第6話 脱出編

作者名 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ

移動要塞マーベラス 脱出編



移動要塞マーベラスに突入してから

三時間が経過しようとしていた。

千刃花隊士センジンカタイシの死者は200名。

この三時間としては異常に多い数である。

原因として双子の姉妹の圧倒的な戦闘力

KARE8カレハの大軍によるものだった。

各隊長は予想遥かに上回るその差を考慮コウリョ

一般隊士達をなるべく戦闘には参加させぬよう

駆動クドウ中枢チュウスウの破壊の任務につかせた。

敵の狙いは自分たちであることは明白だったからだ。

一方、隊長であるジニアは先を見越して

残った半分の三分隊に別の指示を出していた。

その指示とはーー



移動要塞マーベラス上空 1万メートル付近

隊長達がサヤを解放する20分前に

到着していた五刃花隊ゴジンカタイ専用 移動用小型 飛行魔進ヒコウマシン  ヱ流9エルク

そこには100名余りの隊士と外部映像出力機カメラ

最大までズームして様子を見ていた男がいた。


レンゲイ

「何で機嫌悪かったんでしょうか。あの人・・・。

あっむしろいがないですね!」



そういうと他の隊士たちも

うなづいていた。


レンゲイ

「いやぁ、しかし これはすごい」



まず男が最初に着いた時

驚いたのは移動要塞の規模の大きさだった。

次に同時解放させるほどの敵の実力

そして最も驚いたのは新たなサヤの発現だった。


レンゲイ

「やはりあの胸の痛みは、、共鳴反応でしたか。

まさかキキョウ副隊長が鞘花ショウカになるなんて。

ここから見た限りでは

水に関する力でしょうか。

キキョウ副隊長が鞘花ショウカだと

アナスタシアさんが色んな意味で喜びそうですね。アハハ

ともあれ、、あの格子コウシ状の屋根を

どう壊しましょうか」



ーーサフィニアサイドーー


サフィニア

「やっぱり、、カッコいぃぃねぇぇえ

隊長さんたちわぁいらないけどぉお

内臓ぉとぉその刀わぁあ欲しいなぁ!!!

よこせよこせよこせ!!」


キキョウ

華奪ゲダツ灼龍シャクリュウ灌頂カンジョウ!!』



少女の頭上から灼熱の水龍が降り注ぐ


サフィニア

「グッ、、、こんのぉお!!!

熱い!!熱いんだよぉ!!!!!!」

始まる恋ゼロファイブグッドナイト 終わった恋グッドナイトォォオ!!』



少女の両腕から光線が発射された。

女は身を少しらすことしかできなかった。

しかし、気付くと女の視界には

一人の男がいた。



キキョウ

「え、、隊長、、」


ラナンキュラス

「大丈夫かい?お嬢さん」



男は高速で移動し

女を抱きかかえてニコッと笑うと

少女の見えない所まで距離をとった。


ラナンキュラス

降身雷フルミカヅチはまだ発動できないけど

あの子に対抗するなら、これくらいはしないとね。」

剋刃ゴクハ の三•走疾ハシリバヤテ

剋刃ゴクハ 四十五シジュウゴ走雷ハシリカヅチ



男は女を抱えたまま

付加フカ剋刃ゴクハ刃術ジンジュツ二重詠唱ニジュウエイショウし女にホドコした。

柔らかな風と優しいイカヅチが女の身体を包む



キキョウ

「身体が軽い、、」


ラナンキュラス

「だろうね。走疾ハシリバヤテの15倍の速さが走雷ハシリカヅチだけど

僕がそれを使うと更に倍なのさ。」


キキョウ

「更に倍って、、2025倍!?!?

それは葡萄染麒麟エビゾメキリンの力が

加わってですよね??」


ラナンキュラス

「ぁあ、もちろんだよ。

そこに更に降身雷フルミカヅチを加えると

僕は音速を超えて雷速ライソクになる。

この前、アキレイは千刃花一センジンカイチ

攻撃力の高い鞘花ショウカと言ってくれたけど

それは間違いだ。

僕は千刃花一センジンカイチ"最速の男"さ」


キキョウ

「最速の男、、、って、隊長、、」


ラナンキュラス

「何だい?」


キキョウ

「お、降ろして下さい」


ラナンキュラス

「あっそうだったね。フフッ」



そう言うと抱きかかえた女を

優しく降ろした。


サフィニア

「どーこーだぁあーー」


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長。」


キキョウ

「はい。」


ラナンキュラス

「鬼退治の時間だ」



ーーアキレイサイドーー



アキレイ

炎蛇招来エンジャショウライ八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ


ジニア

砂奏数スナソウジュ砂漠ノ命サバクノミコト



8頭の大蛇オロチから

圧縮された火炎と無数の砂礫スナツブテ

少女を襲う。


ペチュニア

「無駄!無駄!!無駄!!!」



黒い布で全てサバかれてしまった。


ジニア

「なんやねんコイツ、、」


アキレイ

「どこかに必ずホコロびがある。」


ジニア

「わーっとるわ!

せやから今!!やっとんねん!!」


ペチュニア

ホコロび??ハァ。

もうため息しかでないわ。

あなた達、全然 学習しないのね。

いくら打とうがそんな技、私には無意味なの。

これがナーベルク帝国最高戦力の力なの?

千刃花センジンカみたいなダイそれた部隊名も

今すぐ変えるべきね!!

ペチュニアが付けてあげるわ!!

そーねぇーーうーん。うーん。あっ!

明日からはこう名乗りなさい。

たんぽぽ組って。

ウフフッウフフッアハハ!!!」


アキレイ

「貴様、、、」


ペチュニア

「わた毛みたいに飛ばしてあげる」

死期行進曲マーチデスマーチ



黒い布がリズムをソロえて正面から

波のように襲いかかる。

背後から一枚の布がリングのロープの様に

身体を前方に飛ばして正面からマトモに突っ込んでしまった。


ジニア

「カハッッツ」


アキレイ

「グァッッツ」


ジニア

「ウゴォッツ!」


アキレイ

「グッ!!!」



2人は正面の布に突き飛ばされる度に

背後の布で前方に飛ばされ

そして何度も正面の布に突っ込んだ。


ペチュニア

「アハハハハ!!!!

メトロノームみたぁいにぃぃ

何度も行ったりきたぁり!!

行ったりきたぁり!!!

アハハハハ!!!!

面白いわぁあ。」



そう言うと女は隊長2人を

黒い布が敷き詰められた地面に叩きつけた。


ペチュニア

『さぁて!!パシン手を叩く音次はダンスレッスンよ!!

リードも出来ない不出来な男に

私がダンスを教えてあげる。」


ジニア

「グハッ、、こ、ん、の、女、、」


アキレイ

「クッ、、ゥ、ふざけろ、、、」



少女は空中に黒い布で作った椅子に座って

ほおづえ をついたまま静かに囁いた。


ペチュニア

屍傀儡ノ快楽諧謔曲スカルスケルツォ




黒い布が天地をおお


アキレイ

「なんだコレは、、」


ジニア

「薄暗くなりよった、、」



ペチュニア

「舞台は用意したわ!!素敵でしょ?

あっ!!でもぉお!!

パートナーがぁあ見つからないよねぇ?

男性同士はごめんね!!出来ないのぉ!

あなた達、仲良いけど今回は仕方ないから

私が用意したわ!」


ジニア

「仲よぉないわ!!」


アキレイ

「友達のいない貴様に

仲の良し悪しなど分かるまい。」


ペチュニア

「ウフフ

言ってくれるわね。。

そんなあなたもいるようには見えなけどね?

カ、タ、ブ、ツ坊ちゃま

さて、そんなモテない男に紹介するわ!!!

ヤイバちゃんでーす!!」



ワズかな光に反射して

ゆらりと黒い布が男をにらむ。


ペチュニア

「女性はデリケートなの。

機嫌を損ねると簡単に刺す生き物なのよ?」


ジニア

「アホ、そんなんお前だけじゃボケェ」


アキレイ

「フン。

ラナンキュラスに聞かせてみたいものだ」


ジニア

「案外、刺されたことあるんやないか」


アキレイ

「どうだろうな。

この女を片付けたら聞いてみるとしよう」


ペチュニア

「片付ける?この私を?」



足元の黒い布が激しく波打ち

そして態勢が安定しない2人に

鋭くトガった布が次々と襲いかかった。


ジニア

「なん、や、、立て、、へん、、ガハッ」


アキレイ

紅オロクレナイオロ グハァア!!」


ペチュニア

「はい、ワンツー、ワンツー、

ワンツースリーフォー

ワンツー エン ツー

ワンツーターン!!!

はぁ。

下手ね。あなた達

下手クソな男は嫌いよ。

だって、イタイだけじゃない」



ペチュニア

パチンッ指の鳴る音



ジニア

「グ、、急に、、」


アキレイ

「止まっ、、た、」


ペチュニア

「これにて終幕」


ジニア

「アキレイッ!!!」


アキレイ

「ジニアァァ!!」



少女はそう言って冷たく呟くと

刻まれる男を見て言った。


ペチュニア

襲終曲フィンフィナーレ



天地をおおう全ての布が

男を握りつぶすかのように一瞬で丸まった。


ペチュニア

「笑えるわ。

最期に互いの名前を呼ぶなんて

結局、仲良いんじゃない。」



ペチュニア

「…ん?何かしら?」



ポロポロと上空から何かが頬にあたる。




ペチュニア

「何よコレ、、砂?」



ジニア小声で

大砂海ダイサッカイ


ペチュニア

「嘘でしょ??

ァァァァァァアアァア!!」



上空に浮かぶ何万トンもあるであろう砂が

少女の頭上に落ちた。

砂の重みで身動きが取れず

このままでは酸素も無くなっていく。

少女は激しくもがいた。


ペチュニア口を覆いながら

「うぅっ、、 死面装仮バトレロアイヤ

死面装仮バトレロアイヤ!!

動きなさい!!払いなさい!!」



死面装仮バトレロアイヤ

何万トンもある砂の重みで動かせない。

少女には何も聞こえてはいない。

感覚が、触覚、味覚以外は機能はしていない。

砂の海は完全なる闇だった。



ジニア小声で

砂独海死刑スナドケイ



ペチュニア口を覆いながら

「え!何!?何!?なんなの!?

イヤァァァァァァア!!」



砂海サカイの中で少女の身体は

大きく大きく回転し

次第にどんどん速くなっていく。

もはやどちらが天地かさえ分からない。

少女は砂に押し固められ

閉じ込められた球体のまま

上空へと昇っていった。


ジニア小声で

「これにて終幕、、」



グシャッと音を立てて

砂が崩れていった。



ジニア小声で

「…もうえーやろ。」



砂の海がサラサラと盛り上がる。

そこから出て来たのは砂の球体だった。

男達は襲終曲フィンフィナーレ

喰らう直前、互いを引き寄せ合った。

そして金色木乃伊コンジキミイラの力で

砂の防御球体を作りギリギリの所で

どうにか防ぐことができたのである。


アキレイ

「うらぁ!」



球体のワズかなヒビに向かって

アキレイは蹴りをいれその球体を割った。


ジニア

「息ガァァァ!!

ハァ、、ハァ、、スゥゥウ深呼吸

セマ!!ツラ!!クサ!!!!!!

かなわんわ!!なんでお前と

こんな狭いとこに入らなあかんねん!!」


アキレイ

「はぁ、はぁ、貴様がそうしたのであろう。

俺は頼んだ覚えはない。」


ジニア

「はぁ??なんも出来ひんかった

アキレイお坊ちゃまが

何ゆーてますの?

ガーとかアーとか、貴様ァ!しか

ゆーてへんやんけ!!!!」


アキレイ

「なんだと?貴様??

その舌、二度と使えぬように消炭ケシズミにっ」


ジニア

「....なんや??」


アキレイ

「この声、、」



震える声で深く

オビえた声で更に深く

少女の怒りの声が砂漠にこだまする


震える声でペチュニア

『『身降ミオろし身降ミオろし

ソデツリ墓場ハカバ

トモしべトモしべつべき仲間

ササげしササげしイノチ

イノチ

.... ワレ隠形鬼オンギョウキナリ』』



ーーキキョウサイドーー


ラナンキュラス

「ガァッ

キキョウ、、副隊長を、、離せ、、」


キキョウ

「ゥッゥッウ」



サフィニア苦しそうに

「ワレ、、クビ、、レ、、オ、、ニ」



四本の腕で男の片腕と女の首を

持ち上げていた。

男と女は傷だらけになり

血がしたたり落ちていた。


サフィニア苦しそうに

「ワレ、、クビ、、レ、、オ、、ニ」


ラナンキュラス

「ゥッ、、キキョウ副隊長、、少し、、

我、、慢、、して、、くれ。、、

ホトバシれ!!葡萄染麒麟エビゾメキリン


キキョウ

「ウァアッツグ!」


サフィニア

「ァア!!」



男は片腕を離された瞬間

迷いなく少女の首へ

雷撃ライゲキホトバシる刀を振り下ろした。


ラナンキュラス

雷迅虞斬ライジングサン!!!』



サフィニア

「アガガッ!し、びれ、るぅぅう!!」



男は一瞬、目を疑った。


キキョウ

ヤイバが、、通らない、、」


ラナンキュラス

「君は、、人間、、なのか?」


サフィニア

「あーー!!やっと見つけた!!

内臓、、欲しいなァァァ!!!」


キキョウ

「見つけた??どういうこと?

正気に、、もどった??」


ラナンキュラス

「元々この子に正気があるかは

判断しかねる、、ねっ!!」



女と男は少女と激しい攻防戦を

繰り広げる。ヤイバの通らぬ身体に対し、

斬撃が効いているかも疑わしい中

少女は一歩も引かずに全ての斬撃をサバいた。

逆に女と男はダメージを負うばかりだった。



キキョウ

「グッ」


ラナンキュラス

「ァアグッ」



そして少女はニコッと笑う


サフィニア

『『前略、あの人へアデイル•へロウ』』



少女は両腕を合わせた。

光が輝きを増す。

明らかにこれまでの技とは

何かが違った。


ラナンキュラス

「まず、、い、、

これは今までの比じゃない!!」


キキョウ

「隊長!!私の後ろへ!!」


サフィニア

「はい!ドォォオーーーーー」


キキョウ被せ気味に

灼滅ジャクメツ浄玻ノジョウハリノ水鏡ミズカガミ!!』



ヤイバの先で楕円ダエンを描くと

荘厳ソウゴンで巨大な鏡が召喚された。

その鏡は少女の超特大級の光線を全て呑み込んだ。


サフィニア

「へ??」


キキョウ

六道輪廻リクドウリンネに還りなさい!!!」


N

女の一言で鏡から同量、同質の光線が放たれた。


サフィニア

「ギャァァァア!!!!」



皮膚はただれ黒焦クロコがれヒビ割れていた。

少女は何とか形を保ったまま歩き出した。


サフィニア

「お姉ちゃ、、ん

お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!

許さないユルサナイユルサナイ!!

ワレ、、クビレ、、オニ、、ナリ、、」


ラナンキュラス囁きながら

「もう、、終わりにしよう。」


キキョウ

「はい。。」


ラナンキュラス

帝釈天ノ刃ヴァジュラ



雷鳴がトドロキ稲妻が走る

雨は更に深く降り注ぐ

男が刀を横に振ると

その刀めがけてイカヅチが落ちた。

刀はイカヅチを帯びたまま形を変え

の無い刀へと姿を変えた。


ラナンキュラス

「この刀は雷速ライソクで振動する刀

今の君なら普通の斬撃は効かなくても

このヤイバであれば斬れるだろう。」



そして男は一瞬で少女へと距離を詰めた。



ラナンキュラス

『『紫死シシ麒麟天昇キリンテンショウ!!』』



男は一閃イッセン 刀を振り下ろし少女を頭蓋ズガイから縦に斬った。


サフィニア

「ワ、、レ、、ハ、、」


キキョウ

「隊長!!まだ、、」



男はキビスを返して

女の元へとゆっくり歩いた。


ラナンキュラス

「4つ数えれば全てが終わる」


キキョウ

「どういう、、」


サフィニア

「ワレ、、ハ、」


ラナンキュラス

「一つ」


サフィニア

「ワレ、、ハ」


ラナンキュラス

「二つ」


サフィニア

「ワレ、、ハクビレ、、」


ラナンキュラス

「三つ」


サフィニア

「オニィィイ!!」


キキョウ

「ラナンキュラス隊長!!後ろ!!」


ラナンキュラス

「四つ」


キキョウ

「キャァ!!」



少女の足元が激しく揺れ始め

紫電柱シデンバシラが立ち昇る

その周りをイカヅチホトバシ麒麟キリンが優雅に回り

少女の魂を運んでいくように

その柱を駆け昇っていった。


ラナンキュラス

イカヅチに抱かれて眠れ。

...哀れな少女よ。」



そして

少女はゆっくりと倒れた。



ラナンキュラス

「まさか、、あれを、、食らっても

形をなす事ができるのか。。

一体、あの少女、、なんなんだ。」


キキョウ

「分かりません

ただ言えるのは

とても悲しい子でした。」


ラナンキュラス

「ぁあ。そうだね。」


ラナンキュラス心の声

((仇は取ったよ))



ーーアキレイサイドーー


ペチュニア

「もうお手上げかしら?」


ジニア

「ゥウ、、なんやねん、、それ、、

反則、、やろ、、」


アキレイ

「その、、姿、、一体、、」



ーーラナンキュラスサイドーー

男と女は走っていた。


ラナンキュラス

「あの鏡は凄い技だったね。

キキョウ副隊長」


キキョウ

「隙が大きい技でしたから

間に合ったんですよ。

隊長の方がずっと凄いです。」


ラナンキュラス

「フフッ。今日、発現したばかりのサヤにしては

充分戦ったって言いたいだけさ。

僕らはこれで

この世界の誰かの未来が救えたんだ。

キキョウ副隊長

素晴らしい仕事をしたね。」


キキョウ

「そうだと、、いいですが、、」


ラナンキュラス

「さて、、もうそろそろ、

着く頃、、だな。

そんな!!!」

剋刃ゴクハ 四十五シジュウゴ走雷ハシリカヅチ

降身雷フルミカヅチ!!』


ペチュニア

「誰?速い!!!」



男は雷速ライソクで駆け抜け

一瞬にして倒れていた2人を抱えて

キキョウの元まで戻ってきた。


ジニア

「キキ、、その、、刀、、」


キキョウ

「隊長!!!!」


アキレイ

「ラナンキュラス、、すまない」


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長!!

回復を頼む!!!

その間、僕が引きつける!!」



男は再び一瞬で消えた。


キキョウ

「はい!!!」

灼迦シャカ天道天界テンドウテンカイ極楽浄橙ゴクラクジョウトウ



足元から湯柱ユバシラが吹き出して

頭上に癒しの湯が降り注いだ。


ジニア

「なんや、、鞘花ショウカ

なったんか。。これから、、大変やぞ、、」


ペチュニア

「ん?あら??あなたさっきのって

サフィニア、、サフィニアは

サフィニアは!!!

ドォオォオシタァァァァァァア!!!」



黒い布をはためかせながら

黒い肌、白い瞳、

大きな角をもった少女が空を漂っていた。

そして怒りの矛先を

男に向けて布とともに突っ込んできた。


ラナンキュラス

「遅い」


ペチュニア

「何?」


ラナンキュラス

「君の妹はもっと速かったよ。」

雷迅虞斬ライジングサン


ペチュニア

「はあ?」


ラナンキュラス

「やはり、これでは斬れないか、、」


ペチュニア

「なにこれ?痛くもなんともないわ。

あんたって速いだけのバカね。」


ラナンキュラス

「僕が速いかどうかは

今夜、試してみるかい?」



そしてイカヅチホトバシ


ペチュニア

「う、、雷撃ライゲキ、、だと、、」


ラナンキュラス

「まさか!?

あまり効いていない!?」


ペチュニア

「妹はどこ!!!!!」

輪舞輪舞輪ロンドロンドリン



黒い布が男を追尾する


ラナンキュラス

「そんな攻撃、、

当たるわけないさ、、遅すぎる」



ペチュニア

「な、ま、い、きね!!!」

屍傀儡ノ快楽諧謔曲スカルスケルツォ



天地が黒い布にオオわれた。


ラナンキュラス

「フフッ囲んだだけかい?

そんなの僕にきかッウグッツ」


ペチュニア

「そんなに速く動いても

飛んでるわけじゃないわよね?

だったら着地する足元の安定さえ

奪ってしまえば

いつかコケるものよ。

さて、捕まえた。

もう逃げられないわよ。

妹はどこ!!!」



黒い布が男をからめとり縛りあげた。


ラナンキュラス

「フフッ捕まえただって?

今の僕に触れたらシビれるよ」


ペチュニア

「さっき見たでしょ?

あなたのイカヅチなんて

しょせん静電気よ。

もしかして、あなた。

疲れてるのかしら??ウフフ」


ラナンキュラス

「言ってくれるじゃないか」

剋刃ゴクハ 四十二シジュウニ神紫雷カミシバリ



紫色の電流が足元からホトバシ

少女をイカヅチの十字架に縛り上げた。


ペチュニア

「なによ、こんなもの!!!」


ラナンキュラス

「おっと。それはなかなか解けないよ。

雷速ライソク状態の僕が放ったイカヅチ属性の

高等コウトウ剋刃ゴクハだからね。

動けば動くほど深く縛りシビれ続けるのさ。」


ペチュニア

「ウウッ こんなもの!!」


ラナンキュラス

「その十字架、、

罪深い君にはぴったりじゃあないか」


アキレイ

「ドケェエ!!!!!!

ラナンキュラス!!!!!」

焦炎地獄ショウエンジゴク八岐ノ首斬ヤマタノクビキりィィイ!!』


ラナンキュラス

「ちょっ、、アキレイ!!」



100メートルはあろうか

巨大な炎のヤイバ

少女に振り下ろそうとしていた。


ペチュニア

「な、なんだその炎は!」



少女は叫び

十字架を無理矢理壊して

全ての黒い布を炎のヤイバに向けた。


ラナンキュラス

「十字架を壊した!!

なんて力だ!!」



男はその場から離脱し

少女とヤイバを振り下ろす男から

一瞬で離れジニアの元へと向かった。


ジニア

「巻き込まれるで!!」

金剛離殿コンゴウリデン砂漠ノ墓標サバクノボヒョウ



砂塵が舞い上がり男は仲間と自分を

巨大なピラミッドの中へと引き込んだ。

外では爆発音が、鳴り響く。


キキョウ

「なんて威力なの、、

隊長の金剛離殿コンゴウリデンが振動してる。」


ジニア

「アキレイはブチ切れとったからのぉ」


ラナンキュラス

「あんな大技だすなんて

相変わらず無茶苦茶だね。アキレイは」


ジニア

「大技ゆーたら俺らもやろ。

大技かました後は

納刀ノウトウせなあかんのに

そんな時間も余裕もない。

どえらい双子やでホンマ」


ラナンキュラス

「ぁあ。」


キキョウ

「そうですね。

悪魔のように恐ろしい双子です。」



すると、身体が大きくカタムくほどの衝撃が起こった。


ジニア

「なんや。。」


キキョウ

「外に出てみましょう。」



金剛離殿コンゴウリデンを解除し

外に出てみるとそこには別世界が

広がっていた。鉄は溶け建物は全焼

そしてその中央に立っているのは

焼け焦げた少女だった。


ジニア

「アキレイ!!!」


ペチュニア

「グ、、なんて、威力、、な、の、、」


アキレイ

「貴様、、何者だ!!」


キキョウ

「あの炎を喰らってなお、、」


ラナンキュラス

「やっぱり、妹より姉の方がずっと

化け物だったみたいだね。」


ペチュニア

「あら、あなたたち。

隊長さんたちってあんな大技

まだ隠し持ってるのかしら?」


ジニア

「あったりまえやろ。」


ペチュニア

「そう。隊長格4人相手にしないといけないのね。

それとあなた。妹はどうしたの?」


ラナンキュラス

「僕が殺した」


ペチュニア

「遺体はあるの?」


ラナンキュラス

「ぁあ。」


ペチュニア

「同じ姿だった?」


ラナンキュラス

「ぁあ。」



少女の肌がみるみる白くなっていき

瞳も戻り角も消えた。

しかし、その姿に皆一同、驚きを隠せなかった。


キキョウ

「傷が、、消えてる。

そんな、、、」


ペチュニア

キョウが冷めたわ。私は妹を拾っていく。

今回は見逃してあげる。」


ジニア

「逃すと思っとんのか」


ペチュニア

「割りに合うの?

この移動要塞マーベラスは

爆発するのよ。」


キキョウ

「そんな!?」


アキレイ

「なんだと、、」


ペチュニア

「さっきのカタムくほどの

地震がその証拠よ。

あなた達が血眼チマナコになって

探していた駆動中枢クドウチュウスウのある

東Bと西Aのそのコアは自爆スイッチよ。

隊士の頑張りも虚しかったわね。」


パチンッ指の鳴る音


ペチュニア

「そして、このKARE8カレハ

2万体も相手にしながら

30分で脱出できるかしらね?」


ラナンキュラス

「2万、、か、、、

ジニア、、」


ジニア

「ぜんーぶ、

相手したってもえーんやで」


ペチュニア

「私は構わないけど

隊士達は生きて帰れるかしら

鬼人化した私とKARE8カレハ相手に。

よく考えなさい。」


キキョウ

「あの姿は鬼人化というの?」


ペチュニア

「バカね。どう見たって鬼でしょ?」



アキレイ

「おい、逃すと思うのか」


ペチュニア被せ気味に

「逃す?私が逃すんだけど?」


アキレイ

「ふざけるな、、」


ラナンキュラス

「やめろ。

僕たちはもうすでに

発動限界に近い。

退いてもらえるなら

退いてもらおう。」


ペチュニア

KARE8カレハ

最後の仕事よ。」



2万ものKARE8カレハ

一斉に出てきた。


ペチュニア

「残り少ないわ。

私は妹を拾ってくるから。

さよなら、千刃花センジンカ

あっ名乗り忘れてたわね。

よく覚えておきなさい。

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ機動部隊キドウブタイ

"十鬼槍ジッキソウ"黒薔薇クロバラ部隊 隊長 ペチュニア

あなた達の敵よ」



そう言って少女はKARE8カレハに乗って

飛び去った。


キキョウ

「行っちゃった、、」


ラナンキュラス

「さて、発動はもう解かないといけないよ

みんな。刃術ジンジュツだけで戦うんだ。

分かったね?」


ジニア

「ぁあ。帰ったら色々調べなあかんな。」



一同は納刀ノウトウをし亜那魂蛇アナコンダへ走った。

しかし、疲弊とは裏腹に

KARE8カレハは容赦なく襲ってくる。

すると亜那魂蛇アナコンダの方角から

声がする。



レンゲイ

「みなさーーーん!!!」


アキレイ

「レンゲイ。なぜ、、ココに!」


キキョウ

「レンゲイ隊長!」


ジニア

「遅いわ!こんの どアホ!!」


レンゲイ

「すみません。

あの格子コウシ状の屋根が

なかなか強固キョウコで。

とりあえず皆さん。

見たところ納刀ノウトウしてるみたいですし

話は船で聞きますから

今は急いで乗ってください!

ほかの隊士たちはもう避難してます!!」


キキョウ

「そうなの、、良かった。。」


ジニア

「せやかて2万やぞ?」


レンゲイ

「僕がまとめて片付けますから

心配しないで。さぁ!皆さんは早く。」


アキレイ

「いいのか?」


ラナンキュラス

「任せよう。」


レンゲイ

「では亜那魂蛇アナコンダではなく

五刃花隊ゴジンカタイ専用 移動用小型 飛行魔進ヒコウマシン ヱ流9エルクなので

そっちにお願いしますね。」



男は皆が離れるのを確認したノチ

KARE8カレハをキッと睨んだ。



キキョウ

「レンゲイ隊長大丈夫ですかね?」


ジニア

「大丈夫やろ」


アキレイ

「何も問題はない。」


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長が入隊する前の話しだけど

レンゲイ隊長はね

千刃花センジンカに当時、最年少で抜擢されて

最年少で隊長になった男なんだ。

そして知っての通り

その記録は未だに破られていない

俗にいう"天才"と呼ばれてる男さ。」



男が静かにそっと胸に手をあてると

暖かな光が差し込み空が晴れた。

そして次々と花が芽吹き緑がシゲ

男は微笑むと静かに口上コウジョウを唱えた。


レンゲイ

『『天輪 •波濤ハトウメグミ鉤爪カギヅメ

芽吹 •花咲ハナサキ贄木ニエキ

巡れ生命イノチよ  深淵シンエンに染まれ!!

『『散桜突刃サンオウトツジン桜雌鹿サクラメロク』』



約2万のKARE8カレハの大軍に向かって

男は刀を向けた。


レンゲイ

花暖簾ハナノレン散流麗チルゾウルワシ



桜雌鹿サクラメロクから溢れ出る彩り豊かな花びら

それはもはや数えることすらも叶わない

そして、幾億イクオクの花びらが

KARE8カレハを優しく撫でていく。


レンゲイ

「この花吹雪ハナフブキは別れの手向タム

触れたもの全てをチリと化す」






千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ

第二章 移動要塞マーベラス (完)






おまけ






移動要塞マーベラス上空1万メートル

五刃花隊ゴジンカタイ専用 移動用 小型 飛行魔進ヒコウマシンヱ流9エルクにて


レンゲイ

通信ツウシン 刃術ジンジュツ

誰??え!!!アナスタシアさん!!」


アナスタシア

「どこにいるの?」


レンゲイ

「空ですけど、、」


アナスタシア

「空?」



ゴロゴロと雷鳴が轟く

(本当はラナンキュラスの解放の影響)


レンゲイ

「ヒィッ!

は、はい!!」


アナスタシア

「冗談にしては

笑えないわ。」


レンゲイ

「いえ、任務ですよ?」


アナスタシア

「そう。では外を見なさい。」


レンゲイ

「外?ですか?」


アナスタシア

「何が見える?」


レンゲイ

「えーと、、温泉ですかね?」

(キキョウの影響)


アナスタシア

「温泉?ですって??

、、私を見誤ミアヤマるなよ。」


レンゲイ

「い、いえ本当です!」


アナスタシア

「、、他には?」


レンゲイ

「え、えーと。

はい!ピラミッドです!!!」

(ジニアが作った)



アナスタシア

「あなた、、本当のことが言えないのね。

じゃぁ何処にいるのか教えるか

それとも殺されたいか。

好きな方を選んでちょうだい。」


レンゲイ

「ちょっ、ちょっと!待ってください!

本当ですって!!

僕に、何か用ですよね???」


アナスタシア

「、、、共鳴反応が

レンゲイのいる付近で起こったのを

気付いた?」


レンゲイ

「やはり、アレは共鳴反応なんですね。

あれ?なんで僕のいる場所知ってるんですか?」


アナスタシア

「そんなことはどうでもいいの」


レンゲイ

「え?あっ、、はい。」


アナスタシア

「そう。。やはり違うのね。」


レンゲイ

「え?なにがですか??」


アナスタシア

「そこに無ければ、別の場所ね。

レンゲイ、新しいサヤは必ず連れてきて。

敵味方一般人関係無くよ。

無理矢理にでも連れて来なさい。」


レンゲイ

「はい?りょっ了解です・・」


アナスタシア

「レンゲイ隊葬が終わって落ち着いたら

四刃花隊ヨンジンカタイ

合流して次の任務に行ってもらうわ。」


レンゲイ

「え?任務ですか?何処へ・・・」


アナスタシア

「世界の何処かに

新たなダンジョンが生まれたの。

調査が終わり次第向かってもらう。」


レンゲイ

「本当ですか??それなら」


アナスタシア

「そう。

新たなサヤを手に入れて来て」


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