第14話 ハッピーエンドまっしぐら
「いやー。あんな自爆する形で告白するとは。さすが稲葉だ。」
「神代君は知っていたの?」
陽子が尋ねた。
「もちろん。うちの中学では有名だったから。知らないのは本人たちだけだ。」
「私、分からなかったけど?」
陽子が言うと、
「態度からはわかりずらいんだ。稲葉、安藤のことを好きじゃないやつに宣戦布告してたからな。俺の彼女、俺と付き合ってんのに稲葉に宣戦布告されてたし。それでみんなにばれた。」
「私もさっき宣戦布告された。」
「好戦的だな。」
安藤君、地味にひどい感想だと思う。
「それだけお前のことが好きなんだろ。普段の行動がエキセントリックなのも、お前と席が近いからだと思うぞ。中学の時はクラスが違ったからあそこまで変じゃなかった。」
神代君が稲葉さんをフォローする。案外優しい。優しいのか?
「それにしてもさっきの稲葉さん、かわいかった。」
陽子が呟く。
「そうだね。」
私も同意した。
「今もかわいいぞ。」
神代君がドアの方を見て言った。
稲葉さんが、ドアから顔だけのぞかせている。顔は真っ赤で涙目だ。カバンを置いたままだから戻ってきたのだろう。財布や定期が中にあるのかな?
かわいそうなのでカバンを持って行って稲葉さんのもとへ。
稲葉さんは小さな声でお礼を言いながら受け取った。そして、
「うさみみかーっ!」
と叫びながら去っていった。もうわけがわからない。
文化祭の当日。あの日から稲葉さんは安藤君と目が合わせられなくなってしまった。安藤君が話しかけると真っ赤になって逃げていく。
かわいいのだが、文化祭の準備のことで話しかけたりしているので少し困っている。今のところしわ寄せはすべて私に来ている。
稲葉さんとあの時教室に残っていた数人のせいで、私のあだ名が「うさみみか」になってしまった。あだ名と言うかフルネームなんだけど、人を疑問形や突っ込みのように呼ぶのはやめてほしい。
迷惑を
すでに準備は万端である。
「稲葉さん、お昼の休憩に入って。」
「わかった。」
「パン余ってるけど、あんドーナツとキムチパンどっちがいい?」
「あんドーナツをくれ。」
「ちょっと待ってて。」
私は隠れていた安藤君の手を引いて稲葉さんのところへ。
「うわっ! どうして?」
驚く稲葉さん。
「あら?
____________________
以上で完結の予定です。
読んでいただいてありがとうございました。
何か書けそうなら続きを書こうと思います。
期待はしないでください。
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