第20話 透明人間

私が透明になったら



毎日こっそり君の書斎の花瓶に露のついた花

を挿そうと思ってね





私が透明になったら



彼女の泣き声を慰めるために彼女の帽子にロリポップを隠したい






私が透明になったら



夜の海辺で一人で座っているあの人をじっと見ていたい






私が透明になったら



川の水を体の半分まで浸したかったのです



川で光る蛍を見る

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