第4話
帰宅後、母に電話をし今日あった出来事を伝えた。そうしたら、やってみてだめなら別れればいいし、美結が同棲までしてもいいと思えるなら、一緒に暮らしてみればいいといわれ、それもそうかと。親元もはっきりしてるわけだし、成人した人なら、自分たちの自己責任でしょとも。でも何かあればいつでも連絡しなさい。それとテレビ電話でも会いに来てもいいから、紹介しなさいよ。お父さんには、さらっと伝えるから、となんともあっさりしたもので、確かにそうだと思い、すぐというわけにはいかないが、連絡することになった。最初はSNSで伝えたが、今は少し仕事がバタバタしているので落ち着いてから、ということになり、佳代さんは案外早くてびっくりしていたそう。母に相談したことを伝えたら、面白い人だとも。
謙介さんは、別にいつでもいいと言ってくれてはいるので、申し訳ないが、お言葉に甘えさせてもらい、締め切りが近いと犬好きのスタッフさんが来てくれて、私は集中しすぎると周りが見えなくなるので、お願いをしてます。(有料)
それから6日後無事に終わり、連絡をすると、謙介さんは身軽なので、私が住む家に引っ越してくることになった。
部屋はたいして広くないしそれでもいいのかと聞いたら、問題ないとのこと、とりあえずは一度見学に来てもらい、持ってくるものを考えてもらう形になった。
そして、引っ越し当日、一階の両親が使っていた部屋を今は書斎にしていたため、二階の一部屋に移動し、そこを二人の寝室となった。
美結は本当は別がいいといったが、最終的には一緒になるんだから、
一緒に寝るんだと言い切られ、私がいいというまで、
手は出さないという約束のもと、了承した。
洗濯機は新しく買い換え、ほかはそのまま使ってもらうことにし、
その日の夜、リモートで私の両親に挨拶する予定だ。
本当は引っ越す前に向こうに行くのが筋だが、私も仕事が忙しいのもあったし、
謙介さんも出張があったりとお互いバタバタしていたため、
行くのは難しいので、仕事が落ち着いてから、
二人で会いに行こうということになった。
インテリアは、両親が北海道へ行ったあと、私は翡翠色が好きなので、翡翠色とオフホワイトを基調としたインテリアにしてある。
謙介さんはそのままでいいと言ってくれていて、ソファーは変え時だと思ったので、それは一緒に選びに行けたらいいと思う。ちなみに家賃はないけど、水道、光熱費等は折半で、食費は第二の財布を作ろうということになり、お互いが納得の金額で決まった。
一緒に住むにあたり、ルールを設けた。
1、仕事部屋には勝手に入らない。
2、どれだけお互いに忙しくても、朝食を一緒に取る。
3、言いたいことは隠さずに言うこと。
4,挨拶は必ずすること。
とりあえず、この四つで決まった。
家事は、二人で協力してすることになったが、料理は私の得意分野だし、別に苦でもないので、基本的には私が作ることになった。
謙介さんはリクやリオとすぐに仲良くなったみたいで、二匹は遊んでもらえてうれしい様子。
散歩は謙介さんが仕事の日はあたしが行くが、休みは二人と二匹で行くようになった。
引っ越ししてきて1週間がたったころ、一悶着があった。
謙介さんが仕事に出かけたお昼前、インターホンが鳴り、モニターをつけると、30代ぐらいの化粧の濃い女の人が立っていた。
美結は知らない人だが、謙介さんの知り合いだろうかと応答すると
沙織「泥棒猫、謙介さんを返せー」と怒鳴ってきた。
直ぐに謙介さんに電話をして、仕事中に悪いけど、重要な案件はないとのことで、飛んで帰ってきてくれた。正面からだと鉢合わせてしまうので裏から入ってもらい。モニターで確認してもらったところ、間山沙織という人で、だいぶ前にお見合いをしたそうだが、彼女の態度がよろしいものではなくて、両親も反対し、謙介さんも無理だと判断したそうで、その話は流れたそうだが、今は海外にいると聞いていたのになぜと疑問だったみたい。とりあえず美結が対応することになり、
美結「えっと、何の御用でしょうか。」
沙織「ふざけんじゃないわよ」
美結「何がですか」
沙織「謙介さんは私のものなのよ」
美結「えっと、言っている意味が分かりません。」
沙織「だ・カ・ら・私の男だと言っているの。謙介さんは私と結婚するの。いきなり横から奪いやがって。」
美結「あまり意味が分からないことを言ってると、警察呼びますよ。」
(もうすでに来てもらっているけど気づいてないみたい)
ちなみに、謙介さんが、もしもの為に、警察に電話してくれていたみたい。
沙織「この泥棒猫、何が警察だ。」といい、私の頬にビンタしてきた。美結は叩かれた反動で、後ろにひっくり返りそうになったが、謙介さんが後ろにいたみたいで、支えてもらい、倒れずに済んだ。
謙介「君は俺が君のものになった記憶もなければ、そんな約束もしていない、彼女にも謝れ。」
沙織「なんでそんなこと言うの」
と訳の分からないことをいっていたが、警察の人が来てくれて、彼女を警察に連れて行った。
謙介「美結、痛かっただろう、もう少し早めに出ればよかった。」
美結「これぐらい大丈夫よ。」
謙介「あの子の両親に連絡してもらえるように、親父に電話してたんだ。」
美結「それより、あの子少しやばいと思うよ。何を言っても通じないの。」
謙介「精神科に行くことを進めておくよ。」
美結「それにしても少しびっくりした。どうしてここが分かったのかな。」
謙介「俺は会社が変わってないし、探偵でも雇ったんじゃないかな。」
そういうとキッチンに行っていた謙介が氷嚢を用意してくれていた。
謙介「これで、冷やして、病院に行こう。必要なら被害届出すがどうする。」
美結「ありがとう、でもとりあえずはそこまで考えていないから大丈夫。」
謙介「あの子は俺との縁談が破談になったとき、彼女は一人娘だから我儘をたくさん言ってたんだ、俺の両親にも、同居はしないとかまだ見合いする前に家に押しかけてきたり、結構迷惑していて、ここ数年何もないから、安心してたんだ、俺が忘れかけてた時に、親父があの子は外国のお金持ちと結婚して子供も生まれたと聞いたときはどれだけ安心したことか。」
美結「すごいとしか言えない。」
謙介「今度、向こうの両親と話し合いになると思う、日付が決まったらいうよ。」
美結「家には来ないよね。」
謙介「来させないようにする。少し待って。」
美結「うん。お昼食べてく?」
謙介「今日は午後から休みにしてもらったから食べます。」
美結「わかった。作って待ってる。」
謙介「ありがとう。」
美結「こちらこそありがとう。」
それから謙介は弁護士に頼んでもらい、沙織の実家に近藤家と美結の接近禁止命令とともに、娘さんの精神がおかしいことで精神科に連れて行ったほうがいいことを伝えてもらった。
それから二人で少し遅めの昼食をとった後、一つお願いをした。
美結「謙介さん、仕事おやすみにしてもらって悪いんだけど、ドライブに行きたいなと思ってるんだけど、一緒に行ってくれないかな。」
謙介「美結、俺が運転するならいいけど、どこに行きたいの。」
美結「いいの?海を見たいなって。あの子たちも連れていきたいな。」
謙介のスマホが鳴った。
謙介「わかった。少しだけ待っててくれないか。」
美結「ありがとう。あのお子達の準備しておきます。」
謙介は電話に応対していて、私はリクとリオを呼び準備をした。
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