第110話 (2014年1月14日)成人式
1月12日
「お、久しぶりやん!なんしよーと?」
「浩介やん、元気しとったや?」
「おー、元気しとったよ。そっちは?」
懐かしい顔が見えた。
中高で仲の良かったオタク友達だ。
今日は高校の同窓会兼成人式に参加している。
高校近くのホテルの宴会場を借りての食事会だ。
皆んなスーツやドレス、振袖に身を包んでいる。
前世でも思ったけど、男はあんまり変化がないが女の子の代わりようがすごいんだよな。
地味だった女の子が垢抜けて綺麗になっていたり、少しぽっちゃりぎみだった子が痩せて可愛くなっていた。
美咲達も振袖に身を包んでいて綺麗だ。
中でも渚はやっぱり似合っている。
「やっぱり地元は落ち着くわー、東京は人が多すぎるっちゃん」
「それな、浩介はこっちの大学やろ?就職もこっちなん?」
「いや、来年には東京に行こうかと思ってるとこ。単位も順調だし」
「そうなんや!こっちきたら飲み行こうや」
「彼女達はどこ行ったと?同じ大学よな?まさか別れたと?」
「いや、一緒にきたよ、向こうで女の子同士で話してる。てかお前らに付き合ってるっていったっけ?」
「いや、聞いとらんけど。てか冗談のつもりやったんやけど、ようやく付き合ったんか!」
こいつらにはバレてなかったか、この前文化祭で話しかけてきた後輩は事実というよりも噂を信じていたのかな?
まあそっちが事実なんだけど。
「まあな、付き合ってるよ」
「良かったなあ、誰選んだと?」
なんか、普通に喜んでくれると隠していた事に罪悪感を感じるなあ。
「全員」
「マジかよ・・・お前・・・」
「かー、羨ましいやつやなあ。俺なんか未だに彼女の一人も出来てないとに」
「まあ俺は彼女出来たっちゃけどな、出来てないのはこいつだけか」
「あ〜、なんか・・・ドンマイ」
「憐れむのはやめろよ!」
まあいつか出来るさ、多分。
「浩介!こっち来てー!」
聖奈に呼ばれた。
「あ、彼女に呼ばれたからいってくるわ。彼女にな」
「しゃーしい(うるさい)!彼女を強調するなよ!」
う〜ん、楽しい。
まあいじるのはこの辺にしておいてあげよう。
「どうしたの?」
「あ、浩介!覚えてる?修学旅行で一緒だった子!」
「久しぶりー!ウチらのこと覚えとー?」
「もちろん覚えてるよ」
高校生の時、唯一彼女達と付き合っていることを打ち明けた2人だ。
俺と美咲や聖奈のことで杏奈が質問攻めにされていて、嘘をつかせたくなかったから言ったんだった。
高校の時からチャラそう、というか陽キャオーラがすごかったが、今は髪も染めていてもっと派手になっている。
こう見えても普通に頭が良くて、確か東京の大学でそれぞれ医学部と歯学部に行っているはずだ。
「杏奈とも付き合ったんやってね〜?」
「あ、聞いたんだ?そうそう」
「わ〜、やばいね〜。ハーレムじゃん」
「美咲達は浩介君のどういうところが好きなん?」
お、聞きたいな。
「えーいまここで聞くのー?」
「よかろー?減るもんじゃないっちゃけん!」
「また今度東京行く機会があると思うからその時にね!浩介に聞かれるの恥ずかしいんだもん!」
美咲は顔を赤くしている、可愛い。
昔から変わらないなあ、こういうところが好きなんだ。
「東京くるとー?じゃあ、その時に根掘り葉掘り聞いちゃるけん!」
「その時は浩介は抜きね〜!」
「えー、俺も聞きたかったなあ」
「だーめ!」
それは残念。
美咲達の気持ち気になるなあ、夜にでも聞き出してみようかな?
夜は素直になるし。
1月14日
昨日13日は一昨日に引き続き地元で成人式があった。
2日連続でこういう催し物があるのはなかなか大変だ。
着付けや髪のセットをしないといけない彼女達はもっと大変だったろうな。
久しぶりに美咲と渚と3人で地元に帰ってきた。
聖奈や杏奈達はそれぞれの地元の成人式に出席している。
俺たちは中学から地元を離れたから小学校時代の知り合いしかいない。
というか、小学生時代は美咲達にかまけていて、それ以外の友達を作る気が全くなかったからなあ。
美咲や渚は少しは交流しているが、俺は全然。
何人かに話しかけられはしたけど正直あんまり覚えていない。
特に男には興味ないし。
美咲達もそこまで地元に交友関係があるわけでもないからなあ。
市長のありがたい、長々としたお話を聞いてさっさと帰宅した。
そして今日14日はFXの取引を進める。
今年1月に入ってからFXのポジションの決済を進めていて、今日の取引で全て完了だ。
去年の6月に仕込んだもので、ドル円は1ドル95円で50万ロットを購入し、ユーロ円は1ユーロ127円で33万ロットを購入していた。
ドル円は平均1ドル104.5円で決済し、決済額は665億円。
ユーロ円は平均143.5円で決済し、決済額は535億5000万円になった。
合計で1200億5000万円。
前回の取引では3000億円の利益を出していたが、その時は政権交代という大きな動きがあったおかげだからな、まあこんなもんだろう。
これを何に使うか、なんだけど・・・去年の利益額がすごいからな、納税額も大変な事になるはずだ。
多分、次のFX取引に使う資金と納税分を除いたらほとんど残らないだろう。
株式を売却せずに済むだけマシかな?
それから、株式の一部を資産管理会社の方に現物出資という形で移動した。
物によっては配当にかかる税金が安くなる。
雇っている人も増えたからな、給与を払うための原資が必要になった。
移動した株は、東洋陸地株、アムーズ株、ソフトパンク株、SOMY株、サイハーエージェント株、どワンコ株の6銘柄、購入時の価格で総額461億円になる。
購入時よりも今の方が値上がりしているため、譲渡差益分は納税しないといけない・・・計算が面倒だなあ。
後は、コロフラ株の売却を開始した。
もう十分値上がりしたし、長く持っているつもりもないしな。
できれば1週間程度で売却を終わらせたい。
ふぅ・・・今日の仕事はこのくらいかな?
あぁ、東京で買い進めている土地のことも不動産屋に確認しておかないとなあ。
面倒だし渚に任せようかな?
・・・うん、それがいいな。
そろそろそれくらい出来るだろう。
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