第15話 共存
悪魔祓い、エクソシストや霊媒師は、組織つくりのうまい類の人間が多い。
代々受け継がれてきた血筋を守るため。時には邪魔な人間を葬る際に悪魔を乱用する場合もある。呪い、祟りというのが妥当だと思う。
ファンタジー小説や、映画に出てくる悪魔は自然的なそのものに人格があり、神やその類の近親として見かけるが、大きく違うのは呪い、悪魔の使い方だ。
先ほども言ったように、自己の将来、繁栄のためにもたらせる呪いを巧みに使い蹴落としあいやっとのことで囲ったそのコミュニティは多くの屍の上にある。
代々受け継いできた囲いは今は大きく形を変え、今では”祓魔師”として徒党を組み全国にある呪いの被害を抑えている。
「あ~ごめん。邪魔するつもりはなかったんですが、、、風晴さんどちらにいらっしゃいます?」
びっくりして身を寄せ合うヒロト、榊。その前にはかなり背の高い青年が立っていた。
「あ、あああ、あああああの、っっっっつ風晴さんは、」
「あ~っと!ごめんなさい。僕はあなたたちは話には聞いているんですが、」
その男は、姿勢をぐっと直し顎をひいて
「僕は、東雲カイトとって言います。”祓魔師”の五人囃子の一人です。」
ヒロトは、ピンと来て尋ねた。
「ひな壇のとこですか?」
「ま、まあそうだけど君感がいいね。非難が遅れたここの市民の方?」
「あ、いいえ。風晴さんにつれられて。」
「ふうん。そうか、じゃあ君が、、、、」
真剣な顔をしてヒロトの顔をじっと見つめる東雲。
ガバッ!!!
「!?」
二人は凍り付いた。
東雲は涙を流し、ヒロトを抱きしめた。
「ああ!!!君が噂のヒロ君だね!!!話は聞いたよ!!今までよく頑張ったねえ。。ううっ。。。」
「イデデデデデデ!!東雲さん?きついきつい!ギブ!ギブ!!!」
抱きしめる力は強くどんどん丸め込まれるように絞められた。
「さ、さかき、、、」
ふと反応のない榊の方を見た。神妙な面持ちで、こちらをみていた。まるで(へえ、、、悪くない)といった顔で。
「家族に迷惑をかけないために都会に出たんだね!!なんて親孝行なんだ。わかる!!!わかるぞ!!その気持ち!!!無力な自分が悔しくて忌々しいだろう!!変わりたいだろう!!!」
「キュウ、、、、、」
酸欠に成程抱きしめられ、ふらふらとしているヒロトの肩を持ち揺さぶりながら
「でも大丈夫!!!風晴や僕がいる!!!それに弟子ちゃんもいる!!!もう心配しなくていいんだ!もう一人で抱え込まなくたっていいんだよヒロ君!!!!」
「あ!そうだ!そういえば風晴はどこだい?」
榊はあほ面からハッと我に返り
「風晴さんなら、韋駄天弓を使って依頼者宅に行ったみたいです。」
「彼が矢を放ってどれくらいたつ?」
「ざっと”15分くらいですかね?」
それを聞いた途端、東雲はたちまち矢を榊から奪い。そしてへし折った。
空気を咲いたような音とともに風晴が帰ってきた。
「風晴さん!?」
風晴は深い傷を負っていた。脇腹の服は破け、血が勢いよく流れていた。
「東雲か、、、案外、早かったね。助かったよ。」
「早く治療を!!」
榊が傷口の手当をしようと駆け寄った。
「いいや、待つんだ。弟子ちゃん。」
東雲は、榊を遮り続けた。
「今、、、手を、、、離したら、、、、内臓出ちゃうからさ。。はは」
「無茶するなよな。弟子たちを悲しませる気かい?君は本来、そういうキャラじゃないだろ?」
東雲はそういうと、榊の頭上に手をかざした。
「さ、代償は?」
風晴は、余裕のない笑みを浮かべ。
「へへ、食いたいもん食わせてやるよ。」
「了解。ちゃんと上げるんだぞ?」
突然、風晴の体は燃え上がった。めらめらと轟音を立て大きな火柱になった。
ヒロトは、状況が呑み込めなかったが。炎?
榊の方を向くと、首をなんども左右に振っていた。
燃え盛った火が落ち着くと、なんと外傷はすべて完治。傷や血は灰となり風晴は何事もなかったように立ち上がった。
「ヒロ君は、無事目覚めたようだね。何ともないかい?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます