第18話 協力してください!

「なるほど!話は分かった。ここに所属している冒険者たちを呼びかけてみるよ!」


「ありがとうございます!」

流石ギルドマスター。話が早い。


「しっかしすごい事考えるよな!『マルスの詠唱を他の冒険者に分担させて、本人が詠唱えいしょうする部分を『冒険の書』に収まる範囲にする』って普通じゃ考え付かないな!」


「それしか考え付かなかったんだ!もうこれしか無いってな!それじゃ、他の場所でも呼びかけてくるから、そっちはお願いしますよ!」

俺は次なる場所は向かうためギルドを後にした。

「その行動力、冒険王クラスだな!」


〜オトナリ町 市場いちば


ワイワイ!ガヤガヤ!


しばらく来ていなかったが、市場は相変わらず賑わっていた。

ここに来たのは商人時代からの知り合いに声をかけるためだ。


「トーマスさん。お久しぶりです。」


「よおケニー。最近見ないと思ってたが、どこをほっつき歩いてたんだ?」

この人は、金物屋のトーマスさん。

この市場をまとめ上げる巨人だ。しかし、背はあまり大きくはない。顎に蓄えた髭は巨人族そのものだけど。


「実は俺、冒険者になったんです。」

『冒険の書』をトーマスに見せる。


「ガッハッハ!すごいじゃないか。夢が叶って良かったな!」


「それで、今日はトーマスさんにお願いがあって、知り合いの冒険者さんをギルドに紹介して欲しいんです。どうしても人手が必要で。」


「そんなに冒険者を集めて何をするんだ?」


「とあるダンジョンが急速に拡大していて、街の危機なんです!」


「なんだって!もっと早く言ってくれよ!」


「混乱を抑えるために、まだ言えないんです。それで、召喚獣を使いたいんですけど、その技の詠唱がとても長くて、人手が必要なんです。」


「なるほど、事情はわかった。召喚獣の詠唱を冒険者が代わりにやることで、時間を短縮させたいんだな。」


「今のでよく分かりましたね!」


「伊達に30年商人やってないからな!時々そういう場面に遭遇しただけだ!ガッハッハ!」


こうしてトーマスさんに、冒険者を集めてもらうようお願いできた。

その後に他の場所も当たり、同じ事をお願いした。断られた所もあったけど、大体の人がお願いを聞いてくれた。


そして、3日後、決戦の日…


「皆さんで力を合わせ、このダンジョンを破壊しましょう!」


『うおおおおおおおおおおおおお!』


ギルドに所属する冒険者約130人。

知り合いのつてで来てもらった冒険者約120人

合計250人もの冒険者が集結した。


これで準備は整った!後はマーズ、お前次第だ!

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