十三 第三の闇
-銃を持った金形が現れる。
金 形「いやぁ、さすがに驚きました。まさか死人の身体まで操ることができると
は。刀を手放す以外に方法はないようですね」
沖 田「金形君…?」
金 形「金形?…ああ、そういえば皆さんにはそう名乗ってましたね」
-沖田と糸泉の背後から、銃を持った鈴木と田中が現れる。
鈴&田『手を上げろ!!』
-抵抗できず、武器を捨て手を挙げる糸泉と沖田。
金 形「おやおや。意外とあっさりでしたね」
糸 泉「驚いたね。気づかなかったよ」
沖 田「なるほど。お前さんたちが、もうひとつの組織じゃった訳か。よりにもよっ
て警察とはのう」
糸 泉「近頃の警察は殺しもするのかい?」
金 形「ええ。この国の平和の為にね。特に、この眠らない街は犯罪だらけです」
鈴 木「我々は、警視庁の中でも極秘中の極秘組織。警視庁暗殺課の者です」
田 中「我々暗殺課の刑事は日々、この国の平和の為に、あなた方のような危険極ま
りない犯罪者を殺し続けているのです」
糸 泉「あたし達と同じ殺し屋のくせに、ヒーロー気取りかい?」
鈴 木「その通り。我々暗殺課こそ、この国の平和を守る真のヒーローなのです」
田 中「どうです?最高のクライマックスでしょう」
糸 泉「狂ってるんじゃいかい?あんたら」
金 形「そうかもしれないですね。何せ、伝説の殺し屋沖田掃除郎を仕留めような
ど、まともな人間なら考えもしません。いろいろと仕込みに苦労しま
したよ」
沖 田「…登美子ちゃんに、横丁の人間を殺させたのも貴様らか」
金 形「ええ。戦力を削ぎ、身内への疑念を植え付ける一石二鳥の手ですよ」
沖 田「あの子は無関係のはずじゃ!」
金 形「そうは言い切れないでしょう。何せ殺し屋の娘ですから。皆さんを始末した
後も、うちの刺客として役立ってもらいますよ。こんな
な部下には持たせられませんからね」
糸 泉「最低だね」
沖 田「この外道が」
金 形「ははは。そんなに褒めないでくださいよ」
-上機嫌に口笛を吹く金形。
鈴 木「外山刑事。口笛ふくのもいいですが、そろそろ…」
金 形「鈴木くん」
鈴 木「す、すいません」
沖 田「今のがお主の本当の名か。殺す前に知れて良かったわい」
金 形「おや?この状況でまだそんな事を?」
沖 田「一流は死んだ後も諦めたりはせん。それに、わしらの他にもまだ動ける者が
いるかもしれんぞ」
糸 泉「!」
-沖田の意図に気づく糸泉。
金 形「一流がハッタリですか?もうおしまいですよ。…では、さようなら」
糸 泉「はい!」
-糸泉と沖田が伏せると同時に、ザンが再び傀儡となって甦る。
-気を取られる鈴木と田中。
-ザンは、銃弾を受けながらも田中に襲い掛かり殺害。田中絶命。
-沖田は、地面に捨てていた
-糸泉は隠し持っていた暗器を出し、金形を貫いた。
-苦しみながら倒れる金形。
金 形「そ、そんな、…俺が死ぬなんて。ありえない、絶対に…」
糸 泉「この世に絶対なんてないんだよ」
沖 田「金形…いや、外山君。背後を取った時にとっとと撃てば良かったんじゃ。優
位をいい事にべらべらとのたまうお主は所詮、二流の雑魚じゃよ」
金 形「お、俺が雑魚だと、くそぅ…、俺は、正義だ。正義の…」
-金形絶命。
沖 田「…殺しに、正義もクソもないんじゃよ」
-暗転する舞台。
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