第34話 聖奈
「美咲はどこか行きたいところある?」
「んー、映画みに行きたいなー!」
今日は美咲と2人だけでデートをする。いつもは3人一緒だがたまにはこういうのもいいだろう。
美咲は、コートの下にニットのセーターとレザー生地のミニスカートで、足元は厚手のストッキングにブーツを履いている。大人っぽい格好だ。ちゃんとこの前買ったバッグも持っているところが可愛い。
美咲が見たいと言っていた、先月公開されたばかりのケータイ小説が原作の恋愛映画をみにいく。
なんか中学生らしいデートもいいな、前世では経験できなかった。
「はぁ〜、泣いちゃった〜!悲しいお話だったね〜」
映画を見ている最中隣でずっと泣いていた。あまり俺には合わなかったが、まあ美咲が楽しかったんならいいだろう。
「私たちはずっと一緒にいれたらいいね〜!」
「そうだね!そのために俺もお金稼いでるし!」
「あんまり無駄遣いしちゃダメだよ?私、何ももらわなくても浩介の事好きだからねー」
「ありがとう、でも無駄遣いはしてないよ!あれの何倍も稼いでるし、美咲にもっと喜んでもらいたいだけだからね」
「ありがとう!・・・ねー浩介、女の子悲しませちゃダメだよ?」
「ん?なんのこと?」
・・・聖奈のこと言ってるのか?渚に聞いたのかな?
「ううん、なんでもない!この後ボーリング行こうよ!」
デートは夕方まで遊んで帰った。
「渚はどこ行きたい?」
「ショッピング!あと美味しいもの食べたーい!」
次の日は渚とのデートに行く。
渚は、ピンク色のパーカーに白いフレアスカートを着ている。
「寒くない?」
「んー?こーすればあったかいでしょー?」
そう言ってピッタリくっついてくる。こういう事を自然にできるのが渚のすごいところだ。でもこういうあざといところも可愛い。
「ねー、これほしー!」
「お、可愛いじゃん、いいね」
「でしょー?後これも!これもかわいい!」
若者向けの店が並ぶ施設で服を選んでいる。色々なものを手に取り、俺のところに持ってきているが、こいつ全部買わせる気か・・・まあ安いからいいけど。
「ふぅ、満足したー!ありがとー!」
「満足したならよかった、ご飯にしよっか!」
お昼ご飯を食べ、電車に乗って渚の家へ向かう。
「美咲とねー、少し話したんだけどさー」
「・・・聖奈のこと?」
「そう、私たちが付き合ってること言ってないから、私たちのせいだねって」
昨日美咲が言ってたのはやっぱりそのことか。
「美咲はね、聖奈のこと友達として好きだし、悲しませたくないって。浩介がいいなら聖奈とも付き合ってあげて欲しいって」
え、そんなんでいいのか?普通嫌だろ?いいのなら付き合うけども。
「俺が渚と美咲以外の女の子と付き合うの嫌じゃないの?」
「そこは、あんまり気にしてなさそうだったかなー。もうすでに私がいるし、他に付き合った経験ないから、複数人で付き合うのが当たり前になってるのかも、大体私のせいだねー」
「渚は悪くないよ。悪いのは俺だから」
「ううん、ちゃんとわかってるから!聖奈と話してみて!好きなんでしょ?どうなっても受け入れるから!」
実際渚はちょっとしか悪くないと思うが。罪悪感を感じているのは、かわいそうだけど正直助かった。ハーレム拡大できそうだ。
「来週美咲と渚がデートに行く日に聖奈誘ってみようかな」
「うん、そうしてみて!じゃー、この話終わり!私の家でイチャイチャしよー?」
この後渚の家でめちゃくちゃ遊んだ。
「聖奈行きたいところとかある?」
「んー、水族館行きたい!」
次の週、渚と美咲はデートをしている。3人の関係は俺に彼女が2人いるというよりかは、3人がそれぞれと付き合っていると言った方が正しいだろう。
その2人がデートをしている間に俺は聖奈を誘って遊びに来ている。
聖奈はもこもこのコートを着ていて暖かそうだ。細く長い足にスキニージーンズが似合っている。
「きれー!すごいねー!」
夏と違い、冬のこの水族館は光の演出があり、より綺麗に見える。
「そうだねー、みてあっちのクラゲもすごいよ!」
「あのね、こうすけ」
一通り見たところで聖奈が改まって話しかけてきた。
「ん?」
「聖奈ね、こうすけの事好き。もしよかったら付き合って欲しい・・・です」
「嬉しい・・・俺も聖奈のことは好き。でも俺、美咲と渚と両方と付き合ってるんだ」
「・・・え、どっちも!?てっきり渚か美咲のどっちかと付き合ってるのかとおもってた!あの2人は知ってるの?」
両方と付き合ってるのは知らなかったが、付き合ってること自体は知ってたか。
「知ってるよ、美咲と付き合い始めたときに、渚も一緒にいたいって言ってきてそうなったから」
「そうなんだ・・・多分、どっちかと付き合ってると思ってたから、後悔しないようにダメ元で告白したけど・・・」
「嫌いになった?」
「ううん、2人とも納得してるんでしょ?なら問題ないし。・・・それって聖奈もその中に入っちゃだめ・・・かな?」
「俺は聖奈のこと好きだし、あの2人も聖奈の気持ち知ってて今日送り出してくれたから。聖奈がそれでいいなら付き合いたい」
「ほんとに!?あの2人おっけーしてくれたの!?ていうか、バレてたんだ!?」
「うん、渚が気がついてね」
「恥ずかしいー!でも・・・そういうことなら・・・これからよろしくね?」
「よろしく!」
こうしてハーレムに聖奈も加わることになった。
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