第42話 (2009年2月6日)大量購入

「「「「あけおめ〜!」」」


「あけおめ!今年もよろしく!」


「よろしくー!」


「今年は家でまったりだねー!」


「私の親もいないしね〜」

元日、渚の家で4人集まって新年会をしている。渚の親は実家に帰っていて今はいない。


「中学ももあと3ヶ月くらいだねー!」


「中学生活、終わってみれば早かったね」


「春から高校生か〜、聖奈は高校生に見えないよね〜?」


「渚ひどーい!見えるよ〜、すぐ伸びるもん!」


「聖奈はちっちゃくて可愛いからね〜、そのままでいてね〜」


年末は時間が過ぎるのが早かった。クリスマスイブは今年も4人でパーティーしたし、次の日、15歳の誕生日もお祝いしてもらった。パーティーでは、3人にサンタのコスプレをしてもらったからか、すごく盛り上がった。色々な意味で。


「浩介〜、渚が虐めてくるー!」


「聖奈が可愛いからついいじめたくなっちゃうんだよ〜。ほら、渚もほどほどにな?こっちおいで?」


「は〜い、美咲も!ほら、こっち!」

4人でイチャイチャするのは楽しい。




2009年2月6日


11月に購入したモルカン・スタンリー株を売却する。もう十分に値上がりしただろう。


9.4ドルで買った株が、23.9ドルで売れたので、口座残高は合計13億9130万円になった。

もう億単位の金にもなれてきた。もう父親に残りの借金を全額返済するか、返済面倒だし。


2008年分の利益額が、4億8990万円だったので4900万円弱を納税しなければならない。

株式譲渡益(利益)に対する10%の軽減税率は今回までで、2009年分からは軽減税率がなくなり、20%の税率になる。

今でもあまり払いたいものではないが、来年から倍に増えるのはなかなかきつい。



「お父さん、借金のことなんだけど、もう全額返済しても大丈夫?」

仕事帰り、リビングでくつろいでいた父に借金のことについて話に行く。


「あぁ、いいぞ。報告見てるともう必要ないだろうしな。いつもの口座に送金しておいてくれ」


「分かった!明日にでも送金手続きするよ!」


「しかしよくここまで増やしたな。モルカン・スタンリーに投資したって報告を聞いた時は驚いたが、まあよくやった」


「でしょ?ちゃんと調べてたからね!」


「あの時、なんであの会社に投資するのかを説明できなかったらすぐにでも投資を辞めさせるところだったよ」

危ないところだったのか。怒られそうな雰囲気を感じたので、なんとか弁明していた。


「これからは報告の必要はないが、これだけは守りなさい。投機はするな。投資をしなさい」


「分かってる、ギャンブルはするつもりはないよ」

・・・ギャンブルはね。


「それならいい」


側から見れば、確かにあの時のモルカン・スタンリー株の買いは投機・・・ギャンブル的に見えただろうな。実際四菱が出資してからすぐ売ったので、長期的に資金を投入する投資、ではなく投機だったんだけど。俺にとっては、未来を知っていたから、少なくともギャンブルではなかった。


借金の返済と納税分、それに自分の銀行口座への送金1500万円を引いて、証券口座残高は13億2070万円になった。


これだけ銀行口座にお金があれば、デートや旅行には当分困らないだろう。




中学時代最後の期末試験も終わり、春休みになる。


俺と美咲と渚は去年と順位は変わらないが、聖奈の期末試験の結果は勉強会をした甲斐があったのか、少し上がって90位くらいだった。前は真ん中より少し下だったので、まあほんの少しだが。





3月12日


この日までに口座にある資金を使い、複数企業の株式を購入した。


1つ目は、ユナイテッド・インターナショナル・グループ、通称UIGという保険会社だ。


この会社はサブプライムローン問題で、アメリカ史上最大、約9兆円もの損失を抱え、政府の管理下におかれている。政府の管理下とは言っても株式の2割は市場で取引されている。


この会社の株価は、3月5日に0.35ドルにまで下がった後停滞していたので9日から今日、12日にかけて複数回に分けて買い注文を出している。


平均取得額は0.4ドル、合計700万株を2億7550万円で購入。



2つ目は、タウングループだ。アメリカ4大銀行の一つで、ここも莫大な赤字を抱え、米政府の出資を受ける立場になっている。


1株あたり1.1ドルで、500万株、5億4200万円で購入。



3つ目は、ネットフレックス。この会社はインターネット関係の企業というだけあってほとんど大暴落の影響を受けていない。ただ、ここは未来では時価総額ランキングにも載るような成長をしているが、この時代超格安で売られている。今の時代に買えるならば、買っておきたい会社の一つだ。


ネットフレックス株を38ドルで8万株、3億円で購入。



4つ目は、りんごのマークの会社。この企業も影響は少なかったが、株価が多少下がっていたのと、今後確実に上がるので購入する。


1株あたり88.4ドルで、2万3000株を、2億100万円で購入。


以上の4つの株式を取得するのに総額13億1850万円かかった。複数企業の株式を購入するのは、リスクヘッジ(リスク回避)のためで、もしも史実通りにならなかった場合に備えてのことだ。


我ながら現実感がない金額で驚いている。注文時は夢中だったが、終わって見ると手が震えてくる。


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モルカン・スタンリー→○ルガン・ス○ンレー

UIG→A○G

タウングループ→シテ○グループ

ネットフレックス→ネッ○フリックス

りんごのマークの会社→アップ○

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