第60話 東京旅行2

朝目を覚まし、移動の準備をする。この部屋とも今日でお別れだ。

いくら金を持っていても予約が取れないので、なかなか来れない。

金持ちってのは世の中には結構いるもんなんだな〜。


「みんなおはよ」


「「「「「おはよー!」」」」」

ラウンジに向かうとすでに全員揃っていた。


「今日はどうするのー?」


「まず築地に行って朝ごはん食べようか」


「わ、お魚ー!お腹すいたー!」


「今日もリムジン用意してる〜?」


「もちろん!今日1日貸切だからどこにでも行けるよ!」


「さっすが〜!」




「んー!おいしー!」


「お醤油が辛いね、美味しいけど」


「確かにー、杏奈よく気がついたねー!聖奈、言われるまで全然気がつかなかったー!」


美味いな、高いけど。観光地価格だからこんなもんかな?

九州と違って醤油が甘くないのも東京に来た感があっていい。


「このあとは、浅草に行こうか」


築地で朝食を取った後、リムジンで浅草に向かう。

移動中、都内の景色を楽しむが何か足りない気がする。


未来ではどこからでも見えるソカイツリーが見えない。

あれは確か2012年とかに開業だっけ?前世では展望台まで登ったことはなかった。


完成したら、一度くらいは行ってみるか・・・。


「おぉー、でっかい提灯だー!聖奈初めてきたー!」


「ね!写真撮ろうよ!記念に!」


「そうだね〜!」


まだ時間が早いからか、そこまで混雑しているということもない。

活気のある商店街で買い物をし、お寺で参拝をする。


(投資がうまくいきますように。彼女たちと仲良く過ごせますように。

杏奈と付き合えますように)


何度もお願いしていたら神様もなんとかしてくれるかもしれない・・・してくれたらいいな。



「次はどこ行くー?」


「アキバ行きたいんだけどいいかな?」


「いーよー!」


「やったー!聖奈ずっと行きたかったんだー!」


「よくわかんないから案内してね〜!」


俺も前世では1回くらいしか行ったことがない。

あんまり詳しくないんだけどなぁ。




「ご主人様〜、家でもメイド服着て萌え萌えきゅんってしてあげよっか〜?」


一通り楽しんで店を出た後、渚にからかわれた。

ニヤニヤしながら覗き込んでくる渚を、なにも言わずにスルーする。


「楽しかったねー!聖奈、渚にそれしてほしーなー!」


「あはは、今度ね〜!」

メイド喫茶ってのも楽しいな、こっちにまで言わせてくるのには閉口したが。


チェキも撮れたし。でも彼女たちの方が可愛かったかな?

将来メイドさん雇いたい、これだけ稼いでいたらできるよな。





アキバで漫画やアニメのDVDを買い込んだ後、銀座に向かいショッピングをする。


「遠慮しないでね。好きなもの選んでいいから!」


「ね〜浩介、私この腕時計欲しいな〜!一目惚れしちゃった〜!」


「渚はちょっと遠慮しなよー」

美咲は硬いなあ〜。


「大丈夫だよ、渚にはどうやってお金を消費するか相談してるくらいだからね」


「そ〜だよ〜、浩介すっごいんだよ〜? いつか私も浩介くらい稼いで、美咲達の分も含めてお返しするからね〜!」


「お、嬉しいこと言ってくれるね〜。ほら、杏奈たちも遠慮しないでね」


「でも私テファニーなんて初めてきたし、値段とかもちょっと・・・」


「杏奈はこのブレスレットとか似合いそう、ハートがついてて可愛いよ」

俺が選んであげた方が早そうだ。


「私も浩介に選んで欲しいなー」

こう言うところが美咲の可愛いところだ。


「美咲はそうだな〜、このピアスとか大人っぽくていいかも!」


「じゃあ、私それにするー!」


「俺のは美咲が選んでよ!」


「わかったー!」


「お兄ちゃん、私はー?」


「んー、彩華はこのピッチャー買ってあげよっか」


「なんでよ!アクセサリーがいい!」

なんでここでピッチャーとか売ってるんだろうか?しかもクッソ高いし。


「じゃあ、そろそろホテルに行こうか」


他にもいくつかのショップをはしごした後ホテルに向かう。

かかった費用は旅費よりちょっと安いくらいかな?


「りょうか〜い!全部案内してくれて、自分で考えなくていいから楽だったね〜」


観光ルートを考えるのは面倒くさかった。

次は誰かにやってもらいたい。





夕方、日が暮れてくる頃にホテルに到着する。


赤坂にある外資系ホテルだ。俺が泊まる部屋は、1泊で3桁万円飛んでいくとんでもない部屋だ。


「わー景色すごいよー!」


「ここにしてよかった、2人部屋しかないから、4部屋に別れちゃったけど」


「夜景綺麗だね」


「杏奈も気に入った?」


「うん、すごく。こんなすごい経験させてもらってありがとう。足りないかもだけど、今度は私が何かお返しするね」


「気にしないでね、また来ようね!」


「うん!」


「じゃあ、そろそろ私たちは部屋に戻るから、今日は愛美と2人で楽しんでね〜」


「もう、渚先輩!」


「渚、色々とありがとう」


渚は普段はあんまりそう見えないが、実は気を使ってくれる子だ。

買い物の時も、みんなが気を遣わないように率先してくれるし。


今も、中学生の愛美とはなかなか2人だけで夜を過ごせないことをわかってるのか、2人きりにしてくれたからな。


「いいってことよ〜」


今日は渚の言葉に甘えて、2人きりで寝ることにする。


4日目は渋谷や原宿あたりを観光して、5日目のお昼の便で九州に帰った。


十分に東京を満喫できたし、みんなで旅行に来るというのも楽しい。

大量に散財もできたし、経済にも貢献できたんじゃないかな?


お金を気にせずに楽しめるのは気持ちがいい。

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