車の移動はとても危険


 車で移動している際、人はもっとも危険にさらされる。

 これは現実世界においても同じことだが、このアクション映画世界では意味が変わってくる。大抵の場合、それは車での厄介なアクションに巻き込まれるという危険に晒されるからだ。


 一番の危険は車のハイジャックである。

 都会の路肩に停車している場合は、危険度がかなり跳ね上がる。大抵の場合は、車を必要としている悪党が、あなたの車を狙いにやって来るからだ。また、犯罪者と同時にヒーローも同じくらいの脅威になりえる。もし車内にいる場合、問答無用でヒーローが拳銃を片手に「市警察だ!この車借りるぞ!」と叫ぶだろう。

 もちろん、あなたの車はボコボコにされるか、鉄屑になり果てて廃車になって戻ってくる。それどころか乗り回された挙句に、カリフォルニア在住のあなたの車がニュージャージーで発見されるような事態もありえる。

 停車した車内で、流暢にテイクアウトのコーヒーなんぞ飲んでる暇があったら真っ先に降りてカギを掛けろ!それが怖い思いをしなくて済む最善の方法になる。


 こういった時に標的となる車種は大抵、セダンなどのありふれたタイプの車両だが、派手なスポーツカーは更に危険度が増す。悪党やヒーローはとにかく早くてかっこいい乗り物を無意識に選びたがる。

 むしろボロボロで型落ちの中古車ほど標的になる危険は少ない。だが、足を探して追い詰められた彼らは、例えアイスクリーム売りのバンですら強奪して走り回るだろう。油断は禁物である。

 また、車を停車させるならちゃんとした場所――この場合は、人目が多く同じような「犠牲者」がいそうな場所に停車させよう。あとは、車に乗っている間に厄介な出来事に巻き込まれないよう祈るしかない。


 そして一番恐ろしいのが走行中の危険事態である。

 車で移動中、ヒーローと悪党のカーチェイスに巻き込まれる事ほど悪夢な物はない。調べでは、大抵こういう時に犠牲になるのはパトカーと普通乗用車だ。しかも、こうしたカーチェイスは時折銃撃戦のオマケもつく。衝突事故に巻き込まれると最悪だし、運よく車とあなたが無事でも車体にキズや凹みは付くだろう。

 ここで取れる方法はただ一つ、やばそうな車が近づいてきたら真っ先に道を空ける事だ。ヒーローと悪党の乗る車は、それ自体が高速で走る竜巻のようなものだが、竜巻と違ってある程度は予測が出来る。もしサイドミラーとバックミラーで奴らを確認したら真っ先にその場から離れ、どこか停車できる場所を探して落ち着くべきだ。


 間違ってもヒーローと悪党の車が走る車線を、ずっと走っていてはいけない。なぜならカーチェイスは高確率で「車の大規模なクラッシュ」という形で終息する。特に周囲を燃料満載のタンクローリーが走っている状態なら、更なる悲劇が100%発生するからだ。大量の車がクラッシユする地獄に巻き込まれたくなければ、一刻も早く出口を探してそのハイウェイを降りるか、別の道へ入れ。連中が一度走ってきた道へまた戻ってくる確率は、環状線でない限り極めて低い。


 また、カーチェイスに限らず不穏な事態が発生する事もある。車内での戦闘だ。

 ヒーローと悪党が、狭い車内で殺し合いをする事もある。少なくともこれはシートが2つある車に2人乗っているだけで発生する可能性がある。バン、小型トラック、大型トレーラー(コンテナ部分には人が入れるスペースがある)でも起こり得る。

 こうした場合、車内で銃撃戦や格闘戦が起きている。貫通した弾丸があなたの車に飛び込む事もあれば、あなたの車に誰かが飛び移ってきたり、車から投げ出された死体やら物品が車に迫る事もある。


 前兆としては、明らかに車が不自然な動きをしている(車内で格闘戦をして運転がままならない状態になっている)、車の窓から人が乗り出したりしている、または車体に人が貼りついている、その車の前後に似たような車がある(高確率で悪党の護送車両。ヒーローが奮闘している車の周りを固めている)場合は危険信号だ。前に書いた通り、すぐに離れる事をオススメする。


 最後に、もしヒーローや悪党の乗る車に同乗してしまったらどうすればいいか?

 あなたが子供なら生存率は100%だろう、女性もそれぐらい高い。ただし、どこにでもいる普通の一般男性だった場合は生存率は低くなる。

 覚悟を決めて、車から飛び折りる方が生存率は高いだろう。

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