荷物
匿名
終
抱えきれないものを背負っている。
「2人とも、ごめんなさいをして?」そう先生に言われたことってあるよな。中には俺や君が全く悪く無いのに。そんな唯の軽い話も俺は事ある毎に1人を選んでしまったが為に文字になって頭に残り続けた結果、謝意なんかは全て話半分に聞く様になってしまった。
貴方の感謝も謝罪も受け取ります、まあ嘘だろうけどね。僕のも嘘と受け取ってもらって構わない。そうじゃ無いと筋が通らないじゃないか。
俺が誰かに傷つけられた分、誰かを俺は傷つけ続けている。
どれだけ辛かろうが俺は努力の仕方も忘れたのに動き続けている。何か綺麗なものをずっと探して上を見ている。人の目を見れなくてずっと下を見ている。現状なんて変わりはしないとこうして文字を書いている。留まり続けている。
ずっと贖う気持ちで生きている。軽い気持ちで貪るように聴いた音楽も誰かの最期の曲だったかもしれないし、つまらねえと笑いながら捨てたゲームも何人もが必死になって作ったものだったのかもしれない。勿論俺の感性は普通だけれど、ふと脳裏に浮かんで全てに謝りたくなる。
君だって貶した人や作品は数知れないだろう?
こんな感情も何千年も生きた人類にとっては既にありふれた感覚で、ひいてはこんな文字も無限にある盗作品だろう。この言葉で誰かが傷つけばいいと思っている。俺のように全てを諦めても綺麗な夜は消えなくて縋り付くように生きるやつが増えればいいと思っている。
人の心を表すのに口で喋るという行為は余りに不適切で、言葉を紡いで脳裏に浮かんで行く物だけが本物だと感じている。
人が発音するべきは歌だけでいいと思うんだ、だって素敵じゃん。
言葉と音を覚えて歌う君の頭に浮かぶものが見たい。僕の見たい景色は僕じゃ見れないんだ。僕が死ぬ1秒前まで見えないと確信している。その為だけに生きているんだから。
この大荷物を背負ったまま逃げて行きたい。田舎のあぜ道を通っていこう。そこで90年代の曲でも歌ってみよう。
荷物 匿名 @Muser_wga
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