第53話 約束の地 ★

〜B7F〜


ここも同じか、さっさと先に進もう。

同じように水晶に触れた。

ああ、ついにこの時が来たか。

待っていてください。


〜B8F〜


そこには竹でできた祭壇さいだんがあった。

そうだ。ここが俺のたどり着きたかった場所。この祭壇の上で俺は救われるんだ。


「お待ちしていました。さあ、祭壇の上にどうぞ。」


牛の頭蓋骨ずがいこつを被った人が、俺を案内してくれた。この人が、俺をここまで導いてくれたのだろう。


祭壇に足を一歩一歩進める。なんだか心が洗われる気がした。


(ふふ…彼は既にわたくしの仕掛けた術中じゅつちゅうにいるようですね。あの祭壇に登れば、術式じゅつしきが発動し、彼は悪魔になるのです。)


そして俺は、最後の段に足をかけた。


「『ゴールド』の手錠ワッパー

ヒュン!

バチィン!


訳が分からなかった。どことなく飛んできた手錠に足を掴まれ、祭壇から転がり落ちたのだ。


「ふふ…わたくしの邪魔をするとは、あなたは命知らずなのですね。」


「命知らずじゃねえ!俺はジェームズ・シュナイダー。オトナリの平和を守る『金』の保安官だ!」


オトナリ…ジェニファーにギルドマスターに、市場の皆さん…


思い出した!俺は、オトナリで冒険者を始めたんだった!こんなところで救われてる場合じゃない!


「保安官さん。助けてくれ

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