第62話 オトナリに帰った!

船に揺られ15日。

陸路で1日。

珪16日かけてついにオトナリに戻ってきた。


季節は、春から夏へと変わっていた。


街の入り口にある門を抜けると、街のみんなが出迎えてくれた。


「ケニー!」


まず駆け寄ってきたのはジェニファーだ。


「ジェニファー!」

俺たちはハグを交わした。


「勝手にいなくなってごめんな!」


「いいよ〜ケニーのせいじゃないし。とにかく無事に帰って来て…良かったよ。」


ジェニファーの目から涙の雫が落ちた。

俺の事が本当に心配だったんだな。


「ケニー、今回の件は私に責任がある。」


次に来たのはギルドマスターで、ジェニファーの姉であるジェニーだ。


「私が悪魔に取り憑かれていたお陰でこのような事態を起こしてしまった。本当に申し訳ない。」

彼女は深く頭を下げた。


「そんなに気にしなくていいですよ。こうして、無事に帰ってこれた訳ですし。ギルドマスターの方こそ、大丈夫ですか?」


「ケニー。君も大変な思いをしたというのに私を気遣ってくれるのか!」


「当然の事ですから!」 


「素晴らしい心構えだ!これからもその調子でな!」


「はい!」

そして、ギルドマスターともハグを交わしたのだった。


〜〜〜〜


「ところで、あれはなーに?」

ジェニファーが指を指した先では、


「おー!ここが冒険者達の理想郷アヴァロン〜オトナリかー!ジェームズ、爆速で行くぞ!」


「落ち着けって!」


俺がオトナリのみんなと再会を喜んでいる横でジェームズがシータに振り回されていた。


「色々あったんだよ…」


「なんだか騒がしくなりそうだねー」


うん、まさしくその通りだと思うな。

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