第6話

あれから3日が立ち、美結は親友の亜美と会う約束をしていた。彼女はアパレルショップの店員だ。土日は忙しいので、平日に会うのが専らだ。

亜美「久しぶり、元気にしてた。」

美結「亜美こそ元気そうで何より。」

亜美「私のお勧めのお店でいいんだよね。」

美結「もちろん、亜美が進めてくれたところはハズレがないから。」

亜美「まあね。これから行くところは、カレー屋さんなのに、オムライスが超おいしいんだよ。」

美結「オムライス、いいね。」

亜美「美結が作ってくれたオムライスも美味しいんだよ。」

美結「そんな、プロと比べちゃだめだよ。」

亜美「でも美結とはまた少し違うの。」

美結「そうなんだ。」

亜美「美結はトロふわオムライスだけど、あそこのは、懐かしいというか、昔からあるオムライスみたいな。」

美結「とにかく楽しみ。早くいこ」

亜美「そうだね。近くだから。」

美結「駅近いいね。」

亜美「楽しみにしてて。」

それから、本当にすぐ着いた。

美結「ここ?」

亜美「ここだよ。」

美結「あそこ空いてるからそこにしよ」

亜美「うん。」

店員「いらっしゃいませ。二名様ですか。」

亜美「そうです。」

店員「二名様ですね。席へご案内します。」

亜美・美結「は~い」

店員「ご注文お決まりになりましたら、こちらを鳴らしてください。失礼します。」

亜美「はい。」

美結「結構種類あるんだね。」

亜美「今日はとりあえず、私のお勧め食べてみて。」

美結「わかった。亜美はどうする。」

亜美「一緒にする。あとサラダとドリンクどうする。」

美結「ウーロン茶かな。」

亜美はチャイムを鳴らすと

店員「はい、お待たせいたしました。ご注文お伺いいたします。」

亜美「こだわりオムライス二つと、ホウレン草のサラダ二つ、ウーロン茶とコーラを一つずつお願いします。」

店員「かしこまりました。オムライス二つ、ホウレン草のサラダ二つ、ウーロン茶とコーラを一つずつですね。」

亜美「はい。」

店員「では、しばらくお待ちください。」

亜美「そういえば、どうなったのよ。」

美結「どれのこと。」

亜美「同棲の話。」

美結「あー、まだ気持ち伝えていないし、結婚までって考えるとね」

亜美「相手に不満なの」

美結「不満なんてないよ。」

亜美「早く気持ち伝えないと、横から搔っ攫われるよ。」

美結「そうなんだよね、あの人イケメンだし、やさしいし、料理は苦手でも、ほかは一生懸命やってくれるし。」

亜美「あんたもすごい人だけどね」

美結「いや、そうでもないよ。」

亜美「私がさ、旦那と結婚をどうしようか悩んだ時期があったじゃない。

結局、美結がその場に旦那呼びつけて、お似合いなんだし、結婚まだしてないのに、似たもの夫婦じゃんって。惚気るなって言ったの覚えてるよね。」

美結「だって、個別に相談しろって言われてたから、二人で話し合ったほうが早いと思ったの。」

亜美「あの時はお騒がせしました。今はまあ不満がないわけでもないが、よく話して、改善できるように、努力してるよ。」

美結「そうだよね、私ももっと前向きになってみようかな。」

亜美「そうだよ、何かあればいつでも相談乗るし、力にもなるからね。」

店員「お待たせしました、ホウレン草のサラダとウーロン茶とコーラです。」

亜美・美結「ありがとうございます。」

美結「やっぱり、今日伝えてみる。」

亜美「頑張れ。美結なら大丈夫。」

美結「ありがとう。」

亜美「食べようか。頂きます。」

美結「うん。頂きます。」

店員「お待たせしました。こだわりオムライスです。。」

美結「きた。」

亜美「待ってた。」

美結「懐かしい味、美味しい。」

亜美「ね。美味しいでしょ。連れてきて正解だった。」

美結「今度、謙介さんとも来たいな。」

亜美「来なさいよ、気持ち伝えてからね。」

美結「うん。」

亜美「冷めないうちに食べよ。」

美結「うん。」

ふたりはペロリと食べ、お会計をして、外に出た。

亜美「じゃあ、買い物に少し付き合ってもらおうかな。」

美結「いいけど、何買うの。」

亜美「まあきて」

と連れていかれたのは、ランジェリーショップ、セットで三点ほどかい、美結がつけるんだよと。渡された。

美結「私なの。」

亜美「そうだよ。気合が入るから。」

笑いながらそんなことを言っていた。

美結「亜美じゃないからそんなことない。」

亜美「失礼ね。でもたまにはいいじゃない。」

美結「ありがとう。」

亜美「じゃあ、旦那家で待ってるからそろそろお開きね。」

美結「うん。連絡するね。」

美結は亜美と別れ、帰路に着いた。

謙介は仕事が早く終わると言っていたので、夕飯を何にしようか考えていたら、リクとリオが足元に来て甘えてきた。

美結「君たちは本当にかわいいなあ。」

リオは私の顔をペロッて舐めて、足元でゴロンとなって撫でてとアピールしてきた。

リオのお腹をなでると、今度はリクがお腹を見せてきて、どっちにも撫でてるうちに、少し疲れていたのか転寝をしてしまった。

時間を見ると、午後5時になっていて、慌てて夕飯の支度をした。

6時を少し過ぎたあたりで謙介が帰ってきた。

謙介「ただいま。」

美結「おかえりなさい。お疲れ様でした。」

謙介「今日はビビンバだ、美味しそうだね。」

美結「そうだといいんだけど、リク、リオと遊んでたら少し寝てしまって、慌てて作ったの。」

謙介「急がなくても大丈夫だよ。それよりけがとかはしてないよね。」

美結「大丈夫。あのご飯食べた後で、話があるんだけど。」

謙介「わかった。先にご飯食べよう。」

美結「うん。準備するね。」

謙介「水でいいか。」

美結「うん。お願いします。」

謙介「ビビンバって焼き肉屋でしか食べたことがなかったから、嬉しい。」

美結「確かにそうかもね。」

(結構緊張するな…)

謙介「美結、どうした。」

美結「ううん、何でもない」

謙介「体調悪いのか。」

おでこに手を当ててきた。

謙介「熱はなさそうだな。無理するなよ。」

美結「大丈夫、元気だよ。」

謙介「ならいいけど、具合悪いならちゃんと病院行かないとだめだからな。」

美結「うん。」

それから二人はダイニングテーブルに座り、夕食を食べた。

美結「先にお風呂どうぞ。」

謙介「じゃあ先に入るよ。」

と見送り、美結もお風呂に入る準備をして、上がってくるのを待ち、謙介と交代でお風呂に入った。

上がって、新しい下着に着替えて、あとは好きだと伝えるだけとなった。

謙介はリビングでテレビを見ていて、リクとリオは何かを感じてか、リクとリオが寝ている部屋にいるみたいだった。

謙介「少し長くなかったか。」

美結「大丈夫。」

謙介「それで、話って何?」

美結「あの、…す…きなの。」

謙介「うん、俺も好きだよ、…えっ」

美結は顔を真っ赤にして、ソファーに置いていたクッションで顔を隠した。

謙介「今、好きって言ったよね。」

美結「うん。あなたが好きです。」

謙介「本当か、無理してない…」

美結は謙介が喋ってる口にキスをした。

謙介「…」

美結「これでわかってくれた?」

謙介「うん。わかった。大事にする。」

美結「うん。私も大事にする。」

謙介「俺のものにしていいか。」

美結「…うん。」

と二人は抱き合い、美結が解放されたのは朝が明るくなるころだった。

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