番外編 Acillei's Side Story

番外編 Acillei's Side Story【See you again】

作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 Achillei'sアキレイズ Side Storyサイド ストーリー

See youシーユー againアゲイン



とある休日

六刃花隊ロクジンカタイ  隊長アキレイは

MARtHマルスCOMPANY カンパニーへと向っていた。

MARtHマルスCOMPANY カンパニーとは

アキレイの祖先ソセン 

Turips チュリップス•.LLエルエル•.Martinマーティンが立ち上げた魔進マシン会社である。

移動用イドウヨウ魔進マシンから戦闘用セントウヨウ

一般向け魔進マシンから兵器開発まで

魔進マシン全般を開発、流通させる

ナーベルク帝国きっての大手魔進マシン会社に

一代で築き上げた。

そして莫大バクダイな財産と地位を持ってして

ナーベルク帝国の貴族の仲間入りを果たす。

更にアキレイが六刃花隊ロクジンカタイの隊長になったことにより

ナーベルク帝国の魔進マシン部門との結び付きが

非常に強固キョウコになると

アキレイはナーベルク帝国魔進マシン技術開発局を立ち上げ

初代局長に就任した。



ーーそして現在ーー

この日はアキレイがMARtHマルスCOMPANY カンパニー

新たな最高経営責任者C E Oに就任し

その就任祝いパーティが会社でり行われるため

アキレイは移動用四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシンを飛ばし会場へと向った。


DJ デイジー

((さぁ、もうすぐ夜7時を回るぜぇ!!

DJデイジーのォォォオ

デッジデジにSHITEシテYEAHRUZEイェールゼナイトォォオ!!

今夜は!!仕事かい?それともぉ!!デートかい!?

魔進マシンを運転してるリスナーのみんな!!

今日はスポンサーでもある

MARtHマルスCOMPANY カンパニーから

生放送でぇぇお届けするスペシャルデイ!!

なんと!!今話題のあの男ぉ!!

最近就任したばかりぃぃのぉ

世の女性をメッロメロにしてるぅ

独身ガチ貴族なぁあホットなメーン!!

MARtHマルスCOMPANY カンパニー最高経営責任者C E O

ミスターアキレイの就任祝いパーティ会場から

生放送だぜぇぇえ!!フゥー!!!

でもでもでもぉ肝心な主役がまだ来なーー))


アキレイ被せ気味

「ふぅ。着いたか。」



到着するとアキレイはラジオをブツっと切った。

移動用四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシン

会社の前に停めてアキレイは全速力で社内へと向かった。



リナリア

「ちょっと兄さん!!

あれだけ遅刻するなって言ったのに!!」



エレベーター前でアキレイを待っていたリナリアは

上階へのボタンを連打しながら

アキレイを睨み付けていた。



アキレイ

「すまんリナリア

アナスタシアが就任祝いだと

かこつけて飲み連れまわされていた。」


リナリア

「またアナスタシアさん??

ちょっと兄さん!!

この前、痛い目にあったばかりでしょうが!!

スピーチ考えたんでしょうね!!??

ぁーー!なんでこのエレベーター来ないのよ!!

ふざけんな!!」



リナリアはボタンを壊す勢いで

ボタンを殴った。

するとボタンが凹んでしまい元に戻らなくなった。



リナリア

「このポンコツ!!!」


アキレイ

「リ、リナリア!

壊すことないだろう」



するとリナリアはキッとアキレイを睨む



リナリア

「へぇ、、、兄さんが遅刻しなかったら

ボタンも壊れること無かった。

そうでしょ?兄さん?」


アキレイ

「そ、そうかも、、しれん」


リナリア

「ぁあーー!もう!

完璧に遅刻する!!!!

メディアも沢山来てるし、

せっかく招待した子供達も待ってるし

株主も来てるのに!!!!

こんな最高経営責任者C E Oじゃ

うちの会社の将来が不安視されるわ!!

株価が下がったらどうしてくれんのよ!!」


アキレイ

「落ち着けリナリア。

俺にいい考えがある。」



ーー就任パーティ会場 MARtHマルスCOMPANY カンパニー屋上ーー

参列者と関係者、メディアと社員を合わせて

数百人もの人々で屋上は賑わっていた。

夜風が気持ちよく吹き抜け

雲一つない夜空には、大きな月が輝いていた。

その会場の奥にある巨大ステージの上にマイクを持った男が

時計を気にしながら、拡声された声を轟かせていた。



DJデイジー

「おぉーーっと!!

まだ来ない!!まだ来ない!!

7時はすぐそこだぁあ!!

時計の針は止まることを知らなぁあい!

そしてぇえ!!会見まで残り10秒を切ったぁーー!!

さぁて間に合うのかぁ!!

間に合うのかぁ??アキレイ!!

さぁ!会場のみんなぁ

リスナーのみんなぁあ!!

カウントダーーウン!!

行くぜぇえ!!

テン!ナイン!!エイトォ!!セブン!!

シッックス!!ファイブ!!フォー!

スリー!!ツーーーーーー」


アキレイ被せ気味に

「燃え盛れ!!紅大蛇クレナイオロチ!!」


リナリア

「いやァァァァァァア!!!」


DJデイジー

「ぇえ!!!!!!!!」


アキレイ

「ォォォォオ!!!!」


DJデイジー

「ド、ド派手な、登場だぜ!!

アンビリバボー!!!!

なんと、アキレイは神の力で

この上空500メートルにある屋上まで

上がって来やがったァァァァァァア!!

神使いが荒いやつだぜぇぇえ!!

ファンターースティクッ!!

クールだぜ!!クールだぜぇぇえ!!

いや、ベリーホットだ、

ベリーホットだぜぇぇえ!!コンチクショーー!!!」


リナリア

「に、二度と、、やらない、、」



人々は驚きの声を上げたあと

割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。

アキレイは巨大ステージに降り立つと

リナリアを下ろして紅大蛇クレナイオロチ

納刀ノウトウした。

そして司会進行を務めるDJデイジーの元に

歩いて行った。



DJデイジー

「君が主役さ!!ホットボーイ!!

会えて光栄だぜー!ミスタァァアキレイ!!」


DJデイジーは意気揚々イキヨウヨウ

アキレイにマイクを手渡した。


アキレイ

「よぉ。DJデイジー。普段からラジオを聴いている。

こちらこそ光栄だDJデイジー。」



そう言うとアキレイは

ステージの前を向いた。



DJデイジー

「リッチで強くて更には紳士かよぉお!!

勝てる要素がゼロだなメーン!!!

さぁてぇ!!行くぜエビバディ!!」


DJデイジーラップ

「司会進行DJデイジー


言わずと知れたラァージオのジョッキー


サタデー サンデー構わずDJ!!??


今夜もトリコ


SHITEシテYEAHRUZEイェールゼ!!」


DJデイジー

「さぁミスターアキレイのご登場だ!!」



会場から拍手が沸いた。

アキレイは咳払いをして前へ三歩進むと

マイクを口に当てた。



アキレイ

「みんな俺のために今日集まってくれてありがとう。

新しく最高経営責任者C E Oとなったアキレイだ。

この前の記者会見みたいに

硬い話をするつもりはない。

今日は夢と未来の話をしに来た。

でもまずは、俺の前に妹を紹介しよう。

リナリア、前へ来るんだ。」


リナリア

「、、兄さん」



アキレイはリナリアの肩を組むと

マイクに向かって話した。



アキレイ

「みんな、知ってると思うが

妹のリナリアだ。

六刃花隊ロクジンカタイでは副隊長を務め

国を俺と一緒に守ってくれている最高の妹だ。

こんなしっかり者の妹はいない。

俺の誇りだ。リナリア」


リナリア

「ちょっと、、やめてよ兄さん!!」


アキレイ

「たまにはいいだろ?

ほら、一言ぐらい話せリナリア」


リナリア

「え、、急に言われても」


アキレイ

「ほら!」


リナリア

「ぇ、、えーと、、

どうも、、アハハ、、リナリアです。

今回は、、兄の就任祝いパーティに、、

ご来場頂きまして誠にありがとうございます!!

我が社としては、この先ナーベルク帝国の繁栄と

更なる利益を生み出し、社会に貢献して行きたいと

考えてます!!」


アキレイ

「ありがとう!リナリア。

ここで俺から発表がある!!

MARtHマルスCOMPANY カンパニー

最高執行責任者COOとして

リナリアを就任させる!!」



会場から感嘆カンタンの声が響いた。



DJデイジー

「ということは!!ミス•リナリアが

MARtHマルスCOMPANY カンパニーの副社長ということかぁぁい!?

正に盤石バンジャク!!!

国の未来はこの兄妹にかかってると言っても

過言ではない!!

なんとダブルでおめでたぁあい!!!

六刃花隊ロクジンカタイの隊長と副隊長が

そろってMARtHマルスCOMPANY カンパニー

率いるとは!!なんと心強い!!!

強すぎるぜぇぇぇえ!!!」



盛大な拍手がリナリアとアキレイに向けられた。



リナリア

「ありがとうみんな!」


アキレイ

「そしてもう一つ

夢と未来の話しをしたいと思う。」


DJデイジー

「夢と未来??

夢と未来とは一体!?気になるねぇ!!」


アキレイ

「みんな見てくれ。」



アキレイがそういうと

ステージの前にある来賓席ライヒンセキ

指さした。

そこには車椅子に座った沢山の子供達がいた。



DJデイジー

「アキレイ、、この子達は、、」


アキレイ

「ぁあ。

戦争で親を亡くした子供

足を失った子供

腕を失った子供

そして、家族を失った子供達だ。

、、今日は夢と未来の話しをしに来た。」



ーー時はサカノボり数年前ーー

ここはラミオラス帝国と

ナーベルク帝国の国境付近の村



リナリア

「兄さん!!こちらリナリア!!

そっちの状況は!?」


アキレイ

「リナリア!!

ダメだ!!何処ドコ彼処カシコもやられてる!」



通信ツウシン刃術ジンジュツにより

アキレイとリナリアは互いの状況を報告し合っていた。



リナリア

「兄さん!!ちょっとこっち来て!

消しても消しても

また火が燃え上がるの!!!

どんなに撃っても水流系スイリュウケイ刃術ジンジュツじゃこの炎は消えない!

なんなの!?この灰色の炎!!」


アキレイ

「灰色の炎だと!?

分からん!!こっち側にはそんな炎なかったぞ!!

リナリア!!こっちの消火は済んでるから

チョウラン副隊長代理を置いて

俺だけそちらに向かう!!」



正体不明の灰炎ハイエン

村半分をオオっていた。

しばらくするとアキレイがやって来た。



リナリア

「兄さん、、見てよコレ。」


アキレイ

「なんだ、、これは、、」



アキレイは自らの手で触れてみた。



アキレイ

「グッ!!コレは!!

炎ではない!!!」


リナリア

「え!?でも、、炎にしか見えないけど、、」


アキレイ

「よく見てみろ。

細かい粒子リュウシが煙りの様に立ち昇ってる」



アキレイはすぐにモヤが触れた指に炎を灯した。



アキレイ

「リナリア見てみろ。」



リナリアは炎の熱気に浮く灰色のモヤを凝視ギョウシした。



リナリア

「これって!!!!」


アキレイ

「ぁあ。コレはムシだ。」


リナリア

「じゃぁ、、燃えてるんじゃなくて

ムシバまれてるの??

一体、なによ!この力!!」


アキレイ

「分からん。

全隊!!この灰色のモヤに触れるな!

触れた者は炎熱系エンネツケイ刃術ジンジュツでその箇所を攻撃しろ!」


リナリア

「これは、、、まさか、、生物兵器、、」


アキレイ

「ぁあ。生物兵器とみて間違いないだろう。」


リナリア

「なんて、、ムゴい事を、、

これじゃぁ、、この村は、、」


アキレイ

「ぁあ。もうダメだ。」



しばらく沈黙が流れる



アキレイ

「リナリア、、燃やすか、、」


リナリア

「凍らせるか、、兄さん!!」


アキレイ

「ぁあ!!」



アキレイは自身の胸にそっと手を当てると

静かに口上コウジョウを唱えた。

すると辺り一面の瓦礫や灰色のモヤが

みるみる内に燃え上がっていく。



アキレイ

『『天輪 •永久トコシエキバ成る心臓

絶えず揺らめく八岐ヤマタ灯篭トウロウ

メッせ•ホロボせ•クレナイせ!!』』

『『紅蓮グレン滅刃メツジン紅大蛇クレナイオロチ!!』』



クレナイの刀身が揺らめくと

一気に燃え広がった。



リナリア

滅刃メツハイチトウ

滅刃メツハ氷舞染ヒマイゼン

『形状変化、、解放!!』

凍て殺せイテコロセ、、、白ノ雪秘シラノユキヒメ!!』



リナリアは刃術ジンジュツで作った刀に

氷雪系ヒョウセツケイ刃術ジンジュツを組み合わせ

ガラスの様な半透明の大きな弓に形状変化させた。

その弓はとても美しく光を反射させながら

冷気が煙の様に立ち昇っては

周囲の温度を下げていった。



リナリア

滅刃メツハ十二ジュウニ凍季時雨トキシグレ

「行くわよ!!兄さん!!!」



リナリアは白ノ雪秘シラノユキヒメで生み出した矢に

凍季時雨トキシグレを組み合わせて

天高く空に矢を放った。



アキレイ

這炎蛇喰ハイエンダクライ!!』

「全てを飲み込み塵となれ!」



アキレイは薄く長い炎の蛇を

召喚すると次々と灰色のモヤを飲み込ませた。



リナリア

「もういいわね!

全隊!!5歩下がって!!」



リナリアは白ノ雪秘シラノユキヒメ

天に掲げて叫んだ。



リナリア

序幕ジョマク!!•世界で一番グリム美しい魔女の魔の手•ヒルド!!』



すると凍える様な雨が降り注ぎ

次第に辺りは凍りついていった。



アキレイ

「時間を置くほど上空で冷気が高まり

降り注ぐ雨に打たれれば凍りつく。

綺麗な技だが、、、

リナリア。なんでこんな面倒な技、考えたんだ。」


リナリア

「兄さんのせいでしょ!?

冷気を高めなきゃ兄さんの炎にかされるんだから!!」


アキレイ

「確かに氷雪系ヒョウセツケイ滅刃メツハ刃術ジンジュツ

滅刃メツハの中でも扱いが難しいが

威力は高い。生半可な水流系スイリュウケイでは

俺の炎にすぐ蒸発されるからな。」


リナリア

「はぁ。いつも思うんだけど

兄さんがいると私の能力って

半減する気がするんだよね。」


アキレイ

「では何故その属性にしたんだ。」


リナリア

「うーん。

私にとって氷雪系ヒョウセツケイは難しくなかったんだよね。

それにね、兄さん。言っときますけど

私の白ノ雪秘シラノユキヒメの氷なら

兄さんの炎は消せるよ??」


アキレイ

「ほお?それは、、みものだな。」


リナリア

「兄さんがバカやる度

私が消してますけどね!!」


アキレイ

「そ、、そうだったか?」


リナリア

「ったく!!兄さんったら!

はぁ。

もう、やっつけたみたいだし

一旦、帰ろうか。」


アキレイ

「待て。リナリア。

生き残ってる人がいるかもしれない。」


リナリア

「兄さん。私達も探した。

でもだめだった。

いなかったの。」


アキレイ

「いいや。まだいるかもしれん。

まだ西と南を捜索してないだろ。探すぞ!!

リナリアは南を頼む。

俺は一人で探せるから

全隊連れていけ。」


リナリア

「ふぅ。。

そうね。探しましょう!!」



リナリアは隊士たちを連れて

アキレイの指示通りに

南の捜索へと向かった。



アキレイ

「やるぞ。紅大蛇クレナイオロチ

八頭蛇ハットウオロチ天ノ鬼霊蛇アマノギレイダ!!』



アキレイはそう叫ぶと紅大蛇クレナイオロチ

地面に刺しツカヒタイを当てて

目を閉じた。

すると刀身から赤い蛇が西側全体へと

一気に広がった。



アキレイ心の声

((違う、、、いない、、

もっと、、奥だ、、

全て、、ムシに喰われてしまったのか、、))



八頭蛇ハットウオロチ天ノ鬼霊蛇アマノギレイダの熱探知により

広範囲の探索を可能にしたアキレイは

更に更にと奥深くに探索範囲を広げた。



アキレイ心の声

((どこだ、、、、何!?

見つけた、、かろうじて息はありそうだ、、))


アキレイ

「行くぞ!!紅大蛇クレナイオロチ!!」



アキレイは爆炎の勢いを利用して

空中へ飛んだ。



アキレイ

「そこか!!」



そこは蛇の像をマツる教会跡地だった。

ムシムシバまれた教会は

ほぼ跡形もなく、鉄で作られていたであろう蛇の像も

形を保ってはいなかった。

アキレイは着地すると教会跡地に駆け込んだ。



アキレイ

「はぁ、、はぁ、、生きてるか!!!

助けに来たぞ!!!!!

返事は出来るか!!!!」



八頭蛇ハットウオロチ天ノ鬼霊蛇アマノギレイダで探知した場所へ

まっすぐ歩いていった。

そこは蛇の像があるヒツギの中だった。

アキレイはフタを開けると

中には少年が入っていた。



アキレイ

「大丈夫か!!!」



少年はまだ幼く

小刻みに震えながらアキレイを見た

その身体にはびっしりと

ムシが張り付いていた。



アキレイ

「待っていろ!!

少し熱いがそのムシを殺してやる!!」



アキレイは炎を指に灯すと

ゆっくりと丁寧に焼き払った。



アキレイ

「これ、、は、、、」



少年の左腕と左足はもう無かった。



アキレイ心の声

((何故、、声も、、上げない、、

痛みを、、感じないのか!!))


アキレイ

「痛くないのか?」


アキレイ心の声

((そんなはずがない、、))



少年はアキレイを見つめたまま動かなかった。



アキレイ

「今、照刃ショウハで治療してやるからな。」

照刃ショウハ四十四シジュウシ治癒音波チユオンハ 四汽連祷•シキレントウ



アキレイは指でピアノを奏でる様に指を動かすと

その一本一本から優しい波動が少年を包んだ。

空気が振動し、優しい音色が奏でられる。



アキレイ

『組曲 波穂ハルト


『組曲 蒼天滴ソウテンキ


『組曲 翠風光リヒト


『組曲 楓葉舞カハーブ



照刃ショウハ四十四シジュウシ治癒音波チユオンハ 四汽連祷•シキレントウ

照刃ショウハ刃術ジンジュツの中でも

珍しく四つの詠唱が必要な照刃ショウハである。

指の動きを少しでも間違えると組曲は失敗し

完全な治癒効果は見込めない。

更に時間を要し複雑な照刃ショウハの為

照刃ショウハの中でも滅多に使われない刃術ジンジュツである。

アキレイは少年を助けたい一心で

自身が使える最大 照刃ショウハを発動した。



少年

「へ、、び、、がみ、、さま、、」


アキレイ

「大丈夫か!!!」



少年にまとわりついていたムシは無くなり

大きな傷は塞がった。



アキレイ

「すまない、、俺の照刃ショウハでは

ここまでしか出来ない。

痛むだろ??」


少年

「痛く、、ない、、です。」


アキレイ

「痛くない、、

そもそも出血もあまりしていないな。

このムシは一体、、、

もしや凝血作用と麻痺毒を組み合わせて

痛みを感じさせぬまま身体をムシバむ能力か、、

拷問好きが使いそうな能力だな、、」



すると少年は弱った声で口を開いた。



少年

「僕の手、、ありま、、すか、、、

足は、、、動いて、、いますか、、、?」


アキレイ

「少年、、、、すぐに帝都に運ぶからな、、」



アキレイは少年を抱えて

再び空へ飛んだ。



少年

「あなたが、、蛇、、神、、様、、、が、、、

助けて、、くれたん、、ですね、、、」


アキレイ

「俺は蛇神ではない、、、」


少年

「あなたは、、、蛇神、、様です。

僕の、、村に伝わる、、クレナイの蛇神様です」


アキレイ心の声

((ぁあ、、そうか、、この村は

紅大蛇クレナイオロチを、信仰している村だったのか。))



アキレイ

「ぁあ。そうだな。

俺は蛇神様かもしれんな。。」


少年

「祈りが、、届きまし、た」


アキレイ

「おい!しっかりしろ!!!」



少年は気を失ってしまった。



アキレイ

「クソ!!

リナリア!!リナリア!!

今すぐ撤退する!!!

亜那魂蛇アナコンダの離陸準備を!!」



通信ツウシン刃術ジンジュツ

リナリアに呼びかけた。



リナリア

「え?いきなり何!?

兄さん!!風の音うるさいんだけど!!!

ちょっと待ってて!!今、調節する!!!

よし!兄さん!どうしたの!?」


アキレイ

「生存者1名発見!!!」


リナリア

「嘘!?

この状況で!?」


アキレイ

亜那魂蛇アナコンダの離陸準備しろ!!」


リナリア

「分かった!!!」



アキレイは更に速度を上げた。



アキレイ

「リナリア!!」


リナリア

「兄さん!!その子ね!!」


アキレイ

癒者イシャは治療術の準備!!

俺も入って手伝う。

帰ったら五刃花隊ゴジンカタイ

そのまま運ぶから連絡しとけ!!」



アキレイは隊士にそう言うと

少年を抱えて亜那魂蛇アナコンダに乗り込んだ。



リナリア

「全速力で帰るわよ!!」



ーー五刃花隊ゴジンカタイ隊舎タイシャ兼 

ナーベルク帝国 帝国兵総合病院 "零華フラワ"ーー


亜那魂蛇アナコンダにて治療をホドコ

そのまま帝国兵総合病院 "零華フラワ"に運んだ。

5時間にも及ぶ手術を終え

3日後、アキレイは少年の病室を訪れた。



少年

「白い、、天井、、、またか、、

あっ!!蛇神様!!!!」


アキレイ

「よう。」



アキレイは

沢山のお菓子とぬいぐるみを

テーブルの上に置いた。



アキレイ

「調子はどうだ?」


少年

「皆さんのおかげです。

もう元気になりました!」


アキレイ

「そうか。。」



大丈夫なハズはなかった。

左腕、左足を失った少年の笑顔を見たアキレイは

少年に微笑むと置いてあった椅子に座って窓を見た

ーー二日前ーー



リナリア

「兄さん。ちょっといい?」


アキレイ

「なんだリナリア」



アキレイの自宅を訪れたリナリアは

インターホン越しにそう言うと

整えられた芝生の大地がカパッと割れて中へと入った。

地下へと続く階段をしばらく下りていくと

玄関が見えた。リナリアは取手に手をかけ

重い扉を開けた。中に入っていくと

打ちっぱなしのコンクリートの床の上には

グランドピアノとドラムセット、大きなソファ

そして旧式型キュウシキガタ移動用四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシン

六台ディスプレイしてあった。

リナリアはソファに乱雑に置かれた魔進マシン雑誌をどかし

片付けると手前のソファに座った。

すると、ガラスのテーブルが

床からウィーンと現れ

アキレイが飼っている大型犬カサブランカが

飛び乗って来た。



リナリア

「カサブランカ!!久しぶりね!

元気だった??ご飯たべた?

お散歩行ってる?

ちゃんと兄さんに連れてってもらえてる?」



リナリアがカサブランカを撫でていると

アキレイがグラスを二つ持ってやって来た。



アキレイ

「リナリア、コーヒー飲むか?」


リナリア

「ありがとう。じゃぁカフェイン抜きで。」


アキレイ

「カフェイン抜きコーヒーと

ブラックコーヒーをアイスで」


アキレイはガラスのテーブルに

グラスを置くとテーブルの脇からアームが伸び

グラスを回収した。すると、すぐさまコーヒーが注がれた。


リナリア

「ありがとう。」


アキレイ

「で、用件はなんだ?」



アキレイは向かい側にあるソファに腰掛けた。


リナリア

「少年の事なんだけど、、、」


アキレイ

「ぁあ。」


リナリア

「やっぱり兄さんの読み通り

あの子の身体の中にはまだムシがいる。」


アキレイ

「そうか。

取り出せなかったんだな。」



アキレイは拳をグッと握りしめていた。



アキレイ

「あの時、、もっと注意深く観察すれば

傷口からムシが侵入した事くらい

容易に想像できていたハズだ。

何故、俺は、、傷を塞いでしまったんだ、、」


リナリア

「兄さんは悪くない。

未知の生物兵器だったのよ?

初めて見たんだからどんなものか

分からなくて当然だし

むしろ兄さんが助けたからこそ

あの子はこうして生きていられてる」


アキレイ

「違う!!

あの子の苦しみを伸ばしただけだ!!」



ブワッと部屋中に熱気が満ちた。

アキレイは立ち上がると

手に持ったグラスが瞬時に溶けた。



リナリア

「兄さん!!」


アキレイ

「何が神の力だ!!!何が鞘花ショウカだ!

神の力を持つ俺でも

どうする事も出来ない!!」


リナリア

「聞いて兄さん。

レンゲイが言ってたわ。

アキレイさんは最善の処置をした。と」


アキレイ

「いや、何かもっと出来たハズだ!!

レンゲイの、、桜雌鹿サクラメロクの力でも無理なのか!」


リナリア

「ぇえ。再度、傷口を開いて試したみたいだけど

鞘花ショウカや健康な身体の人ならともかく

あの子は体力もなくて、

食べ物も普段から食べられてないそうなの。

だから飢餓キガ状態が長く続いていて

栄養失調に肺炎も併発ヘイハツしてる今の状態では

あの子の心臓がもたないって判断したそうよ。

それに細胞レベルでムシとの結び付きがあるらしくて

今の状況だと何をしても難しいみたい。」


アキレイ

「、、、グッ」


リナリア

「落ち着いて兄さん。」


アキレイ

「、、ぁあ。」



アキレイは深くため息をつき

再びソファに座るとリナリアの分の

コーヒーを一気に飲み干した。



リナリア

「落ち着いて聞いてね。」


アキレイ

「なんだ?」



リナリア

「…あの子は、、、

もって、あと五日だそうよ。」



その瞬間アキレイの中で

何か大きな物が音を立てて崩れた。



アキレイ

「そうか、、、」


リナリア

「兄さん。今はあの子のそばにいてあげたら?

親も兄弟もいないみたいだから

兄さんが行くと、きっと喜ぶわ。」


アキレイ

「ぁあ、、、そうだな。

しかし、、喜ぶ、、と言われても

子供のことなど俺には分からん。」


リナリア

「うーん。こう言うのはどうかしら?」



ーーそして時は巻き戻るーー

アキレイは沢山のお菓子と

ぬいぐるみをテーブルに置いて

窓を見つめていた。



少年

「蛇神様!!

見たことないぐらい

大きなぬいぐるみさんです!!

このお菓子も本当に良いのですか!?

私めにこんな、、、」


アキレイ

「ぁあ。早く良くなるように

沢山食べろ。」


少年

「はい!ありがとうございます!!

それと、、あのぉ、、」



少年はもじもじしながら

アキレイを見ていた。



アキレイ

「どうした」


少年

「そのぉ、、蛇神様のお名前を聞いても

よろしい、、でしょうか。。」


アキレイ

「なんだ。もう知ってるんだろ?」


少年

「あ、、はい。

では、、アキレイ様、、とお呼びしても

よろしいでしょうか、、」


アキレイ

「ぁあ。構わん。」


少年

「本当ですか!?

ありがとうございます!!!」


アキレイ

「そういえば俺の方こそ聞いてなかったな。

おい、ボウズ。名はなんと言う。」


少年

「私は、、、

ワンダビー、、パニーラ、、と申します。」


アキレイ

「ワンダビー、、面白い名だ。

しかし、呼ぶにしては長いな、、

ワンと、、呼んで良いか?」


ワンダビー

「え!?はい!!ぜひ!!!

私もこれからは ワンと名乗ります!!

改名します!!!!

蛇神様、、あっアキレイ様から頂いたこの名を

大切にいたします!!」


アキレイ

「待て待て。改名などしなくていい。

生まれた時に初めてもらう両親からのプレゼントだ。

改名などするな。」


ワンダビー

「はい!!」


アキレイ

「じゃぁ早速なんだが

行きたいところはあるか?

癒者イシャからは外出許可は下りている。」


ワンダビー

「いいんですか!?

では、私、、行きたいというよりも

移動用イドウヨウ魔進マシン

乗ってみたいです!!!」


アキレイ

「そうか。ラッキーだな!ワン!!

俺はその魔進マシン会社の社長だ。」



ワンダビーは目を輝かせていた。


アキレイ

「さぁ。これに乗せてやる。」



ワンダビーを抱えると

アキレイはゆっくり車椅子に乗せた。


ワンダビー

「わぁー!」


アキレイ

「コレはな、、

新型の移動用着席型

自動認識コントロール付き魔進マシン"蛇AHダァ"と言って

目の動きを感知して自動で動いてくれる。

坂道も階段も楽に進めるぞ?

もちろんラミオラス帝国兵が襲ってきても

マシンガンが搭載されてるから安心しろ!

狙いが定まらなくても大丈夫だ。

自動殺戮機能ジドウサツリクキノウ"56SUコロス"が

搭載されてるから不安がらなくていいぞ。

座ってるだけで殺してくれる。正に一級品だ。

ゴホン咳払い 言い忘れたが

俺が発案した車椅子だ。」


ワンダビー

「すごいです!!

マシンガン撃ってもいいですかー!!」


アキレイ

「フンッ そんなに言うなら仕方ない。

今、試してみーーー」


リナリア被せ気味に

「兄さん、、もうそろそーーって

うわぁ!!!何でマシンガンが出てるのよ!!

これって、、もしかして"蛇AHダァ"!?

ちょっと兄さん!?

なんで開発中止にした車椅子がココにあるのよ!!」


アキレイ

「驚いたか?リナリア!!

最後まで作ってやったぞ!!」


リナリアアキレイの声をマネて

「驚いたか?リナリア!!

最後まで作ってやったぞ!!」


リナリア

「っじゃないわよ!!

車椅子にマシンガンは要らないの!!

それにーー」


リナリアアキレイの声をマネて

「ロボットにもなって乗れるんだぞ!!」


リナリア

「とか言ってたけど

いらないでしょうが!!

大体、一台をロボットにする開発費ってだけで

数千万ベルクものお金がーー」


ワンダビー被せ気味に

「あっ!!ロボットになりましたーー!!」


リナリア被せ気味に

「いやぁぁあ!!ロボットになってる!!」


アキレイ

「かっこいいぞ!ワン!!」


リナリア被せ気味に

「聞いてんのかぁ!!!」


アキレイ

「さっ、逃げるぞ!!」



アキレイはロボットに変形した車椅子とワンダビーを

抱えると窓ガラスを割って飛び降りた。



リナリア

「窓、、ガラス、、、

あのクソヤロォォォ!!!!」



アキレイは自分の移動用四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシンにワンダビーを乗せて

海辺を走っていた。



ワンダビー

「早いですねー!!!

とても気持ちいいです!!

海ってこんな綺麗なんですね!!

それにこの音楽何ですか!!?

凄く好きです!!」


アキレイ

「これは俺の好きな曲だ。

この曲を聴いて走ると

気分が良い。」


ワンダビー

「凄いですね!!

気分が良いってこんな感じなんですね!!」



ワンダービーの屈託クッタクの無い笑顔を見たアキレイは

サングラスをグッと掛け直した。



アキレイ

「ワン!!面白いのを見せてやる!」



アキレイはハンドルのボタンを押すと

ハンドルに手形がついた鉄のハコが出てきた。

アキレイはそこに左手を当てると

左手は熱を帯びそのハコもオレンジ色に光った。



アキレイ

「さぁ。掴まれ!!!

首を痛めるなよ!!!」



そう言うとアキレイはハンドルを切り

一本道に向かってアクセルを強く踏んだ。

ゴーンという轟音が鳴り響き

アキレイの魔進マシンは時速200キロを簡単に超えた。



ワンダビー

「凄いですね!!

早いです!!!!!!!

あっでも行き止まりーーー」


アキレイ

「心配するな!!」



アキレイはガードレールを飛び越え

空中へ飛んだ。



ワンダビー

「え!?空ですか!?!?」


アキレイ

「ぁあ!!空が一番気持ちいいぞ!!

俺が一番好きなドライブコースだ!!

帝国民だと戦闘以外では飛行許可は

あまり出ないからな!!!」


ワンダビー

「わぁ、、、凄い、、、」


ワンダビー

「空って

綺麗なんですね。」


アキレイ

「ぁあ。」


ワンダビー

「こんなにも綺麗だったんですね。」


アキレイ

「ぁあ。」


ワンダビー

「また、、見に来たいな。。。」


アキレイ

「、、、ぁあ。

きっと来れるさ。。」



ーー次の日ーー

ナーベルク帝国 帝国兵総合病院 "零華フラワ"



ワンダビー

「あっアキレイ様、、

おはよう、、ございます。」



病室のベッドで横たわるワンダビーは

息苦しそうにしながらも

アキレイに笑いかけた。



アキレイ

「よう。

調子はどうだ?ワン。」


ワンダビー

「ゴホッゴホッ、、はい!元気ですよ!!」



ワンダビーは身体を起こそうとした。



アキレイ

「よせ。横になってろ。」


ワンダビー

「すみません、、。

昨日は楽しかったです。

アキレイ様、、ありがとうございます。」


アキレイ

「ぁあ。俺のデートコースだ。」


ワンダビー

「、、あはは。

デート、、ですか、、、

僕、、男の子ですよ?」


アキレイ

「大人になったら

好きな女と行くといい。」


ワンダビー

「でも、僕は、、

抱き締める事も、、

一緒に、、、歩く事も出来ません、、」


アキレイ

「そんな必要はない。

魔進マシンがあれば

抱き締める事も、歩く事もしなくていいんだ。」


ワンダビー

「でも、、、

僕は、、僕は、、」



ワンダビーの瞳から

涙が溢れ出す。

すすり泣く声が病室にこだました。



アキレイ

「ワン、、、」


ワンダビー

「え、、」



アキレイはワンダビーを

片手でグッと抱きしめた。



アキレイ

「抱き締めるってのは

片手でも出来る。

足も俺が作ってやる。

だから心配するな。

俺がそばにいてやるから。」


ワンダビー

「アキレイ、、様、、

あったかいです、、ね。」


アキレイ

「そうだ。。あったかいだろ?

いつか、お前も誰かを抱き締めるんだ。」


ワンダビー

「来ますかね、、そんな日、、」


アキレイ

「来るさ。それまでは俺がいてやる。」


ワンダビー

「ありがとう、、ございます。」



ワンダビーは弱々しくも

アキレイに笑って見せた。



アキレイ

「そうだ!!今日は開発中の移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシン

設計図を持ってきた。」


ワンダビー

「設計図、、ですか?」


アキレイ

「乗ってきた亜那魂蛇アナコンダってのがあるだろ?

それを少し改良したくてな」



アキレイは大きな設計図を広げた。



ワンダビー

「凄いですね!!」


アキレイ

「そうだろ?今の技術じゃ

まだ難しいが後、数年もすれば

実用化出来る。」


ワンダビー

「乗りたいなぁ、、、」


アキレイ

「一番に乗せてやるさ!」



それから二人は夜遅くまで

亜那魂蛇アナコンダの改良型について語り合った。



ーー翌日ーー


アキレイ

「ワン!!

しっかりしろ!!!!ワン!!!!」



ワンダビーは朝方、急変した。

ワンダビーを乗せたベッドは病院の廊下を

駆け抜けて行った。

病院で寝泊りしたアキレイは

通信ツウシン刃術ジンジュツ

リナリアと話していた。



アキレイ

「リナリア!!

レンゲイはどうした??

ガーベラもいないのか!!!!

キスツスは!!!

ゲイジュは!!ゲイジュもいないのか!!

ラナンでもいい!!!

ジニアでもいい!!

ツバキでもいい!!!!!

隊長格の照刃ショウハなら

どうにか出来るだろ!」


リナリア

「みんな、、任務でいないよ兄さん。

それに、、あの子は、、、」


アキレイ

「ぁあ、、、分かってる!!

分かってる!!!だが、、、俺は、、、

どうすれば、、、俺のせい、、で、、」


リナリア

「何も出来ない。

癒者イシャに任せるの。

レンゲイが育てた子たちよ。

信頼できないの?兄さん」


ワンダビー

「アキ、、レ、、様」


アキレイ

「ワン!!!」



目が覚めたワンダビーに気付いた癒者イシャたちは

走るのをやめた。


ワンダビー

「アキレイ様、、」


リナリア

「兄さん。

聞いてあげて。」


アキレイ

「どうした??」


ワンダビー

「空、、、綺麗、、でした。」


アキレイ

「綺麗、、だった、、な。」


ワンダビー

「新し、、い、、亜那魂蛇アナコンダ、、で、、

一緒に、、見に、、、行きたい、、です。」


アキレイ

「もちろんだ!!!

一緒に見に行こう!!!!!」


ワンダビー

「はい、、約束です。」


アキレイ

「約束だ、、」


ワンダビー

「アキレイ様、、、お願いが、、あります。」


アキレイ

「なんだ?」



ワンダビー

「もう一度、、、抱きしめて、、、くれますか?」



アキレイ

「ぁあ、、」



ワンダビー

「あった、、かい、、なぁ

アキ、、レイ、、さ、、ま、、」



アキレイ

「おい、、おい!!!!

ワンダビー!!!ワンダビー!!!!

一緒に、、空を見に行くんだろ!!??

一緒に、、、、空、、、を、、」



ーーそして現在ーー

就任祝いパーティ会場ステージ



アキレイ

「そしてもう一つ

夢と未来の話しをしたいと思う。」


DJデイジー

「夢と未来??

夢と未来とは一体!?気になるねぇ!!」


アキレイ

「みんな見てくれ。」



アキレイがそういうと

ステージの前にある来賓席ライヒンセキ

指さした。

そこには車椅子に座った子供達が

沢山座っていた。



DJデイジー

「アキレイ、、この子達は、、」


アキレイ

「ぁあ。

戦争で親を亡くした子供

足を失った子供

腕を失った子供

そして、家族を失った子供達だ。

、、今日は夢と未来の話しをしに来た。」


DJデイジー

「ワクワクするねぇーー!!

言っちゃってよ!!言っちゃってよ!アキレイ!!」



アキレイは会場を見渡して

マイクを強く握りしめた。



アキレイ

「我が社は戦争被害にあった

子供達全員を対象に1000万ベルクを寄付し

さらに戦争孤児を対象とした支援団体

"MARtHマルス基金キキン"を設立する!!

これ以上、ツライ目に遭う子供達を救う為

治療費のない子供達、学校に行けない子供達の為

餓死する子供達を救う為

ナーベルク帝国の未来をニナう子供達の為に

最高経営責任者C E Oとして俺は

この基金キキンの設立を宣言する!!!

帝国兵として最高経営責任者C E Oとして

俺はこの世界の未来こども達を守っていきたい!」



大きくそして力強いアキレイの言葉は

来場者の胸を深くツラヌいた。

そして一瞬の沈黙のあと

はち切れんばかりの拍手が夜空に響く。



DJデイジー

基金キキン??民間企業でそんな事してくれるのは

アキレイ社長のところだけだぜ!!ベイビー!!

あんたの描く未来!!!最高だぜぇ!!」



続けてアキレイは空に向かって

手をパパンッと二回叩いた。

すると、移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシン

姿を現した。



アキレイ

「そして我が社の新しい魔進マシン

紹介しよう!!!!」



アキレイは移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシンを指さした。



アキレイ

「"亜那魂蛇アナコンダワン"だ!!」


DJデイジー

「ぉぉお!!!

巨大な魔進マシン

屋上に現れた!!!

なんだこれは!!

見たこともない魔進マシンだ!!

まさか!!このために!!!

就任祝いパーティを屋上に選んだのかい!?」


アキレイ

「さぁ。それはどうだろうな。

この"亜那魂蛇アナコンダワン"は

現行の亜那魂蛇アナコンダより小さいが

速度、硬度、燃費、共に

亜那魂蛇アナコンダの10倍良くなっている。

そして価格は亜那魂蛇アナコンダの約半分

民間航空会社もコストを更に下げて

より人々にもっと空の旅が身近になるだろう。

帝国兵の一握りしか空を飛べなかった時代は終わりだ。

そして、"亜那魂蛇アナコンダワン"に乗って

みんなに知ってほしい!!!」



アキレイ

「…この国の空は綺麗なんだと!!!!」



ーー翌日ーー

アキレイは自分の移動用四輪駆動ヨンリンクドウ魔進マシンに乗っていた。

そしていつものようにラジオをつけた。



DJ デイジー

((さぁ、もうすぐ夜7時を回るぜぇ!!

DJデイジーのォォォオ

デッジデジにSHITEシテYEAHRUZEイェールゼナイトォォオ!!

今夜は!!仕事かい?それともぉ!!デートかい!?

魔進マシンを運転してるリスナーのみんな!!

ご機嫌よう!!!

興奮冷めやらないボンバーな発表したアキレイ!!

グングンとMARtHマルスCOMPANY カンパニーの株価が上がっていってるね!

凄すぎぃィィイ!!!!

株価が上がってると言えばぁ!!!

世界的に有名なデザイナー兼スーパーファッションアドバイザーの

Lady S.Jレディ エスジェイ

新作を発表したんだってよ!!!!

また、ファッション界が大揺れだぜぇ!!!

メディアに姿を出さず

誰も顔を見た事ないと言われる

ミステリアスな彼女のご尊顔ソンガン

拝見してペーロペロしたいなぁ!!

じゃぁ早速!!ーー今夜の曲?行っちゃいますか!!

ペンネーム 

黄色いフードはビスケット大好きさんからの

リクエスト曲だ!!

ヨォォォオチェケラ!!!!!!」



ラジオから音楽が流れる。

夜風が頬に当たる。

アキレイは街の明かりと

僅かな月明かりを

反射するミラーで

自分の顔を見た。



アキレイナレーション


なぁ。ワン。


二人であの夜、話し合った"亜那魂蛇アナコンダ


遂に、完成したぞ。


完成までは大変だった。


お前がロボットに変形させて欲しいって言ったからな。


リナリアにバレずに実装ジッソウするのは骨が折れた。


特に、、、資金繰シキングりがな。


だが、、出来たぞ。


ワン。


お前にも見て欲しかった。


いや、見てるかもしれないな。


亜那魂蛇アナコンダには


お前の名を付けた。


"亜那魂蛇アナコンダワン"ってな。


そうすれば俺が乗った時に


一緒に乗ってる気がすると思ってな。


約束したろ?


一緒に空を見ようって。





また、会おうな。


ワンダビー





千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 Achillei'sアキレイズ Side Storyサイド ストーリー

See youシーユーagainアゲイン】 (完)






おまけ

【あつまれ!しぇんじんか】






おキクナレーション

ここは千刃花センジンカ隊士がよく来る

行きつけのスナック"サディスティック モニカ"

あたしはそこで超美人ママとして働いてる。



リナリア

「あのぉ ゔぁかぁあにきぃ

ちこくぅは すふひぃ

まどぉわるひぃ」


おキク

「んもう!!リナリアちゃん!!

飲みすぎよぉ!!!!」


リナリア

「らってぇ!!やってらんにーでし!」



おキクナレーション

あら?誰かしら?

新規のお客様かな??

あたしはカランと鳴る扉の前に立ち

お客様をお出迎えした。



おキク

「いらっーーー!!

いゃ〜ん!!アキレイさんじゃなぁい!!

ちょうどよかった!!!

リナリアちゃんがねぇ!!大酔っ払いでね!!

連れて帰っーーーー」



アキレイ

「、、、ヒグッしゃっくり

リナリアが、、いるので、、ござるか、、」



おキク

「え?もしかして、、酔ってらっしゃいます??」



アキレイカッコ良く

「酔って、、ヒグッしゃっくりないでござる!」



おキク

「騙されるかーーい!!!

んもぅ!!勘弁してよねえ!!」


リナリア

「おにぃーひゃんだぁー」


アキレイ

「リナリア、、帰るでっヒグッしゃっくりそうろう」



おキクナレーション

もういや!!!

次来た人に協力してもらって

外に連れ出しましょ!!!

ったく。あら?また誰か来たみたいね。



おキク

「いらっしゃーーー」



アナスタシア

「アヒレイ!!コンノォ!!アホタンタンめが!」



おキク

「いやあぁあ!!アナスタシアさーんまで来たぁーー!」



アナスタシア

「ん??きしゃまぁ、、、ダレぞ?」



おキク

「え?ちょっと待って!!

アナスタシアさん!!それ、、

何背負ってるのよ!?」



アナスタシア

「ん??こひぇが ほひぃのか?」


おキクナレーション

アナスタシアさんは

背中に背負っていた男三人をドンっとぶん投げた。

すんごい腕っ節。

そんなあたしはプリップリ いやぁん❤︎



アナスタシア

「やる」



おキク

「ドォエェェェエ!!!!

いらない!いらない!いらない!!」


アナスタシア

「はんだとぉ?

わたひぃがやると ひったんだ!

やれ!」


おキク

「え?何を!?!?」


リナリア

「ヒャナシタシさん すきぃ すきぃ」


アキレイ

「ござっ!?」


アナスタシア

「ヒナヒァーー!!」


リナリア

「おにぃひゃんが

またぁ、こわひたのぉ」


アキレイ

「ござっ!?ござござぁ!!」


アナスタシア

「ヒャキレーイ、、ヒナヒァぉ

きょまらせるぅな」


アキレイ

「ござござござ!?ござごっ」



おキク

「アキレイさんが

まともに話せなくなってるぅーーー!!!」



アナスタシア

「ひゃんだと?

なにふぉひひわけしへふぅ!」



おキク

「え!?!?通じてんの!?!?

嘘でしょーーー!!」


アナスタシア

「私を見誤ミアヤマるなよ!」



おキク

「突然のクリア!!!???

酔いも覚めたのかしら??」


アナスタシア

「ひゃたしは しぇんじんかーー」



おキク

「やっぱりダメだったぁーーーーー!!!」


リナリア

「おにぃひゃん、、すき」



アキレイ

「ござっ!!!!!!???」



アナスタシア

「ななひんかたい たいひょー 

あなひたふぃひゃ

きひゃまとは うまへたとひはら

かふがてがふ!!!!」



おキク

「もはや壁よ!?

アナスタシアさん!!それ壁!!!」



リナリア

「おにぃひゃん  キモっ」



アキレイ

「ござっ!?!?」



アナスタシア

『『てんひん ほうこう てつのーーー』』


おキク

「イヤぁあ!!

ここで解放しないでぇぇえ!!!!」



おキクナレーション

ここは千刃花センジンカ隊士がよく来る

行きつけのスナック"サディスティック モニカ"

あたしはそこで超美人ママとして働いてる。

はぁ。

また、お店が吹っ飛んでしまいました。

もうお店、、やめようかしら。

請求書はいつもどおり

MARtHマルスCOMPANY カンパニーっと。

しっかしアナシーちゃんの酒癖の悪さは

世界一ねぇーーーー!!!


さてさて!!

あたしも仕事にもーどろっ♡

んーーーーバッ❤︎






お•し•ま•いよーーーーん❤︎

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