第26話 (2007年2月1日)年末年始
12月24日クリスマスイブ
文化祭も終わり、季節が変わりずっと寒い日が続いている。
今日は朝からに部活の6人で街に出て遊びにきた。
「わ、負けた〜!渚強いねー!」
「美咲が弱いだけだと思うよ〜」
「え、ひどーい!」
「杏奈ちゃんやっぱリズム感覚いいね!」
「こうすけくんも上手いじゃん」
太鼓を叩くゲームをしている。杏奈ちゃんは運動神経は悪いが、これは結構うまい。
「プリクラ撮ろうよー!」
「どんなポーズにするー?」
「聖奈ほら、ハグ!」
「ちょっと、渚ちゃん!もうー!しょうがないなー」
渚が聖奈にセクハラをしている。
「聖奈はかわいいねえ〜」
「ほら、みんなくっついてー!」
5人分の女の子の香りが心地いい。
次の日、渚の家で3人だけでクリスマスパーティーをする。
「「「メリークリスマース!」」」
「はいこれ、2人から誕生日プレゼント!誕生日おめでとう!」
「え、ありがとう!なんだろう?」
転生後2度目の誕生日を迎える。13歳になった、まだ18歳になるまで5年もかかることに少し悲しくなる・・・
「選ぶの時間かかったんだー!開けてみて!」
開けてみるとパスケースが入っていた。
「毎日使えるものがいいと思って!」
「嬉しい!ほんとにありがとう、大事にするね!」
「ケーキ食べよー?」
「ちょっと待って、俺からも2人にクリスマスプレゼントあるんだ〜」
ちゃんと用意してある。
「あけていー?」
「え、指輪?いいの!?」
「あ、だからこの前指に輪っかつけてきたんだー、こうすけやるねー!」
事前にサイズを測らせてもらっていた。
「そう、普段使えるくらいのやつだけど、3人お揃いのペアリング・・・というかデュオ?リング!」
3人分で10万くらいかかったが、若い子に人気のブランドものだ。
「2人とも好きだよ」
「ありがとう!こんなのもらっていいのー?私も、好き!」
ちょっと照れながら美咲も好きと言ってくれる。
「おー、このブランド普通に高いやつじゃない?ありがとー!私もすきー!
渚もなんか言い方が雑だが喜んでくれて何よりだ。
「聞いていいかわかんないけど、こうすけってお小遣いいくら貰ってるのー?」
んー、そろそろ言ってもいいか。なんとなく引かれると思って内緒にしてただけだし。
「お小遣いじゃなくて、自分で稼いで買ったんだー。株に投資をしてて、そこそこ稼げてるんだ」
「え、そうなの!?よくわかんないけどすごーい!」
「へー!いくら稼いでんのー?」
「それは、秘密!また今度ね!」
「えーケチー」
「さ、ケーキ食べよっか」
年が明け2007年元日、3人揃って初詣に行く。
・・・投資がうまく行きますように!お金持ちになれますように!彼女がたくさん増えてハーレムを作れますように!
「美咲は何お願いした?」
「えー、3人でずっと仲良くできますようにって!渚は?」
いい子だ・・・
「んー、美味しいもの食べたいっていうのとー、女の子にセクハラしても怒られませんようにって!こうすけはー?」
俺とそんなに変わんないな・・・
「んー秘密!」
・・・あんな欲だらけのお願い事は言えない。
「え、ずるい!」
「せこい男はモテないぞー?」
「俺も美咲と一緒だよ!」
嘘だけど。
「ほんとにー?」
渚には疑われたが、美咲は素直に信じてくれた。美咲はいい子だ。
2月1日
納税のためにりんご株のうち50株を売却する。
この時代、株式譲渡益に対する課税は軽減税率が適用されたったの10%で済む。
2006年中に得た利益はハイボウズ株とジッセント株の半分で、取得するのにかかった費用を引いて約671万円。納税額は大体67万円だ。
りんご株売却で手に入った51万円と、証券口座に残っている22万円合わせて73万円から支払う。
現在保有している資産は、
ジッセント株9万株、りんご株500株、運天堂株400株と、銀行口座と証券口座に入っているそれぞれ20万円と、6万円だ。
税率が低くて助かった。あまり保有している株は売りたくないしな。
『・・・総理が設置した教育・・・会議は・・・第1次報告を内閣に提出しゆとり教育の・・・』
リビングに戻り、テレビを見ていると懐かしい顔が見えた。
あー、そういえば1回目の政権はこの時期だったか。あまりテレビを見ていなかったので忘れていた。前世ではすでに2回目の内閣をやめた後だったが自分の人生の中でも一番長く首相を務めていただけに、総理といえばこの人、という印象が強い。
2012年の2度目の政権奪還時には日経平均株価も急上昇し、為替相場も急変する。
今の俺にとってはありがたい存在だ。
今回は1年でやめてしまうが、「2回目はお世話になります!」と心の中で拝んでおいた。
このあと首相はころころと変わり、政権交代時には大きな災害もある。日本にとってはあまり良くない時代だが、未来を知っていても今の俺じゃどうしようもない。
少しだけお金に余裕のある中学生でしかないからな・・・
この先の日本の未来を思い出し少し暗い気持ちになった。
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