第3話 王の間

 THE・王の間。


 入室したのはそんな部屋だった。


 赤じゅうたんに玉座。絢爛なシャンデリア。おおよそ日本ではお目にかかれない光景である。


 玉座には男が座っている。一言で表すなら、空前絶後のイケメンボーイ。二言目があるとすれば、超絶怒涛のジャニーズ野郎。嫉妬すら覚えないほど整った容姿の持ち主である。


 ルックスから判断するに青年と少年の中間くらいだろうか。王にしては若すぎる。だが風格は容姿に伴っていない。この人が王様だと紹介されたら、違和感なく受け入れるだろう。


 格好いい。男性アイドルにハマる女性の気持ちが少しわかった。


「……………」


 しかし玉座とは何事だろうか。やはり、誤って映画のロケ地に迷い込んでしまった説が有力か。


 最近は何百億かけて中世ヨーロッパ風のドラマを撮影する風潮もあるみたいだし。なんとかスローンズとか。


「あなたが、4人目か」


 涼やかな声が耳を打つ。もちろん発声主は、空前絶後のイケメンボーイだ。容姿に違わず中世的な声をしている。


 どうやら俺に向けた言葉のようだ。しかし思い当たる節はない。


 と。


 玉座にばかり目を向けていたようだ。イケメンボーイに正対するよう、3名がこちらに背を向ける形で均等に並んでいるのが視界に入った。


 この3人+俺、つまり4人目ということか。


 はて。どういうメンツだろう。


 とりあえず4人目という言葉に従って、一番右——イケメンボーイから見て左端——の位置に立つ。


「では……話を中断して申し訳ない。続きから、といきたいところだが新参もいるので初めから説明する。ただ、その前に……」


 と言いつつこちらをギロッと睨む。


 ええ。イケメンが怖い顔してる。これはおしっこ案件。俺が社会人経験ゼロのプロニートだったら確実に漏らしてる。それほどの威圧を感じる。


 とはいえ睨みつけられる理由はない。はて。


 イケメンは一息フゥーっとした後、こう言った。


「なぜ、腰布を巻いただけの半裸状態なんだ?」


「え?」


 ダメなの?











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