第59話 東京旅行1

夏休み


今回は部活メンバー8人全員で4泊5日の東京旅行だ。ネズミーリゾートと、都内の観光地を廻る。


「私たちの分の旅費までありがとう」


「うん、杏奈と由依ちゃんとも旅行来たかったし、逆に来てくれて助かるよ」


「いいのいいの〜浩介は稼いでるんだから〜」


「渚はちょっと遠慮しなさいよー」


「美咲は真面目だね〜、浩介の稼ぎからしたら気にしなくてもいいと思うよ〜?」


「そうだね、全く懐は痛まないから気にしないで」


本当に気にしなくていい額だ。8人分の旅費で1600万くらいしかかかってない。


ネズミーシーの園内にあるホテルのスイート3部屋に2泊で200万ちょっと。

都内の外資系ホテルのスイート4室に2泊で1200万。

あとは飛行機代で90万と現地での食費や観光費くらいだ。


「え、これに乗るのー!?」


「そうそう、ホテルまで予約しておいたから」


「これリムジンってやつ〜?さっすが〜!」


「聖奈、初めて乗るよー!かっこいいー!」

ホテルまではリムジンを2台予約しておいた。


リムジンと聞くと高そうに聞こえるが、複数人で乗ると意外と安い。


1人あたり1万もかからない。今回は荷物もあるので2台用意したが、本来8人までは乗れるのでその半分ですむ。


シャンパンでも飲みたい気分になるが、残念なことにまだ高校生だ。

欲求を我慢しつつ、1時間ほどでネズミーのホテルに到着する。


「ここも半年ぶりだねー!」


「なんかもう久しぶりって感じもしないね〜!」


「お兄ちゃんチェックインは?」


「上のラウンジでするからこっちだよ」


ホテルに入ると、受付には向かわずに5階のラウンジに向かう。


初めての4人は不思議そうな顔をしながらついてきている。



「・・・それでは、ごゆっくりお過ごし下さい。それと、本日と明日のVIPツアーの予約を承っておりますが、変更等はございませんか?」


「はい、予約通りお願いします」


「ではお部屋までご案内いたします。ご予約のお時間にはこちらにおいで下さい」


無事チェックインも済ませ、部屋に向かう。



「えーなにこの部屋!すごーい!」


「こうすけ、ここ高いんじゃないの?」


「お兄ちゃんお金持ってるねー!」


「杏奈と由依ちゃんと彩華いもうとはこの部屋ね、一旦荷物おいたら俺たちの部屋おいで」


「こっちの部屋は、ジャンケンして3人決めて、もう一部屋は2人部屋だから」


「「「「はーい!」」」」


ジャンケンは渚が勝ち、2人で移動する。


「あれ〜こっちの部屋はいつもより広いよ〜?」


「今回は、一番いい部屋取れたからね、なかなか予約取れないんだよここ」


普通の3人部屋のスイート2部屋と、一番いいスイートの3部屋をとってある。


「へ〜!すご〜い!」

扉がノックされ、全員が部屋に集まった。


「わーなにこの部屋すごーい!」


「お兄さんずるいー、私もこっちの部屋がよかったー!」


「聖奈もー!」


「まあ、2日あるし交代でね、こっちでもう1人くらいは寝れるし」


「えーじゃあ私もこっちで寝るー!」


「彩華はダメ」


「なんでよー!」

それはまあ、色々とここでは話せない深〜い理由がある。


「そういえばツアーってなにー?」

美咲が受付で話していたツアーについて質問してきた。


「VIPツアーって言って、ガイドさんがついて、アトラクションとか並ばずに乗れるんだよ。ショーとかも座席用意してあって、すごく便利なんだ」


「そんなのあるんだー!」


「それいくらしたの〜?」


「6時間で30万くらいかな」


「え、たっかいね!聖奈そんなのあるって知らなかったー」


「1時間後から予約してあるから少しゆっくりしてから行こっか!」


「「「「「「「はーい!」」」」」」」





「アトラクションは全部乗れたね!楽しかった!」


「ふ〜疲れたね〜!」


「ショーも綺麗に見れたねー!」


「お兄さんのおかげだね!」


「あんなに人がいたのに全部乗れたね」


「こんなにスムーズなの初めてかも!」


「お兄ちゃんありがとう!」


園内を廻り終えて夕方には部屋に戻ってきた。

この後の夜のショーはルームサービスで頼んだ夕食を食べながら部屋から見ることになっている。


「なんで2人しか泊まれない部屋に8人座れるテーブルがあるんだろうねー?」


「俺たちみたいな人のためじゃない?」


「あ、そっかー!でもすごいねーここー!」


聖奈は素直でかわいいなあ。

夜のショーも終わり、その日は渚と愛美の3人で川の字になって寝た。



「2人ともおはよ」


「おはよ〜!昨日は楽しかったね〜!」

なぜか渚のお肌がツヤツヤしているように見える。


「・・・浩介先輩、渚先輩、おはよ」


なぜか愛美は少し頬が赤く、照れているように見える。


「ちょっと寝不足かもだけど、約束の時間までもうすぐだからシャワー浴びて準備しよっか、無理はしなくていいからね?」


「うん!大丈夫!」

今日はネズミーランドでガイドを利用して廻る。


世間も夏休みで凄い人だかりで、人気アトラクションなんかは2時間待ちが当たり前の中、俺たちは待ち時間なしにアトラクションに乗れるのは優越感がすごい。


ネズミーは夢の国というが、現金と言うか、資本主義の権化という感じだな。


夜には部屋に戻り、美咲と聖奈と3人で寝た。


明日からは、都内のホテルに泊まって、東京観光になる。

前世でも泊まったことの無いホテルでこことは桁違いに値段が高い。

楽しみだ。

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