害悪度★☆☆☆☆

知名度★☆☆☆☆

トンデモ度★★☆☆☆

関連：ディープステート

　空を見上げると、白く長い筋を残して飛び去る飛行機を見つけることがある。そこにも陰謀論がある。

　ケムトレイル陰謀論は、飛行機雲に密かに有害物質が混ぜられているとする陰謀論だ。ただの飛行機雲ではなく、何時間も空に残り続ける濃い飛行機がケムトレイルとされている。

　ケムトレイル陰謀論は日本ではあまり知名度がないが、アメリカなどで25年くらい前から広がった。ケムトレイルという言葉は、chemical（化学物質）+trail（痕跡）の造語らしい。筆者はずっと煙トレイルだと思っていた。

　ケムトレイルに含まれるとされる有害物質には、以下のようなものがある。

・重金属や放射性物質

・何らかの病原体、インフルエンザウイルス

・ナノロボット

・ポリマー微粒子　等

・ケムトレイルは気象操作兵器

　陰謀論にありがちなソレっぽいものてんこ盛りだ。その目的には人口削減、地球温暖化、病気をばら撒くことで製薬会社の利益を生み出すといったものがある。これも定番だ。

　また、ネット上にはケムトレイルの証拠とされる写真や映像が散見される。例えば、飛行機の内部にずらりとタンクが並ぶ写真。ケムトレイル陰謀論では、そのタンクに飛行機雲に混ぜてばら撒く薬剤が入っているとされたが、実際は飛行試験のために積まれた水のタンクだった。飛行機がまさにケムトレイルをばら撒いている瞬間とされる映像がFacebookで拡散されたこともある。しかし、その映像は飛行機が緊急着陸のために燃料を投棄している瞬間のものだと後に判明した。やはりネットリテラシーは大事だ。

　ケムトレイル陰謀論は、反ワクチンやアドレノクロムに比べれば無害だ。だが、空の飛行機雲に毒が混ざっているなど本気で信じる人とお近づきになりたい人は少ないだろう。