第82話 (2012年7月25日)1000億

7月25日


ユーロ円相場が94.3円にまで円高になっていたので、決済注文を出す。

利益額は616億円、元手と合わせて792億円になった。


・・・なんかもうよく分からないな?

多分これで株式も合わせて資産1000億円を超えた。


んー、1000億か・・・1000億・・・。


・・・1000億円ねえ〜?


1000億って何円なんだろう?


「・・・ハハッ、1000億は1000億だよな?」


大分混乱してるな?

・・・ちょっと落ち着こう。


ふぅ〜。こういう時は深呼吸だ。


今この部屋に渚がいなくてよかった。

いたら変な目で見られたかもしれない。


とりあえず今手に入れた資金の半分で、ユーロ円の買い注文を出す。

全額使わないのは、FXの場合、保有ロット数に上限があるからだ。


平均1ユーロ95円で合計84万ロットの買い注文を出し、証拠金は319億2000万円になった。


多分今後は政権交代で、かなり円安に動くはず。

FX口座には余剰資金として72億8000万円が残る。


資金のあと半分、400億円の使い道の一部はすでに考えてある。

今年の12月にとあるオンラインゲームの会社が上場する。

そこに投資するつもりだ。


ただ、そこだけでは使いきれないはずなので、他のいくつかの企業の株もチャートを見つつ取得していく。

予想以上に利益が出たから逆に投資先を探すのが大変だ、できれば数ヶ月のうちに見つけて購入してしまいたい。



「今日梅雨明けたみたいだね」


「ね!もう夏だね!」


「あ、浩介取引終わったの〜?お疲れ様〜!」


「ありがとう!それでね、今やりたいことがあるんだけどわかる?夏といえば?」


「お祭りー!」

     

「それもあるけど今言いたいのはそれじゃないんだよね」


「花火大会!」


「それももうすぐあるけど、ちょっと違う」


「お盆かな〜?」


「わざと言ってる?目の前にあるでしょ?ほらプール!」

今みんながいるリビングの目の前にはプールがある。


「あー!確かにー!」


「聖奈・・・ほんとに気がついてなかったんだ〜・・・」

渚はわざと言ってたんだな?


「ちょっと渚!?残念そうな顔で見ないでよー!」


「ということで明日プールに水を入れるから、水着買いに行こうよ」


「いえーい!楽しみー!」


「ようやくだね〜!家ができた時から楽しみにしてたんだ〜!」



学校帰りの愛美達も拾って商業施設に向かう。

もちろん車1台には乗りきれないので、美咲にももう一台運転してもらっている。


そうそう、6月末には購入していた残りの3台とも届いたため、全部で6台の車が家の駐車場には並んだ。

今度もう何台か買っておくか。



「美咲、これなんてど〜お?」


「だめだよー、普通のやつがいい!」


「だって〜、外から見えないんだよ〜?すっごいの着ても見られないんだよ〜?最悪全裸でも安心だよ〜?」


「それでも!恥ずかしいでしょ?」


「もったいないな〜、せっかく浩介にアピールできるのに〜」

それ俺がいる前で話すことかな?


「んん〜、でも〜、浩介はどっちがいい?」


「美咲ならどんな水着でも似合うしな〜、ちょっとセクシーなやつだと嬉しいけど」


「そっかー、じゃあちょっと考えてみる!」

むしろ選ばずに全部買えばいいんじゃないか?多分店ごと全部買えるぞ?


(浩介ナイスだよ〜!)

渚が小声で耳打ちしてきた。


「みんな何種類か買っておいてね、アメリカでも多分使うし」


「りょうか〜い!」



「アリサにそれは早いよ!こっちにしなよー!」


「えーでもお姉ちゃんだってビキニ選んでるじゃん!」


「聖奈はお姉ちゃんだもん!アリサはまだちっちゃいでしょー!」


「そんなことないよ〜!お姉ちゃんが高校生の時はこれくらい来てたでしょー?」

聖奈とアリサは姉妹喧嘩をしている。


「確かに聖奈が高1の時はビキニだったね」


「あれー?そうだっけー?聖奈覚えてないなー!」


「も〜、お姉ちゃんもやっぱりそうじゃん!」


「えへへ、忘れてたー!」


「せんぱ〜い!どんなのが好きですか〜?」


「え、んーっと」

これは難しい質問だな・・・彼女だったら好きなの答えるんだけど。

まだ彼女じゃないし、彼女の妹だしな・・・。


「悩むね、アリサちゃん可愛いからなんでも似合いそうだよね〜」


「じゃあ〜、布が多いのと少ないのどっちが好きですか〜?」

おっと、そうくるか・・・なかなか手強いな。


「可愛いのも上品なのでも、セクシーなのも全部好きだな〜。アリサちゃん可愛いからな〜」


「おぉ〜、なかなか手強いですね〜?」


「もー、あんまり浩介をいじめちゃだめだよー?聖奈が選ぶの手伝うからー!」


「しょうがないな〜、お姉ちゃんに手伝わせてあげるよ〜」

仲良いなぁ〜。


「お兄ちゃん、選び終わったよー!」


「お、他のみんなはどう?」


「私達も終わったよ〜!杏奈の分も私が選んだから〜、期待しててね〜!」

渚は輝くような笑顔だが、美咲と杏奈は少し浮かない顔をしている。


「聖奈達も大丈夫ー!」


「よし、じゃあ他にも少し買い物してから帰ろうか」


水着の会計を済ませ、食料などを買い込んで帰宅した。


愛美達は水着を買い終わった後に駅まで送って帰らせている。

制服を着た女子高生を、あまり長いこと連れ回すわけにもいかないしな。


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