第4話 童貞くん✨😛✨✨💕

 その日からラブリは何度も僕の部屋へやって来ては何かしらを借りていった。



 彼女が来るとピーチのような甘美な匂いが漂ってくる。

 その都度、胸の高鳴りを抑えられない。



「ねえェ、童貞くゥ〜ん……( ꈍᴗꈍ)✨✨💕

 お願いがあるのォ✨💕」

 甘えるようにお強請ねだりをしてきた。


「あのですねえェ……(・o・;)!! その呼び方、なんとかなりませんか」

 恥ずかしくて堪らない。


 『童貞くん』なんて美少女奥様に呼ばれているのを近所のオバさん方に聞かれたら、それこそ大ごとだ。



「え、どうしてェ……(. ❛ ᴗ ❛.)!!

 だって、童貞くんじゃン!!」

 アイドルみたいにニコニコして毒舌を叩きボクの繊細な心をキズつけていく。



「いやいや……、なんで決めつけるンですか。出来れば、ゴーッて呼んでください」



「ねえェ〜、ちょっとニンジン貸して」

 勝手にキッチンの冷蔵庫を開けて探していた。ボクの要望はスルーだ。



「はァ……、ニンジンですか。どうぞ」


「それと、ねえェ〜……。タマネギも」



「はあァ……、お好きなように……」



「あとジャガイモも貸してね!!」

「ハイ……、ご自由に」

 ニンジンにタマネギ、ジャガイモッて。

 まさか。



「それから牛肉もね」



「ッてェ……、カレーの具材、全部借りる気ですか!! そっちには何があるンです。

 カレーのルーだけ買ってきたンですか」

 


「ううゥン、カレーのルーも頂戴!!」

「なんなんですか。全部、家でカレーの用意をする気なんですか」

 僕が文句を言うが美少女奥様のラブリは、まったく動じない。



「あとキッチンも貸してね。

 鍋もおタマも……✨😛✨

 それからご飯も頂戴!!」

 結局、全部借りるつもりなのか。



「はァ……(ب_ب)!! わかりましたよ。

 どうぞ!! お好きなように、家でカレーでも、なんでも作ってください」

 この子には何を言っても無駄みたいだ。

 諦めるしかないようだ。




 結局、今日の夕食はカレーライスになりそうだ。香ばしい匂いが部屋に漂ってくる。




「ねェ、それからちょっと洗濯機を貸してェ……( ꈍᴗꈍ)!!!」

 なおも図々しく美少女奥様は部屋から洗濯モノを抱えて持ってきた。



「はァ、どうぞ。ご自由に……(‘~`;)!!」

 ボクが嫌だなんて言うはずがない。

 

「それとォ、洗剤も貸してねェ……」



「ハイハイ、ご勝手に……」

「洗濯し終わったら、ベランダのモノ干しも貸して」



「ええェ……、何でも、お好きなように」

 あっと言う間に、僕のベランダはカラフルな女性用の下着だらけになった。



 ピンクに黒に、ブルー、イエロー、グリーンと鮮やかなパンティやブラジャーが干してある。



「あッあァ……(・o・;)!!!」

 なんとも壮観な眺めだ。

 


 すでに僕の部屋は美少女奥様のラブリに侵蝕されはじめていた。




☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る