第二章 主な陰謀論とその解説
いま、一番勢いのある陰謀論
反ワクチン
害悪度★★★★★
知名度★★★★★
トンデモ度★★☆☆☆〜★★★★★
関連:新型コロナ懐疑論・5Gは危険・ビル・ゲイツは極悪人? etc
反ワクチンは歴史の長い陰謀論だが、新型コロナワクチンの完成に伴い、ぐっと勢いを増した(実際、ワクチンを開発した各国のプロパガンダ合戦によってワクチン関係のデマが流されているのでは……という話もある)。
ここで、筆者が見つけた反ワクチン関係の興味深い陰謀論を紹介する。
『ワクチンを打つと不妊になる』
新型コロナワクチンに限らない、定番のワクチン陰謀論だ。一部の発展途上国ではこの陰謀論によってポリオワクチン忌避が起こり、根絶を困難なものにしている。
また、中東地域では「ワクチンはイスラム教徒を不妊にして滅ぼそうとする欧米の陰謀だ」という陰謀論が存在する。それほどよく広まっている陰謀論なのだ。
ファイザー社元副社長という肩書きを持った人物もこの陰謀論を拡散したが、彼は典型的な〈教祖様〉型陰謀論者である。(陰謀論者の分類については、後の章で解説する)
『ワクチンにはマイクロチップが入っており、5Gによって洗脳されてしまう』
体内に入れて使うマイクロチップは実在するが、細い注射針を通れる大きさのものは存在しない。以前、ネット上で新型コロナワクチンに含まれるマイクロチップの回路図とされる図面が広まったことがあったが、有識者によってすぐにギターアンプの回路図だったことが判明した。
『ワクチンを打つと遺伝子が改変される』
SF的で面白い。mRNAワクチンという、いかにもな名前から生まれた陰謀論だろう。
本当にこんなことができるのなら、遺伝性疾患を治したり、ガン家系の人を救ったりできそうなものだが……。どちらにせよ人間の遺伝子を書き換えることは禁止されている。
ちなみに、『mRNAは体内に半永久的に残るので長期の副作用が予測できない』という説もデマだ。
『ワクチンによって改変された遺伝子は製薬会社の著作物になる』
筆者は爆笑したが、どうやら本気で信じる人もいるようだ。これの派生で、『製薬会社やビル・ゲイツの許可なしに薬が飲めなくなる』というものもある。
『ワクチンには安楽死に使う劇薬の塩化カリウムが含まれているので打ってはいけない』
確かに、ファイザー社の新型コロナワクチンには塩化カリウムが入っている。しかし、致死量には遠く及ばない。
塩化カリウムは様々な薬や食品に入っている。毒が入っていることが問題だと言うのなら、あのトリカブトですら漢方として利用されている。
コップ一杯の醤油を飲むと大変なことになるが、刺し身にちょっとだけ付けると美味しい。それと同じだ。
『ワクチンには水銀が含まれている』
従来のインフルエンザワクチンには、エチル水銀という物質が含まれている。これは人体に害が無く、水俣病の原因物質であるメチル水銀とは別物だ。
また、ファイザー社製新型コロナワクチンにエチル水銀は含まれていない。
ここで、悪意を持った誰かが「新型コロナワクチンには水銀が入っている!」というデマを発信したとしよう。何も調べずに反論できる人はどれくらいいるだろう。もし、ファクトチェックをせずにそのデマを信じ込んでしまったら?
陰謀論者はこうやって作られていく。
副作用(副反応)の無いワクチンや薬は存在しない。ゼロリスクは理論上不可能だ。
自分の考えでワクチンを打たないことは悪いことではないが、自己決定ができない子どもにわざと各種ワクチンを打たないことは虐待に等しい。(病気のリスクが上がるだけでなく、一部の職業に就けない、海外留学に行けないといった悪影響も生じる)
新型コロナワクチンについては、現在、真偽不明の情報がインターネット・メディアで多く飛び交っている状況だ。
医師や科学者にも反ワクチン派がいる。何が正しい情報で何が間違ったデマなのか、知識の無い一般人に見分けることは難しい。
新型コロナワクチンの中身については、「コミナティ筋注」でググると出てくる。
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