第8話 異世界ダンジョン-8
オークジェネラル(亜人):HP200、MP110、攻撃力70、防御力60、素早さ60、魔力30、装備:斬馬刀・攻撃力15、鋼の鎧・防御力15、鉄の盾・防御力10、スキル:剣術(5)、怪力、土耐性(中)、スタミナアップ(中)
幸い、オークキングでは無かったものの、十分強いモンスターだ。俺の今のステータスじゃゴブリンキングといい勝負ってところだよな? でも、レベル上げをするとこいつがキングになる可能性も出てくるかもしれないし。とりあえず、やるだけやってやる!
「フォルム、MP5だ!」
「はいです!」
俺はサブマシンガンのMP5を選んだ。別にどの銃だろうが威力も連射も変わらないのだろうが、気分的に連射と言えばサブマシンガンだと思ったからだ。そして、木魔法を付与して弾をばら撒く。木魔法もレベル4になると、妨害だけではなく、そのものに物理ダメージが付与されたようで、地面に当たれば地面から棘が突き出してハイオークを刺し、モンスターに当たれば棘のつたが巻き付き拘束しつつダメージを与える。
オークメイジから小石や風の刃が飛んでくるが、それ自体はいまさらどうという事もない。躱すか、銃弾で相殺するだけだ。しかし、その隙にオークジェネラルの大きな斬馬刀が振り回される。
「おっと、あぶねぇ!」
意外にリーチが長く、体の横すれすれを通り、風を切る音がした。オークジェネラルのステータスは全て俺より上だから、まともにやっても勝てないだろう。とりあえず、近づかないことが一番だな。俺は風魔法を付与し、オークジェネラルを牽制する。
「土魔法! 地面操作!」
俺は地面の形を変え、入り組んだ地形にした。形を変えただけなので、防御壁としてはまったく期待はできないが、ハイオークのロングソードを振り回す邪魔をしたり、オークメイジの魔法の遮蔽物くらいにはなってくれる。オークジェネラルは関係なく破壊してくるが……。とりあえず、ハイオークとオークメイジをさっさと片付けるか。俺は木魔法で動けないオーク達を無属性の弾で倒すと、さらにオークジェネラルから距離を取った。
オークジェネラルは、斬馬刀で切り裂いた地形の一部を持ち上げると、こちらに投げてきた。地形の一部とはいっても、2mくらいありそうな壁だ。
「さすがに、怪力は伊達じゃないな!」
攻撃力以外に何の意味があるのかと思っていたが、怪力があると本来重心がずれて前のめりになりそうな大きな壁を持ち上げても、それが軽いかの様に持ち上げることができるようだ。だから、自分の身長以上に長い斬馬刀も、刀に振り回される事なく振り回す事が出来るのだろう。
俺は再び木魔法でオークジェネラルの足元を棘にし、邪魔をする。鎧で体を覆ってはいるが、足は素足だから棘は痛いのだろう。しかし、普通に弾を撃っても鉄の盾で防がれてしまう。さらに、斬馬刀がかすってダメージを受けることがあり、それを癒すためにポーションを飲む。どちらも決め手に欠けている、そう思った時、俺にはあるアイテムがある事に思い当たった。俺はそのアイテムを掴むと、オークジェネラルに投げつける。
「これでも食らえ!」
それを目にしたオークジェネラルは、文字通り食らいつく。そう、俺が投げたのはトリュフだった。何の役に立つかと思っていたが、こんなところで役に立つとは。俺はその隙にオークジェネラルの足を潰すことに成功した。足を潰されたオークジェネラルは、機動力が落ち、被弾が増える。斬馬刀を振るおうにも、攻撃する角度が制限されてしまい容易く避けることができる。俺はただ動き回りながら、銃弾を浴びせるだけで良かった。
「お兄ちゃん、ずるいね。」
消えていくオークジェネラルを見てメィルがそう呟く。
「ご主人様の作戦勝ちです! ボクは感動しました!」
逆に、フォルムは格上のオークジェネラルを倒したとこに感動している。俺としても、過程はともかく勝てばいいと思っているので、ずるだろうが何だろうが気にしない。
経験値が溜まりました。レベルが18になりました。HPが20増えました。MPが15増えました。攻撃力が3増えました。防御力が5増えました。素早さが4増えました。魔力が1増えました。スキル:怪力、土耐性(小)、スタミナアップ(小)を獲得しました。剣術のレベルが5になりました。
そして、オークジェネラルの消えた後には宝箱が残されている。1階が特別だっただけか、落ちているのは金色の宝箱1つだけだったが。中を開くと、1冊の本が入っていた。あれ? 普通に日本語で書かれているぞ?
「何々、世界の武器一覧? ただの本じゃねーか!」
とりあえず突っ込んでみたが、俺が知っている物はたかが知れている。フォルムの特性を生かすために、女神様が取り計らってくれたのだろうか? しかし、新しいアイテムを期待していた俺にとっては、期待外れだったが……。まあ、銃はとりあえず銃口さえあれば撃ちだせるから構造なんか知らなくても何とかなったが、武器のバリエーションやイメージにはやはり本を見た方が確実だろう。休憩も兼ねて、この部屋で少し読んでおくか……。
「へー、意外と種類があるんだな。こうやってみると、時代が変わるにつれて武器も変わっているんだな。」
「わーっ、この鞭ってやつ痛そー。ねぇフォルム、鞭に成ってよ。」
「嫌です! ご主人様以外、ボクに触らないでください!」
「ぶーっ、ケチ。そうだ、鞭であんたのご主人様を叩いてあげる!」
「え、それなら……いいかな?」
「良くないわ!」
意外と脆い神器の矜持には困ったものだ。この感じだと、俺が死んだらあっさりとメィルの装備になりそうだな。メィルは防具を持っているけど武器は持って無いみたいだし。まあ、メィルが武器を持って戦う姿は想像できないが。休憩もそこそこに、次の階層へ向かう。
3階も今までと同様に洞窟の様な感じのままだ。広さも2階と変わらず無いようだから、ここも人型に近い大きさのモンスターが出るのか? そう思っていたら、通路に不自然な大岩があった。
「なんだこれは。これをどかして進めって事か? 怪力があるからできそうだが。」
俺は試しに持ち上げてみようと大岩に近づくと、大岩が転がってきた。
「なんだ、潰すつもりか? でも、こんだけのろけりゃ当たるものも当たらな……い?」
俺が避けた瞬間、大岩が光出すと、大爆発を起こした。HP的には半分ほど減っただろうか。それよりも、耳がキーンとして聞こえないし、砂ぼこりが大量に舞って何も見えない。
「…………!」
「……!」
「え? 何だって?」
メィルとフォルムが何かを言っているようだが聞こえない。そんな俺の目の前に、槍が突き出された。反応速度アップのおかげか、ラックの腕輪のおかげかは分からないが、ぎりぎり避けることが出来た。槍を突き出したのは、スケルトンだった。
スケルトンランサー(物質):HP90、MP60、攻撃力50、防御力30、素早さ40、魔力20、装備:鉄の槍・攻撃力10、スキル:HP自動回復(小)、槍術(4)
骨だけの癖に、槍術を持っているだけあって突き出す槍の速度は速い。表情が無いせいか、いつ攻撃するのかも読みづらく、何回か攻撃を受けそうになる。俺は槍をわきで受け止めると、怪力でスケルトンランサーごと持ち上げ、通路に投げつける。多少のダメージは入っただろうけど、HP自動回復を持っているのですぐに回復してしまうだろう。今のうちに態勢を整えよう。スケルトンランサーは防具を付けていないので、体はスカスカだ。剣や銃では当てにくいだろうな。
「フォルム、モーニングスターだ!」
「はいですー。」
持ち手の部分も、とげとげの球体部分も少しだけ機械に見えるモーニングスターだ。スケルトン系にはやはり鈍器だろうけど、槍の射程があるので、少しでも射程のあるモーニングスターにしたのだ。しかし、ただのモーニングスターでは槍の射程に勝てないので、そこはいじってある。俺はモーニングスターを振りかぶり、スケルトンランサーに向かって振りぬくと、チェーンの部分が伸びる。そして、うまくスケルトンの頭蓋骨に当たった。しかし、1発で倒せるという事もなかったので、引き戻す。頭の骨の半分が砕けているのに平気で向かってくる。HP自体は半分ほどに減っているから効いてないという事は無いが、骨だから痛みも無いのだろう。放っておいたら回復してしまうからさっさと決着をつけよう。もう一度モーニングスターを振りかぶり、攻撃したがこれは躱されてしまった。
「今だ、フォルム!」
「えーい、です。」
とげとげの球体部分が物理法則を無視して後ろからスケルトンランサーを攻撃した。スケルトンランサーもまさか後ろから攻撃されるとは思っていなかったようで、残っていた頭蓋骨部分が粉砕されると、消滅した。
経験値が溜まりました。レベルが20になりました。HPが10増えました。MPが10増えました。攻撃力が2増えました。防御力が3増えました。素早さが2増えました。魔力が2増えました。スキル:槍術(2)、HP自動回復(小)を獲得しました。
HP自動回復はうれしい。これで多少の怪我はポーションを飲まなくても自動で回復するはずだ。槍は使うかどうかは分からないが、無いよりはあった方が良いだろう。スケルトンランサーから何も落ちなかったことは残念だが、スキルを得たから良しとしよう。
源零(分裂体):HP150、MP110、攻撃力37、防御力33、素早さ34、魔力22、装備:神器フォルム・攻撃力39、ただの服・防御力0、ラックの腕輪(極小)、スキル:鑑定、空間魔法(5)、スキルの吸収、棍棒術(8)、剣術(5)、銃術(3)、槍術(2)、指揮、集中力アップ(小)、反応速度アップ(小)、ジャンプ力アップ(中)、悪食、HP自動回復(小)、MP自動回復(大)、火魔法(3)、土魔法(4)、木魔法(4)、風魔法(4)、火耐性(中)、時空魔法、怪力、土耐性(小)、スタミナアップ(小)、持ち物:低級MPポーション2個、低級HPポーション5個、豚肉(ロース、ヒレ、ハツ、レバー)
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