世界を支配する巨大な闇

闇度★★★★☆

知名度★★★☆☆

規模★★★★☆

関連：アドレノクロム・アメリカ大統領選挙不正疑惑

　このエッセイでもすでに何度か登場している謎の組織だ。影の政府、DSと呼ばれることもある。アメリカ政府内に存在する闇のネットワークのようなもので、トランプ元大統領はディープステートと対立関係にあるとされている。このディープステートVSトランプの構図を信じ、トランプ元大統領を信奉する者の集まりがQAnonだ。

　以前紹介したアドレノクロム陰謀論では、バイデンやヒラリー・クリントンのような民主党の政治家が標的になることがある。陰謀論によれば、両者はどちらもディープステートの重鎮で、アドレノクロムのヘビーユーザーらしい。トランプが在任中に小児性愛者への取り締まりを厳しくしたことや、エプスタイン島事件の存在がこの陰謀論を強化した。

　他にも、アメリカ大統領選挙での工作でトランプを落選させた、ワクチン接種を広めることで人口削減に加担している、など数々の悪行の犯人がディープステートということになっている。陰謀論はたいてい「ディープステートの仕業」と言っておけばいい。

　このディープステート説が厄介なのは、存在しないことを証明できないことにある。

　陰謀論を確実に論破しようとすれば、こちら側は悪魔の証明をしなければならない。アメリカ大統領選挙では（結果に影響を与えたかどうかは別として）本当に不正が行われたのかもしれないし、子供の脳をナンチャラして若返ることができると信じる集団は実在し、犠牲になった子供がいるかもしれない。厳密な意味で陰謀論を嘘と証明するのはたいてい不可能だ。

　しかし、世の中はそう単純ではないので、陰謀論者ではない私たちは、より信頼度の高い情報を選び取ることができる。発信者が誰なのか、他に同じ情報を発信している機関はあるか、その情報は正しいのか。それを見抜く力が身に付いていなければ、インターネットを使うことは難しい。