第4話 後編1/2

作者名 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ

移動要塞マーベラス 突入作戦 後編1/2





ゴゴゴゴゴゴっと

激しく地鳴りが鳴り響く


サフィニア

「え?何なに??

お姉ちゃんが 動かしたのかな???

それとも地震??

え?

キャァア!!

なにこれ!!アッツ!!!!」



ーーペチュニアサイドーーー


ペチュニア

「地震かしら??

まさか、要塞を動かされた?」


アキレイ心の声

((なんだ、、これは!!!

身体が熱い!!!!!!))



ーー三分隊サイドーー


ラナンキュラス

「ヴッ!!胸が締め付けられるっ!!

コレは、、一体!!!!」



ーー二分隊サイドーー


ジニア

「なん、、や、、まさか!!

いや、、分からん、、」



ーー四分隊サイドーー


サフィニア

「キャァア!!!

お前、、一体、、何を!!

ヴッ!!足元が、、何コレ、、

何をした!!!」



少女は横たわる女の胸元ムナモト

ツカみ大声で叫んだ。


サフィニア

「聞いてんだよぉお!!」



時は遡り30分前


キキョウナレーション


今日、私は死ぬだろう。


私の家は裕福な家ではなかった。

そしてとりわけ戦禍センカの酷かった私の故郷コキョウ

とても貧しかった。父は若くして戦死し

私が8つの時に母は私の目の前で手足を切られ

兵たちにモテアソばれた後に殺された。

それから残飯ザンパンやゴミを漁りながら

なんとか私は生き抜いて来たが

相変わらず私の故郷コキョウは兵士達の死体だらけだった。

戦争が憎い。戦争が憎い。戦争が憎い。

それから私は死んだ兵士の死体から

金目カネメのものを盗み、時には恵んでもらい資金を貯め

ナーベルク士官学校に入学した。

ラミオラス帝国との戦争を少しでも早く

私の手で終わらせたかった。

そして私はナーベルク士官学校を首席で卒業し

帝国兵となりホドなくして

刃術ジンジュツの才が認められた。

そしてすぐに帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ "千刃花センジンカ "二刃花隊ニジンカタイに配属された。

予想は付いていた。貴族は一刃花隊イチジンカタイ

首席は二刃花隊ニジンカタイに配属されるのが通例だったからだ。

本当は刃術ジンジュツがもっと活かせる八刃花隊ハチジンカタイ

貴族の生まれではないが

規律と法を司る屈指クッシのエリート部隊 一刃花隊イチジンカタイ

入隊希望を出したのだがその希望は通らなかった。

しかし、他国の生まれでありながら

千刃花センジンカとして数年余りで帝国 女性騎士 最高 栄誉エイヨである

月美夜女王ナイトオブクイーンの称号を得たキスツス隊長の部下として

名をツラねる事が出来る。

それだけで私は幸せを感じていた。

そして、ジニア隊長のいる三刃花隊サンジンカタイ

配属され副隊長になった。

少しだけ私の目標に近づいてるような気がして

最近はよく笑えるようになった。が。


私は今日死ぬだろう。


サフィニア

「ねーねーねーねー!!!

ねーってばぁ!!お姉さんさぁぁ

僕の話聞いてるッッの!!!」


キキョウ

「ガッッ」


サフィニア

「派手にやられちゃったね。

KARE8カレハもみんな吹っ飛んでさ

見てよ、、見える??

アハヒャアハヒャアハヒャアハヒャ

ねーねーねーねー!!!

コレなぁぁあんだぁ??」


キキョウ

「やめ、、て、、」


サフィニア

「はい、ドーン!!!!!」


キキョウ

「イヤァァ!!!」


サフィニア

「最後の一人死んじゃったぁ!」


キキョウ心の声

((嘘でしょ、、腕で人の身体を、、ツラヌいた))



少女は震える女の胸元ムナモトを掴み

更に続けた。


キキョウ

「ウッ」


サフィニア

「部下の人たちさぁあ!!」


キキョウ

「ガッッ」


サフィニア

「みんなお姉さんをぉぉ!!」


キキョウ

「ガハッッ」


サフィニア

「守ろうとしてさぁぁああ!!

優しい人ばっかだッッネ!!!!」


キキョウ

「ガァァアッ」


サフィニア

「羨ましいなーーー」


キキョウ心の声

((どうにか、、して

コイツを、、倒さな、、いと、、

でも、、身体、、が、、出来ない))


サフィニア

千刃花センジンカって

案外、弱いよね。つまんない。

もう、、死ねよ」


キキョウ

「くっ、、」



ーー三分隊サイドーー

三分隊は全力で走っていた。

入り組んだ迷路のような要塞は

とても無機質でどこを通ったのか分からないほど

皆、同じように見えていた。


ラナンキュラス

「クッ、、地図なんて

役に立たないな、、

早くしないと一分隊がっ」


KARE8カレハ

「ギギギギギガガギ」


ラナンキュラス

「全隊止まれ!!

フフッ君とはよく会うね。。」



KARE8カレハ

「ギギギギギガガギ」


ラナンキュラス

「おっと。ハサみ撃ちかい?

女の子ならよかったのに。」


KARE8カレハ

「ギガッッ!!」


ラナンキュラス

「フフッ

これ100はいるんじゃないかな」



KARE8カレハ

一斉に攻撃体制に入った。


ラナンキュラス

八刃花隊士ハチジンカタイシ

剋刃ゴクハで壁を作れ!!

六刃花隊士ロクジンカタイシ

空に向けて剋刃ゴクハ ナナを!!

六刃花隊士ロクジンカタイシ!!

要領はさっき見せたから分かるね?」



男は三分隊の刃術ジンジュツによる

熟練度ジュクレンドの差を理解していた。

突入前の作戦会議にて

四分隊に熟達ジュクタツした八刃花隊士ハチジンカタイシを集め

残った三分隊はそのアマりで編成ヘンセイした。

その中でも八刃花隊士ハチジンカタイシの振り分けが

特に少ないのが三分隊だった。


ラナンキュラス心の声

((簡単な刃術ジンジュツ六刃花隊ロクジンカタイ

カナメの防御はうちの子たちでやる))


ラナンキュラス

「放て!!!」



一斉に三分隊を

囲むように刃術ジンジュツの壁ができ、

頭上に光の鏡が何百と出来上がっていた。

すると男は天に向かって片手を伸ばした。


ラナンキュラス

「今日の僕は少し機嫌が悪いんだ。

一気に片付けるっ!!」


滅刃メツハ四十一シジュウイチ雷神鉄槌ライジンテッツイ!!!』



複製フクセイ刃術ジンジュツである

剋刃ゴクハ ナナ鏡乱合キョウランアワセ

滅刃メツハ四十一シジュウイチ雷神鉄槌ライジンテッツイ

複合フクゴウ刃術ジンジュツにより

いくつものイカヅチ鉄槌テッツイ

KARE8カレハに襲いかかり

次々と消炭ケシズミと化した。

鋼鉄が溶けて地面にしたたると

焼けるような音が鳴り響く。

通常の刃術ジンジュツでは

あり得ない威力を見せつけられた隊士達。

鏡乱合キョウランアワセ

あくまでも複製フクセイ刃術ジンジュツ

威力を増すものではないからだ。

三分隊の隊士達はあまりの威力、

あまりの美しさに恐怖を覚えた。


ラナンキュラス

「さぁ、行こう。」



ーーペチュニアサイドーー

刃術ジンジュツ詠唱エイショウ出来ぬように

一分隊の隊士達 全員の口の中に

手榴弾シュリュウダンクワえさせられていた。

更には導火線とダイナマイトがびっちりと

敷き詰められ火でも起こそうものなら

引火して爆発する手はずになっている。

そして、吊るされている男に

全ての導火線が繋がっていた。


ペチュニア

「はい、ドーン!

さて、ど、れ、に、し、よ、う、かな!

はい!おめでとうーー!!カンカンカンカン!

見事に一等賞!!

次はあなたねえ!!でわぁ!

大人くし待っててね!!ウフフ」


アキレイ食いしばった声

貴様は絶対ゆるさんフンッ!フンフンッッ


ペチュニア食い気味に

「はい。ドーン!

あっ!ごっめんなさーーい!

手が滑っちゃった!!!!

あんまりにもずっと

何言ってるか分からないけど

きっと多分、あなたの事でしょうから

許さん許さんって言ってるんでしょぉぉ!?

ううん!言ってるぅ!!言ってるぅ!!

言ってるからぁぁあ時間来てないのにぃ

静かにしてほしいからぁぁ

頭を素手で割っちゃったじゃない!!!

どうしてくれんのよ!!

この血!!あんたが舐めなさいよ!!

ホラ!ホラ!ホラ!!!」



吊るされてる男に

下から拳を突き出す少女


ペチュニア

「ったく。

とんだフンフン男ね!!

手を洗ってくるわ!!」



少女はぶつくさいいながら

その場を去った。


アキレイ心の声

((何故、熱で溶けない?

俺なら導火線に引火させずに

この縛られた布を焼ける。

でも鎖でもない

ただのこの黒い布が焼けない))



そう。男の疑問は当然である。

鞘花ショウカは刀を解放しなくても

修練さえすればその力をワズかでも使える。

隊長であるその男にとって

造作ゾウサもない事だった。


アキレイ心の声

((しかもあの女、、素手で、、

頭蓋ズガイを割った。。

それにあの異常なまでのテンション、、

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ機動部隊キドウブタイ黒薔薇クロバラとは一体、、))


ペチュニア

「ぁあーースッキリした!!

ただいま!!アキレイ御坊ちゃま!!テヘ」


アキレイ

「、、、、」


ペチュニア

「えーなに?

いっちょ前に無視すんのか?

お?お?お?るか?りたいのか?

エヘッ!!もうーー。ペチュニアちゃん

とりみだしっドーーーン!!!」


アキレイ

「ァァァァァァア!!」


ペチュニア

「そんな悲しい声出さないでよーん。」


アキレイ

部下に手を出すな!!フフッフフンフフッ!

貴様を絶対許さん!!フフフッフフッフン!


ペチュニア

「うん。うんうん。うん。

そうーなのぉ?大変だったわねぇ、、

ペチュニア悲しい。。

シクシク。シクシク。でもいいわ。

おばあちゃんを、大切にね。。」


アキレイ

「ブチッ」



ーー二分隊サイドーー

先の戦いで辺り一面は砂漠

ここだけ違う世界に来たように思えるほど

地形全てを変えてしまった。

その張本人は

ピラミッドの上に立っていた。


ジニア

「はぁ。ヒマや。

ヒマすぎてかなわん。

どないしとったらえーんや。

キキのやつ大丈夫なんやろか。」



ーー四分隊サイドーー


女は地面にヒタイコスりながら

地面をっていた。


キキョウ

「助け、、なきゃ、、

私が、、、、私が、、」



サフィニア

「あーん。

お姉さん逃げるヌォオン?

いつくばって逃げようとしてるヌォオン?

ウケるんですけど。

逃げるって意味分かってやってる?

耳も聞こえないんだっけ??

あっ!!お姉さん!!

足、、ケガしてるん、だ、よ、ね!!!!」


キキョウ

「ァァア!!

グッ、、わた、、わたしは、、

、争を、、、終わら、、せる」


サフィニア

「え?なんてー?

急に戦争がなんだって??

僕には関係、、ない!!」


キキョウ

「ガッッ」


サフィニア

「ないっ!」


キキョウ

「ゥッグッ」


サフィニア

「ないっない!」


キキョウ

「ゥッア!!グッ」


サフィニア

「ない!!!ない!!!ない!!」


キキョウ

「アァ!!グァっ!!ァァァ!!」



少女が殴るたびに

女は声を上げる。

少女の怪力で

顔を何度も殴られる女。

だが、女は途中から声を上げなくなった。


サフィニア

「はあ、はあ、はあ、、

おっかしいな。。

殺すつーもーりぃいなんだけどぉぉお!」



女の意識が遠のいていく


キキョウ

「あぁ、、私、、死んだんだ、、

パパ、、ママ、、、私、、頑張っ、、た、

頑張っ、、たよね?」



女は暗い暗い部屋にいた


キキョウ

「あれ?私、、、ココっって。」



そこに女と男が入ってきた。


キキョウ

「ママ!!!!

パパァア!!」



女は思わず抱きついた。


ママ

「よく頑張ったね。」


パパ

「キキョウ。偉いぞ」



女は溢れる涙をこらえることが

出来なかった。


キキョウ

「私ね、私ね、」



パチンッ指の鳴る音

そして世界がマワ


キキョウ

「ゥッ!??ココは!!」



外から滅刃メツハ怒号ドゴウ

聞こえる。

目の前には小さな少女がうずくまっていた。


ママ

「キキョウ良い??

何があってもこの中から出てきちゃダメ!

分かった??分かったわね?」


キキョウ

「アレは小さいころの私、、、

これは!!!!!嫌!!

お母さん!!!逃げて!!

逃げてぇえ!!!!逃げてよ!!」



パチンッ指の鳴る音

世界がマワ


キキョウ

「え?ココは、、どこ?」



豪華絢爛ゴウカケンラン

東洋風の屋敷ヤシキの中にいた。

カーン。カーン。と心地よい鐘が聴こえる

周りを見渡していると突然、引っ張られるように

立った状態のまま足を引きずられた。

ふすまが何枚も何枚も勝手に開き

まるで早送りの様に駆け抜けていった。


キキョウ

「キャァア!!」



そしてピタリと止まった。


キキョウ

「ハァ、、ハァ、、何なのこれ」



見渡しても湯煙ユケムリ

何も見えなかったが

鐘の音は先ほどより大きく聴こえる。


キキョウ

湯気ゆげ、、かしら?

ん?外、、、なんて、綺麗な音なの?」



女はそっーっと歩き出すと

人影が見えた。


キキョウ

「誰、、ですか?」



人影は不敵フテキに笑うと

湯煙ユケムリを払った。


キキョウ

「!?」



目の前には湯に浸かりながら

酒を飲む猿の様な不思議な生き物がいた。



神と名乗る者

「我は神なり」


キキョウ

「神、、様、、ですか?」


神と名乗る者

「世界が憎いか」


キキョウ

「急に、、何を、、、」



パチンッ指の鳴る音

そしてまたもや世界がマワ


神と名乗る者

「見ろ」



外から滅刃メツハ怒号ドゴウ

聞こえる。

目の前には小さな少女がうずくまっていた。


キキョウ

「コレは!!!」



ママ

「キキョウ良い??

何があってもこの中から出てきちゃダメ!

分かった??分かったわね?」


少女キキョウ

「うん、、分かった。」


ママ

「絶対に声を出しちゃダメ!!

いい??分かったわね?」


少女キキョウ

「分かった。」



女はそう言って

少女を閉じ込めた。

扉越トビラゴしに悲鳴が聞こえる


ママ

「いや!!いやぁ!

やめて!!私の、、ウデェェ!!!!」


キキョウ

「やめてぇ!!!!!」


神と名乗る者

「幼いお前は何を感じた」


キキョウ

「ハァ、、ハァ、、

どうし、て、こんな真似をするの!

私が死んだんなら

早く地獄でもどこでも連れて行きなさい!」


神と名乗る者

「幼いお前は何を感じた」


キキョウ

「何を??感じたですって?

感じたわ!!

恐怖!!絶望!!悲しみ!!怒り!!

ママと、パパを殺した奴ら

全員が憎い!!!!!」


神と名乗る者

「ほう」



神と名乗る者は指をパチンと鳴らした。

するとまたもや世界がマワ


キキョウ

「グッ、、今度は、、何、、」



ナーベルク士官学校 入学式


キキョウ

「これは、、」



女が緊張した面持ちで

重い扉を開けた。


神と名乗る者

「もう一度聞く

幼いお前は何を感じた」


キキョウ

「期待、、希望、、決意、、」



パチンッ指の鳴る音

世界がマワ


神を名乗る者

「見ろ」


キキョウ

「これは!」



キキョウ

「ァァア!!

グッ、、わた、、わたしは、、

、、争を、、、終わら、、せる」


サフィニア

「え?なんてー?

急に戦争がなんだって??

僕には関係、、ない!!」



パチンッ指の鳴る音

世界がマワ

再び湯煙ユケムリが満ちた場所へやってきた。

鐘の音はんでいた。



神と名乗る者

かれ」


キキョウ

「え?」



パチンッ指の鳴る音


キキョウ

「アツっ」



女はいつの間にか温泉にかっていた


神と名乗る者

「世界が憎いか?」


キキョウ

「憎い!!

誰かが!!幼い者が!!愛する人が!

私と同じ目に合わない世界を作りたい!!

だけど、、私にとって、世界、は、憎い。。

憎いけど、、その世界で誰かを助けられるなら

私は助けてあげたい!!!!」


神と名乗る者

「力もないのにか?人間」


キキョウ

「ない、、私は弱い。。

今日、、隊長達の戦いを見て

私は弱いんだって。改めて分かった、、」


神と名乗る者

「ほぉ?弱いと認めるのか」


キキョウ

「認めるわ。。

だって私いま、自分が死んで

お風呂に浸かってるこの瞬間

とっても安心してるもの。」


神と名乗る者

「では、何故

泣いているのだ。人間」


キキョウ

「え?」



女はポタポタと

涙をこぼしていた。

神と名乗る者は酒をグビっと

飲みながら手で湯をすくった。


神と名乗る者

「水は良い。姿形にトラわれず

気の向くままに形を変える。

時に身体を温め、時に身体を癒し

時に身体を傷つける。

人間よ。貴様の心は

あの頃 感じた熱を忘れてはいない。

幾度イクドも姿形を変えたとしても

その心に宿った熱は消えないだろう。

世界が憎いなら裁くがいい。

灼熱シャクネツの魂を震わせ

弱さを自覚し突き進むがいい。

憎む世界を切り開く覚悟はあるか?」


キキョウ

「覚悟?

私は帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ "千刃花センジンカ"

三刃花隊サンジンカタイ副隊長 キキョウ

覚悟があるかなんて愚問グモンよ!」


神と名乗る者

「フン。見せてみろ。人間。

貴様の描くその夢を」



神と名乗る者は

オノレサカズキ

女に差し出した。


神と名乗る者

「さぁ、呑め」


キキョウ

「これは、、」


神と名乗る者

「貴様の魂に呼応した。

お前の憎むこの世界は

この先、十界ジッカイの如く

厳しいものとなる。

この世が混沌コントンに呑まれる時

神は人間に力を授けん。

神の振るうヤイバサヤとなれ

新たなサヤチギりの酒だ」


キキョウ

「私が、、鞘花ショウカに、、」



女はそれを受け取ると

全て飲み干した。

すると鐘の音が再び聞こえた。


神と名乗る者

「さぁ、もう行け!!

世界が閉ざすその前に

人間よ!!良く聞け!!

我が名はーーーー」


キキョウ被せ気味に

「え?」



パチンッ指の鳴る音


そして

世界がマワ


サフィニア

「はあ、はあ、はあ、、

おっかしいな。。

殺すつーもーりぃいなんだけどぉぉお!

殴っても殴ってもぉお!!

何で死なないのぉお!!!!!!」



少女の悲鳴にも似た怒号ドゴウムナしく

ゴゴゴゴゴゴっと

激しく地鳴りが鳴り響く


サフィニア

「え?何なに??

お姉ちゃんが 動かしたのかな???

それとも地震??

え?

キャァア!!アッツ!!!!」



ーーペチュニアサイドーーー


ペチュニア

「地震かしら??

まさか、要塞を動かされた?」


アキレイ心の声

((なんだ、、これは!!!

身体が熱い!!!!!!))



ーー三分隊サイドーー


ラナンキュラス

「ヴッ!!胸が締め付けられるっ!!

コレは、、一体!!!!」



ーー二分隊サイドーー


ジニア

「なん、、や、、まさか!!

いや、、分からん、、」



ーー四分隊サイドーー


サフィニア

「キャァア!!!

お前、、一体、、何を!!

ヴッ!!足元が、、何コレ、、

何をした!!!」



少女は横たわる女の胸元ムナモト

掴み大声で叫んだ。


サフィニア

「聞いてんだよぉお!!」



立ち上る灼熱シャクネツの煙が渦を巻く


どこからか湧き出た灼流シャクリュウが始まりを告げる。


そして、ここに新たなサヤが発現した。




キキョウ

『『天輪テンリン灼流シャクリュウ堕天ダテンユビ

声聞ショウモン縁覚エンガク悟界ゴカイの導き

トシトシトオトシ

涅槃ネハン輪廻リンネサバかれよ!!

『『断罪ダンザイ橙刃トウジン橙猩猩ダイダイショウジョウ!!』』


サフィニア

「何、何これ!!いやぁ!!

ぐ!!!熱い!!熱い!!!

何このケムリィイ!!!!!

クソォオ!!!!!!!」



少女は女を離して

一気に距離をとった。


キキョウ小声

「みんな、、、」



橙色ダイダイイロの刀身はシズクをたらしていた

女は刀を空に掲げると

一気に足元に刺し、ひざまづいて囁いた。


キキョウ

灼迦シャカ天道天界テンドウテンカイ極楽浄橙ゴクラクジョウトウ



すると地面から一気に

数百メートルの高さの湯柱ユバシラが吹き上げて

全体に雨のように湯が降り注いだ。

身体の傷がみるみる癒えていく。

女は仲間たちの傷が癒えるのを確認した後

少女の方を向いた。


サフィニア

「え!え!え!!!!

どういうこと!?

聞いてないよぉぉぉ!!!

待ってぇーー!!!

え??!!

千刃花センジンカの隊長わぁ!

八人でしよぉ??でも、死んだでしょお?

だから、、だからサヤは七本、、

報告とは違う、、

隊長じゃないくせに!!!」


キキョウ

「よくも、、私の仲間を!!!!」


キキョウ心の声

((橙猩猩ダイダイショウジョウ

私に教えてくれる。どうすればいいか。

どう戦えばいいか。)

華奪ゲダツ灼龍シャクリュウ灌頂カンジョウ!!』



溢れ出す灼熱シャクネツの水が

龍の姿となって少女の頭上を襲った。



サフィニア

「ァァア!!!

何なんだよ!!!!!

熱い!!水じゃない!!!

コレはァア!!水じゃなぁあい!!」


キキョウ心の声

((こんなにも身体が軽くて

こんなにも力がみなぎる!!

これが鞘花ショウカ!!

隊長達の力!!!!))



少女は熱さの余り転げ回っていた。

身体中がただれ、

痛みのあまりに目が血走っていた。

橙猩猩ダイダイショウジョウ能力チカラ

水ではなく熱湯

触れるだけで致命的なダメージを与えた。


サフィニア

「はぁ、、はぁ、、

こんな力を隠してたなんて、、

こんな力をぉぉお!!

僕、、許さないから!!

怒らせたなぁあ!!!

KARE8カレハァア!!!!」


KARE8カレハ

「ギギギギッ」


サフィニア

「いったん、帰るよ!!」


キキョウ

「待て!!!

グッ、、力が入らない、、」



そして少女はKARE8カレハ

乗って飛び去った。


ーーペチュニアサイドーー


ペチュニア

「はい、、次の子わぁ、、ん?」



遠くから妹の姿が見えた。


ペチュニア

「あら?もう終わったのかしら」


アキレイ

嘘ダァ!!フフフンッ


ペチュニア

千刃花センジンカなんて

所詮、こんなものよ?

アハハハ!!!」


サフィニア

「お姉ちゃん!!!!!

ハァ、ハァ」


ペチュニア

「!?サフィニア!!!どうしたの!!

その、、火傷、、」


アキレイ心の声

((ヤケドだと?))


サフィニア

鞘花ショウカが、、

鞘花ショウカがもう1人いたんだ!!」


ペチュニア

「ちょっと、ちょっと、、

落ち着きなさいな。

鞘花ショウカは三人の隊長でしょ?」


サフィニア

「違った、、あの副隊長が、、

鞘花ショウカだったんだ!!!」


アキレイ心の声

((何!?そんなまさか、、

キキョウが??

ではさっきのは、、共鳴反応、、))



ペチュニアはキッと

アキレイを睨んだ。


ペチュニア

「隊長さん?どういうことかしら?」


アキレイ

話せねーんだよ!フフフンフフッフ!


ペチュニア

「そう。。話せないのね。

まぁいいわ。先ほどの地震の時の

反応見ればおそらく共鳴反応ね。」


アキレイ心の声

((コイツ!!どこまで鞘花ショウカ

詳しいんだ))


ペチュニア

「なるほど。それでゲイジュを

使ったわけね。流石はロージア様」


アキレイ心の声

((ロージア、、だと?))


サフィニア

「そんなことよりお姉ちゃん

僕は殺しにいくから。

あれ、出してよ!!!!」


ペチュニア

「傷の手当てはいーの?」


サフィニア

「傷の心配なんて

あぁなっちゃえば関係ないし!!」


ペチュニア

「サフィニア。よく聞きなさい。

ちゃんと戻ってくるのよ。」


サフィニア

「分かってるよ!!!

早く出せよ!!!

ウズウズウズしてんだよぉお!」


ペチュニア

「はいな。はいな。」



ペチュニアは胸元ムナモトから

小さなカプセルを出した。


ペチュニア

「はい。肉芽ナノシード



少女は渡すとすぐに飲み込んだ。


サフィニア

「お姉ちゃんはずっと前に

もらったのに僕だけ今じゃ遅すぎるよぉ」


ペチュニア

「管理は私が任されてるの。

いい?戻ってくるno--- 」


ラナンキュラス被せ気味に

『滅刃(メツハ)三十二サンジュウニ水虎水天スイコスイテン!!!』


ペチュニア

「グッ!!!!」


サフィニア

「グアッ!!!」


ラナンキュラス

「三分隊!!檻を破壊した後

一分隊と共に駆動中枢クドウチュウスウ破壊

その後、二分隊の所まで後退せよ!!!」


ペチュニア心の声

((水!?まずい!!引火しなっ))


ラナンキュラス被せ気味に囁く

「やっと見つけた。」


ペチュニア

「はやっ!?」


サフィニア

「え?消えた?!」


ラナンキュラス被せ気味に囁く

「やぁ、君に会いに来たんだ」


サフィニア

「わぁ!!!

な、なんだっ、、て!!!」


ラナンキュラス

「おっと。危ないじゃないか。

ね?アキレイ」



拳をパキパキとならす男は

怒りに満ちていた。


アキレイ

「はぁー。許さねーぞ。分かってんだろうな?

逃がさねぇからな!!貴様らぁあ!!」


ペチュニア

KARE8カレハ!!!」



少女の一声ヒトコエ

空を全て覆うKARE8カレハ

銃口ジュウコウを向けていた。


ペチュニア

「1万の大軍を前に逃がさない?

お言葉を返すようだけど

私から言わせてもらうわ。

逃がさねーからな。貴様ら。」


サフィニア

「カッコいいね!!お姉ちゃん!!

でも僕はあっちのお姉さんを

りにいくから!!」


ラナンキュラス

「アキレイ。さっきの。」


アキレイ

「ぁあ。キキョウだ。」


ラナンキュラス

「やっぱりね。。

キキョウ副隊長にやられたよ。

僕の初体験。」


アキレイ

「目覚めたばかりのサヤの力だ。

キキョウ自身の力で

キキョウがあぶねー。

ラナンキュラス。任せてもいーか。」


ラナンキュラス

「責任取ってもらわなきゃね。」



ペチュニア

「撃ち殺せ!!KARE8カレハ!!」


KARE8カレハ

「ギギギギッ」



KARE8カレハによる一斉射撃が始まった。



アキレイ

「チッ、KARE8カレハって飛べんのかよ!

、、追いかける前に

ちょっと付き合っていけ。

....ラナンキュラスやるぞ」


ラナンキュラス

「すぐに追いつくから

付き合ってあげるよ。アキレイ」


アキレイ

滅刃メツハ 四十シジュウ鬼火ノオニビノ殺弓コロシミ


ラナンキュラス

滅刃メツハ 四十一シジュウイチ雷神鉄槌ライジンテッツイ


ラナンキュラス

複合合成フクゴウゴウセイ刃術ジンジュツ

滅刃メツハ 八十一ハチジュウイチ 鬼雷オニビカヅチ神殺ノカミゴロシノ鉄弓テツユミ


サフィニア

「じゃぁ僕行くねー!!」



複合フクゴウ最中に

少女は去って行ってしまった。


ラナンキュラス

「すぐ追いつくからね。

スミレちゃんや他の隊士の仇

死んでも足りると思うなよ」



そして火炎とイカヅチ

混ざり合い天空を大きく切り裂いた。

着弾した瞬間にイカヅチが広がり

1万のうち半分以上の大軍を撃沈したのである。


ペチュニア

「まぁ、綺麗な花火」



複合合成フクゴウゴウセイ刃術ジンジュツとは

別の刃術ジンジュツを合わせて発動する

超高等チョウコウトウ刃術ジンジュツ

属性が違っても同量でなければ

複合フクゴウ合成ゴウセイすることはできない。

数字に関して言えば単純に数字を足しただけである。

複合フクゴウ合成ゴウセイする側が

超緻密チョウチミツ刃術ジンジュツコントロールを行う事が出来なければ

成功する事はまずない。

ラナンキュラスの天性の

刃術ジンジュツコントロールが

無ければ成功すること自体がマレである。



アキレイ

「一分隊すまなかった!!

とんだ恥を晒したがこのまま三分隊と合流!

コイツらは俺たちに任せて

お前らは三分隊の指示に従え!」



ラナンキュラスとアキレイの指令通り

それぞれの分隊は破壊任務に向かった。


ラナンキュラス

「では僕も失礼するよ。」

剋刃ゴクハ 四十五シジュウゴ走雷ハシリカヅチ



男は一瞬にして消えてしまった。


ペチュニア

空間移動能力者テレポーターなのね。。」


アキレイ

「違う。あの剋刃ゴクハであそこまで

早く動けんのは千刃花センジンカでアイツだけだ。

解放したらあんなの比じゃねーぞ。

さぁて、貴様はお説教の時間だ。」


ペチュニア

「説教??5000対1よ?

あなた顔はまぁまぁだけど

数は数えられないみたいね。

ウッ!!」



男の周りに炎が渦巻く

あまりの熱波ネッパに女は膝をついた。


アキレイ

『『天輪テンリン永久トコシエキバ成る心臓

絶えず揺らめく

八岐ヤマタ灯篭トウロウ

メッホロぼせ クレナイせ!!

『『紅蓮グレン滅刃メツジン 紅大蛇クレナイオロチ!!』』


アキレイ

「それと、ついでにもう一つ教えといてやる。

千刃花隊士センジンカタイシで一番怒らせちゃいけないのは

アナスタシアと...」



アキレイ

「…ラナンキュラスだ。

お前の妹、、、、死ぬぜ」




ーーサフィニアサイドーー

少女はKARE8カレハに乗って

空を飛んでいた。


サフィニア

「あのぉお女殺す殺すぅーー!!

コロスゥうううううん!!

あの女の子みたいにぃーー

コロスゥううん!!!!」



声がする

遠くから声がする。

天空がこだまし

雷鳴ライメイトドロく。

静かな怒りが少女に向けられていた。


サフィニア

「キキョウの心臓 エグり出して

枕にしよーっと!!...ん!?」



そして少女はゆっくりと空を見上げた。



  サフィニア心の声

((雨?急に、、空が、、暗くなった、、))



声がする

遠くから声がする。

冷たい雨が降り注ぎ

稲妻が駆け抜ける。



  サフィニア心の声

((な、なんだ??

このゾクゾクする冷たい殺気))



高い塔から1人の男が

少女を見つめていた。





そして、



ゆっくりと


そして力強く



口上コウジョウを唱えた。


ラナンキュラス

『『天輪テンリン遠鳴トオナリキラメく閃光

ウレい•黄昏タソガレ一矢イッシに消えよ

ホトバシれ! トドロかせ!

そして彼方カナタ御•名オン ナを刻め!!!

『『紫苑シオン雷刃ライジン 葡萄染麒麟エビゾメキリン!!』』



紫苑シオンの刀身に紫電シデンが走る。

男は天空に刀を向けて囁やくと

自身にイカヅチを落とした。


ラナンキュラスささやきながら

降身雷フルミカヅチ



サフィニア

「え?」



刹那セツナ

少女の左腕が飛んだ。


サフィニア

「ァァァァァァア!!!」





ラナンキュラスささやきながら

「今の僕は音速をハルかに超える

さて、もう片方も、もらうよ。」


千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ

移動要塞マーベラス

突入作戦 後編1/2(完)






おまけ






移動要塞マーベラス

ピラミッド付近


ジニア

「はあ。暇や!!

さっきの心臓の痛みなんやったんやろ。

なんか水柱ミズバシラも立ってたしぃー

なんや変なとこやのぉ!!

そや、金色木乃伊コンジキミイラ

スフィンクス作ったろ!!!」


ジニア

『『天輪テンリン邪絶ジャゼツムクロ産声ウブゴエ

渇き飢えしは 舌無き呼声ヨビゴエ

反魂ハンゴンせよ•執着せよ

砂城サジョウカルマに再び踊れ!!!

金剛コンゴウ砕刃サイジン 金色木乃伊コンジキミイラ』』


ジニア

「しやぁ!!

どないしょーかなーー!!!

どんな形にしょーかな!!

アシンメトリーにするやろぉ!

体はゴリラやったっけ??

尻尾は蛇やろーぅ

あと、あと、、帽子や!

つば広帽子でシュッとさせよ!

うし!でけた!!!!!

どや!金色木乃伊コンジキミイラ!」


ジニア

「え?なんて??

腐れどアホ??

なんでやねん!!!!

腐っとんのは自分やろがい!!」


ジニア

「ったく、、完璧や。ホンマ。

なんで分からんのじゃ!

この腐れどアホ!!!

スフィンクスってこんna」



突然の雨


ジニア

「ぁあ!!

俺のスフィンクスが!!

なんでこんな晴れてんのに雨て、、」



稲妻が鳴り響く


ジニア

「.....ほぉ。

ラナン解放したんやな。」


ジニア

「よっこいしょと。

二分隊、、半分ついてきぃ。

俺らも行くで。」


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