第4話 部署

次の日から本格的に仕事がはじまった。

ミナの就職した会社は制服デザイン会社だ。

制服といってもさまざまな種類があるが、医療関係者が着る制服専門の会社だった。


ミナは幼い頃、発熱で入院し看護師によくしてもらった。

ここまではよくある話だ。

そこからミナは看護師に憧れるのではなく、看護師が着ていたナース服に憧れを抱いたのだ。


私は誰かを看病するのは無理!だけど看病する人の服で誰かを支えたい!そう思ったのだ。



ミナの配属された部署はいわゆる“白衣の天使”と呼ばれる由縁となった真っ白なナース服のデザインではなく、手術室や内視鏡室で着る、色鮮やかなスクラブをデザインする部署だった。


スタッフは少なく部長、主任、先輩が2人、そしてミナの5人だ。



仕事がはじまり1週間が経った頃、朝礼で部長が言った。


部長「そういえば新人が入ってきたのに、歓迎会しないのか?」


ササヤマ「あっ!すっかり忘れてたー…」

そういって4つ上の男の先輩 ササヤマが申し訳なさそうに両手を合わせ、ミナに謝った。


ササヤマ「今週中に日程と場所決めたいと思いまーす。食いたい物ある人!僕までよろしくです!」


ツキノ「ばかっあんたそこは新人に聞くんだよ」

そう言って5つ上の女の先輩、ツキノがササヤマの頭を叩いた。


くすくすとミナが笑っていると部長と目が合った。


部長「おれは肉だな」


そう言って朝礼がお開きとなった。

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