16話 終章1/2 弔いの花弁
作者名 REN’sJackson
ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅹ
オレンジとジャスミンを合わせたような高貴な香りと
人を惹き寄せ、惑わせる力があった。
しかし、それは
気付かないほど微細であり微量の花粉である。
その花粉に惹き寄せられ、その花を手にしたものは
光り輝く巨大な
レンゲイの思い通りに動かす事が可能であり、
更には天を覆い光を遮るほど
生い茂る
上空からの攻撃を防ぐことも出来る。
そして中の獲物を逃す事も無かった。
レンゲイ
「この
レンゲイは沙羅双樹の頂上から
黒い煙を立ち昇らせるトギリを見ていた。
トギリ
「ガッ、、、」
((流石に、、
経験の差が出たか、、、
やっぱ強ぇーわ。
でも、、、、))
トギリ
「まだやっぱ甘ぇわ。」
レンゲイ
「何!?」
トギリ
「こっからじゃ見えねーけど
どうせ聞こえてんだろ?レンゲイ。
見ての通り波動だ。
波動とは衝撃。衝撃とは伝達。
爆撃の分散ぐらい
どうにでもなる。
まっ。爆撃の威力は一級品。
紛れもなく大技であるのは間違いねー。
確実にやられてた。俺も少し喰らっちまったしよ。」
((何だと、、
爆撃をあの一瞬のスキで
分散させただと!?))
レンゲイ
「恐ろしいほどの戦闘センスですね。。
流石は海王軍 団長までのし上がっただけはある。
しかし、、、目的はあなたの抹殺ではなく捕獲。
この陣の中に来たが最後。
もう逃げられませんよ。」
トギリ
「お前、、忘れてんじゃねーだろうな。」
トギリは黒焦げてススだらけの顔で
上空を見上げていた。
トギリ
「敵は俺たちだけじゃねーってことを」
レンゲイ
「何だと!?」
ゴゴゴゴゴゴと大地が揺れ始める。
「おのれぇぇえ!!」
レンゲイ
「フッ、、そんな突進、、いや、、
遠くから飛んできた、、のか?
しかし、
破壊されることなどないですよ。」
激しい振動が
そして
レンゲイ
「
他の隊長格は何をして、、、何だ!?
あの、、巨人のオス、は、、誰だ、、、?
それにダンデライさん!!
って、、あれ!?アナスタシアさん!?」
巨大スイセ
「ちょっと!!!あんた達が突っ走るから
あたし眺めてただけじゃない!!!」
アナスタシア
「
貴様は鏡でも眺めてろ」
マリガルド
「てめぇらの貧弱な攻撃じゃ
びくともしねぇから
俺が吹っ飛ばしたんだよ!!」
クーワ
「クフフッ
夢でも見てるですかぁー?
明らかに僕の攻撃ですー」
マリガルド
「あんだと!?!?」
レンゲイ
「どうなってるんだ、、
何だあの状況、、、」
するとアナスタシアが手信号で
レンゲイに状況を知らせた。
レンゲイ
「一時、、休戦、、任務を、、遂行せよ、、
アナスタシアさん、、コレは一体、、、」
レンゲイは手信号で了解のサインを出した。
アナスタシア
「了解、、、蛇は、、任せた、、、
ダンデライは預かる、、
フフフッ生意気な子ね、、」
レンゲイは
ダンデライを自陣に引き込んだ。
そしてトギリのいる方向をキッと睨んだ。
レンゲイ
「逃げられませんよ。トギリ!!」
((フッ、、見つけたぜ、、レンゲイ
時間稼ぎありがとよ。リリィヴァイア))
トギリは走りながら
レンゲイから発せられる声や
心臓の鼓動を超音波で探索していた。
((流石、波動系、、、技を出さなくても
基本スペックで探索出来んのか。
そしたらこんなんも出来んのかな?))
トギリ
「「ぁ、、あっ、、ぉおすげえ。」」
トギリの声は拡声され
沙羅双樹の中で大きく反響した。
トギリ
「「マイクいらねーな」」
レンゲイ
「なんだこれは!!」
トギリ
「「あっ、、もっと絞るか、、、
おしっ、、」」
レンゲイ
「ふざけたマネをーー」
「よぉ。レンゲイ」
レンゲイ
「コレは、、」
レンゲイは耳元でトギリに囁かれているように
トギリの言葉一つ一つがハッキリと聞こえた。
レンゲイ
「気色悪いですね。トギリ」
トギリ
「お前の声もこっちにハッキリ聞こえるぜ。」
レンゲイ
「便利な
トギリ
「
でもよ。こうして捕捉できたんだから
こんなことも出来んだろうな。」
レンゲイ
「何をすーー」
『
レンゲイ
「こんな、、遠くに届くはずがーーー」
振動が波紋のように大きくうねる。
無風だったレンゲイの周りの空気が突然振動した。
レンゲイ
「この振動は、、何!?グァァァア!!!」
((しまった!!ガーベラ君を
落としてしまった!!))
レンゲイは空中で体勢を整えて
レンゲイ
『
ガーベラの軍服に無数の綿胞子が咲き
ふわりふわりと体を浮かせた。
空中でガーベラを掴むと
ゆっくりと着地した。
レンゲイ
「一本取られましたね。
沙羅双樹の木の枝が伸びガーベラの身体を包んだ。
レンゲイ
「さて、、降りてしまいましたが
どうしましょうか。まずはトギーー」
『
レンゲイ
「グッ、、そこか!!」
『
レンゲイはとっさに身をかわし
淡白い桜色の刺が
無数に付いた鋼鉄の
レンゲイ
「捕えろ!!
レンゲイは
大きく しならせトギリに向かって叩きつけた。
トギリ
『
トギリは
指でなぞると長い
その先には二本に分かれたU字の
牙のような鎌が二枚ついた
自身に向かってくる
うまく絡めとっていく。
そして
キーンと高音が辺りに響いた。
すると
衝撃が走りレンゲイの指先から
身体へと衝撃が伝わった。
レンゲイ
「振動、、だと、、?グッァ!!!」
トギリ
「綺麗な音色だろ?
内側からお前を破壊する断末魔ってのは
きっとこんな音なんだろうな。」
レンゲイ
「ぅっ、、
いちいち小細工が過ぎ、、ますね!!」
レンゲイは華麗な動きで
複雑に操りトギリに襲いかかった。
トギリ
「小細工なのはっ!!お前の技も!!一緒だろっ!
色んな花や木にっ!
能力を付加させてんっじゃねぇかよ!!」
レンゲイ
「能力をっ付加っですかっ
分かってません、、ね!!」
トギリ
「グッッ」
トギリは
地面を軽くトンッと突くと
衝撃波が円状に広がった。
レンゲイ
「沙羅双樹!!」
レンゲイは指先をクイッと曲げると
立ちはだかった。
トギリ
「チッ 超万能じゃねぇか。」
レンゲイ
「何を今更。僕の布陣に足を踏み入れてるんですよ。
手練れの
先程、
勝てるはずがありません。」
トギリ
「分かってんだよ。」
レンゲイ
「いいえ。分かってません。
血の滲むような鍛錬と
想いの強さに呼応し
しかし、継承とは違いダンジョンを攻略した者は
継承し
必要ですがダンジョン攻略した者は
早々に認められている分、熟練度は早く
先程の
判断しました。
恐ろしい才能。怖ろしい強運です。」
トギリ
「敵に長々と説明ご苦労なこった。」
レンゲイ
「まぁ。発現した者はその更に倍
トギリ
「発現、、キキョウっていう副隊長かい?」
レンゲイ
「そうです。あの子は天才とは言えませんが
秀才です。そして強い信念がある。
これからナーベルク帝国の柱となるでしょう。」
トギリ
「フフッ、、プハハハハッ」
レンゲイ
「何がおかしい。」
トギリ
「おいおい何も知らねーのかよ。」
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
「
破壊されることはまずないわ。
遠慮なく技を放てばいい。って
聞く奴などここにはいないわね。。」
クーワ
「クフフッ
いーですねぇ!!いーですねぇ!!」
マリガルド
「このまま畳み掛ける!!!」
アナスタシア
『
アナスタシアが
小さな黒い玉をいくつも召喚し
スッと入っていった。
すると内側から外に引っ張られるように
アナスタシア
「弾力があって硬い、、わ、、、ね!!」
アナスタシアは更に重力付加をかけた。
「ァァア!!
アナスタシア
「絵に描いたような悪者とは
あなたのことよ。」
クーワ
「そのまま抑えて下さーい。クフフッ」
『
青い
斬りつけていく。
「グヲォォォオ!!!!」
クーワ
「クフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッッ」
「外が硬いなら中から壊す。
伸びた皮膚ならクーワの力で切り裂ける」
巨大スイセ
「ちょっ、、ちょっとマリ坊、、、
グロくない?
内側から引っ張ったり
あんな痛そうなの切りつけまくったり、、
あんた、、あんなのと戦ってたの??」
マリガルド
「ぁあ"!?
大したことねーよ!!」
巨大スイセ
「ちょっと狂ってるわよ。あの子、、
ほら、、まだ、笑ってるし」
マリガルド
「お前も巨大化できるなんて
聞いてねーぞ。」
クーワ
「気持ちいいーーですーーーー!!!」
巨大スイセ
「だってぇーー
奥の手よ?アナシーちゃん強いんだもーん。
それにあんた!!
任務なんだから意地張ってないで
本気出しなさいよね。
甘くないわよ?
マリガルド
「ウルセェな。俺の
ラベンドまで巻き込んじまうだろうが。」
巨大スイセ
「はいはい。
負け惜しみはいらなーい!!
言い訳なんて興味なーい!!!
必要なのは勝利という名のあたし!!
あたしという名のSUISE!!!
SUSEIという名のPOP OF QUEEN!!」
マリガルド
「結局テメェじゃねぇかよ!!!」
巨大スイセ
「あら?今、、あたしの事
クイーンと認めたわね????
んもう!!可愛いマリ坊パピプペPOW!!!
か弱いあたしも頑張るわよーーん!!!
SUISEちゃーんいっきまーーす!!!
こんな蛇ちゃん一撃でーー」
「調子に乗るなぉぁあ!!!!」
『
巨大な水の塊が
アナスタシア達に放たれた。
クーワ
「クフッーーー」
アナスタシア
「まずい!!」
マリガルド
「マジかよ!!!」
巨大スイセ
「デカッ!!!!!!」
その水の塊は
一瞬にしてポセドニアの半分をエグった。
アナスタシア
「グッァァ!!」
クーワ
「ヴッッ」
マリガルド
「ゴァァッッ!!!」
スイセ
「ギャァァァ!!」
たった一撃で
帝国を統べる隊長達はやられてしまった。
通常の人間ならば圧殺されているであろう肉体は
なんとか形を保っていた。
「人間如きが神にあらがうか。
笑わせるな!!!!!!!!!!!!
我が恨み!!!我が怨念!!!!!
我が、、、、子の、、、無念、、、
晴らすまじ!!!!!!!!!!!」
『水星•豪雨!!!!!』
またもや巨大な水の塊が召喚された。
そして、水の塊から水の槍が
ポセドニア全域に、降り注ぐ
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「なんだ、、この振動、、
まずい、、、この威力を浴び続けたら!!」
トギリ
「壊れちまうじゃねーかよ。
ポセドニアが」
N
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
『くっ、、グッ
アナスタシアは弱々しく
クーワを
引き寄せてクーワと自身を重力の壁で覆った。
アナスタシア
「クーワ、、この傷、、
レンゲイじゃないと、、死ぬわ、、
先の戦いの、、傷が癒えてない。」
クーワ
「痛く、、ないです、、けど、、
身体が、、動かない、、です。」
アナスタシア
「私も、、傷が癒えていない、、、
あの蛇の技は、、効いた、、ぞ、、」
それもそのはず。
クーワはポセドニアに来てから
戦闘に明け暮れ
隊長マリガルドと死闘を繰り広げていたからだ。
アナスタシアも
隊長スイセと激戦を繰り広げたばかりで
体力も疲労も限界を超えていた。
ーーマリガルドサイドーー
マリガルド
「スイセ、、すまねぇ、、、」
巨大スイセはマリガルドを守る為に
水星•豪雨の前で仁王立ちしていた。
巨大スイセ
「グハッ、、ゴホッゴホッ、、
こんな、、雨、、傘さす必要なん、、て、、
ないんだから、、ね、、」
マリガルド
「おい、、いい加減離れろ、、
じゃねぇと、、お前が、、、、」
巨大スイセ
「あの水星、、グッ、、壊さないと
永遠に降り注ぐわね、、、
それに散々傷つけられて
蛇皮のバッグと財布に、、
ちゃんとできるかしら、、」
マリガルド
「そっちの、、心配、、かよ、、」
「愚か、、愚かな人間!!!!!!」
巨大スイセ
「グハッ」
血まみれの
巨大スイセの肩に噛み付いた。
マリガルド
「スイセ、、離れろ、、」
巨大スイセ
「あんらぁ?
いつになく、、弱気なのね、、
仲間が死んで、、ツライのは、、
アンタだけじゃ、、ないのよ!!!!!」
「何!?」
巨大スイセ
「残り1分!!!
時は満ちたのよーーーーん!!!!!
オンドリャァァア!!!!」
巨大スイセは
頭突きをカマすと拳をたたき込んだ。
「人間!!!グッ!!離せ!!離せ!!」
マリガルド
「今だ、、、やれ!!スイセ!!!」
マリガルドの
千の腕で二本のツノを押さえつけていた。
巨大スイセ
「ナイス!マリ坊!!
さて、、いくわよォォオ!!
溜め込んだこのエネルギー
打っ放して
『
巨大スイセは華麗に両手首を十字に合わせて
ポージングを決めると
大地を削る様に赤青緑ピンクの光線が
両目から発射された。
「なんだ、、何だこれわァァアァァ!!
ギャァァァア!!!!!」
焼き切り撃ち抜いた。
すると光線の
花道の様なものが出来ていた。
巨大スイセ
「さっ、準備は整いま、し、た!!
あたしのオンステージの始まりよぉーーん!」
アナスタシアとクーワにより
ズタズタに引き裂かれ
巨大スイセの追い討ちにより水星は破壊され
穴が空いていた。
巨大スイセ
『
「何をする!!!許さん許さん人間!!
離せ!!何だ!!この腕!!離せ!!!
ロージア!!!!!ポセドニア!!!
私はこの世界を!!!!憎む!!!!!」
マリガルド
「誰が離すかってんだ、、、」
巨大スイセは七色に光輝き
自らが作ったランウェイを全速力で走り抜ける。
「貴様ぁあ!!!!」
気付けば
首はスパッと切り落とされ空中に打ち上がった。
「許さんぞぉぉぉお!!!!
ロージアァァァ!!!!!!!!!!」
七色に輝く巨大スイセに
首を落とされた
胴体と離れてもなお声を上げていた。
「ロォォォオジァァ!!!」
巨大スイセ
「はぁ。誰にも大切にしてもらえなかったのね。
悲しい蛇ちゃん。
でも心配ナッシング!!!
あたしが大切にしてあ•げ•る❤︎
バッグと財布にしてね。」
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「なんだと!?
あの四色の光線は一体、、、」
トギリ
「リリィ、、ヴァイア」
ーーリリィヴァイアサイドーー
ポセドニアに舞う。
走馬灯の様に過去を思い出した。
((恋を、、した、、、私は恋をした、、
私はただ、、あなたと、、、一緒に、、
なりたかった、、、ただそれだけ、、
ただそれだけだった。))
そして
トギリの姿と
リリィヴァイア
「お父、、、さん、、、」
トギリ
「チッ」
レンゲイ
「逃すか!!!」
トギリ
『
レンゲイ
「グッ!!待て!!!」
トギリはまっすぐ
飛び去った。
トギリ
『
レンゲイ
「沙羅双樹!!!」
レンゲイは指で
操るもトギリの速度には追いつけなかった。
レンゲイ
「波動系
やはり相性が良いか、、」
スイセ
「あっ、、元に戻っちゃっ
ブヘッ!!!!!!
身体が、、、うごかな、、い、、、」
マリガルド
「あたりめぇだろうが、、
使いすぎたんだよ。
スイセ
「今、、来られたら、、やられるわね、、」
マリガルド
「バカ野郎。俺がいんだろうが。」
スイセ
「フフッ、、何それ、、高く付きそうね」
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
「グッ、、動けない、、、」
クーワ
「ダンデライ、、は、、いますかー、、」
アナスタシア
「いないわ。
クーワ
「ハハッ、、そうですか。」
アナスタシア
「クーワ、、、今、、笑った?」
クーワ
「何のことですー?」
アナスタシア
「いいえ。何でもないわ。」
ーートギリサイドーー
トギリ
「ぉぉぉお!!!!!!」
トギリは
大きく振りかぶった。
「お父、、さん、、じゃない、、
ソフィア、、、?」
トギリは直前で
((見たことある、、、この光景、、
あの時、お父さんの
斬りかかる妹、、、私の、、妹、、、
泣いてた、、、、、
私が封印される直前、、、ロージアに、、
斬りかかって、、、))
「妹は、、、死んだ」
トギリ
「お前、、、」
トギリは地上で落下していく
いや、リリィヴァイアを思わず受け止めた。
その理由はトギリ本人も分からなかった。
ただ、落ちていく少女を見て
トギリは自然と手を伸ばしていた。
元の姿に戻っていた。
あの
リリィヴァイア
「ごめん、、なさい、、、ごめんなさい、、、
私、、私、、、」
トギリ
「おい、、なんだよ、、その顔、、ガキの頃見た
ソフィア婆さんの絵にそっくりじゃねぇか、、」
リリィヴァイア
「私、、私はただ、、、ロージアを
愛して、、ロージアの子を、、産みたかった、、
ただ、、それだけなのに、、私、、この国を、、
この国を、、、壊してしまった、、」
トギリ
「おい、待て待て。
ロージア様が何だって!?!?
ロージア様が千年前にいるわけねぇだろ!
大体、、お前のその姿」
リリィヴァイア
「あなた、、ソフィアと同じ匂いがする。
今は何年なの?」
トギリ
「あれから千年経った。」
リリィヴァイア
「そう、、あなた、、その姿、、
ソフィアと同じ目にお父さんと同じ顔
そして私と同じ髪色をしてる、、」
トギリ
「んなこと、どうでもいいんだよ。
説明してくれ。」
リリィヴァイア
「もう時間がない、、、
名前を聞いてもいい??」
トギリ
「待て!まずは話しを!!」
リリィヴァイア
「、、に聞きなさい。
全てを知ってるはず、、だわ、、」
トギリ
「おい!!待て!!なんて言った!?
消えるな!!
消えるな!!!!!!
俺はトギリ!!
トギリ ヴェルモール ポセドニア!!
あんたの
教えたろ!?消えるな!」
リリィヴァイア
「周、、り、、れちゃダメ。
私みた、、ね。トギリ。」
トギリ
「本当の事を教えて、、くれ、、、」
リリィヴァイア
「言っ、、でしょ、、ロー、、」
トギリ
「おい、、おい!!」
リリィヴァイア
「、、この高さ、、る
ポセド、、とっ、、綺麗、、ね、、
私の、、国、、」
トギリ
「リリィヴァイア、、」
リリィヴァイア
「ぁあ、、なんて綺、、な、花、、
あれは、、、」
トギリ
「沙羅双樹、、っていうらしい、、、」
リリィヴァイア
「美し、、
このポセ、、に咲く、、沙羅、、樹、、の花、、」
トギリ
「ぁあ、、綺麗だな、、」
リリィヴァイア
「ねぇ、、ギリ、、ロー、、は、元気、、かしーー」
バリンッと音がした。
リリィヴァイアは内側から
その身は凍り、砕け散った。
トギリ
「氷、、、これは、、」
トギリの手の中で砕けていくリリィヴァイアは
ポセドニアの風に吹かれていく。
沙羅双樹の花びらと共に
高く高く空高く舞い上がる氷の粒が
トギリの頬に落ちた。
トギリは指先で氷に触れると
ツーっと流れ、頬に解けて消えていった。
トギリ
「リリィヴァイア、、、」
突然ゴゴゴと激しくポセドニアが揺れ始める。
次々と海水が雪崩れ込んできた。
トギリ
「マジぃな。
スイセ!!マリガルド!!
撤退するぞ!!!!ラベンドはどうした!!」
スイセ
「ギリちゃん、、、それは、、」
マリガルド
「奴は、、」
トギリは
探索範囲を広げた。
トギリ
「チッ、、そうか。
トギリはそういうと
マリガルドとスイセに刀を向けて
衝撃波でフワリと浮かせた。
スイセ
「え?え?なにこれ??」
トギリ
「黙ってろ。」
マリガルド
「待て!トギリ!!まだ、ラベンドが!!」
トギリ
「ぁあ。分かってる。」
トギリはマリガルドとスイセを
引き寄せると
スイセ
「待って!!ギリちゃん!!!」
トギリ
「何だ!!!」
スイセ
「ぅっ、、ぅっゴホッゴホッ
あたし、、は、、まだ、、諦めない!!」
スイセは命を削るかの様に
地面を
引きちぎった。
スイセ
「あたしの、、バッーー」
「
ッテメェはバカなのか!!」
スイセ
「イッタァアイ!!!
何すんのよ!!!!!!
殴らなくていいじゃない!!!
あんた殺す気ぃ!!??」
マリガルドは呆れた顔で
スイセを
掴んで自分たちのいる所までぶん投げた。
トギリ
「はぁ、、、ほら、いくぞ。」
マリガルドは
解除するとクーワを睨みつけた。
マリガルド
「クーワ!!!!!!
テメェは!!必ず!!俺が!!!!
ぶっ殺す!!!!!!!!!」
クーワ
「クフフッ 僕もまた
マリガルド
「俺はテメェを忘れねぇ!!
テメェも俺を忘れんな!!!!
死神クーワ!!!!!!」
マリガルドの叫び声が辺りに響いた。
スイセ
「アナシーちゃーん!!!
まった会いましょーーーーん!!!
んーーーーーバッ❤︎」
アナスタシア
「今、、、殺して、、、やるっ、、」
スイセ
「そんな身体で強がっちゃってぇーー
時代がうねるその時まで
アミーゴ!!アディオス!!!アヒージョ❤︎」
そして、トギリ達は背を向けた。
レンゲイ
「逃しません!!!!」
トギリはゆっくりと振り向いた。
トギリ
「お前本当に隊長か?
よく見ろ。ここはすぐ壊れる。
部下よりも俺の命かよ。
だから、見えてねぇって言ってんだ。」
レンゲイ
「なんだと、、」
トギリ
「いつか会うその日まで
せいぜい生き延びるんだな。レンゲイ。」
レンゲイ
「ふざけるな!!!!
逃すと思うのか!!!!!」
トギリ
「逃すとは思ってねぇよ。
逃げるんだよ。レンゲイ。」
レンゲイ
「待て!!!!!!!!」
トギリ
「フッ 面倒くせぇな。」
そう言って微笑むと
トギリ達は
消えていってしまった。
レンゲイ
「、、トギリ」
トギリ
「…とんでもねぇ所だったぜ。」
トギリは夕暮れの様に赤いポセドニア の空を
見上げながら想いにふけっていた。
リリィヴァイア
俺はあんたが嫌いだ。
あんたのせいでガキの頃から
散々、育った村で呪われた血だの
裏切りもんだのって
嫌な目に遭ってきた。
だから、嫌いだ。
ロージア様と何があったか知らねーけどよ。
あっリンドウ爺さんだけは
何だか知らんがあんたのこと
悪くは言ってなかったなぁ
良くも言ってねぇーけど。
ラミオラス帝国は大っ嫌いだったけどな。
笑えるだろ?
孫はその国の将軍だっつーのに。
最期は、、俺の手の中で逝かせてやれて良かった。
長い間苦しそうだったからな。
ロージア様から頂いた薬の小瓶も
そっと送ったりしたんだけどよ
あんま効果無かったみてぇだし。
そもそも
隠そうとしても
爺さん色んなとこで
暴れるからバレバレだったしよ。
ったく。あんたの一族、変だよな。
まっ俺もか。
あんたもなんつーか。
話してみたらよ。
懐かしいっていうか
なんつーか
あんま、悪い気はしなかったんだ。
何でだろうな。
あんたはどうだったんだ?
リリィヴァイア
ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅹ
おまけ
スイセ
「もう!ギリちゃん!!
いつか会えるその日まで。じゃないわよぉ!
くっさい男ね!!ダンディマイラバー!!
でもォォオォン
可愛くて仕方ないわぁーーん!!
んーーーーーー」
トギリ
「やめろやめろやめろ!!!
うわっきったねえ!!!」
スイセ
「ーーーバッ❤︎」
マリガルド
「トギリ、、すまねぇ、、
ラベンドを、、」
トギリ
「仕方ねぇ。俺らは軍人だ。
死とは常に一緒だからな。
ほら、着いたぞ。急げ。」
マリガルド
「ラベンドォォオ!!!!」
ラベンドの身体は青白くなっていた。
傷は少し綺麗になっていたが
息は無かった。
マリガルド
「ラベンドォォオ、、
ごめんなぁ、、ごめんなぁあ」
トギリ
「マリガルド、、早くしーーん?」
スイセ
「どうしたの?ギリちゃん?」
ドクン
ドクン
ドクン
ドクン
トギリ
「おい!!マリガルド!!」
トギリはマリガルドを突き飛ばした。
マリガルド
「イッ!!テェな!!
何しやがる!!!!!!」
トギリ
『
トギリはラベンドの心臓に
マリガルド
「トギリ!!やめろ!!!」
トギリ
「黙ってみてろ」
ドクン
ドクン
ドクン
ドクンドクンドクン
ドクンドクンドクン
トギリ
『
『組曲
『組曲
『組曲
『組曲
心地よい旋律が流れる。
まるで
奏でている様だった。
スイセ
「これは、、
まさか、、、ギリちゃん、、」
マリガルド
「嘘だ、、ろ??」
スイセ
「これが、、神の力、、」
トギリ
「目ぇ覚ませ!!!ラベンド!!!」
すると
強く輝きだした。
ラベンド
「ウグッ、、ゴホッ、、ゴホッ、、
あれ、、、あの時、、、」
マリガルド
「ラベンド!!!!!!
バカ野郎、、勝手にどっか行ってんじゃねぇよ!!」
「、、スイセ、、さん、、トギリ、、さん
マリガルドさん!!!!!!!」
トギリ
「、、ありがとよ。
トギリはそう言うと
マリガルド
「、、よく、、、よく、、生きてたな、、」
スイセ
「べべちゃん。ほら。」
ラベンド
「え?」
スイセ
「はいっ。タッチ。
スイセは優しくラベンドにハイタッチした。
スイセ
「おかえり。」
ラベンド
「ただいま、、、ただいま!!!」
マリガルド
「フッ、、バカ野郎が!!!」
ラベンド
「いっ、、痛いですよぉー!」
スイセ
「ちょっとギリちゃん!!
なに笑ってんのよ!?」
トギリ
「いや、何でもねーよ。」
(完)
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