第2話 頬染まる
ミナは男性の顔をおそるおそる見上げた。
年齢はミナよりひと回り上の印象だった。
整った顔立ちでさわやかな雰囲気があった。
これはモテそう…とミナが思っていると
?「ドア開いたけど、入らないの?」
ふと我にかえり慌てて返事をするミナ。
ミナ「はいります!あ、ありがとうごじゃいます!」
(やっばー噛んじゃったじゃん。イケメンの前ではずかしすぎる!)
?「ぷはっ!なにそれ、かわいすぎるんだけど」
ミナ「す、すみません」
ミナは顔が赤くなっていくのを感じながら、この人は絶対女慣れしてる!そう確信しながらドアノブに手をかけたのだった。
ドアを開け、部署に入ると今朝の入社式で挨拶を済ませていた女性の主任が声をかけてくれた。
主任「やっほ〜ミナちゃん無事たどりたいんだね。迷子になってないか心配だったよ〜」
とても明るく人が良さそうな主任は
そう言いながら満面の笑みでミナをハグした。
ミナ「あ、ありがとうございます。迷子にはならなかったんですけど…」
ふんわり香る柔軟剤に包まれながら、セキュリティカードを無くしたことを言おうとした時
?「この子カードなくしちゃったみたいだよ」
再び背後から低い声が聞こえてきた。
主任「えー!そうなの?そりゃ初日から災難だね。どこかに落としたのかな〜。入る時困ったでしょ〜」
ミナ「はい…けど運良く開けていただきました…」
と男性の顔をチラッと見ながら小声で話すと
主任「ナイスタイミング!さすが若きエース!噂の絶えない部長!」
部長「最後のは余計な一言だ〜」
そう言いながら、プレートに“部長 青柳ナオト”と書かれたデスクに気怠そうに男性は座った。
ミナ「えっ部長!?部長さんですか?うそ!」
部長「主任、この子のカード再申請しといて。じゃないとドア蹴破られるから」
意地悪な表情を浮かべ楽しそうに部長は話し、ミナは再び顔が赤くなるのを感じながら、よろしくお願いしますと主任に再申請を頼んだのだった。
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