第87話 女子会
「じゃあ、この内容で問題なかったらここにサインして印鑑押してね」
「うん、大丈夫だよ!これからよろしくね!でも本当にあの制服着るの?」
「こういうのは形から入るべきだと思うんだよね」
目の保養になるし。
「んー、まあいいけどねー」
今日から由依ちゃんを雇うことになった。
これから家の掃除などの家事をしてもらうことになる。
契約書の作成などは、プロにお願いして作ってもらった。
細かいことは自分ではできないからな、お金で解決できることは全部頼んだ。
楽をするために苦労するのは本末転倒だからな。
制服はもちろんメイド服を用意してある。
ちゃんと仕事用のおとなしめのデザインだが、目でも楽しみたいからな。
そもそも由依ちゃんも普通に可愛いし、文化祭の時もメイド服は似合っていた。
「私はもうちょっと露出の多いメイド服を推してたんだけどね〜?」
「渚はもう少し欲望抑えようか?私あんな格好で仕事できないよ?」
「む〜、動きやすいのにな〜!」
だよな〜、渚のいうことはもっともだと思う。
「色々気にしちゃって逆に動けないよ!」
今のところはあくまでもバイトだけど、大学を卒業したら社員という形で雇う予定だ。
由依ちゃんも既にそれには納得している。
まあ今のバイト代でさえ週40時間、フルで入れば年収は日本の平均以上にはなるからな。
女子大生でこれ以上稼ぐなら、夜の仕事をするしかないだろうし、場合によってはそれ以上ある。
まして正社員ともなれば給料的には全く問題ないだろう。
「家は広いけど、私も手伝うから安心してね!」
「美咲ありがと!でもお給料貰うからね、甘えずにちゃんとやるよー」
「1人じゃ流石にきついだろうから、これからもっと人を増やす予定だからね」
「わかった!がんばるね!」
「うん、掃除する場所とかは美咲に相談してね」
「じゃあ、着替えてくる!」
由依ちゃんは早速仕事に取り掛かるようで、着替えに行った。
他にも誰か働いてくれる人がいたらいいんだけどな。
来年にはなるけど、後輩を紹介してもらうか?
9月
〜ピンポーン〜
「お、先輩達来たかな?」
「みたいだね〜!出迎えに行こ〜?」
今日は渚を含めてサークルの女の子10人が集まって女子会をするらしい。
夏休み真っ只中だからか、いつもよりは参加人数が少ないようだ。
以前言っていたように、渚も誘われてウチですることになったみたいだ。
「お邪魔します・・・?」
「え、なにここ?」
「渚ちゃん、ここは?」
「ここが私たちの家ですよ〜?」
「あ、どうぞ。案内したら、俺はすぐ自分の部屋に戻るんで」
女子会に参加するような無粋な真似はしない。
どんなに仲が良い女の子でも女子会になると結構気まずいんだよな。
下ネタとかエグいし、生々しいんだよな。
俺の話題が出ないことを願うばかりだ。
彼女4人と同棲している時点で普段からそんな感じではあるけど。
「えっと、ここってシェアハウス?にしてはおっきいけど、マンションでもないよね?」
「想像と違いすぎて、道に迷ったかと思って、何度も行ったり来たりしちゃったんだけど」
それでか、予定よりちょっと遅かったもんな。
「俺の家ですよ。俺と渚と、あと何人かの女の子と住んでます」
「????」
「自分で土地買って、建てた家ってことです」
「「「「「「「「「ええぇぇぇ?」」」」」」」」」
渚以外の9人分の驚く声が聞こえてきた。
この反応もわかるけど、とりあえず虫が入ってくるから中に入って欲しいんだけど。
「とりあえず中にどうぞ、案内するんで」
「あ、うん。そうだね」
みんなをリビングに誘導すると、何故かみんな静かについてくる。
美咲達には事前にリビングを使うことを伝えているので、自分達の部屋に居る。
「ここがリビングなので、自由に使ってください。じゃあ俺はこれで」
「いやいや、ちょっと待って、え?え?」
「え?ちょっと浩介君、完全に説明足りてないよ・・・」
まあ、そうだろうなあ。
準備を手伝いながら説明するか。
「ということは、小学生の時から投資をしていたと・・・」
「それでちょっと儲かったから家を建てたと・・・」
「もしかして浩介君って説明下手?」
「いや、それ以上でも以下でもないので・・・」
「ちょっと儲かったって、ここめちゃくちゃお金かかってるでしょ?・・・”ちょっと”?」
「”そこそこ”・・・ですかね?」
「ここは”かなり”を使うんじゃないかな?」
「あ、はい。まあとりあえずそんな感じですね」
「投資で儲けてるとは聞いてたけど、ここまでとは思わなかったよー」
「ねー、旅行にいけるくらい稼いでるのかー、と思ってたけど規模が違った」
「プールがある家って初めて見た!」
「そういえば、さっき他の子とも一緒に住んでるって言ってたけど、その子達は?」
「今は自分の部屋にいますよ〜」
「あ、そうなんだ。女の子なんだよね?もしよかったら参加しないかな?」
「使わせてもらうの申し訳ないしね!」
「あ、じゃあ聞いてみますね〜!」
「それでその子達との関係は?渚ちゃんとは付き合ってるんでしょ?」
それも聞かれるよな。
「全員彼女ですよ。みんなと付き合ってます」
「「「「「「「「「えええええ???」」」」」」」」」
いやまあ、この反応になるよな。
さっきも聞いたけども。
「あ、みんな参加するって返信きました〜!すぐ来るみたいですよ〜」
「じゃあ、俺はこの辺で」
「いや、浩介君も参加するよねー?」
「こんな気になるところでお預けは嫌だよ?」
「え〜、でも女子会ですよね?」
「そこはほら、ゲスト参加もありだよね。そもそも家主を追い出すなんてそんなことできないよ〜」
なんか、大変そうだな・・・。
「浩介大変そうだね〜?頑張って〜?」
「いや渚は人ごとじゃないだろ」
「ま、そうだけどね〜!」
この後部屋にいた3人がリビングに来て女子会?が始まった。
俺がいる時点で女子会ではないような気もするけど。
美咲も聖奈もコミュ力あるんだよな。
このサークルの人たちとは初めて会ったはずなのにすぐ打ち解けていた。
杏奈は静かに見守っている。
話しかけられれば普通に話せるが、真顔だと怖いくらい顔が整いすぎていて、初めての人は話しかけづらいみたいだ。
「まさか小学生の時から二股とは・・・やるねぇ」
「二股って言ってもお互いに知っている上で付き合ってますからね、騙したりとかはしてないですよ」
「まあ、確かにー」
「現実にこんなハーレム作ってる人がいたとは・・・!しかもこんな身近に!」
「しかもこんな可愛い子ばっかりだしー!」
「ウチも彼女に立候補しよっかなー!どうかなー!」
「先輩酔ってます?」
「ぜーんぜん!酔ってないよー!」
顔真っ赤だけど。
「先輩ダメですよ〜?人の彼氏とっちゃ〜」
「えー、でももういっぱい彼女いるじゃん!」
「それはそうですけどね〜」
「で、どう?浩介君ってうまいの?」
おっと、話の方向性がおかしくなってきたぞ?
「あ、気になるー!どう?どう?」
先輩達はみんな酒が回ってきたな。
同期の女の子達も興味津々で渚を見てくる。
「え〜、どうなんですかね〜?私浩介しか知らないんで〜」
「・・・俺部屋に戻ってもいいですか?」
「ダメに決まってるでしょー?ウチはまだ聞きたいこといっぱいあるもん!」
あるもん、じゃないんだよ可愛いなあ。
年上の女の人が酒に酔って可愛くなるのっていいよな〜。
この後夜中遅くまで女子会は続いた。
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