愛して愛して愛されて

@kikyo0220

第1話 出会い

25歳の春、夏目ミナは後悔の中ひとり蹲っていた。

あの時どうして努力をしなかったのか

あの時どうして気持ちを伝えなかったのか

時を戻せるのであれば21歳の春からやり直したいと。





ミナは短期大学を卒業し21歳で就職。

ずっと就職したかった会社に入り、少し浮かれていた。


出勤初日、ミナは焦る気持ちで配属先の部署のドア前に立っていた。

30分前、人事部からもらったセキュリティカードがないのだ。

セキュリティカードはどの部署に入る時もドアロックを解除するために必要なものなのだ。


ミナ「どうしよう…私のバカ。どうしてセキュリティカードをなくしちゃうのよ!」


がさごそと鞄の中を探すも見つからない。


ミナ「もーどうしてないのよぉー!ほんっとついてない!12時に部長に挨拶しないといけないのに!ドア蹴っちゃう?壊しちゃう?どーしよ!」


ピッ ガチャ


鞄の中を探しながらミナが大きな声で悪態をついているとドアロックが解除される音がした。


ミナ「うそ!まじ!?開いた!」


喜んでいると後ろから低い声が響いた。


?「あのさ、ドア壊されると困るんだけど」


振り向くとミナより頭ひとつ分背の高い男性が立っていた。


これがミナの最初の運命を変える人との出会いだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る