第2話 わたくし誰ですのぉお!!
アリシア・ゼバーナというのが本来のわたくしの名前。アメリカでのちに大統領となる議員の父と資産家の娘である母の元産まれ、幼いころか高等な教育を受け、15で大学へ入り18で会社を設立。
世界中を飛び回り、あらゆる教育を受け、あらゆる贅を尽くしたわたくしは―――
どうやら別世界にきて、別の人間になったようですわ。
いえまあ非現実的なのはわかっていますが、そうとしか言えない状況ですので受け入れますの。変化に対応できない人間は没落するだけですのよ。
とにかく、今は状況を把握することが大切ですわ。
今わかっているのは、わたくしの名前がタマラであること。
そして……
「熱出して倒れた時はもうだめかと思ったぞ! いやー、無事でよかった!! 知ってるか? もう2日は眠っていたんだ!」
と、涙ながらに話す大柄のおじ様が、こちらでのわたくしの父、バーコフ氏であるということです。
当然記憶もないので実質初対面ですの。
どうやら私は二日も眠っていわゆる死にかけの状態だったそうです。
父親からしてみれば死にかけの娘が復活したと思ったら、記憶もない上に性格も変わっているとなると、そのショックは計り知れないでしょう。
悪くすればそれで育児放棄、いえもしかしたら殺害まであるかもしれませんの。
生まれ変わっていきなり死亡とか笑えませんわ。
傷つけないように、記憶がないことと、長い長い夢を見ていた的なことでごまかす様に伝えると……
「大変だったな! まあ無事だから細かいことはいいか!! はっはっはっ!」
と、秒で解決いたしました。
お父様、それはさすがに大雑把すぎますの……。
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