第10話
家族旅行から帰ってきてから、10日後仕事が終わり帰ってきた。
謙介「ただいま。」
美結「おかえりなさい。」
謙介「前に言ってた、俺の友達家族を招待するって話、本当にいいのか。」
美結「犬も大丈夫であれば、構わないよ。」
謙介「小池家と、沢渡家と、畑中家が来たいって。来たんだ。」
美結「人数は?」
謙介「小池は4人、沢渡は3人、畑中は5人だったかな。」
美結「みんな同じ日のほうがいいよね。」
謙介「うん。あの三人は中学と高校が一緒だった。沢渡は大学もだけど。」
美結「じゃあ、いつが合わせられるか、確認してくれる。」
謙介「わかった。子供は上から、中学生が2人と小5が1人、小3と小1と3歳が1人だったと思う。畑中は結婚が早かったから。」
美結「アレルギーないかも聞いておいてね。大事だから。」
謙介「わかった。決まったらいうよ。」
美結「お願いします。泊まる人いれば、布団はあるし、遠慮なく泊まっていっていいと伝えてね。最悪、私が使ってるアパートの部屋でもいいし。あそこなら、テレビも洗濯機も、冷蔵庫もあるし。物はほかにほとんど置いてないから。」
謙介「了解。」
それから、遊びに来る謙介の友人に連絡を取り、その翌週の土曜日に集まった。
最初に到着したのは、沢渡家の拓馬さん、紗江さん、桜ちゃん。
その次に来たのが、畑中家の淳紀さん、真紀さん、麻美ちゃん、亜紀ちゃん、淳平君。
最後に小池家の哲司さん、絵里さん、裕司くん、麻里ちゃん。
謙介「みんなが集まったので、改めて紹介します。うちの奥さん、美結と双子の朱那と洸です。今日は、来てくれてありがとう。ゆっくり楽しんでくれたらうれしいです。」
美結「子供たちに言います。二階に勝手に上がらないこと、もし行くときは、一言声をかけること、外も庭ならいいけど、道路に出ないこと、喧嘩はしないこと、もし喧嘩したら、ママたちでお説教します。みんなで仲良くしてね。あと、大人の人は飲みすぎだけは勘弁してください。それと、寝る部屋は、二階の奥の部屋と、隣のマンションの一部屋を準備しているので、あとで案内させてください。」
みんな「ありがとうございます。」
謙介「じゃあ、あとはご自由に。」
それから、ママたちは寝る部屋を先に見てこようと、美結に続き、マンションに行くことにした。
真紀「今日はお招きいただいてありがとう。」
美結「全然、逆に来てくれてありがとうございます。お菓子まで頂いて。」
真紀「いいのよ。ちなみに、歳はいくつ?」
美結「もうすぐ32です。」
紗江「じゃあ、私と一緒だ。」
真紀「そうか、三つ下なのか。」
絵里「私はあいだの、33です。」
真紀「とりあえず、敬語は無しにしましょう。」
美結「わかりました。ここです。一階なんですけど、部屋は冷蔵庫とか、テレビもあるし、家政婦さんが、掃除してくださっているので、遠慮なく使ってほしいのですが、どちらの家族が使います?」
真紀「旦那の実家じゃなくて、こっちにすればよかった。」
美結「ありがとうございます。また来てくだされば、ここをお貸しします。」
真紀「ありがとう。」
美結「まあ、最悪旦那をここに入れて、向こうで寝るっていうのもありですが…。」と笑って言うと。
紗江「それ、いいかもしれない。」
絵里「いいかもね。たまには。」
真紀「私も参加したい…。」
美結「どうします。」
謙介「美結」
美結「どうかした?」
謙介「洸が、ママがいないって、泣いてるぞ。」
美結「そう、とりあえず、もどりましょ。」
真紀「そうね。」
家に戻り、
美結「洸、ごめんね。ママはここにいるよ。隣のマンションに行ってたの。びっくりさせて、ごめんね。」
麻美「急にママがいないって、泣き出しちゃったものだから、どうしたらいいかわからなくて、すみません。」
美結「逆に迷惑かけっちゃってごめんなさい。麻美ちゃんありがとう。」
麻美「いえ、そんな。」
真紀「小さいから、ふと気になることもあるのよ、麻美、気にしなくていいの。小さい子は、よく笑って、泣いて、遊んで、たくさん寝ると、元気な子に育つのよ。あなたみたいにね。」
麻美「ママ。」
美結「この子抱っこしたままでもいいかしら。」
真紀「どうぞ、そのぐらいの子は手がかかるのよね、大きくなると、少し寂しくなるけど。」
美結「そうなんですね。」
紗江「私も、桜は結構寂しがり屋なんですけど、今日は朱那ちゃんがいるから平気みたい。」
美結「朱那は社交的で、洸は人見知りするんですよね。」
真紀「麻美も小さい頃はそうだったよ。」
麻美「そうなんだ。ママありがとう。」
真紀「急にどうしたの。」
麻美「なんか、お母さんてはい変だなと思って。」
それを聞いた真紀さんは笑った。
美結「洸が眠りに就いたので、寝かせてきます。」
真紀「わかった。」
麻美「私も一緒にいいですか?」
美結「いいよ。」
真紀「静かにするのよ。」
麻美「はーい。」
美結「麻美ちゃんは一番上のお姉ちゃんでしょ。」
麻美「はい。」
美結「しっかりしてるな。私は一人っ子だったから、兄弟がいていいなって思うけど、実際は大変じゃない?」
麻美「大変じゃないことはないけど、喧嘩したときとかは、一人っ子が良かったとか思うことはあるかも。」
美結「一人っ子って、結構寂しいものよ。喧嘩はできたらしたくないけど、そうやって喧嘩できるのも兄弟がいるからであって、両親も共働きだったし、一人でいると、静かだったな。」
麻美「そうなんですね。」
美結「まあ、ないもの強請りみたいなモノかもしれないけどね。」
麻美「でも、この子は寂しくないですね。」
美結「確かに。」と、洸の寝顔を見ながら微笑む。
麻美「双子って、大変じゃなかったですか。」
美結「そりゃ、人を二人も一度に育てるから大変かもしれないけど、一人だってふたりだって、大変だと思うよ。真紀さんだって、子供を三人も産んで育ててるんだから、すごいよ。こんなに立派な子。」
麻美「そんなことないです。母はすごいですけどね。尊敬します。」
美結「私も真紀さんみたいに子育て頑張らないと。旦那と一緒にね。」
麻美「私、将来、保育士になりたいんです。」
美結「そうなの。私は迷いに迷って、いろんな資格取ったり、小説を出したり、海外でボランティアしたり、いろんな事したよ。結局、小説家になったけど。出産と子育てで、今は休業中だけどね。麻美ちゃんはなんで、保育士になりたいの?」
麻美「子供が好きだし、この笑顔を傍で見守りたいと思ったの。」
美結「そうか、頑張って。」
麻美「頑張ります。」
美結「応援してるわ。将来が楽しみね。」
麻美「はい。」
それから、しばらく洸が寝ている近くで、声を小さめにして二人で話を弾ませていた。
洸「ママ…。」
美結「あら、起きたね。麻美ちゃん向こうに行こうか。」
麻美「はい。洸君おはよう。一緒にあっちに行こう。」
洸「ママも行く?」
美結「もちろん、行くよ。さあ、起きて。」
それから三人で、リビングに戻った。
朱那と桜ちゃんは二人でお昼寝中だった。紗江さんが傍で見ていてくれていたみたいだった。
美結「紗江さんありがとうございます。朱那、いい子にしてました?」
紗江「とってもいい子、明るいし、桜は大人しいから、朱那ちゃんと遊べて嬉しかったみたい。」
美結「ありがとうございます。」
それから、洸は麻美ちゃんと遊んでもらい、朱那と桜ちゃんも起きて遊び始めた。
謙介「美結、氷買ってくるの忘れたから買いに行ってくる。」
美結「それなら、庭の倉庫にある、アイスボックスがあるよ。」
謙介「ありがとう。いつの間に。」
美結「足りなくなるだろうからと思ったら案の定だった。」
謙介と一緒に氷を取りに倉庫に行き、二人で運んだ。
美結「バーベキューしましょう。」
みんな「はーい。」
美結「小学生以下は、大人に焼いてもらってね。」
謙介「火傷したら大変だからね。」
真紀「男性陣が焼いてくれるでしょ。子供たちは、あそこに座って食べようね。」
子供たち「はーい。」
子供たちは庭にある椅子に座らせ、大人たちはお酒、子供たちはジュースを配り、だべ終わるころに、冷凍庫から、シャーベットを作っておいたので、それも完食し、お開きとなった。畑中家は旦那の実家に行き。ほかの二家族は、銭湯が近くにあるので、みんなで入りに行くことになった。
美結「洸はママとパパどっちとお風呂入る?」
洸「ママと入りたいけど、パパにする。」
謙介には聞こえてなかったみたいで、喜んでいた。
美結「お風呂あがるとき声かけてね。」
謙介「わかった。」
銭湯の中に入り、番台さんに声をかけた。
美結「大人7人と子供1人とちびさん3人で。向こうの男性陣も一緒でお願いします。」
番台「大人一人500円の子供300円、頭も洗いますか。」
美結「はい。全員。」
番台「あれ、美結ちゃんかい。」
美結「あれ、尚子さん、お久しぶりです。」
番台「久しぶりね。今日は大勢でありがとう。」
美結「それより、いつ戻ってきたんですか。」
番台「先週よ、また今度話しましょう。」
美結「わかりました。確か、頭あらうの100円+でしたよね。」
番台「そうよ。」
美結「じゃあこれ。」
番台「4600円だから5000円預かって、400円のおつりね。」
美結「はい。じゃあ行きましょう。」
みんなでゆっくりお風呂に浸かって、帰りに子供たちと男性陣はアイスを食べながら、家に帰って寝た。
翌朝、絵里さん、紗江さん、美結で朝食を用意し、みんなで食べ、お昼前にはみんな帰るので、朱那と桜ちゃんは別れを惜しんでいたが、沢渡さんちが拓也さんの移動で、こっちに戻ってくることになっているらしく、家も昨日謙介に交渉したみたいで、隣のマンションの5階の部屋を貸すことになったというのを聞いて、美結はびっくり、桜ちゃんと朱那は大喜びだった。来月の移動で、荷物は少しずつまとめていたらしく、しばしのお別れを、朱那と桜ちゃんは笑顔で別れた。
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