!!

えっと...リフォームかな?))


スイセ

((クリスマスツリーは分かる。

100歩譲って壁紙も分かる。

便器!?!?!?!?!?!?))


ジェシカニーパ

((クリスマス級のウンコでもする気!?))


スイレン

((便器に惑わされないで!!!

タンスも訳分かんないから!!!))



スイレ

「あーー!!やかましい女ね!!!

インテリアはあたしが専門よ!?」


ジェシカニーパ

((インテリアはね!?

あんた内装工事から始めようとしてるから!!))



ーーday5ーー


ジェシカニーパ

((さぁ!!今日から3日間は

ラブストーリー縛りでガンガン映画みるわよ!!

とりあえずまずはこれから!!))


スイセ

((ハッ!!

それはあたしが避けて通ってきた

正拳突きから始まる恋!!!))


スイレン

((いよいよ...観る日が来たのね...))


スイレ

((覚悟しなさい。。この作品はね...

全ラミオラスで動員数No.27位!!!))


スイレン

((微妙!!!!!!))


ジェシカニーパ

「ほら!!観るわよ!!」



ーー20分後ーー


ジェシカニーパいびきかきながら

「グガーーーーーっzzzz」


スイセ

((寝てんのかーーい!!!))



ーーday9ーー


スイセ

「今日はジムよーん!!」


スイレン

((鍛えるわよーん!!!

まずはどれから行く??))


スイレ

((この前は100㎏持ったじゃなーい?

だから今日は1トンいけるわね!!))


スイセ

「無理無理無理無理!!!!

正気!?レオンと会う前に死ぬけど!?」


ジェシカニーパ

((何言ってんの?

1トン持てなかったらレオンと会えないって

言われたらどうすんのよ!?!?))


スイセ

「え?持つけど?」


スイレン

((無理言わないでよ。ジェシー。

できる所から始めればいーのよ!

ね?セシー。ほら、2トン持って。))


スイセ

「2トーーーーーン!!!!」



ーーday14ーー


スイレン

「今日が最終日よーん!!!

エステやりまーす!!!」


スイレ

((え?あれやるの!?!?))


ジェシカニーパ

((怖い怖い怖い))


スイセ

((スイレン...お店行きましょうよ。

良い所沢山あるから...ね?」


スイレン

「うるさーーーい!!!

さぁ!!いっくわよ!!慰めるは左手右手セルフアサセェション!!!」


スイセ

((イダダダダダダ!!!!))


スイレ

((オゴゴゴゴゴ!!!!))


ジェシカニーパ

((イギギギギギ!!!!))


スイレン

「エンリャ!!コーリャ!!サッサッサ!!

ソイヤ!!ソイヤ!!ギューーーン!!」



ーー30分後ーー


スイレン

「はぁ。ちょーーっ痛かった!!!!!

死ぬかと思ったわ!!!」


スイセ

((痛かったんかーーい!!))



スイレン

「うるさいわね!!もう!!

次は料理よ!!たらふく作るわよぉぉ!!!」



ーーそして12月24日23時愛の巣アモールパークーー

イルミネーションが輝き辺りを照らす。

小さな星の真ん中には月が顔を出していた。

不思議と辺りに人の姿は見えず

木々のこすれる小さな風の音が

静かな夜を彩っていた。


スイレン

((勝負下着は?))


スイセ

「ティーバック!!」


ジェシカニーパ

((上下の下着は?))


スイセ

「スケルトン!!」


スイレ

((キスするときは?))


スイセ

「上唇から!!」


ジェシカニーパ

((はい!完璧!!))


スイセ

「よしっ!!

はぁ...本当...寒いわね...、」


スイレ

((でも心は?))


スイセ

「超ホット!!!」


スイレン

((心配いらないわよ。来るって。))


ジェシカニーパ

((信じて待つのよ。))


スイレ

((あっ!そう言えば

ちょっと前にギリちゃんから着信あったわよね?

あと...昨日かしら?

キャンディボーイからも着信があったわよ!))


スイレン

((あっ!掛け直すの忘れてたわね!))


ジェシカニーパ

((あんたモッテモッテねえ!!

別に明後日でいーじゃないの!

この日のために頑張ったんだから!!))


スイセ

「そーよね!!!

めんどくさいし!!」



すると遠くの方から声がする。


スイセ

「来たわ!!ずいぶん遠いわね...

レオン!!ここよ!!ここ!!」


スイレン

((いやーん!!ドキドキフェスティバル!))


スイレ

((これからの展開がちょー楽しみぃ))


ジェシカニーパ

((本番はあたしに任せて頂戴!!!))


スイセ

「黙ってなさいよ??

邪魔しないでよね!!」



人影が少しずつ見えてくる。

そしてPinphone パイナフォンが鳴り響いた。


プルルルルプルルルル


プルルルルプルルルル


スイセ

「んもう...こんな時に誰かしら...

ってあれ??キャンディボーイじゃない?

クリスマス前夜よ??

相当ヒマか急用なのね...」


ジェシカニーパ

((どーするの?))


スイレ

((出てあげて

メリークリスマスだけでも言ったら?))


スイレン

((それもそうね...

すぐ電話切ればいーじゃない?))


スイセ

「もう!!大切な日なんだから!!!

静かにしてよね!!

電話もでませーん!!

神滅シヴァもハズしちゃうんだから!!」


スイレ

((ちょ!!正気!?))


ジェシカニーパ

((あたし達のアドバイスいらないの!?))


スイセ

「2人きりになりたいの!!」


スイレン

((ちょ!!やめなさーーー))



スイセは耳のイヤリングを外して

胸元にしまった。


スイセ

「ぁあー久々に静かねー!」



すると反対方向から

レオンの姿が見えた。


スイセ

「あら?そっち??

こっちよーん!!レオン!!」


レオン

「スイセ!!」


スイセ

「遅かったじゃない!!」


レオン

「ごめんごめん...デートに遅れるなんて

カッコ悪いよね!!Lady.S.Jレディーエスジェイ

待たせるなんてダメな男だよ!全く。」


スイセ

「い、いいのよ...気にしないで。」



プルルルルプルルルル


プルルルルプルルルル


レオン

「どうしたんだい?

Pinphone パイナフォンが鳴ってるけど...」


スイセ

「んもう...で、出ようかしら?」


レオン

「デート中に出るのかい?」


スイセ

「き、昨日からかけてきてるから

仕事の話しかも知れないわね...

しつこいんだから...」


レオン

「ぁあ、構わないけど...」



スイセはPinphone パイナフォンを耳にあてた。


スイセ

「もっしもぉーし!!SJよ?

キャンディボーイどうしーー」



イベリス被せ気味に

「「Lady.S.Jレディーエスジェイ!!

逃げてください!!!!!!!!!」」



スイセ

「え?なんて...キャンディ...」



ブォンと空気が裂ける音が走った。


スイセ

「ガッッッッ!!!」



スイセは背中を大きく切り裂かれていた。


スイセ

「ウグッ......

そんな...、レオン...、やっぱり...」


レオン

「ぁあ〜あ...、

せっかく最後まで騙せると思ったのに...

ん?やっぱりだと?」


スイセ

「レオン...なんで...

あたしの...名前知ってるの?」


レオン

「スイセ...か...、

俺も最後の最後に気が緩んじまったな...

あぁ。知ってるさ。

当たり前だろう???

スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ

ラミオラス帝国 海王軍特殊工作員

帝国から対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキ神滅シヴァの適合者

ラミオラス帝国の超危険人物だろ?

サヤにも匹敵するその力の芽は

若いうちに潰すのが...

俺の極秘任務だ。」



すると

長い髪を赤いゴムで縛り上げて

髪を一つに纏めた。


レオン

「ぁあ!!クッソ邪魔だったわ...」



レオンはそう言うと

首をコキコキとならした。


レオン

「おしっ!!気合い入った!!!」



片足ずつジャンプを繰り返し

スイセをグッと睨むと冷たい声で言った。


レオン

「簡単に死んでくれ。」


スイセ

「バカね...、簡単に死なないから

神滅シヴァに選ばれてんのよ。」


レオン

「コレを見ても同じことが言えるかな?」



するとレオンは自身の胸に手を当てて

歌う様に口上コウジョウを唱えた。


スイセ

「嘘...」



辺りの木々が次々と風に切り裂かれていく

イルミネーションが破壊され

轟音に包まれた。


スイセ

「レオン...まさか...、

生身じゃまずい!!!!これは!!!」



スイセはすぐさま

イヤリングをつけ直して

出来るだけ遠くに下がった。


スイレ

((あーー!!やっと繋がった!!

このバカ女!!!

あんたもさっさと!!!))


レオン

『『天輪•残響ザンキョウ千手センジュの瞳

血飛沫チシブク咽喉イントウ 壊れた人形

ツンザけ遥かに高らかに

賭けるものなど何も無い

ウタえ 祈りを •ウタえ!! その死を!!

『『蒼天叫刃ソウテンキョウジン青藍人魚セイランニンギョ』』



青藍セイランの青い刀身から

凄まじい風が生み出されていく。

スイセはレオンの姿を

ただただ、見つめることしか出来なかった。


スイレン

((何してんのよ!!セシー!!

相手は鞘花ショウカよ!!!))


ジェシカニーパ

((戦いなさい!!!))


スイセ

「レオン!!!

あなた...あの時も...

あの夜も!!!あたしを...」


レオン

「あん?お前の強さは予想を遥かに超えた。

暗殺するにしてもやっぱり俺が殺すべきだと

あの時、判断したんだ。

ココを選んだのだってまぐれじゃねーぜ?

舞台としては最高だ!!!

2人が出会った愛の巣アモールパーク!!

最初で最後のクリスマスの夜に

ヤドリギの下でお前は俺に殺されるんだ!!!

ドラマティックに行こうじゃあないか!!」


スイレン

((街から離れた広い場所...))


スイレ

((サヤを解放するには好条件ね...))


ジェシカニーパ

((でも、人がいない...、))


スイセ

「この時期に...人がいないのは変だと思った」


レオン

「ぁあ...俺の部下が片っ端から

殺しまくってるからな。

所詮はラミオラス帝国民

ナーベルク帝国の敵だ!!!!!!」


スイセ

「そんなことして...

あたしが気づかないとでも!?」


レオン

「ふざけたことぬかすな。

現に気付いてねぇだろうが。」


スイレン

((全く...分からなかった...))


スイレ

((一体どうやって...、))


ジェシカニーパ

((光彩刃術ジンジュツね...

しかも、超高等 剋刃ゴクハを何重にも...))


スイセ

「光彩刃術ジンジュツ...

あたしには見抜かれるから

一般人には別の愛の巣アモールパークを作り出して

おびき寄せてから殺したのね...」


レオン

「まっ...お前が来る時点では

とっくに解いてるがな。

後からチマチマ来た連中は部下が処理してくれる。」


スイセ

「レオン...あなた!!!!」


レオン

「レオン!!レオン!!レオン!!!!

俺の名前はレオンじゃねぇよ!!

四刃花隊ヨンジンカタイ隊長

レオント•パーシバル•ドン•ニューヨークだ!!」


レオン

「俺を気安くレオンと呼んでいいのは

この世で弟...ただ1人だ!!!!」



レオンは勢いよくスイセに切り掛かった。


スイセ

「グッ...、背中の傷が...」


スイレン

((セシー!!!))



スイセは素早く真横に下がると

再び距離をとった。


スイレン

((解放しなさい!!!))


スイレ

((鞘花ショウカ相手に危険よ!!))


ジェシカニーパ

((もう...忘れなさい。

レオンの事は忘れるの!!!!!))


スイセ

「出来ない!!!

出来ない!!!!!!!!

あたしには...出来ない......」



レオン

「じゃぁ死んでくれや。」



スイセの目には未だにレオンが

大好きなレオンにしか映っていなかった。

どんなに睨まれても

どんなにヤイバを向けられて

どんなに切り裂かれ様とも

愛した男には変わらなかった。


レオン

風切咬魚カザキリコウギョ』』



小さな風のサメが次々と召喚され

スイセに襲いかかる。


ジェシカニーパ

((いくら神滅シヴァと適合した身体でも...

鞘花ショウカの技をまともに受けたら))



レオン

「逃げれねーぞ。そのサメはなぁ!!

血の匂いに反応してどこまでも追いかける。

背中の傷がアダとなったな!!スイセ!!!」


スイレ

((ダメ!!避け切れないわ!!))


スイレン

((お願い!!戦って!!!))


スイセ

「グァァァア!!!!!!

あたしには...出来ない!!!!」


ジェシカニーパ

((こうなったら無理やり!!))


スイレン

((ダメよ!ジェシー!!

意思に反する入れ替わりは出来ない。

もし、破ったらジェシー自身が死ぬの!!))


ジェシカニーパ

((どのみち死ぬじゃないの!!

あたしが、入れ替わることで

強制的にスイセを追い出せるなら!!))


レオン

「ほら...どんどん食らいつくぞ

アッハハハアッハハハ!!!」


スイセ

「アガガガ!!!ウグッ...出来ない...

レオンを...殺すなんて...」


スイレン

((正気なの!?!?

レオンはナーベルク帝国の隊長よ!?

普通にして勝てるわけないじゃないの!!))


ジェシカニーパ

((お願い...スイセ...))


スイレ

((お願いよ!!))


スイセ

「だって...、

レオンを...あたし...

好きになっちゃったから!!!」



レオンはその言葉を聞いて

呆れ返っていた。


レオン

「はぁ?

俺がオメーみたいな大男好きになるわけねぇだろ。

冗談は顔だけにしろよな!!!

気色悪いんだよ!!!

さっさと死ねや!!!!!!」



レオンはスイセに向かって

風をまとったまま切り掛かった。

すると目の前に突然誰かが現れ

レオンの前に立ちはだかった。



イベリス

「やめろォォオ!!!!!!!!!」


スイセ

「キャンディ...ボーイ!!!

嘘!!どうして!!!!!!」


レオン

「言ったろ?

ドラマティックに行こうってよ。。」



一閃、レオンは躊躇タメラいなくイベリスを切り裂いた。


イベリス

「アガッ」


スイセ

「キャンディボーイ!!!!!」


スイレ

((そんな...嘘でしょ!?))


スイレン

((キャンディボーイ...だけ...

わざと...、中に...招き...いれたのね...))


ジェシカニーパ

((スイセ!!!

あんたのせいよ!!!!!))


スイセ

「そんな...まさか...」



スイセはとっさにイベリスを抱えて

森の中へと走っていった。


レオン

「逃げられると思うな!!」



イベリス弱々しく

「ガッ...Lady.S.Jレディーエスジェイ...

電話...出て...ください...よ...」


スイセ

「嘘でしょ...ちょっと待ってよ...

キャンディボーイ!!!

キャンディボーイ!!!!!」


イベリス弱々しく

「ガハッ...、あなたは素敵な人...ですよ...

例え...真実の姿が...違っても...

あなたは、あなただ...

私にとって...あなた...は美しい...」


スイレ

((セシー...もう手遅れよ...))


スイレン

((レオンがすぐ後ろまで来てる。))


ジェシカニーパ

((責任を果たしなさい。

それに...真実を知られたかもしれない...

どのみちこの子は...))


スイセ

「いや...いやよ...、

しっかりして!!!イベリス!!!」


イベリス

Lady.S.Jレディーエスジェイ...

やっと...名前で...呼んでくれましたね...

ガハッあなたは...生きて下さい。。

私の...憧れのーー」


レオン被せ気味に

『風切咬魚(カザキリコウギョ)』



無数のサメが辺りに渦巻くと

イベリスの身体を八つ裂きになるまで

食いちぎっていった。


スイセ

「やめて!!やめて!!!!やめてよぉぉ!!」


レオン

「その男...何でか知らねーけど

随分と勘が良くてな。

この2週間ずっと俺をかぎまわりやがった。

他のカメラマンもしっかり殺したから

足はついてねーはずだけどよ...

まっ、今となっちゃあ、どうでもいいけど。

ただ、お前を殺してから殺そうと思ってたが

手間が省けたわ。良くやったスイセ。」


スイセ

「良くやった?

良くやったですって?

なんで...そんな事言えるの!!」


レオン

「はぁ?言葉通りだ。

演出としては完璧だろ?

決して愛される事のない男が

愛された事のない男を助けて死んでいく

そして、愛された事の無い男は

愛した男に殺されるんだ。

お前のおかげだよ。

全てはスイセから始まる物語ストーリーだ。

アッハハハハハハハ!!!!!」


スイセ

「どうして...どうして!!!!」



スイセの悲しみが天に轟く

そして、イヤリングが急激に輝き出すと

スイセの身体を光の渦が取り巻いた。


スイセ

「ウォォォォオ!!!!!!」

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム!!』』


機械音

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー


スイレン

((さぁ!やるの!!))


スイレ

((もう終わらせて!!))


ジェシカニーパ

((イベリスの為にも!!!))


スイセ

『『れよ!!淫呀凹俸クイーン•マドンナ!!』』



ドーンっという音が森全体に響くと

土煙を上げ大地が揺れ始め

スイセの身体はド派手なスーツに包まれた。


レオン

「噂でしかなかった...コレが...

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウシリーズ...

コレが神滅シヴァなのか...」


スイセ

「確かにコレは神滅シヴァだけど

神滅シヴァじゃない...

力の一端イッタンでしかないわ。」


レオン

「なるほど...まだ秘密があるのか...

このデータは有意義にもらうぞ。

初めての交戦データを

ナーベルクへの手土産テミヤゲ

貴様の首ごと頂いていく。」


スイセ

「出来るかしら?」


レオン

「出来るから言ってんだよ。

鞘花ショウカが負けるわけねーだろ。

そんな科学に神の力がよ!!!」


スイレ

((風が強くなった!!))


スイレン

((1度離れましょう!!))


ジェシカニーパ

((気をつけて!!))


スイセ

「グッ」



スイセはレオンと距離を置くために

後ろへと高くジャンプした。


レオン

風宮亢天フグウコウテン!!』



青藍人魚セイランニンギョから

風が生み出され

スイセとレオンの周囲を覆った。


スイセ

「この風の壁...」


レオン

「コレで逃げれねーぞ。

この風の結界は触れるだけで切り裂いていく

完全密閉カンゼンミッペイの結界だぁあ!!!!!」



スイセ

「逃げるつもりなんて!!

毛頭ないわよ!!!!」



レオンはスイセを追って

青藍人魚セイランニンギョを大きく振り下ろした。

スイセはそのまま片腕で受け止めヤイバを弾き返すと

淫呀凹俸クイーン•マドンナが妖しく輝きを増した。


レオン

「何!!??切れていない...」


スイセ

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器よ?

この世で... サヤに対抗できる力!!

簡単に切れるわけない!!でしょ!!」


レオン

「グッッ」



淫呀凹俸クイーン•マドンナは万物を吸収する力を持つ。

青藍人魚セイランニンギョの斬撃という

エネルギーを吸収することにより

ダメージをため込むことができる。


レオン

「一体...どんな力だ!!クソ!!!」



レオンは体勢を立て直して距離を取ると

空に青藍人魚セイランニンギョを向けた。



レオン

「あんまり... 街中マチナカでやらかすと

あとが面倒なんだよな...」


スイセ

「何かしら...」


スイレン

((空気が変わった...))


スイレ

((風が青く...濃く...色が...変わってく))


ジェシカニーパ

((ちょっとまずいかもよ...、))


レオン

青藍ブルベット死海域デストピーア



無色透明だった風は

青藍人魚セイランニンギョと同じ色に染まっていく。

辺りの大地がえぐれ、

風が通った跡には何も残らなかった。


スイセ

「何よ...これ...、」


スイレン

((愛の巣アモールパークを破壊する気!?))


スイレ

((壊させないわよ!!!

ここは!!愛を誓い愛を確かめる聖域サンクチュアリ!!

アラーナの象徴なの!!!))



レオン

「せいぜい逃げ回れ!!!

オッラァァ!!!!」



ジェシカニーパ

((セシー!!!!!やるわよ!!))


スイセ

「レオン!!

逃げ回るのはあなたよ!!!!」


スイレン

((いくわよ!!))


スイレ

((えぇ!!))


スイセ

美•美•美•美ヴォーグ!!』


レオン

「なんだよ...それ...」



スイセは渾身のポージングを決めると

4人に分裂した。

スイレ、スイセ、スイレン、ジェシカニーパは

それぞれ違うポージングを取りレオンを睨んだ。


スイレ

「スタイル!!」


スイセ

「ファッション!!」


スイレン

「ビューティ!!」


ジェシカニーパ

「セレブリティ!!」


レオン

「その髪型...、お前ら...、

別々の奴だったのかよ...」


スイセ

「あたし達は、元々4人

4人で1人...1人で4人...なのよ。」



レオン

「どこまでも気色悪い男だな!!!

青藍ブルベット死海域デストピーア

呑まれて消えろ!!!!!」


スイセ

「レオン...」



レオンは青藍ブルベット死海域デストピーアをスイセ達に向かって放った。


レオン

「ウォォォォオ!!!!!」



スイセ達は青藍ブルベット死海域デストピーアに包まれた。



レオン

「はぁ...はぁ...やったか...」



轟音と共に土煙が舞い

辺り一面には巨大な穴が出来ていた。が


レオン

「マジかよ...、」



土煙が晴れるとそこには

赤、青、緑、ピンクに光るスイセ達が立っていた。



スイレ

「グッ...ふざけてんのはあんたでしょ?

人の国にズカズカと入り込んで

めちゃくちゃにしたあげく!!」


レオン

「効いてねーのかよ...」


スイレン

「ちょっとかっこいいからって

調子に乗って!!!!」


レオン

「何なんだ...コイツら...」


ジェシカニーパ

「あたし達の大事なセシーを

傷つけやがって!!!

許すまじ罪はヘビー級に重いわ!!!

気色悪いのはあんたの心よ!!!!!

レニー!!レンリー!!セシー!!

やるわよ!!!!!あんた達!!!」


レオン

「させるかァァ!!

青藍ブルベット死海域デストピーア!!

ウォォォォオ!!!!」


ジェシカニーパ

四分ノ壱ノ純情ナ感情アナ•ウィンタ!!』



ジェシカニーパ達は

深く深く腰を落とすと

衝撃で大地が割れるほどの強烈な正拳突きを

レオンに向かって放った。

すると空気が圧縮され1つの光線となり

青藍ブルベット死海域デストピーアとぶつかった。



ジェシカニーパ

「オォォォォォン!!!」


スイレン

「ドォォォォォオ!!!」


スイレ

「リィィィィィイ!!!」


スイセ

「ヤァァァァァア!!!」


レオン

「なんだ!!!この衝撃!!!

いや...破壊光線!?何なんだこの力!!!

グッ...青藍ブルベット死海域デストピーアが押し...戻される!!」


ジェシカニーパ

「ぶッ殺して!!!ソウロウ!!」


レオン

「まずい...このままじゃ!!

グァァァアァァア!!!」



レオンはジェシカニーパ達の四分ノ壱ノ純情ナ感情アナ•ウィンタ

押し負け風の結界に背中から

思いっきり叩きつけられた。


レオン

「ギヤァァァア!!!!!!」



レオンは自身で展開した風宮亢天フグウコウテン

背中を切り裂かれ叫び声を上げていた。


スイセ

「レオン!!!!」


スイレン

「ちょっとセシー!!」



スイセはレオンの元に駆け寄ろうとしたのを

スイレンが止めた。


スイセ

「レンリー...」


ジェシカニーパ

「セシー!!!いい加減にしなさい!!」


スイレ

「あんた...、」



レオンはフラフラと立ち上がり

血まみれになった自身の身体を見た。


レオン

「許...さねぇ...、許さねえ!!!」


スイレン

「しつこい男。」


スイレ

「その執念...流石は隊長ってとこかしら?」


スイセ

「もう...、やめて...レオン...」


ジェシカニーパ

「後戻りは出来ないわ。セシー。」


レオン

「こっちが攻撃した分だけ

自分に返ってくる...因果応報...淫呀凹俸クイーン•マドンナ...

だったら...やらなきゃいいだけだ...

そろそろか...

コレで...終わらせてやる...」



レオンはフラフラと歩きながら

青藍人魚セイランニンギョをスイセ達に向けた。

そして、渇いた目つきで小さく呟いた。


レオン

我赦蔵ガシャクラ


スイセ

「何を...する気?」


スイレン

「何...も...起こらない...」


スイレ

「血迷ったの??」


ジェシカニーパ

「いや...何も起こって...アグっ」


スイセ

「ジェシー!!!どうしたのっ!!アガッ」


スイレン

「あんた!!何を...し...た...ガッ」


スイレ

「レンリー!?セシー!?ジェシー!!

コレは...ヴヴッ...めまい?」


レオン

「言ったろ?風宮亢天フグウコウテン

完全密閉カンゼンミッペイの結界。

元々...限られた空気で闘ってんだ。

その酸素残量の酸素濃度を操作出来んだよ。

ドラマティックだろ??

勝利を確信したと思わせて

追い詰められてんのは...

お前らだったってことだ!!

どうだ?酸素濃度12% の世界は。

筋力低下、体温上昇、めまいもするだろ?」


スイレン

「...エネルギーとは...関係ない...

吸収できない...」



レオンはゆっくりとジェシカニーパへと

近づいて行った。


レオン

「お前...さっきからムカつくな...」


ジェシカニーパ

「殺すなら...殺しなさい...よ...ブス」


レオン

「挑発に乗って攻撃するかよ。

お前らの能力見たらそんなことしーねーよ。

ゆっくりと死んでいくところを見るだけだ。」


スイレ

「あんた...本当に...クズね...」


レオン

「なんだと?

言ってたよな?

戦争はどちらも正義だから起こるってよ。

俺はこれでもナーベルク帝国の平和を願ってる。

いや、それは嘘だ。

お前らラミオラスが侵略した街!!

火の海に変わったミヤコ!!

お前らとの戦争で両親を失った子供達!!

俺は...沢山...撮ってきた。

目を疑うほどの景色を...

この街は...反吐が出るんだよ。。

芸術と憧れの街?ふざけんな。

どれだけの犠牲の上に出来てんだよ。」


スイレン

「それは...お互い様...よ...

元々、サヤを独占しなければ...

こんな事には...ならなかった...

ナーベルク帝国の広大な領土は

サヤの力で侵略し

血で染まった歴史なのよ...」


レオン

「黙ってろ。アバズレ。

ほぅら、酸素濃度10%だ。

顔面蒼白、嘔吐、意識不明...

苦しいか?生物である以上酸素は必須

どんなに屈強で頑丈なゴリラでも

手も足も出ねーだろ?」



ジェシカニーパ

「アッアッ...オエッ」


スイレン

「アガッガ...ガハッ」


スイレ

「息が...スイ...セ...」


ジェシカニーパ

「スイ...セ...」


スイレン

「スイ...セ...」



極限にまで酸素濃度を下げられたスイセ達は

地面に倒れ込み身動きが取れなかった。

スイセは汗にまみれレオンをジッと見つめたまま

強く拳を握りしめていた。


スイセ小声で

「ごめ...ん...ね」


レオン

「あん?なんか言ったか?」



レオンはスイセの元にゆっくりと近づくと

スイセを睨んだ。


レオン

「なんか言ったかって、聞いてんだよ!!

相変わらず...気色悪い男だな!!」


スイセ弱々しく

「ごめんね...レオン」


レオン

「このオヨんで何言ってーー」



するとジェシカニーパ達が

ゆっくりと震えながら立ち上がった。


レオン

「そんな力が...どこに!!」


スイレ弱々しく

「本当...最後まで...バカな女...」


スイレン弱々しく

「恋の...力は...怖いわね...」


ジェシカニーパ弱々しく

「敵に...謝ってんじゃ...ないわよ...

スイセ!!!!!!!覚悟を決めな!!!」


レオン

「何する気だ!!!!青藍人魚セイランニンギョ!!

酸素濃度!!6%ーーー」


スイセ被せ気味に

『『"最大輪マキシマ"』』





スイレ

「スタイリーレッド!!!」



スイセ

「ファッションブルー!!!」



スイレン

「ビューティーグリーン!!!」



ジェシカニーパ

「セレブリティーーピーーンク!!!」



七色に光るスイセ達は混ざり合い

巨大な爆発音と土煙が

風宮亢天フグウコウテンの結界の中に立ち込めた。


スイセ

超美神オートクチュール


スイレ

SUISEガガ•


スイレン

完全


ジェシカニーパ

ドンナ!!!』



レオン

「巨大化...した...だと!?」



巨大化したスイセはレオンの風宮亢天フグウコウテン

いとも簡単に押し上げて破壊した。



巨大スイセ

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器神滅シヴァ

科学じゃないわ。超科学よ!!!!

さようなら...レオン」


レオン

「超科学...だと...やれ!!!!!

青藍ブルベットーー」


巨大スイセ被せ気味に

地獄への階段プレタポルテ



巨大スイセが中指と、人差し指を合わせて

レオンに向けるとドス黒い光線が

レオンの胸を一瞬でツラヌいた。



レオン

「アガッ」



レオンの身体は反動で地面に強く叩きつけられ

跳ね返るとそのまま倒れた。

すると巨大スイセは水蒸気に包まれ

4人の姿へと戻って行く。



スイセ

「はぁ...はぁ...はぁ...

どうして...よ...レオン...、」


スイレン

「スイセ...あんたまだ...」


スイレ

「いい加減にしなよ...」


ジェシカニーパ

「そんなにこの男のこと...」


レオン

「クソが...こんな所で...、死ねるかよ...

こんな奴に...、」


スイレン

「まだ...息があるのね...

鞘花ショウカが手強いわけよ...」


スイセ

「レオン...」


レオン

「ガハッ...、スイセ......

ドラマティック...だったぜ...」


スイセ

「...、何よそれ。」



レオンの身体には大きな穴が空いていた。

サヤの力を持つ鞘花ショウカ

人知を超えた力と肉体を手にする。

その影響で死に切れないレオンは

スイセ達を見つめていた。



ジェシカニーパ

「潔く死になさい。

生きようとするだけ苦しいわよ。」


レオン

「スイセ...が...4人か...

こりやぁ...勝てねーわ...、

次...こそは...俺が...」



パリンッと音がすると

レオンの身体から青藍人魚セイランニンギョ

空中へと飛び出していった。

すると風宮亢天フグウコウテンは消え

レオンの身体はガラスの様に粉々になると

風に乗って消えてしまった。


スイセ

「...レオン」


スイレン

「なんて...言ったら...」


スイレ

「今は...ダメ」


ジェシカニーパ

「でも...どうするのよ...イベリス...

家族の元には...返せないわ。」


スイレン

「秘密裏に処理されるしかない...」


スイセ

「...あたしが...」


スイレ

「ダメよ。

プロに任せるの。」


スイレン

「あたし達の為に

身体を張って来てくれたのに...」


スイセ

「ちゃんと... トムラえないあたしを...

許して...イベリス...」



そう言うとスイセはジェシカニーパの胸に沈んだ。


ジェシカニーパ

「よしよし。

ギリちゃんに連絡してくれる?レンリー。」


スイレン

「分かったわ。。丁重に扱ってもらいましょう。」



そう言うとスイレンはPinphone パイナフォン

トギリに電話をかけはじめた。


スイレン

「電話...出なくて...ごめんね...

ちょっと言いにくいんだけど...」


ーー10分後ーー


スイレン

「隕石が落ちた事にするってさ。

イベリスの事は

すぐに迎えに来てくれるそうよ。」


ジェシカニーパ

「隕石って!!あんたむちゃくちゃね!!」


スイレン

「軍の上層部よ?

報道規制なんてどうにでもなるのよ。」


ジェシカニーパ

「それよりも聞いたの?

キャバレーでの出来事??」


スイレン

「聞くわけないでしょ!!!」


スイレ

「ほら、もう帰りましょうよ。

スイセも疲れてるから...」



すると、カーンカーンと

時計台の鐘のが鳴り響く。


スイレ

「あっ...日付が変わったわ。」


ジェシカニーパ

「もう...クリスマスね...」


スイレン

「大丈夫かしら?

ハロウィンでもないのに

同じ顔が4人も歩いて...」


ジェシカニーパ

「大丈夫よ。

今日は、クリスマスよ。

オカマが4人歩いても

バチなんて当たりゃしないわよ。」


スイレ

「それもそうね。。

さっ...行きましょう。あっ。」


スイセ

「雪...」



シンシンと静かに雪が降り注ぐ。

すると、4人の頬に雪がそっと落ち

まるで涙のように頬を伝っていった。

少しの間、4人は立ち止まり

聖なる夜に降り注ぐ雪と

ほのかに輝く三日月を眺めていた。



スイレン

「綺麗ね...、」


スイレ

「ホワイトクリスマス...何年ぶりかしら」


ジェシカニーパ

「ほら、セシー...泣かないの。」


スイレン

「ジェシーだって泣いてるじゃない」


スイレ

「レンリー、アンタもよ。」


スイセ

「フフッ...レニーもね。」


ジェシカニーパ

「もう...帰りましょう。」


スイレン

「風邪ひいちゃうし。」


スイレ

「そうね...、」


ジェシカニーパ

「ハァ...本当...とんだクリスマスだわ」



ーースイセ自宅マンションーー

ボロボロの4人はやっとの思いで自宅に到着した。

リビングには大きなクリスマスツリー

テーブルには2つのワイングラスと2つキャンドル

オーブンには焦げた七面鳥。

鍋にはまだ温かなスープ。ラザニアにサラダ。

少しよれたクリスマスケーキが1つ

その他にも豪華な食事が

事前に沢山用意されていた。


スイレン

「どうする?この料理...、」


スイレ

「食べるに決まってるじゃない?」


ジェシカニーパ

「当たり前よ。2人分?笑っちゃう

こちとらギャル4人よ?」


スイセ

「...、今年も...

クリスマスは1人ね。。。」


ジェシカニーパ

「なぁーに寝言言ってんのよ。

あたし達がいるじゃない。」


スイレン

「ずっと一緒よ。」


スイレ

「来年も、再来年もね。」


スイレン

「さぁ!!!

今日はクリスマスよ!!!」

パーっと盛り上がりましょう!!」


スイレ

「こういう時はどうするの!?」


ジェシカニーパ

「決まってんじゃない!!

ミュージック!!!ギブミッ!!!」


ジェシカニーパがそういうと

往年のクリスマスソングが大爆音で流れた。


ジェシカニーパ

「歌って!!」


スイレン

「呑んで!!」


スイレ

「食べて!!」


スイセ

「踊る!!!!」



ジェシカニーパ

「はい!!グラス持ってきて!!」


スイレン

「はい!!」


スイレ

「はい!!」


スイセ

「シャンペン注いでぇ!!」


スイレン

「はい!!」


スイレ

「はい!!」


スイレン

「クラッカーの準備は??」


スイレ

「オッケーよ!!!」


スイセ

「バッチリよ!!」



ジェシカニーパ

「みんな...メリークリスマス!!」


スイレン

「メリークリスマス!!!」


スイレ

「メリークリスマス!!!!」


スイセ

「メリークリスマス!!!!!」





千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇Suise'sスイセズ Side Storyサイドストーリー

All I Wantオールアイワントュ For X'masフォークリスマス Is youイズユー」 (完)






おまけ






ーー翌朝ーー


スイセ

「ふぁあーーー!!おはよ...ぇえ!?!」


スイセが辺りを見渡すと

まるで、泥棒が入った後の様に

散らかり尽くした部屋の惨状に驚いていた。


スイレ

((お目覚めね!!

おっはー!!セシー!!

化粧も落とさず寝ちゃったわね!!))


スイレン

((ねぇレニー。

今時、おっはーって古いわよ?))


ジェシカニーパ

((おはマル梵天❤︎が主流なのよ?))


スイセ

「なにそれ...聞いたことないんだけど...」


スイレン

((一周回らずにダサいわ。))


スイレ

((そう?あたし好き!!

おはマル梵天!!セシー!!))


スイセ

「ぁあ...朝からうるさいわね...

で...あたし記憶無いんだけど

誰か覚えてる?」


スイレン

((覚えて無い))


スイレ

((覚えて無い))


ジェシカニーパ

((覚えてるわけ無い))


スイセあくびしながら

「ふぁぁ〜。そうよねぇー」


すると部屋のチャイムが鳴り響いた。


スイレン

((え?誰??))


スイセ

((こんな朝から何なの?))


ジェシカニーパ

((昨日...ピザ頼んだ様な...))


スイセ

「あんた酔ってピザ頼んだの??」


ジェシカニーパ

((どうりで来ないと思ったのよ...))


スイレン

((配達時間...間違えたの!?!?))


スイセ

「何枚頼んだのよ!?!?」


ジェシカニーパ

((20枚だった様な...))


スイレン

((ねぇ...頼みすぎ))


スイレ

((誰が食うのよ!!!そんなに!!))


スイセ

「昨日の料理だってほら!!

まだまだ余ってるじゃないの!!」


するとまたもやチャイムが鳴り響いた。


スイセ

「はいはい!!今出ますよぉ!!

カード使えるかしら...」


スイセは財布を片手に玄関まで走っていった。


スイセ

「はい、ごめんなさいねぇーー

今開けるわーー!!って...」


扉を開けるとそこには誰もいなかった。

しかし玄関には大きな箱が届いていた。


スイレン

((ほら!あんたが遅いから!!!

って、あれなによこれ。))


スイレ

((ジェシー...20箱頼んだの?))


ジェシカニーパ

((え...あたし...やっちゃったわん!!))


スイセ

「でも...お金...いらないのかしら?」


スイレン

((ネット決済でしょ?

届けたら終わり!!のドライな関係よ))


スイレ

((まるで、一夜ヒトヨの恋ね...))


ジェシカニーパ

((ちょっとレニー!!!))


スイレ

((あっ...))


スイセ

「気にしないでレニー。

さっ...ピザたらふく平らげるわよ!!」


スイレン

((ギリちゃん呼んだら???

おじちゃまも呼ぶ?))


スイレ

((食べ盛りのマリ坊も呼ぶ??))


ジェシカニーパ

((セニセニは??ウサギちゃんは?))


スイセ

「セニセニとウサギちゃんは

おっかなくて呼べるわけないでしょ!!

んもう!!とりあえず中に運ぶわ!!」


そういうとスイセは

テーブルへと運んだ。


スイセ

クンクン匂いを嗅ぐ...ピザの匂いしないわね...、

何かしら...

とりあえず...開けるわよ」


スイセは包装紙を

やぶいていく

すると......






スイレ

((ウソ...、))



スイレン

((ちょっと...これ...))



ジェシカニーパ

((セシー...、))



スイセ涙ぐみながら

「...、素敵だわ」
















スイセは包装紙をやぶいていく。

すると、そこには

スイセ達が欲しがっていた

真っ赤な真っ赤な

アティックローズチェアーに

クリスマスカードが添えられていた。



スイレン

((粋イキなことしてくれるじゃない?))


スイレ

((送り主...見てみる??

クリスマスカード開けば分かるんじゃない?))


ジェシカニーパ

((良いのよ?セシー

無理しなくても...))


スイセ

「心配しないで。

あたしなら大丈夫だから。」


スイレ

((まさか...あの人?))


スイレン

((いや...あの人よ。))


ジェシカニーパ

((本当に開けるの?大丈夫??))



スイセはゆっくりと






クリスマスカードを開けた。






そこには








こう書いてあった。


















んーーーーーバッ❤︎ジェシカニーパの声









ジェシカニーパ

((ブフッ!!!!!

あたしでしたーん!!!))




スイセ

「お前かーーい!!!!!」




スイレン

((引っ掛かったわねぇセシー!!!))



スイレ

((ブフッ!!驚いたぁ!?))



ジェシカニーパ

((結局、今年も自分で

プレゼント買っちゃったわね。))





スイセ

「ううん...いいの。

レニー、レンリー、ジェシー......

ありがとう」



(完)















スイレン

((ブフッ!!

終わると思ってんの?))





スイレ

((このままいくわよん!!!!!

オンドリャァア!!!!!!))












さぁ!!みんなにクリスマスプレゼントだよ!

お、ま、け

きたれ!!じっきそう!!!










ココはアラーナでも

有名なセレブ御用達のキャバレー

"ドメスティック豚小屋"

VIPルームではSMショーをサーカス感覚で

楽しめる人気のキャバレーである。





トギリ

「おい...おっさん!!

これ...どうーいうことだ!!!」


ジギタリアス

「クックック...

金と運が読めなかった俺が悪いって話しだ。

ボウズ。」


トギリ

「え?偉そうに言ってるけど

おっさんがギャンブルに負けたんだろうが!!

ギャンブルで一回も勝ったことねーくせに!!

何で俺までこんな目に!!!!」


ジギタリアス

「男ならドスっと構えて吹き矢に撃たれな!!」


トギリ

「嫌だよ!!!何で撃たれんだよ!!」



ジギタリアスとトギリは

目元だけ隠れる仮面をつけ

身ぐるみを剥がされ

縛りあげられたまま

ステージ脇の控え室にいた。



支配人

「ジギタリアス様

ギャンブルで失った金額5000万オラス

その返済の為に

当店をご利用いただきありがとうございます。

担保としてトギリ様を入れていただいていますので

返済額は5万オラスで結構です。」


トギリ

「待て待て待て!!

俺いつの間に担保になってんだよ!?」


ジギタリアス

「ボウズ...大人になるとな...

逃げられねぇ戦いってのがあるんだぜ。

今日はそれを教えてやる。」


トギリ

「だろうな!!

今まさに縛られてるからな!!

こんな縄...いつだってーーー」


ソープワイト被せ気味に

「ギャーピーギャーピーギャーピー

うるさい男だね。全く。」


サラセニア

「ぁあ!!神よ!!!

この迷える子羊に怒りの鉄槌を!!

どうか!!!どうか!!!」


支配人

「マスターラビッツ様

ハンマーヘッド牧師様」


不敵な笑みを浮かべて

人を見下したように睨むソープワイトと

動き、台詞がまるで舞台のようなサラセニアが

2人揃ってやってきた。


トギリ

「ソープワイト...

サラセニア...なんでお前達がいるんだよ。」


ソープワイト

「マスターラビッツと呼ぶんだ!!

馴れ馴れしくソープワイトと

呼ぶんじゃぁないよ!!」




サラセニア

「ここは!!!

我等が!!マスター!!!ラビッツ!!!様が!!

経営しているのです!!!!

そう!!!そして、この私めも演出家として!!!

この!!!!ショーを!!!

作り上げて!!!いるのです!!!!

ハンマーヘッド!!!牧師として!!」


トギリ

「ハンマーヘッド牧師って、名前どんなだよ...」



ジギタリアス

「ミスターラビッツ...この俺に免じて

今回、ギャンブルでスッた金を

チャラにしてくれねーか?」


ソープワイト

「バカかね君は!!!!

そんな安い金じゃあないんだよ!!!!

それに海王軍 団長がこのショーに出るんだ。

屈辱でゆがむその顔を高みから

見物して見てやるつもりだよ!!」


サラセニア

君主クンシュ!!

いや。マスターラビッツ様!!!

トギリのショーも目玉の一つになるかと...」


ジギタリアス

「クックック...

どうせ出るなら...主役は譲れねぇな!!」


トギリ

「正気かよおっさん!!!」


支配人

「演目も変えますか?」


ソープワイト

「快感と苦痛、快感と苦痛

その交互をうまく与えるには?」


支配人

「電気がよろしいかと」



サラセニア

「物語はこうです!!!!

自分の命のために部下を差し出した海賊の王

しかし、自らも結局、捕まり拷問にもだえる!!

海の覇者の物語で!!!ございます!!」


トギリ

「クソみてえなストーリーだな!」


サラセニア

「排泄物のような男達には

ぴったりかと。」


ソープワイト

「素晴らしい!!

流石はハンマーヘッド牧師だ!!」


ジギタリアス

「牧師の割には慈悲もねーのかい。」


支配人

「あくまでも演出家としての

芸名でございます。」


ソープワイト

「トギリは担保だ。

こちらとしても今晩は好きに使わせてもらうが

構わないかね?」


ジギタリアス

「ガッハハハハ!!!

おもしれぇじゃねぇか!!

好きにしな!!!!!」


トギリ

「ふざけんな!!

勝手に決めてんーー」


支配人

「では!!ごゆるりと!!」


トギリ

「おい!!離せ!!」


ソープワイト

「ヌッフフフ...

抵抗は無駄だよ。。」


トギリはステージに投げ出されると

観客は盛大な拍手で迎えた。


トギリ

「ふざけんなよ...ん??」


トギリはふとVIPルームにいたスイセを見た。


トギリ心の声

((あれは...、スイセじゃねぇか...

ん??隣の男...見たことあるな...、))



支配人

「さぁ!!!お次は!!!

リトルティガーの吹き矢ショーで

ございます!!!!!!!

そして吹き矢を吹くのはパンジーガール!!

撃たれるのはリトルティガーよ!!!!」


すると

パンジーガールは次々と

上半身裸のトギリに吹き矢を浴びせていく。


トギリ心の声

((どっかで...、似てるな...

あっ!!!!!!!

ナーベルクの奴じゃねぇか!!))


支配人

「リトルティガーーは

ビクともしません!!!!

この鍛えられた身体を

苦痛にゆがめることができるのか!!

パンジーガール!!!」


トギリ心の声

((なんで...あんな所に...

後で連絡してみっか...、

スイセの任務かもしれねーし))


ソープワイト

「サラセニア...盛り上がりが

足りないみたいだが?」


サラセニア

「御意」


するとサラセニアは

ポケットから針を取り出して

遠くから投げると

トギリの首元に刺さった。


トギリ

「イッテェ!!!!!

なんだ!?急に!!??」



支配人

「おっと!!

リトルティガーの反応が

変わった!!!!

痛みにもだえている!!!!」



ジギタリアス

「おいおい...とんでもなく

痛そうだが...なにをしたんだ?」


サラセニア

「他愛もない事です。

感度3倍針を刺したまで。」


観客はトギリの苦しむ姿をみて

大いに盛り上がっていた。



ソープワイト

「あくまでも健全なショーだ。

だが盛り上がらなければ

ショーとは呼べないだろう?」


ジギタリアス

「おい、ミスターラビッツ」


ソープワイト

「なんだね?」


ジギタリアス

「賭けをしようじゃねぇか。」


ソープワイト

「ほぅ...正気かね?」


ジギタリアス

「俺が勝ったら今日のショーは

トギリでしまいだ。」


ソープワイト

「私が勝ったら??」


ジギタリアス

「感度10倍でもなんでも喰らってやらぁ」


ソープワイト

「面白い。。だが、フェアじゃあない。

安くない借金だからね。」


ジギタリアス

「何をさせたい?」




ソープワイト

「豚のように鳴け」





ジギタリアス

「おしっ乗った!!!!!!」





しかしあっけなく

ソープワイトとの賭けに敗れたジギタリアスは

その晩、約束通り

豚のように鳴き続けるのであった。








ジギタリアス

「ブヒッブヒヒヒーーーーーーーーン!!!」




(完)

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