第43話 日常4

「ねー、私のことはいつから好きだったのー?」


「どうしたの?急だね?」

昼、美咲の部屋でだらだらと過ごしている。


この部屋には何度もきているが、実に女の子らしい。ベッドは可愛らしいデザインで、ぬいぐるみがいくつか乗っていて抱き枕もある。机の上には写真立てがあり、俺とのツーショットや、4人でとった写真が飾られている。


床にはピンク色のマットと、ローテーブルがあり、今は2人で床に座ってお菓子を食べている。


「聖奈に聞いたんだー!塾の合宿の時から好きだったんでしょー?私はどうだったのかなって」


「そうそう! 美咲のことはね、小5の時に委員会で一緒になってからかな」


「へ〜!」


「小5の時は恥ずかしくて何もできなかったんだけどね。受験するって決まってからは、離れたくないなって思って、積極的にアピールすることにしたんだ〜」


「そうなんだ!?」


「美咲が大人っぽい人が好きって言ってたから、自分も大人になろうと思って」


「だから急に大人っぽくなったのか〜、浩介が小5の時は友達と走り回ってたのに、急にあんまりやらなくなったもんね!」


「あの時はもう美咲のことしか見てなかったからね、友達ともあんまり遊ばなくなっちゃった。美咲は、先生が好きとか言ってたよね〜」


「恥ずかしい、言ってたね〜・・・あれは恋愛感情とかじゃなかったからね?周りの男の子がすごく幼く見えちゃっただけで!」


「分かってるよ、今は誰が好き?」


「浩介が好き!」

未だにこういう事を言う時には、少し頬が赤くなる美咲は可愛い。


「美咲はいつ俺のこと好きになったの?」


「んーっとねー、最初に意識したのは、浩介に告白されてからかな〜、それまでは子供っぽかったし。でもすぐに大人っぽくなって、優しくしてくれたでしょ?それに渚にも浩介のことおすすめされてー」


ちゃんと渚は約束守ってたんだな。


「それで好きかもって思ってオッケーしたかな〜! でもちゃんと恋愛として好きって思ったのは、中学に入ってからかも!」


「そうだったんだ?」


「小学生の時は流石にねー?真剣に考えてはなかったかも、その、そういうことをするとかも考えてなかったし」


「へぇ〜、今は考えてるんだー?」


「もう!そう言うことじゃないでしょー?でも今だからわかるけど、浩介中2の夏まで我慢してくれてたんだよね?」


「そうだね〜、初めてのことだから、美咲に嫌われないようにね。・・・でも今は我慢しなくても良いでしょ?」


「もー・・・今はうちに親いないから・・・ね」





「杏奈ー、今度はこっちのゲームしようよー」


「いいよ、こっちでも美咲には負けないから!」

春休み中、6人でゲームセンターにきている。


「もー浩介〜!手加減してよー」


「聖奈に優しくしてあげなよ〜」


「これでも手加減してるんだけどな〜、そういう渚もさっき聖奈に勝ってたじゃん」


「それは聖奈が弱すぎるだけ〜」


「えー、由依ー2人がいじめてくるー!」


「はいはい、聖奈こっちであそぼっか」


「プリクラ撮り行こ〜?」

俺と渚は取り残されたので、2人でプリクラを取りに行くことにした。




「ほら〜、浩介もっとくっついて〜」


「こう?」


「もっと〜!ほら、ちゅーは?」



「あー!2人だけでずるいー!」


渚といちゃいちゃしながらプリクラを撮っていると、美咲が嗅ぎ付けてきたようだ。


「ほら、美咲も一緒にとろっか」


「もー!次は、私と2人で撮ってー!」

3人で撮った後、美咲と2人、後できた聖奈や杏奈ちゃん達とも一緒に撮った。



「明日は始業式だねー」


「もう高校生だよ〜」


「新しく新入生も来るんだよねー?聖奈楽しみー!」


大体200人ほど高校から入学する生徒がいる。1年の時は、一貫組の進度に合わせるために同じクラスになることはなく、2年から混ざることになる。


「宿泊研修も楽しみだね」


「ねー!」

高校に入学すれば、4人だけで色んなところに旅行や遊びに行けるし、自由度が増えるのが楽しみだ。


4人で温泉とかにも行きたいし、海も行きたいし、観光にも行きたいし、今まで中学生ではできなかったことができる。


高校、楽しみだな〜!


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