第54話 訳が分からないよ!
気がつくと俺は、バンブ竹林の外にいた。
まさか、俺自身が悪魔に洗脳されていたなんて思いもしなかった。
思えば、村にいる時から色々とおかしい点があった。
マイケルさんしかいない村民。
貧乏な村なのに何故か高級品のゴムがある。
ダンジョンが近くにできたというのにやたらと落ち着いていたマイケルさん本人。
……あ。もしかしなくても、マイケル=あの悪魔なのか?となると、俺は小さい頃から騙されていたという事になる。
そんなの…受け入れられるかよ…
泣きたい。訳が分からなすぎて泣きたい。
でも、もう一つ訳が分からない事があるから泣けない。
それは、俺に手錠をかけた男のことだ。一体何者なんだ?あれだけで俺が受けていた洗脳を解くなんて!
オトナリの保安官を名乗っていたが、どうしてあんなダンジョンにいたのだろう?
疑問は滝のように湧き出てくるが。
その中でも気がかりなのはダンジョンから強制的に追い出されたせいで、彼は俺のことを情けない奴だと思わせてしまった。
俺が最後に言った言葉が、
『「保安官さん。助けてくれ』
だからな。本当は「助けてくれてありがとう」と言いたかったんだ。
ダンジョンに入れるまで後、22時間。
俺は彼の無事を祈り続けた。
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