第15話 異世界ダンジョン-15
「いいですわね、武器は楽で。」
「何が言いたいのさ。それに、防具の方が楽でしょ? 何も考える必要ないんだから。」
「あら、それはあなたが考えてないだけじゃなくて?」
「なにさ。」
「なんですの。」
「こら、喧嘩しない」
隙があれば喧嘩しようとするな。俺は無駄口を叩くフォルムを、アサルトライフルに変化させる。なぜアサルトライフルにしたかと言うと、属性弾を試したいからだ。スナイパーライフルだとどうしても反動がでかく、狙いをつけなおさなければならない。だから、反動の低いアサルトライフルを選ぶ。どうせなら、3点バースト辺りでやってみるか。
「フォルム、何属性をつけるかは任せる。MPは敵が魔法を撃ってくる限りは気にすることは無いから、好きに使えるぞ。」
「分かった! じゃあ、一発毎に変えるね。」
フォルムは有言実行し、3点バーストの弾それぞれ別の属性の様だ。ただ、大体同じ敵に当たるので、体の一部が凍って燃えて貫通してと、あまり意味が無さそうな感じだ。ただ、見ていて弾がカラフルなのは楽しいが。そして、さらに魔物を倒していくと、新しい魔法やスキルを覚えていく。まあ、敵の種類が変わらないから、そんなに種類は増えないみたいだけど。
時々飛んでくる魔法は、トランがきっちりと防いでくれる。俺はその隙に撃っていくだけだ。いやー、剣と魔法の世界でこんな事やったら怒られそうなくらい楽だな。
「あっという間に終わったな。」
「わたくしのおかげですわね。」
「トランは1匹も敵を倒してないから、ボクのおかげだよ。」
「あら。攻撃を防いでいたのはわたくしですわ。」
「いや、二人とも助かったよ。サンキューな。」
喧嘩になる前に、さっさとこの会話を終わらせる。実際、どっちかだけじゃこうも楽に戦えなかっただろう。あの魔法の弾幕を回避しながら攻撃をするなんて無理だし、トランが魔法を防いでいる隙に俺が攻撃しようにも、遠距離から攻撃する手段が少なかったからもっと苦戦していたはずだ。
「どういたしまして、ご主人様。」
「どういたしまして。主様。」
褒めると、二人はあっさりと機嫌を直したみたいだ。そして、ここがフロア兼ボス部屋だったのか、宝箱がある。色は銀色、当たりでは無さそうだ。もし、中身の補充をマリア……いや、アリア様がしているのなら、連続して豪華な中身にするわけには行かなかったのかもしれない。それとも、さっきの今で、作るのが間に合っていないだけか? どちらにしても、宝箱の色が変わるわけじゃ無い……いや、変わるかもしれないな。
「開けてみれば分かるか。」
「念のため、わたくしが盾となってサポートしますわ。」
「助かる。」
罠があるとは思わないけれど、何かあったら一発アウトなので、慎重に行動する事に異論はない。俺は恐る恐る宝箱を開けた。
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