第21話 話したくない思い出

私はぬいぐるみです


あの子の愛が心を持たせてくれた


彼女は夢の中で私を抱きしめてくれます


私の顔はいつも笑っている


私が彼女にとってどれだけ大切な存在か知っています





その後彼女は引っ越した


私を捨ててしまったのです


悲しくて心臓がちぎれそうだった


私は彼女をこっそり探しました


泣きながら探す






彼女が私を見つけられなくて悲しんでいる情景が浮かんだ


急に彼女がすべてだと思った


彼女が私の存在意義だ


彼女を見つけるまでは


彼女との再会しか想像できなかった





何年か経って


私はやっと彼女の新しい家の場所を見つけた


窓からそっと中をのぞいたとき


でも私は


私は見た


私は見た…

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