千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜
REN'sJackson
第一章 ルシファンブルク強襲編
第1話
作者 REN’sJackson
ルシファンブルク強襲編
ここはナーベルク帝国
華々しい街並みと樹海の要塞に囲まれた
帝都"ルシファンブルク"
そこから少し離れた樹海で
右往左往と逃げる男が一人
ゲイジュ
「はぁ…はぁっ…はぁ」
うわああ!!!
また、花がぁあ!」
悲痛な叫びが こだまする
アナスタシア
「あら?
もう逃げるのはお終いかし…らっっ!」
ゲイジュ
「アァアッツ!」
体を見えない何かに押し潰され
息も絶え絶えにキッと
ゲイジュはアナスタシアを睨んだ
アナスタシア
『
「これで貴方はもう逃げられない」
大地から漆黒の鎖が無数に召喚され
ゲイジュに絡みつき這いつくばる様に
大地に縛り付けられた。
ゲイジュ
「くそッ!!離せ!離せ!!」
アナスタシア
「力を失った貴方に出来ることはもうないの。
せめてもの
そういうとアナスタシアは自分の胸に手を当て
静かに
すると空間が歪み周りの木々が次々と
まるで鉄の塊が降ってきたように
押しつぶされていった。
アナスタシア
『『天輪•
一手•二手と神の
天地を仰ぎ 地に堕ち逆巻け!!!!』』
『『
ゲイジュ
「ハハッ、、なんでだ、、
なんでなんだよ!!友達だろ?
僕らは友達だったろう?
答えろ!!アナスタシア!!」
アナスタシア
「今、自分で言ったじゃない」
ゲイジュ
「……何を」
アナスタシア
「友達だった って」
ゲイジュ
「……地獄に堕ちやがれ」
アナスタシア
「堕ちるのは貴方よ………ゲイジュ」
そしてアナスタシアはゆっくりと
ズズズズズッ
アナスタシア
「…戻りなさい
ゲイジュがいたであろう場所には
地獄まで続いているかのような
底の見えない深い穴が出来ていた。
アナスタシアはしばらくその場所を
見つめた後 寂しげに空を見上げる
アナスタシア
「ホント、、バカな子」
時は
城内は警告音と
兵士たちの呻き声で
溢れかえっていた。
上空からは
地上からは
この緊急時、任務で離れている
隊長達を除き城内にいた隊長達は
作戦本部に
リナリア
「ちょっと!レンゲイ!
アンタ!!分かってんの??
破壊しても破壊しても
効かない
この緊急時に呼び出してといて
その意味が!!
それがどういう意味かって
分かってんの!?」
レンゲイ
「分かってますよ!!!
分かってるから言ってるんです!!
僕の隊も表で命がけで戦ってるんです!
その上で言っているんですよ!
スゴウ平野の戦いから始まり
ニヘルダム合同作戦も全て…
全て罠だったんですよ!!!」
リナリア
「嘘言わないで!!」
アキレイ
「リナリア!!」
リナリア
「兄さん、、」
アキレイ
「取り乱すな。
それに、いくらお前の方が
先輩だからといって
レンゲイは
立派な
今は隊長でも在るんだ。
もっと敬意を払え。いいな?」
リナリア
「はい。すみません」
アキレイ
「レンゲイ
うちの副隊長が失礼な態度を
取ってしまった。すまない。」
レンゲイ
「いえ、大丈夫です。
それよりもっ」
アキレイ
「ぁあ。
レンゲイの報告が本当なら
全て辻褄が合う。
スゴウ平野の伏兵も
ニヘルダム合同作戦の失敗も
全て……全てな!!」
レンゲイ
「僕はこの目で見ました…
アナスタシアさんが……
アナスタシアさんが…」
ゲイジュ
「レンゲイ隊長!!
アナスタシアがいません!!!」
レンゲイ
「やっぱり…ですね!
アキレイさん!!
すぐに追わないと!!
ゲイジュさん!!リナリアさん!!
追いますね」
「待て!!!!」
リナリアとゲイジュとレンゲイの3人は
アキレイの言葉に足を止めた。
アキレイ
「落ち着け。
俺たちは
勝手な行動は出来ん。
それにもし、仮に裏切者が隊長だとしたら
なおの事、勝手に動いてはいけない。
オルケイディアをはじめ他の
千刃花の他の隊長格が全員
この状況下で無闇に動くのはよすんだ。
リナリア!!他の部隊状況はどうなってる?」
リナリア
「はい!
別任務の
城外で戦っている七、五、六と
隊長格不在の
そして副隊長の私…だけ」
ゲイジュ
「悠長な事を!
アナスタシアが我々を裏切ったんだ!
すぐにでも追わないと!」
リナリア
「アナスタシアさんが裏切るわけないわ!
アナスタシアさんは誰よりも
覚えてるでしょ!?兄さん!!
私たち
世界の為に刀を振るう。
心に在るこの刀は
己の為に決して振るってはいけない
全ては守る為の力だ って
みんなに教えてくれたのは
アナスタシアさんだよ!?」
アキレイ
「リナリア…」
ゲイジュ
「アキレイ隊長だって
分かってるさ。
分かってるからこそだよ。
俺たちで隊長を止めるんだ」
レンゲイ
「アキレイさん
ここずっとアナスタシアさんは
様子がおかしかった。
コソコソと動き回っていました。」
アキレイ
「それは俺も感じていた。
いや、違和感というべきか…
任務以外は研究室にこもりっぱなしだった。」
リナリア
「ゲイジュ…アンタ
アナスタシアさんの様子は
どうだったの?」
ゲイジュ
「話してみると特に普段通りだった。
ただ、たまに俺に隊を預けて単独行動を
していたがそれは
修練かと思ってたんだ。
昔はよく一緒に稽古をしていたしね。
でも、ニヘルダム合同作戦のとき
迎えた2日目の夜
レンゲイ隊長から話を聞いた。」
ゲイジュ
「ラミオラス帝国とアナスタシア隊長…いや…
アナスタシアが会っていたって。」
レンゲイ
「だから僕はその日の夜
それを逆手に取って
かんこう令をしいて
独自に動く作戦を立てました。
もちろんゲイジュ副隊長や
皆さんには内密にして悪いと思いましたが。」
アキレイ
「そして、それも失敗したと。」
リナリア
「なぜかしら…それもバレていた。
かんこう令はあくまでも口約束
裏切者がいた…」
レンゲイ
「それはないです。」
アキレイ
「なぜ言える」
レンゲイ
「僕の力を使ったからです。」
リナリア
「どういう事?」
レンゲイ
「まず、当初の作戦を1と考え次の作戦を2と
その次の作戦を3としました。
隊士には2と3を伝え3を決行すると
伝えて、かんこう令を出しました。
ですが僕の隊士には複数の種を
あらかじめ持たせてあります。
まず咲かせたのは青いバラ。
この青いバラは近年、花言葉が
不可能から夢を叶えるに変更されました。
故に、青いバラの持つ暗号は変更。
そして次に咲かせたのは わすれな草。
花言葉は私を忘れないで。
故に、2番目に咲かせた私を忘れないで
という暗号になります。
僕は、この暗号を隊に
3の作戦決行中に送りました。
だから実際に
遂行したのは2の作戦だったんです。」
アキレイ
「
直前ならともかく決行中であるなら
漏れるのは考えづらっ
グッ!!なん…だと!?」
辺り一面に土煙が舞う
作戦本部を襲ってきたのである。
アキレイ
「くっ…これほどに…
散れ!!!」
レンゲイ
「了解!!」
リナリア
「了解!!」
ゲイジュ
「了解!!」
敵
「ギギギギッギギッギギッ」
アキレイ
「貴様ら…
城のどこから沸いたゴキブリか知らんが…
消し炭にしてくれる」
アキレイは静かな怒りを胸に
すると辺り一面に熱風が渦巻き
燃え上がるーーーー
アキレイ
『『天輪 •
絶えず揺らめく
『『
真紅の刀身が周囲の空気を喰らう
そして男はゆらりと一閃
真横に刀を振るうと
太陽に焼かれたように
姿形も灰と化した。
アキレイ
「
呑まれて消えろ」
リナリア
「アッツゥゥウ!!
って兄さん!!!
危ないでしょうが!!!
こんな所で解放しないでよ!!
お城がなくなっちゃうじゃない!!」
アキレイは周囲にある
熱気と炎を刀で吸いとりながら
歩いてきた。
アキレイ
「ちゃんと抑えられたじゃないか
リナリア
「城内は解放禁止なんだけど!!」
アキレイ
「それはアナスタシアが言ってるだけだ。
正式には通達はない。
だいたい、散れと言ったのに
何故、行かなーーーー」
リナリア
「兄さん…気づいた?」
アキレイ
「あぁ」
リナリア
「目的は?」
アキレイ
「ラミオラス帝国と同じだろうな」
リナリア
「
でも、この力もしかして」
場面変わり
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「くっ…おかしいですね…
こんな数の
敵
「ギギッギギギギ」
レンゲイ
「60体はいますか…」
ゲイジュ
「そうみたいですね。
隊長、いけますか?」
レンゲイ
「神の
刀の
容易く傷付けることなど出来やしない。
そうそう、僕ら
傷を付けることはできませんよ。」
ゲイジュ
「
この国に
それとなあ!!
戦時中の我が国はいつだって
鉄が必要なんだ!!!
出会ったばかりだが
寄贈のご協力感謝する!!
って
乗ってるんですか?」
レンゲイ
「乗ってませんね!
なので手加減無用です!」
レンゲイはそういうと
胸に手を当てて
辺り一面に暖かな光が差し込むように
次第に木々が生い茂るーーーー
レンゲイ
『『天輪 •
巡れ
『『
レンゲイ
「何!?
アナスタシア…さん!?」
少し離れた所に突然アナスタシアが現れた。
しかし、アナスタシアはゆらっと消えてしまった。
レンゲイ
「なに!?……」
すると背後から銀色の
レンゲイの腹部を
アナスタシア
「レンゲイ!!!」
二階の踊り場から
息を切らしたアナスタシアが叫ぶ声がする。
しかし、振り返ると自身を
アナスタシアだった。
レンゲイ
「アナスタシア…さん…グハッッッ
血??
貫くとは…まさか…
グッ…貴様…その…刀は…」
銀色の
勢いよく引き抜かれると
レンゲイの傷口から血がドバドバと吹き出した。
レンゲイ
「ゲイジュゥゥゥウ!!!!!!」
アナスタシアの姿が霧の様に消えると
そこに現れたのは不適に
ゲイジュ•アダミーシン•アダモフであった。
レンゲイ
「まさか…キスツスを…僕の、ウグッ…人を…
殺したのかァァア!!カハッッ」
ブンッと拳を振ると
またもや霧の様にゲイジュの姿が消えてしまった。
ゲイジュ
「ヌフッ
そぉっちぃじゃぁぬわぁぃよぉお!
ヌフフフッッヌハハハハハッ!!!
レンゲイ、、お前はよくやってくれた!!
本当に。笑いが、、笑いがァァァァ
止まらないヨォォォォオ!!!
バカみたいに動いてくれたおかげで
今日この日を迎えることが出来た!!」
ゲイジュは全く別の場所から現れ
レンゲイ
「なん、、だと!?
ふざけるッッッーー」
「レンゲイ
あなただけ少し離れた所に飛ばす」
レンゲイ
「ヴッッ!!アナスタシアさん!!」
アナスタシア
『
ゲイジュ
「させるかぁあ!!!
アナスタシアァァァァ!!!!」
『
ゲイジュ
「くっ!?
アキレイ
「リナリア!!
レンゲイを頼む!!」
リナリア
「任せて!!
レンゲイ!!!
アナスタシアさんの
無重力結界でこのまま水平移動する!」
レンゲイ
「リナリア、、さん、、キスツスが、、」
リナリア
「ぇえ。
ゲイジュが持ってた。
あのクズ野郎、、。
レンゲイや兄さん、そしてこの城みんなに
幻を掛けて騙してた。」
レンゲイ
「リナリア、、さん、、僕ら、、
リナリア
「えぇ。分かってる。
分かってるわよ。
今はいい。アンタは
兄さんとアナスタシアさんに
今は任せるの。」
レンゲイ
「そう、、、ですね」
場面変わり
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
「気付くのが遅い」
アキレイ
「ぁあ。
レンゲイから報告受けた俺の隊と
お前を調べていた。が
それも全てミスリード…
まんまと騙されたってワケだ。」
アナスタシア
「いいえ。私の事を考えて
だけど少し遅かったようね。」
アキレイ
「許せアナスタシア。この借りは返す」
アナスタシア
「いらないわ。
返された試しないもの」
アキレイ
「フッ…言ってくれる」
アナスタシア
「さて、実際この場に10機しかいないわ。
ほかの場所も見えてる数と実際の数は
大きく異なる。全てね。」
アキレイ
「ぁあ、これは
より精密に、より現実に
幻を映し出す。
正直、俺の目にはまだまだ
ゲイジュ
「おっかしぃいいなぁぁ!!
なんでアナスタシアが見えてるんだぁ?
何度やってもお前の周りだけ
光が曲がらない…一体…
ナニヲォォシタァア!!!!」
アナスタシア
「呆れるわ。
あなた…この数年
私の何を見て来たの?」
ゲイジュ
「そうやって、お前
いつもいつもいつもいつも
いつもいつもいつもいつも
いつもォォォオ!!!
俺を見下すのが
ムカつくんだよぉお!!」
アキレイ
「アナスタシア!!!下がれ!!」
アナスタシア
「違う!!私じゃない
アキレイの方!!」
アキレイ
「何!?」
アナスタシア
「アキレイ!!!」
アキレイ
「グッッ」
ゲイジュ
「ただの
八人の隊長を殺す為に殺傷力を上げた
我が国最高傑作だ!!
貴様らなんか
何が
その気取った部隊名も
全て…全てぇぇ!!終わらせてやる!!!
死ねェエ!!
アナスタシア
「アキレイ違う!!
そっちじゃない!!!」
アキレイ
「分からん…一体…どっちだ…」
ゲイジュ
「こっちだよ」
アキレイ
「グァァァア!!!」
ゲイジュ
「トドメだ、、やれ!
ん!?
ウグッッッ身体…が…重い…
これは…まさか」
アナスタシア
『黒の審判』
アナスタシア
「指定した範囲内の重力場を自在に操作する
そしてその影響で歪んだ空間は
光さえもあなたが思うように曲がらない。
今までは私の周りだけを操作していただけ。
それをこうやって」
ゲイジュ
「何!?
アナスタシア
「あなたもよ」
ゲイジュ
「アギッ」
アキレイ
「軽い…
だが見えたぞ。
お前さえ見えれば
攻撃が当たる!」
ゲイジュ
「さ……せ、る、早い!!」
アキレイ
「ォォォオ!!!!」
『
真紅の炎より
八つの巨大な蛇が生まれ
ゲイジュ
「カ、
うっ…ギヤァォァ!!!!
熱い!!熱い!!」
アキレイ
「さすが
手に入れただけはあるな…
燃えがイマイチだ…」
ゲイジュ
「グッ…熱い…熱い…
熱いよォォォオ!!
クソがクソがクソがぁ!!
しかぁし!!
アキレイ!!その傷では
貴様はもう動けまい!!
そしてぇえええ!
黒の審判は長くは使えない。
知ってるぞ…
知ってるぞ!!!」
アナスタシア
「アキレイ…奴の言う通り
黒の審判はもう長くないわ。
使った後は
納めなければならない。
だから残りの時間を使って
奴をこの場から離す。
アキレイ!熱風を起こして!!」
ゲイジュ
「させるかぁああ!!
『
半透明のカーテンが徐々に広がっていった。
アナスタシア
「させないわ!!何!?
重力場が弱い??
長く使いすぎたかっ!!」
アキレイ
「なんだコレは!!グッ
な…何ィィイ!?!?!?
塔の上に立っている!!」
嬉々としたゲイジュの声だけが城内に響き渡る。
ゲイジュ
「アナスタシア…
お前の重力場より強い光を
作り出したまでだ。これ以上
自身の周りの重力を強くしたら
お前が動けないからな!
ヌハハハハっ!!!
さぁて…余興は終わりだ。
俺はどこにいるかな?
そこから一歩でも動けるかヌァア?
怖いだろぅ!?怖いだろオオオウ?」
アキレイ
「所詮は幻だ!」
ゲイジュ
「ほう……
アキレイ
「なんだこれは!!
視界が…世界が
回ってルウゥ
景色が走馬灯の様に…
アナスタシア
「これは……た、立てない、
グハッ!!!」
ゲイジュ
「どんなに俺の周りの重力場を重くしようが
貴様自身さえ弱まれば
重力場は軽くなっていく。
そして貴様らの所まで
時間さえあれば
貴様らに幻を見せて
刀で切れるんだよぉぉお!!
ウラララララァァアィィイ」
アキレイ
「グアッ!!!」
ゲイジュ
「終わりだぁあ!!」
アキレイ
「!?コレは!?
幻が消えていく!!
いや、光が呑まれていく!!」
ゲイジュ
「アナスタシア!!!貴様!!」
アナスタシア
『
「お前の作る光を
この世界の光を
全て吸収する。よってお前はもう無力だ。」
ゲイジュ
「空間系
2つ同時に発動させるだ、、と!?
一体、どこにそんな力が!!
空間系を
出来るはずがない!!!!」
アナスタシア
「
私は
お前とは生まれた時から格が違う。アキレイ!!」
ゲイジュ
「なん、だと!!!?!!」
アキレイ
「お前はぶっ飛ぶんだよ!!
燃え盛れ!!
アナスタシア
『
アキレイ
「うおおおおおお!!!」
ゲイジュ
「クソヤロォォォ!!!」
帝国外れの樹海
ゲイジュ
「はぁ…はぁ…はぁ…
クソが…まだ…
アナスタシア
「ゲイジュ
ゲイジュ
「ヒィッ!!
俺の
返せ!!!」
アナスタシア
「キスツスにも同じ事をやったな?
あの女が簡単にやられるわけがない
こんなゴミに。
一体どんな卑怯な手を使っ…たっ!」
ゲイジュ
「ガッァ」
アナスタシア
「あやつの弱みでも!!握ったのか!!」
ゲイジュ
「ガッァハッ」
アナスタシア
「心身共に衰弱したとしても
命より重い
するはずがない…」
ゲイジュ
「フフッ」
アナスタシア
「ラミオラス帝国で拷問にでも
かけたのではあるまいな?
傷付かない。」
ゲイジュ
「貴様はいつもいつもおごりが過ぎる…
昔からだアナスタシア
なぜ、
アナスタシア
「バカな子ね
もし、発現したとしたなら
私たち
私の研究室を覗いてたなら、分かるでしょうに。
生きる為の嘘。利用価値が有ると思わせる嘘
仮にも
もっと魅せる嘘を付きなさい。」
ゲイジュ
「バカにしやがって!!」
アナスタシア
「そういえば私、知ってるのよ
試した事もなければ
どうなるかも予測がつかない
でも、方法は知ってる」
ゲイジュ
「何のだ!!」
アナスタシア
「バカね…
強制解除をよ」
ゲイジュ
「な…何故…それを…
ヒィッ嫌だ…嫌だ!!」
アナスタシア
「さて、
契約した
強制的に解除する。
解除された刀と
お前でどうなるか確認するとしよう。」
ゲイジュ
「やめっ…やめろォォォオ!!」
アナスタシア
「人類のため、はたまた世界の為
研究者の端くれとして
お前も誇りに思うだろ?」
ゲイジュ
「たのむ!たのむよぉお!」
アナスタシア
『『強制解除』』
ゲイジュ
「グアアッッッッ!!!」
アナスタシアは銀色に輝く刀で
ゲイジュの胸を
すると、ゲイジュから命を吸い取る様に
輝きを増しその場で散り散りになった。
ゲイジュ
「ウッ」
アナスタシア
「あら?
すぐには死なないのね。残念
気分はどう?」
ゲイジュ
「ヒィッ!!!!!」
アナスタシア
「ふふっ」
ゲイジュ
「助けてくれ!!
アナスタシア!!」
アナスタシア
「あら?発動限界ね。
一度戻りなさい…
アナスタシアは漆黒の刀を胸の中に
そっと閉まった。
アナスタシア
「ゲイジュ
あなたは未熟
人としても
研究者としても
学者としても
本来、
修練によって
僅かに使える。こんな風にね!」
ゲイジュ
「グアッ!!」
アナスタシアはゲイジュに向かって
片手を振り下ろした。
するとゲイジュは片膝をつき
地面に手をついた。
ゲイジュ
「アッググッ…
修練により精度の差はあるが
アナスタシア
「
あなたや隊士たちも使えるでしょ?
編み出した
あなたは
おそらくこんな事にはならなかった」
ゲイジュ
「黙れ!!貴様は!!
そしてナーベルク帝国の大貴族
ブルダニア家の女当主!!
俺はその使用人の息子だった!!!!!
貴様には…貴様には分からない!!!
全てを手に入れてる貴様には!!!」
アナスタシア
「フフッ…全てを?
ホントにバカな子。
こんなにも、長くいてまだ分からないの?
ゲイジュ…なぜ研究者としての
私がいると思うの?
なぜ、私が
....欲しいものがあるからよ!!」
ゲイジュ
「黙れ黙れ黙れ!!!!俺は名声!!
権力!!圧倒的な力!!
アナスタシア
「まだそんな事いってるの?
私はあなたが小さいころから
危険な思考であることに気付いてた。
先に
隊長になっていた私は
あなたを近くに置いた。
見張れるように。
そして、副隊長にあなたを任命した」
ゲイジュ
「なん…だと!?
選んだのは俺の方だ!
着任拒否だって出来たのに!!」
アナスタシア
「でもしなかった。
それは
私が最も
知っていたから。そうでしょ?
あなたは初めから
隊舎に
この
配属希望を出していた。
私を利用するつもりでね。フフッ」
ゲイジュ
「黙れ!!
今や!!この俺の方がお前よりも詳しい!!
より
アナスタシア
「深淵?
笑わせるわ。
私の研究室で文献を読み
私の研究資料から
強奪する方法を思いついたに過ぎない。
所詮、あなたは私に到底及ばないクズよ。」
レンゲイ
「そうです……」
すると後ろの方からレンゲイの声がする。
アナスタシア
「レンゲイ…大丈夫なの?あなたたち」
リナリア
「レンゲイのおかげで
兄はもう大丈夫です。」
レンゲイ
「アナスタシアさん
すみませんでした。」
アナスタシア
「気にしなくていいわ」
アキレイ
「幻も消え城内を一掃してきた。
フン。半壊してしまったがな」
リナリア
「ちょっ…兄さん!!」
ゲイジュ
「貴様…ら」
アキレイ
「動くな!!!」
レンゲイ
『
ゲイジュ
「ぐっ…なんだコレは!!!!」
レンゲイ
「逃げてもいいぞ?
だが、ゆっくりと貴様の命を
吸いながら体内で花が咲き
やがては身体を貫き
内臓をぶちまけて出てくる。
そして吸った命を使い治癒をし
また体内で花を咲かせる。
徐々に弱まる治癒の力
最後は死がお前を待つ
輪廻の花が
レンゲイ
「ゲイジュ …貴様、苦しまずに……
死ねると思うなよ」
アキレイ
「諦めろゲイジュ
レンゲイの
もう生きることは出来ない。」
ゲイジュ
「許さない、許さない、許さなぁあい!!!
ぁあ!!ロージア様!!ロージア様!!
お助けをどうか私をお助けを!!!!!
見ているのでしょう!!?!?」
ゲイジュは泣き叫びながら樹海を
駆け抜けた。
リナリア
「追う?」
レンゲイ
「どうせ数刻の生命です。」
アキレイ
「アナスタシア
お前の隊の副隊長だ。
始末をつけるんだ。」
アナスタシア
「元より
そのつもりよ。」
そして時は巻き戻り現在
レンゲイ
「アナスタシアさん」
アキレイ
「終わったのか?」
リナリア
「私…まさかゲイジュが…ゲイジュが…」
アナスタシア
「リナリア…
少し、ことの
私は奴に
異常なまでの野心を感じてた。
ずっと警戒していたの。
そして先のニヘルダム合同作戦の戦いのとき
おそらく奴は他者から
そしてラミオラス帝国と共謀し
副隊長を殺害した。
あの作戦は見事だったわ。
分からなかった。防げなかった。
レンゲイ……本当に…」
レンゲイ
「キスツスがやられる作戦です。
誰も防げないでしょう……」
アナスタシア
「ぁあ。用意周到ね。本当に
奴は私を
女、子供老人、国、土地
ラミオラス帝国の兵を忍ばせて
情報を撹乱していた。」
リナリア
「そしてゲイジュは
レンゲイの隊を撹乱した。
アナスタシアさんの幻を見せて」
アナスタシア
「そうみたいね…」
アキレイ
「
魅入らせるに近い力がある。
強力な陶酔に近い」
アナスタシア
「そうね。目で見る世界を
現実より強い説得力で
脳を錯覚させる強力な一振り…」
レンゲイ
「目で見てるはずなのに
匂いや音さえもあるように
感じる様に錯覚しますからね…」
リナリア
「でも、ゲイジュはどうやって
キスツスさんから
アキレイ
「
1つは"ダンジョン化"
その迷宮の奥底に刀は次に収まる
レンゲイ
「2つ目は"継承"
新たな
継承後、
アナスタシア
「3つ目は "発現"
コレはまだ不明だが
何らかの影響、環境により
新たな
リナリア
「でも、その方法だと…」
アナスタシア
「ゲイジュはどれも該当しない。
奴は4つ目を発見した。」
リナリア
「4つ目??」
レンゲイ
「4つ目があるんですか??」
アキレイ
「聞いたことはない…」
アナスタシア
「強制解除」
リナリア、レンゲイ、アキレイ
「!?」
アナスタシア
「これは
コレを話すにはまだ調べることが
沢山あるが強制的に
レンゲイ
「奴は…
奴は死んだ後に
ダンジョン化したんですか?」
アナスタシア
「
地中何万キロと沈めてやったが
分からない。」
((奴は
すぐには死ななかった。
果たしてダンジョン化はしたのか?))
アキレイ
「強制解除、か…
俺たち
アナスタシア、詳しく調べといてくれ。
そして、この事に関し
かんこう令をしく」
レンゲイ
「そうですね…
それに、もう一つ気になる事が」
アナスタシア
「そうね。
ロージアとは一体……」
アキレイ
「それは
城の建て直しが終わり次第
飛び回ってる隊長格 全てに強制招集する。」
リナリア
「癖の強い隊長たちが集まるのかぁあ
はぁ。」
レンゲイ
「今はそんなことよりも
キスツスの
リナリア
「えぇそうね。」
アキレイ
「城の片付けもあるしな」
リナリア
「兄さんが半分壊したんでしょうが!」
アキレイ
「だからうちの隊が
率先してやるしかあるまい」
リナリア
「もうーーー!」
アナスタシア
「私は強制解除について
もう少し調べてみる」
アキレイ
「片付けと
ロージアを探らせる。
キスツスたちの為に
あいつらも頑張るだろうよ。」
レンゲイ
「そうですね…」
アキレイ
「俺たちの
戦いはまだ終わってはいない。
次の戦いまで気を抜かない方がいい。」
リナリア
「でも、今晩はもう寝よう!
私、疲れちゃったぁ!!」
レンゲイ
「フフッ、相変わらずですね。リナリアさん」
アキレイ
「はぁ。」
リナリア
「ではではぁーーこれにて解散!!」
リナリアの言葉を合図に 各々がその場を離れる中、アナスタシアはレンゲイに歩み寄ると、声量を抑えて声をかけた。
アナスタシア
「レンゲイちょっといい?」
短いやり取りを経て、レンゲイは息を呑んだ
レンゲイ
「まさか……」
ルシファンブルク強襲編(完)
おまけ
ゲイジュ幼少期
「アナスタシアおねえちゃーん!!」
アナスタシア幼少期
「もう!またこんな怪我して!!」
ゲイジュ幼少期
「だってね!隣の奴が
またマリーを虐めてたんだ!
だからやっつけてやった!!」
アナスタシア幼少期
「ヒーローぶっちゃってさっ
バカなやつ!!フフッ」
ゲイジュ幼少期
「俺いつかこの国で
世界の為に刀を振るうんだ!!
だって
守る為に使うだろ??」
アナスタシア幼少期
「そうだね!
ゲイジュならきっとなれると思う!
ううん!なれるよ!」
完
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