飽き


「消しゴム!」


そう、消しゴム。これで、スケッチブックの階段を消してしまえばいい。


えいやっ、と、階段の絵をゴシゴシと消しゴムで擦る。黒い消しカスと、共に床に転がっていた階段が、絵が消えた瞬間泡が弾けたみたいに小さなパンッと、言う音と共に消える。


「わー、消えましたよー」


目的を果たすことが出来て大変満足そうに笑い、嬉しくなって飽きた。


……面倒くさくなってきたな。寝よ。


そう考えベットに戻る。


究極の飽き性だったのである。


しかし、この謎の部屋にはベットなぞ無いのである。それに気付いた少女はクソデカため息を吐き、床に倒れ込むのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る