第61話 オトナリに帰るぞ!

「気持ちいい!」


生まれて初めて船に乗った。

悪魔が設置していたポータルのせいで、バンブ村とオトナリはすごく近い場所にあると思っていたけど、実際は、3000kmも離れていたらしい。


だから、船に乗って、オトナリに帰る事をジェームズに提案されたのだった。


こうして、俺は甲板に上がり、初めて肌に受ける潮風を楽しんでいた。


「よう。楽しんでるじゃん。船酔いで即ダウンしたキノコ女とは大違いだな!」

船内からジェームズが出てきた。


「え、シータが!」


〜乗船前〜


「おお!これが弩級どきゅう戦艦せんかんポルチーニ号か!」


「戦艦じゃなくてただの帆船はんせんだけどな。」


総員戦闘配備そういんせんとうはいび!アタシについてきな!」


「あ、おい!待てって!」


〜〜


「船に乗る前はあんなにウキウキしていたのに!」


「あいつも初めてだからな。船酔いがどんなものか知らなかったんだろ。今は船室で寝かせてるから、安心してくれよな。」


「なんだか、ジェームズには助けてもらってばかりだな。」


「まあ、良いってことよ。それが保安官の務めだし。褒めても何も出ないからな。」


「保安官の務めか…かっこいいな!」


「そう言ってくれると、嬉しいぜ!」

ジェームズは手を差し出した。

俺はその手を握り、硬い握手を交わしたのだったり

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