新型コロナ懐疑論

害悪度★★★★☆

知名度★★★★★

トンデモ度★★☆☆☆〜★★★★☆


関連:反ワクチン・5Gは危険 etc



 2020年7月の都知事選を覚えているだろうか。「コロナはただの風邪」を掲げた候補者が出馬し、反響を集めた。

 ロックダウン、自粛、休校、マスク、エンタメ制限、オリンピック延期。100年ぶりのパンデミックによって人々の生活は制限され、一部の人々の溜まりに溜まった不安と不満は、陰謀論へ昇華した。



『コロナはただの風邪』

 新型コロナウイルスの脅威は季節性インフルエンザと同等であり、大げさな対策など必要無いとする陰謀論。陰謀論と呼ぶまでもないものかもしれない。

 おそらく正常化バイアスによって現実を正しく把握できず、事態を過小評価してしまっているのだろう。


『コロナは存在しない』

『コロナはただの風邪』の進化型である。ドイツの何者かがコロナウイルスの存在証明に約1億3000万円の懸賞金をかけたらしい。本当にくれるのだろうか。

 この陰謀論を信じる一派は、都庁などに新型コロナウイルスの存在を証明する論文の開示請求を行い、「その文書は作成および取得していないため存在しない」という返答に大喜びしている。大阪府や京都府にも同様の請求を行ったらしい。

 だが、よく考えてほしい。行政は研究機関ではないので、新型コロナに関する論文など持っているはずがない。おそらく柴犬の存在証明を請求しても、同じ回答が来るだろう。

 そして、文書が存在しない→コロナは存在しない、は論理の飛躍が過ぎる。文章読解力の無い人間を騙すことは簡単だ。大事な文書はよく読もう。


『コロナの正体は5G』

 なぜそうなるのか筆者にはよく分からないが、『コロナは存在しない』の派生陰謀論だ。この2つの共通点といえば、中国由来ということだけだろう。


『コロナは生物兵器』

 コロナウイルスは何者かが人工的に作り出したウイルスだという陰謀論。その目的は、人口削減、ワクチン接種による洗脳などがある。

 生物兵器として使える病原体には、高い致死性を持つこと、有効な薬やワクチンが存在することなどの条件が必要となる(炭疽菌、ボツリヌス菌などが該当する)。

 新型コロナウイルスはどちらも当てはまらなかった。現に中国も大変なことになっていたではないか。

 武漢市のウイルス研究所から流出した、という説の方が、まだリアリティがある。



 


 


 

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