第二章 移動要塞マーベラス突入作戦

第2話 前編

作者名 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ

移動要塞マーベラス 突入作戦 前編



帝都ルシファンブルクの強襲から1ヶ月後

未だに城内の修復は終わっていなかった。

兵士達や帝都屈指の建築家、土木作業員、

公募コウボで集められた国民たち総出ソウデ

再建作業を行なっていた。

不幸中の幸いか帝都の損傷は

とても軽かった。

一方で、六刃花隊ロクジンカタイ

隊長アキレイの強制招集キョウセイショウシュウにて

遠路遥々エンロハルバルから集められた

二刃花隊ニジンカタイ隊長を除く

7人の隊長達の会議が終わり

それぞれが隊舎タイシャに戻った。




ここは煌びやかな装飾が異彩イサイを放つ

八刃花隊ハチジンカ隊舎前 連絡通路


ラナンキュラス

「大変だったね。でも、君が無事で良かった。

次は僕が君を守ってあげるからね」


男は女の肩に手を置き

ジッと目を見つめながら言うと

女は頬を赤く染めて

恍惚コウコツとした表情で

男の美しい顔を見つめている。


ラナンキュラス

「フフッ どうかしたのかい?リナリー」


リナリア

「隊長、、そんな、、

ありがとう、、ございます」


ラナンキュラス

「良かったらウチの隊に

入らないかい?

絶対に傷つけたりしないよ」


リナリア

「え?、、でも、、わたっ」


ラナンキュラス耳元で囁く

「僕といるのが嫌かい?リナリー」


リナリア

「そんなっ、、嬉し、、い、、です」


ラナンキュラス

「このまま夜まで二人っきりで語らっ」


ジニア遮る様に

「夜まで!?はぁ!?

どんなけ長くいるつもりやねん

まだ昼前やぞ!」


リナリア

「ジ、ジニア隊長!!」


ラナンキュラス

「やぁ、ジニア、僕の隊舎タイシャの前で

何してるんだい?」


ジニア

「お前が何してんねん!

六刃花隊ロクジンカタイとこの

副隊長 口説き回しやがって!」


ラナンキュラス

「僕さぁ、今から摘んだばかりの

紅茶をおろそうと思ってるんだけど。

三刃花隊サンジンカタイ隊舎タイシャは真反対だろ」


ジニア

「なんやそれ!!

しょーもな!!なぁキキ!!

なんかゆーたって!」


キキョウ

「ラナンキュラス隊長

わ、私はピーチティーが好きです」


ジニア

「なんでやねん!!

お前がピーチティー飲んどるとこ

見た事ないわぁ!!

私、常温の水しかキキョウの 飲みませんので。真似しながら

っていつもゆーとるやないか!」


キキョウはキッと

ジニアを睨んだ。


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長、、

じゃぁゆっくりとじっくりと」


ラナンキュラス耳元で囁く

「いれてあげるよ」


リナリア

「そんな、、」


キキョウ

「は、恥ずかしいですわ」


ジニア

「あぁぁあ"!!しょーもなっ!!

紅茶の話しなんか

どうでもえーねん!!!

リナリー!!早よ行き!!

それ渡し来ただけやろが!」


リナリア

「あっ!そうでした。

なんかつい、、、私、、あの、、

こ、コレです!!次の任務資料です!!

では!」


ジニア

「、、行ってもーた。」


女は顔を隠しながら

走り去って行った


ラナンキュラス

「フッ」


男は不適フテキに笑みを浮かべながら

渡された資料を眺めていた。

女は照れくさそうに首にかけたペンダントを

いじりながら男を眺めてボソッと呟いた。


キキョウ

「では、紅茶を」


ジニア

「せやな!!

ちょうど喉乾いててん

ってどアホ!!飲みに来たんとちゃうねん!」


ラナンキュラス

「!?

ジニア、、コレは.....」




ジニア

「.......やっぱし

一杯、もろてくわ」


キキョウ

「そうですね。隊長」


3人は八刃花隊ハチジンカタイ

隊章が大きく書かれている扉を開け

八刃花隊ハチジンカタイ隊舎タイシャの中へと

入って行った。

入った瞬間、女性隊士大勢に

出迎えられた。


ラナンキュラス

「やぁみんな。元気だったかい?

あれ?今日はちょっと少ないね!」


男は一人一人に声をかけていった。


ジニア

「なぁ、、キキ」


キキョウ

「はい」


ジニア

「ながない?」


キキョウ

「はい」


ジニア

「もう5分は経ってんとちゃうかな。。。

ながない?」


キキョウ

「しかし、マメです。

隊士をねぎらうのは

隊長の立派な役目です」


ジニア

「せやけど、、これは」


キキョウ

「どこかの

デリカシーも気品も

礼儀も威厳も思いやりも

食べるときもご飯粒は残し

後片付けもしな」


ジニア食い気味に

「ちょちょちょっ

あれ?聞き間違いかぁ?ふっつうに悪口

言われてる気ぃすんねんけど!!」


15分後

男のねぎらいも

一通り終えて

ようやく隊舎内タイシャナイを進んだ3人


ジニア

「いやぁーしっかし

派手やなぁーー八刃花隊舎ハチジンカタイシャは!

落ち着かんわ。こんなキラッキラしとったら」


ラナンキュラス

「フッ。すぐになれるよ」


男は隊士たちの挨拶に

手を振りながら答えていた。


ジニア

「くっ、、しかもすれ違う隊士が

全員、女ばっかやないか!!」


ラナンキュラス

「偶然さ。

僕の隊は女の子の入隊希望者で

いつも溢れかえるんだよ。

毎年、すぐに募集枠ボシュウワクが瞬く間に

女の子で埋まってしまうからね」


ジニア

「なんやねんそれ。」


キキョウ

「ラナンキュラス隊長

少しお聞きしたい事があるのですが」


ラナンキュラス

「どうしたの?」


キキョウ

「なぜ、八刃花隊舎ハチジンカタイシャ

損傷していないのでしょうか。」


ラナンキュラス

「ぁあ。簡単な話さ。

アキレイがこの前戦った場所とは

遠く離れていた事と

幾重イクエにも刃術ジンジュツ

ホドコしてあるからね。」


ジニア

「せやで。

八刃花隊ハチジンカタイ

戦闘セントウ刃術ジンジュツ特化の部隊やからな。

この手の刃術ジンジュツ

お手のもんやろ!!

まっ俺んとこの副隊長も

刃術ジンジュツは負けへんでぇ!」


キキョウ

「ちょっ!!

ラナンキュラス隊長には流石に!!」


ラナンキュラス

「フフッ僕はどちらかというと

滅刃メツハよりだけどね。

それと、キキョウ副隊長の噂は聞いてるよ。

集団刃術シュウダンジンジュツ戦が得意なんだってね?」


ジニア

「せやで!!

だから副隊長に選んだんやからな!」


キキョウ

「そうだったんですか?

私はてっきり子守かと。」


ジニア

「えぇえ!!!」


ラナンキュラス

「フフッ相変わらず

賑やかな隊だね。君のところは。」


キキョウ

「いえ、ジニア隊長だけですから。

他の隊士達は真面目です。」


ジニア

「えぇえ!!

そんなことないわ!!」


キキョウ

「それで八刃花隊ハチジンカタイは」


ジニア

「それでって、、」


女は男をサゲスむ様に睨んで話を進めた


キキョウ

「ゴホン。

それで八刃花隊ハチジンカタイの隊士の皆さんは

集団刃術シュウダンジンジュツ)も勿論ですが

三十番の刃術ジンジュツは使えるのですか?」


ラナンキュラス

「もちろんさ。

中には四十ヨンジュウ番の刃術ジンジュツ

使える子いるんじゃないかな??」


キキョウ

「それはすごいですね。

では、四十ヨンジュウ後半は?」


ラナンキュラス

「アハハ!

さすがにいないよ。

隊長格でもやっとの高等刃術コウトウジンジュツ

使える子が沢山いたら

それはそれで頼もしいよね。」


キキョウ

「流石にそうですよね。」


ラナンキュラス

「でも。彼女たちの名誉と

僕の隊の名誉の為に言わせてもらうけど

複合フクゴウ刃術ジンジュツ

組み合わせの数に関しては

千刃花センジンカで右に出る隊はいないよ。

集団刃術シュウダンジンジュツにおいては

二重詠唱ニジュウエイショウ以上の刃術ジンジュツ

勝敗の分かれ目だからね。

うちの子達は下から上まで刃術ジンジュツ

達人の集まりだよ。」


キキョウ

「凄い。。

複合フクゴウ刃術ジンジュツ

四十ヨンジュウ番の刃術ジンジュツ

同じくらい難しいのに。」


ラナンキュラス

「フフッ。それは少し違うな。

僕が教えれば誰だって

簡単に出来るようになるよ。

僕らの隊と組むことがあったら

実践してみるといい。

寸分違スンブンタガわぬ集団刃術シュウダンジンジュツ

お見せ出来ると思うよ。」


キキョウ

「確かに、、後方支援に

八刃花隊ハチジンカタイがいてくれたら

とても頼もしいと思います。」


ラナンキュラス

「そうだね。

どうしても女性隊士が多くなると

いつの間にか前線で戦うよりも

後方支援が多くなるからね。

四刃花隊ヨンジンカタイみたいに

前線で戦いに明け暮れたりして

僕の大事な子猫ちゃん達に

怪我なんてさせられないしさ。」


ジニア

「こ、子猫?まぁええわ。

俺あそこの隊長苦手やわぁー

ホンマっ鬼畜やで。」


ラナンキュラス

「ぁあ少し化け物じみてるね。

戦闘特化セントウトッカは間違いなく

死を名にカンする

四刃花隊ヨンジンカタイだろう。

それに内輪の喧嘩も多いから

何度修復依頼が来たか」


キキョウ

「各隊の特色が顕著ケンチョなのも

千刃花センジンカの特徴ですね。

それと、先ほどの隊長会議で

六刃花隊ロクジンカタイには

一刃花隊イチジンカタイ隊長から

罰則バッソクが課せられていましたね」


ジニア

「当然やろ!!

半壊どころか全壊やったやないか!!

他の隊より予算ぎょーさんもろうとるんやから

少し削られたくらいどうってことないやろ!」


ラナンキュラス

「規律と法を司る一刃花隊イチジンカタイか」


ジニア

「あそこの隊長も苦手やわぁーー」


キキョウ

「隊長に得意な隊長なんているんですか?」


ジニア

「失礼なやっちゃな!!!

なんぼでもいてるわ!んなもん!!」


ラナンキュラス

「なんぼでもって

隊長は7人しかいないよ?」


ジニア

「えぇーんですぅ!!

普段、任務以外で会う事ないから

得意不得意なんて、関係ないんですぅ!

俺んことよりもラナン!

はよぉ副隊長選ばなあかんで!

全部お前通してやってたら

回る仕事も回らんっちゅー話しじゃ!」


ラナンキュラス

「副隊長かぁ、、うーん。

僕にこの子たちから

誰か選べなんて、、

そんなこと出来るわけないさ

みんな一人一人が

僕の副隊長さっ」


そう言って男は

周りを見渡すと

女性隊士達は黄色い声を上げた。


ジニア

「な、、なんや、、

ここの隊は、、、」


ラナンキュラス

「さて、着いたよ。

先客がお待ちだ」


ジニア

「先客って誰....」


アキレイ

「...遅い、、遅すぎる

また女共の尻を追いかっ ん?

なんでジニアがいるんだ?」


ラナンキュラス

「ちょうどいいタイミングで

居合わせてね。

あ、スミレちゃん

紅茶を4つ入れておくれ」


男は部下にそう言うと

女性隊士は恥ずかしそうにうなづいた。


ジニア

「ま、俺も同じ要件で

ラナンに会いに来てん

この任務が振られんのはラナンみたいやし」


アキレイ

「では、話が早い。

情報によれば

帝国国境付近に新たな

軍事施設が建造されてるらしい

むしろ、日々増築されている。」


キキョウ

「増築、、やはり、隊長あれは。」


ジニア

「せやな。」


アキレイ

「どうした?」


ジニア

「あれは軍事施設やない」



ジニア

「...軍事兵器や!!」



アキレイ

「なんだと???

バカな!あんな巨大な、、

あんな巨大な兵器など見たことがない!」


ラナンキュラス

「リナリーの資料だと

たしかに建物にしか見えない。

ジニア、、説明してくれないか?

あっ、ありがとう。スミレちゃん。

もう、下がっていいよ。」


ジニア

「俺んとこの隊は知っての通り

斥候セッコウ隠密オンミツを兼ねてる。

常に国境、国内、敵国に

情報収集の為に

部下を張り巡らしてんねんけど

今回、不穏な動きを察知して

独自に隊を分けて調べてん。」


アキレイ

「なるほど、、

隠密オンミツ部隊ブタイ三刃花サンジンカ

それをもってしてもゲイジュの策略には

気付けなかったのか。」


ジニア

「しゃーから会議でも言うたやろ

俺はアナスタシアを調べるのに

反対したって。やのに皇帝とお前が

ゆーから他のことそっちのけに

アナスタシアを調べたってんねんぞ!

普段やってる隠密オンミツにアナスタシアの件

軍事兵器の件 これでも頑張った方やわ!

それに、俺んとこでも気付かんかった。

それほどまでにゲイジュの策略は

完成されてたっちゅー話や」


アキレイ

「アナスタシアを疑ってたわけではない!

アナスタシアの潔白を証明するために

俺の隊も、お前の隊も動いた」


ジニア

「わーっとる!

だからごちゃごちゃ後から

ぬかさんといてくれや」


ラナンキュラス

「みんな騙されたんだ

誰が悪いとかそんな事は

今更どうでもいいさ。

僕達、千刃花センジンカの任務は

帝国の守護。

最終的に守れたんだ。今はそれだけで良い」


キキョウ

「では話を戻します。

これが分離隊からの報告書です。

見て分かると思いますが、、」


アキレイ

「これは!!!」


キキョウ

「そうです。

浮いています。

日々、増築されているのではない。

日々、進軍しているのです。」




キキョウ

「...このナーベルク帝国に」


アキレイ

「ラミオラス帝国め。。」


ラナンキュラス

「それで次の任務がコレなんだね」


キキョウ

「そうみたいですね。

分離隊の報告によれば

軍事施設との記述は一切ありません。」


アキレイ

「なんて書いてあるんだ」


キキョウ

「移動要塞マーベラス 」


ラナンキュラス

「フッ 面白くなりそうだね。

移動要塞マーベラスといい

対鞘花タイショウカ戦闘魔進セントウマシンKARE8カレハといい

技術進歩があり得ない速度で進んでいる。

一体、ラミオラスで何が起こってるんだ」


アキレイ

KARE8カレハか。

残骸を今調べてる所だが

まだ何も分かっていない部分が多い。

我らが止めなければ。。

先の戦いよりも

もっと大きな被害が出るぞ」


ジニア

「で、どないすんねや」


アキレイ

三刃花隊サンジンカタイ

もう任務に戻るのか?」


キキョウ

「いえ、二刃花隊ニジンカタイ

隊長、副隊長の隊葬タイソウが終わり次第

任務に戻ります。

途中、我々だけが抜けてきたので」


アキレイ

「そうか。

他の隊士たちも参加出来なくて

残念に思うだろう。」


キキョウ

「はい。皆、悲しんでいました。

私もキスツス隊長にお世話になったので。。

しかし今は帝国に侵入されるのも

時間の問題です。」


アキレイ

「分かっている。

ちょうど千刃花一センジンカイチ

攻撃力に優れた鞘花ショウカがここに二人

そして防御力に優れた鞘花ショウカが一人」


ラナンキュラス

「フッ、、そうだね。」


アキレイ

「お前のことだ。

それを分かってきたのだろう?ジニア」


ジニア

「フンっ」


キキョウ

「では、少数精鋭で?」


アキレイ

「そうだな。

今すぐ行くぞ」


ジニア

「せやな。」


アキレイ

「リナリアがもう

移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシンの準備と、整備を済ませてある」


キキョウ

「移動用ですか、、」


ジニア

「ほぉ、一番予算もろてる隊やからなー

ファーストクラスで頼むわ!」


ラナンキュラス

「フフッ

ナーベルク帝国 魔進マシン 技術開発局 六刃花ロクジンカ

それに加えて貴族のご子息ご令嬢が

隊長、副隊長を務めてる隊だからね。

紅茶ぐらい出してもらおうか。」


アキレイ

「たかるな。貴様ら。

六刃花隊ロクジンカタイの名誉にかけて

失礼のないようにするつもりだ」


ジニア

「マッサージ付きやろな?」


アキレイ

「フン。ちょうどいい。

ヘラヘラとしてるお前たちに

灼熱のおキュウをすえてやろう。」


ジニア

「ほう?お坊ちゃんが

よう言いますのぉ!!

俺に炎が効くと

おもとんのか?」


アキレイ

『天輪トコーー』


ラナンキュラス食い気味に

「ちょっちょっ!!アキレイ!

ここで解放するなって!」


キキョウ

「そうですわ!

アキレイ隊長!!

リナリアさんに何て言われるか!」


ジニア

「あーほ!あーほ!どアホー!」


キキョウ

「隊長!!!」


ジニア

「なんや??」


キキョウ

「隊長室にある

あの雑誌、、なんて名前でしたっけ?」


ジニア

「な、なんや、、急、急に、、」


キキョウ

「ぁあそうでしたわ!確かぁ

スク水エチエチパラダッ」


ジニア

「わーーわーーわーー!!」


アキレイ

「フン。少女趣味か貴様」


ラナンキュラス

「僕の隊に近づかないでくれ。」


キキョウ

「はい!皆さん話を戻しますよ!

アキレイ隊長。移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシン

間違い無いんですか?」


ジニア

「それ俺も気になってん。

移動用?戦闘用の間違いやろ」


アキレイ

「戦闘用は先の戦いで

だいぶ減ってしまってな。

一機から徐々に作り始めてるが

残りは帝国の守護に回すつもりだ。

今は移動用しか出せん。」


ラナンキュラス

「構わないよ。

僕が戦闘用に仕立ててあげるよ」


ジニア

「ぇえ!?

むちゃくちゃなやっちゃなぁ」


そして四人の隊長格は

六刃花隊ロクジンカタイ隊舎タイシャに隣接されてる

飛行場ヒコウジョウへと向かった。


アキレイ

「リナリア、、待たせたな」


リナリア

「兄さん!!おっそーい!!!

次遅かったら、ぶん殴っ

あっ!ラナンキュラス隊長、、

ゴホン

お兄様?次遅れるようなことがあれば

文房具をお貸し致しかねますわ!」


ジニア

「へ?」


アキレイ

「文房具、、借りたか?」


ラナンキュラス

「リナリー、、君は優しい子だね」


リナリア

「はいっ、お兄様に私はいつもいつっ」


キキョウ

「で?どれですか?」


リナリア

「うるさっ

あっ、お静かに願います!」


ラナンキュラス

「無理しないで。」


ラナンキュラス耳元でそっと

「僕は普段のリナリーが好きなんだ」


リナリア

「はわあわあわあわ」


アキレイ

「はぁ。ラナンキュラス

妹をあまり困らせないでくれ」


ラナンキュラス

「フフッ ごめんごめん

可愛いからつい」


リナリア

「し、失礼しました!

一番奥にあるのが

六刃花隊ロクジンカタイ専用

移動用飛行魔進イドウヨウヒコウマシン

"亜那魂蛇アナコンダ"です!!

100...あっ1000人で、、した!

1000人を丸呑みに運べます!!!」


ジニア

「1000って、、

乗り込むの何人と思うとんねん。」


リナリア

「え?六刃花隊ロクジンカタイ500人と

八刃花隊ハチジンカタイ500人」


ラナンキュラス

「え?僕の隊もいくの?」


アキレイ

「待て待て乗りすぎだ!当初の予定は

六刃花隊ロクジンカタイ500人のつもりだったんだ」


リナリア

「だって亜那魂蛇アナコンダ

準備しろって言うから

もうみんな乗ってるよ?」


アキレイ

「リナリア、、

亜那魂蛇アナコンダじゃなくて

亜那魂蛇Iアナコンダワンだ、、」


リナリア

「えーー!」


ジニア

「そんな大勢で乗り込むなんて

戦争しにいくようなもんやないか。」


キキョウ

「隊長、あの巨大な要塞です

隠密オンミツに内部へと侵入した方が

被害も抑えられるかもしれません。」


アキレイ

「4人で250人ずつ率いればいい。

少数精鋭には変わりないからな。

組み分けは船内で行う」


ラナンキュラス

「そうしよう」


キキョウ

「リナリア副隊長はいかないのですか?」


アキレイ

「あぁ。リナリアには

しばらく二刃花隊ニジンカタイと一緒に

今晩行われる隊葬の準備をしてもらう」


ラナンキュラス

「僕の隊の女の子達も

準備を手伝いたいと沢山申し出があった。

キスツス隊長は全女性隊士の憧れだったからね。

本当に惜しい人を亡くした」


ジニア

「せやな。

移動要塞マーベラスを

派手にぶっ壊して

キっちゃんを

盛大に葬(トムラ)おうや。

なぁ、キキ」


キキョウ

「.....そうですね。」


ジニア

「ほんで、この大きすぎる移動用飛行魔進ヒコウマシン

亜那魂蛇アナコンダをどうして見つからんくするか」


ラナンキュラス

「任せて」

剋刃ゴクハ 四十七 シジュウナナ 天遣曲法テンゲンキョクホウ


キキョウ

「凄い、、 四十ヨンジュウ番後半の高等刃術ジンジュツ

こんなに大きな船体が

一瞬で見えなくなった。

光を司る銀狼ギンロウ顔負けの

光彩コウサイ刃術ジンジュツね、、」


ラナンキュラス

「まだだよ」

剋刃ゴクハの三• 走疾 ハシリバヤテ


リナリア

「キャッ!風が、、周囲を!!

下級刃術ジンジュツなのに

この風圧!!!やっぱり凄い!!」


ラナンキュラス

剋刃ゴクハ四十一シジュウイチ五角羅生門 ゴカクラショウモン


アキレイ

「ほう。。三重詠唱 サンジュウエイショウか」


ジニア

「やるやないか」


キキョウ

「す、凄すぎる。

こんなに緻密 チミツ

今にも崩れそうなバランスを

よく保っていられますね、、」


ラナンキュラス

「これで仕上げさ」


キキョウ

「え?」


ラナンキュラス

滅刃メツハの三•波雷 ナミイカヅチ


キキョウ

「熱気??いや、微弱な電気?

五角羅生門 ゴカクラショウモン

障壁の周りに電気が渦巻いてる!!

こんな使い方、、見たことがない、、、

四重詠唱 シジュウエイショウなんて、、しかも

高等刃術ジンジュツである四十番台ヨンジュウバンダイ刃術ジンジュツ

2つも織り交ぜてる!!!

こ、これが

戦闘刃術ジンジュツ特化部隊トッカブタイ"八刃花ハチジンカ"

隊長ラナンキュラス」


リナリア

「信じられない、、

鞘花ショウカ以前にこの人...」


アキレイ

「見事だ。

機体を見えなくして軽くし

周りを囲む障壁の上を更に

電気を這わせるか

マーベラスの索敵レーダーから

探知されないためだな」


ラナンキュラス

「そう言うこと」


ジニア

「しゃーっ!ほな、行くで!!

ふざけたオモチャを

ぶっ壊しにな!!!!」




千刃花センジンカ〜帝国特務テイコクトクム戦闘部隊〜セントウブタイ

移動要塞マーベラス 突入作戦 前編(完)
















おまけ







ここは帝都付近の樹海

その奥深くに美しい湖と

小さな菜園があった。


ラナンキュラス

「やぁ、元気にしてたかい?」


「今回の任務は少し長くてね。

なかなか来られなかったよ。」


「そういえばキスツスさんが

亡くなったそうだ。」


「悲しいかい?」


「...相変わらず美しいところだ」


「いつもこうやって二人で眺めていたね」


「あっ見てごらん?

君がまいた種が

また花を咲かせたよ」


「また、摘むから待ってて」


「乾燥が終わって

ブレンドしたら持ってくるよ」


「フッ 君は紅茶が好きだったからね」



「あぁ、また来るよ。」



「アイビー副隊長」



ここは帝都付近の樹海

その奥深くに美しい湖と

小さな菜園と

沢山の花が添えられた

美しい墓標があった。


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