海に近づくな
サメから身を守る方法としてシンプルかつ一番有効なのが「海に近寄らない」事である。
笑ってはいけない、これは本当に有用な手段の一つだからだ。サメは基本的に海に生息しており、この世界では地球上の大半を占める海という地形そのものがホームなのである。彼らにとって地の利がある場所に、自分から突っ込んでいくのは自殺行為に等しい。サメ映画世界で犠牲者になった人々の大半は、海か水辺で死んだのだ。
それなら海で泳がなければいいのでは?と思う人もいるかもしれないが、答えはNOである。この世界では少しの油断すら命取りになるだろう。
この世界のサメはまるでトビウオのように跳ね回る事が出来る。波止場や砂浜に人いたとして、その特徴的な背びれを見つけた時に「サメだ」と認識した瞬間――または気が付かない内に、海面から飛び出したサメがあなたの身体を食いちぎり、海へ引きずり込む事は日時用茶飯事だ。そのため、不用意に水辺に近づかないように。
海に関わるイベントはすべて避けるようにして、海水浴も可能な限り避けるように。サマーシーズンが到来したからと言って、海開きに訪れたら確実に死ぬだろう。船に乗ってもいけないし、海釣りに行ってもいけない。海にかかる橋を渡る事すら危うい。航空機に乗っていたら不時着水しないか神に祈ろう。
大げさすぎるのでは?と思う人もいるかもしれないが、海から徹底的に離れるにしても、サメ映画世界で生き残る方法としては100%安全ではない。あなたが内陸部――カンザス州住まいで、海にまったく縁がない生活をしていたとしても、ある日突然空からサメが降ってきて身体を食い千切らない保証は一切ないのである。
ただ、サメに襲われる可能性は減らす事が出来るだろう。
どうしても海に近寄らなければいけない場合は、以下の事に注意すれば、危険性こそあれど命を落とす確率を僅かに減らす事が出来るだろう。
・海に入らない
せめて海に来たんだから足までつかるぐらいなら――と考えたのならあなたは死んだも同然である。波打ち際であってもサメは容赦なく襲い掛かる。ボートなどの小型艇で海に出るのは自殺行為だ。ましてや、そこから足だけ海面に付けた時には、あなたは両足を失って残りの人生を過ごすか、あるいはその日に人生を終えるだろう。
もし海に出るなら軍艦規模の巨大な艦船を利用しよう。それでもサメに撃沈されるリスクはあるが、少なくとも生き延びられる。
・ビーチに近寄らない
ビーチは避けて、波打ち際に少し近寄る程度に留める。波打ち際まで打ち上げたけ飛んで来たりする個体や、砂浜を「泳ぐ」個体もありえるため、十分に注意し、即座に陸の奥深い場所へ走って逃げれるようにする事。岩場や、コンクリートで舗装された場所を歩くように心がけよう。また、サメが飛び跳ねて来ても十分に退避できる場所や隠れる場所を頭にいれて行動せよ。遮蔽物がない場所にいると死あるのみだ。
・海の底が見える所以外は近寄らない
海の底が見える――つまり透明度があって視認できる所以外は近寄らない事。サメの姿を目視できるよう、常に海面と海底を見張る事が重要である。大抵の場合、サメは暗殺者のように海の暗がりに隠れて接近し、獲物が逃げられないタイミングで背びれを突き出して接近してくる。奴らの姿が常に確認できる場所を確保し、動向を見計らう。
もしサメを発見したら即座に走って逃げて退避しろ。
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