高校生編
第44話 高校入学
春休みが終わり今日から高校生になる。
・・・と言っても、内部進学なので入学式などがあるわけでもなく、いつも通りの始業式があるだけだ。
「お、スカーフの色変わったね」
「高校生になったからね!」
制服自体は変わらないが、セーラー服のスカーフの色が白から赤に変わる。
「どう?可愛いでしょ〜?」
「そーだねー、2人は何着ても似合うよ!」
スカーフでそんな変わらないだろ、と思いながらも肯定しておく。
「お兄ちゃん、今日も2人と仲良いね〜」
「お兄さん!私はー?」
「愛美ちゃんも似合ってるよ!」
今年から中学生になる妹と、その友達の愛美ちゃんは無事同じ中学に合格し、一緒に登校することになっている。
「やったー!お兄さんと同じ学校行けてよかったー!」
愛美ちゃんはちっちゃくてかわいい、制服姿が新鮮だ。将来的にはぜひ仲良くしたい。
クラスに着くと杏奈ちゃんがいた。
恐れていたことが起きた。今年のクラス替えでは、美咲や渚、聖奈とは別のクラスになってしまった。同じ部活のメンバーは杏奈ちゃんだけ。
・・・逆にいうとチャンスでもあるか。
「こうすけくん今年は寂しいね」
「ねー、3人ともクラス別れたし、由依ちゃんもいないしね〜」
「放課後はもっとみんなで遊びにいかないとね」
「ね!杏奈ちゃん2人組の時とか助けてね〜」
「うん、私からもお願い」
今年のうちに杏奈ちゃんと深い仲になっておきたい。
「今年は寂し〜ね〜」
お昼ご飯は部活の6人で一緒に食堂でとっている。
「渚は浩介と離れて寂しそうにしてたよー?」
「もう、それは言わなくていいのー!美咲の方が寂しそうだったでしょー?」
美咲と渚は同じクラスだ。
「聖奈もー!さーびーしーいー!」
「私も浩介と一緒がよかった〜!」
「俺も寂しい、家でその分イチャイチャしようね!」
「もう!こんなとこで・・・」
「4人ともほんと仲良いね」
杏奈ちゃんが少し呆れたような顔をしてこっちをみてくる。
ゲームだったら、好感度の下がった音がしそうだ。
「あはは、そういえば、宿泊研修どうしよっか」
急いで話を逸らすことにする。
「班ごとに自由行動でしょー?時間が合えば、合同で行かない?」
「いいね〜!美咲、ナイスアイディア!」
「聖奈もそれがいー!」
「じゃあ、そうしよう!」
今年の宿泊研修は、新入生との交流企画と、自由行動で行動する時間がある。
「杏奈たちもそれでいーい?」
「「いいよー」」
家に帰ると、妹と愛美ちゃんが先に帰ってきていたようで、妹の部屋からはしゃぐ声が聞こえてくる。
「ただいまー」
「あ、お兄ちゃんおかえりー」
部屋にも声が聞こえたようで、リビングに降りてきた。
「お兄さんおかえりー!あ、もう先輩って読んだ方がいいですよね〜先輩?」
愛美ちゃんは、ソファーの隣に座りながら声をかけてくる。
ありだな・・・いや、お兄さんも捨てがたい。いやでも先輩も・・・
「お兄ちゃん何悩んでるの?」
「いや、学校では先輩の方がいいかもしれないけど、家では今まで通りでいいよ!」
二者択一はしない。両方をとる。
「わかったー!じゃあ、ここではお兄さんだね!」
「勉強とか、わからないことあったら聞いていいからね」
「はーい!」
さて、どう仲良くなろうか・・・
「愛美ちゃん、学校はどうだった?楽しかった?」
「うん!もう愛華の他にも友達ができたよー!」
「もう入る部活とか決めた?」
「まだー、お兄さんって部活入ってるの?」
「一応入ってるよー、美咲達と一緒に自分たちだけで作ったからね!」
「えー、いーなー!何する部活?」
「んー、6人で作ったんだけど、一緒に遊んだりするだけかなー」
「愛美も入りたーい!愛華も、ね!」
「えー私もー?まあ、いいけどー」
「そっかー、じゃあ他のメンバーにも聞いてみるよ!」
「やったー!絶対ね!」
後輩部員ゲット!後輩の女の子っていい響きだな。他の5人も拒否はしないだろう。
あ、ちなみに身長は平均を超えていた。全部順調だ。
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藤堂愛美とうどうあみ
今年中学1年生で、3つ下の妹の友達。
ツインテール
主人公のことを、学校では先輩、それ以外ではお兄さんと呼ぶ。
基本的にはタメ口。
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