痛いと泣ける


森は色んな音が聞こえて楽しいのです。


都会の喧騒の中では当たり前の車の音は無くって、鳥のさえずりの方が多いくらい。


歩く時足元から砂利踏むジャリジャリという音が1番大きい音で新鮮なその音に少女は楽しくなっています。


時折枝を踏んでポキっと音が鳴るのも楽しくてどんどん進んでいきます。


したばかり向いて歩いていたために少女は目の前に木がある事に気が付かずにぶつかってしまいました。


少女は尻もちを着いて頭を抑えて泣きだします。


「おいおい、泣くんじゃねーよ嬢ちゃん」


どこからか声が聞こえますが少女はわんわん泣いています。


聞こえちゃいない。


声の主はもう一度さっきより大きな声で言います。


「嬢ーちゃん!嬢ーちゃん!!泣くな!泣きたくなるから、泣くな」


声の主は尻すぼみに小さくなっています。


フフフ、笑えてきますね。


……惨めな事。

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